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開店おめでとう! … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

昨年の夏ごろ、メッセージボード(掲示板)に「自分でもつ焼きの専門店をはじめようと思っています」という書き込みをいただいた“ばけつさん”のお店が、いよいよ昨日(2004/01/30)オープンしたそうなのです。店は、西武新宿線・野方駅のすぐ近くだということで、私もさっそく出かけてみることにいたしました。

「やきとん 秋元屋」という看板も新しい店の前に到着したのは午後5時20分。開店時刻は午後5時なので、すでに20分ぐらいが経過しています。店はガラスの引き戸3枚が並んだ入口で、どの引き戸も開けることができそうです。真ん中の引き戸から「こんばんは」と店内に入ります。

こちらを向いて「いらっしゃいませ」と声をかけてくれたのは、ばけつさん改め秋元屋の店主の秋元さんです。「あっ!」と店主も気づいてくれて、「どうもおめでとうございます」とあいさつをしながら、店内へと進みます。

店内はコの字カウンターのみのシンプルな造りで、コの字の下側が入口になっています。各辺に、それぞれ5~6人ずつぐらい座れるようになっていて、先客は、コの字の下の辺に男女の2人連れ、右の辺の下側あたりに男性のひとり客です。焼き台や煮込み鍋は右の辺のすぐ内側にありますので、私もその右の辺の上側あたりに座らせていただきましょうか。

カウンターの中で店主のそばにいる女性は、店主の奥さんかな。この2人で切り盛りしていくようです。まずはビールをもらいましょうか。「サッポロラガー、置いてますよ」と店主。や。それはありがたいですねぇ。さっそくサッポロラガーの大瓶(480円)をもらいます。

自慢のもつ焼き(=やきとん)は、じっくりといただくとして、まずは煮込みかな。玉子入りの方(380円)にしてください。

「煮込みは、まだ味が浅いんですけどね」と言いながら、煮込み鍋から小鉢によそってくれます。なにしろ、昨日オープンしたばかりですからねぇ。

煮込みをつついて、ビールを飲みながら、店内を見渡します。もともと、カラオケなんかもある小料理屋さんだったものを、内装は完全にやり直したのだそうです。カウンターや壁なんかも、まだピッカピカの新品です。

しかし、メニューは先ほどのビール大瓶 480円もしかりですが、やきとん(レバー、ハツ、タン、ナンコツ、シロ、テッポウ、カシラなど)が2本1セットで180円(つまり1本90円)、焼酎が240円(湯割りなどは280円)、日本酒も280円と、古くから続く大衆酒場の価格構成と似たようなラインナップになっています。やきとん以外のメニューも、冷奴や、ポテトサラダ、お新香などなどの、いわゆる大衆酒場メニューが200円台を中心にずらりと並んでいます。これは店主の志(こころざし)を感じますねぇ。

「呑んべ好みするメニューが多いですねぇ」と声をかけると、「いや、ちょっと欲張りすぎたかもしれませんね」と謙遜していますが、他のお客さんもウムウムとうなずいています。

やきとんにはサービスメニューで、「6本で500円」というセットがありますので、これをもらってみましょうか。本当は、店におまかせの6本なのかもしれないのですが、店主が「好きなのをどうぞ」と言ってくれたので、レバー、タン、ナンコツ、シロ、テッポウ、カシラを1本ずつと、各種を取りそろえてみました。焼き方はおまかせにしますが、おすすめの味噌ダレは絶対に何本か入れてね。

この味噌ダレのやきとんは、東松山(埼玉県)あたりの特徴的な味らしいのです。都内にも何軒かはあるようですね。ここの店主は、ある店の味噌ダレに惚れこんで、そこで修業をさせてもらったのだそうです。

味噌ダレというから、何か味噌のかたまりのようなものでも塗ったくるのかな、なんて思いながら見ていると、あにはからんや、普通の醤油ダレと同じようなタレの壷にトプンとつけて焼いています。なるほどなぁ。液体風になった味噌ダレなんでしょうね、きっと。

「もつ焼きが好きな人は、やっぱり塩焼きなんでしょうけどね。ま、試してみてください」と、お皿に入れてくれます。「最初だから」と、味噌ダレで焼いてくれたのはシロとテッポウの2品です。ど~れどれ。

ほぉ。これはピリッと味もしまっていい感じですねぇ。

醤油ベースのタレを使っている店だと、ときどき甘ったるい感じの味になってしまう店があるのですが、この味噌ダレは、味も香りもしっかりとしています。たしかに、シロやテッポウにも抜群に合いますが、タンやカシラもうまいかもね。これはいいや。

じゃ、飲みものは、キンミヤをお願いします。キンミヤは、甲種焼酎のブランドのひとつで、もともと東京下町の大衆酒場でよく飲まれていたこともあって、このところちょっとした有名ブランドになっているものなのです。この店でも、普通の焼酎が240円なのに対して、キンミヤは270円と、プレミア価格になってますからねぇ。

「キンミヤ。はじめて出ました」と店主。ポンッと新しい一升瓶の封が切られます。

それにしても、コの字型のカウンターというのがいいですねぇ。「居酒屋兆治風の空間にひかれまして」と店主。

6時が近くなって、お客さんも増えてきました。すでに店内は8割方ぐらいの客の入りになっています。新しい店ができたのを見て訪れたご近所の人や、この界隈の呑んべのみなさんたちです。この界隈の呑んべのみなさんたちは、店主が店を開く前から知っているようで、もうすっかり顔なじみといった感じです。その中には、都立家政の「魚がし寿司」の常連さんや、高円寺の「バクダン」のお客さんもいらっしゃるようです。

じゃ、キンミヤ(270円)をおかわりして、お新香(220円)をもらいましょうか。

お新香は、自家製のキュウリのぬか漬け。タッパーで簡単に漬けているように見えるのに、実にいい味が出ています。

そうそう。お酒や焼酎には、いわゆる地酒や、今はやりの地焼酎(っていうのかなぁ?)もありますが、店主が、「単価をなるべくおさえたい」という方針であるため、たとえば地酒も本醸造を中心とした品ぞろえで、1杯480円ぐらいの価格設定になっています。

お客さんが多くなったので、焼き台にはずらりとやきとんが並んでいる状態。目の前のお客さんからは「もっと幅の広い焼き台にすればよかったのに」と声がかかりますが、店主は「いやいや。この幅が、いまの私が焼ける精一杯なんです。これより広いと焼きムラが出たりするんです」と、1本1本をきっちりと焼き上げていきます。

いやぁ、しかし、こういう昔の大衆酒場のポリシーをもった新しい居酒屋の誕生は実にうれしいことですねぇ。幸いここなら、わが家からも自転車圏内なので、ときどき寄らせてもらおっと。(^^)

1時間ちょっと、新しいお店を楽しんで、今日は1,620円でした。どうもごちそうさま。また来ますね。

店情報

《平成16(2004)年1月31日(土)の記録》

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受信: 2004.05.03 09:32

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