今日もジン、ジン、ジン … バー「日登美(ひとみ)」(新井薬師前)
横浜の「味珍」を出て、湘南新宿ラインで30分で新宿。そこから総武線に乗り換えて東中野です。もう1軒、カクテルを飲んでから帰ろうと思っているのです。
JR東中野駅から、商店街を抜けて北へ向かいます。早稲田通りも渡り、落合斎場の横のとおりを、西武新宿線の新井薬師前駅方面に歩くこと約15分。正面に交番がある三叉路(右手は功運寺)を、道なりに右方向に行って、すぐ右手にこつ然とあらわれるスナック風のお店が、本日の目的店、カクテルラウンジ「日登美(ひとみ)」なのです。
現在、午後10時半。金曜日だけど、どうかなぁ。よいしょ、と扉を開けて店内をのぞきこみます。わぁ、多いなぁ。L字カウンターのみで、10人も入ればいっぱいの店内には、すでにずらりと老若男女が並んでいます。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」と、店主(マスター)がカウンターの奥のほうを指し示してくれます。なるほど。カウンターの奥がかろうじて2席分空いてます。よかった、よかった。
コートを脱いで、カウンター背後の壁に設けられたハンガーにかけてから、おもむろに席に座ります。マスターから差し出されたおしぼりを受け取りながら、「今日はジントニックからお願いします」と、今日もまたジンのロングカクテルから入ります。
この店はロングカクテルは基本的に900円、ショートカクテルは基本的に800円の均一料金なのです。ベースとなるお酒を指定したりした場合には「基本的に」という枠からはずれます。
さぁ、来ましたよ。ジントニックです。先週金曜日の「ピュアー」(野方)ではジンフィズを、そして今週月曜日の「エックスレイ」(横浜・杉田)ではジンリッキーをと、店に入って1杯目はジン系のロングカクテルをいただいているのです。
バーに行く場合は、2軒目、3軒目になることが多いので、どうしても最初の1杯目は喉ごしのいい飲み物がほしくなるんですよね。かといって、せっかくのバーでビールというのもちょっとねぇ。そんなわけで、つい、ジン系のロングカクテルなどをたのむことが多くなるのでした。
「そろそろニコラシカ、いきますか」と、店主から、入り口近くに座っているお客さんに声がかかります。やぁ、彼女は前回も最後にニコラシカをクィッと飲み干してましたよねぇ。彼女の定番なんだ。
私も2杯目をいただこうかな。その棚にあるボンベイサファイア。それに合うカクテルはないですか。え? サファイア・マティーニ? なるほど。ボンベイサファイアで作るマティーニねぇ。そのまんまのネーミングですねぇ。じゃ、それください。
「このジンも、ここ3年ぐらい前に出てきた新しいお酒ですよ」と、マティーニをステアしつつ、店主がしゃべりはじめます。「青いビンがきれいなんですが、中のジンが青いと思ってる人もいるんですよ」。そうそう。私も最初そう思ってました。ビンだけなんですよね、青いのは。
へぇ。これがサファイア・マティーニか。ジンにもハーブ、ベルモットもハーブで、なんだかすごいね。おいしぃってほどでもないけど、まずくもない。特徴のある味わいです。
カウンターの入り口近くの男性からは、「マスター、例のオペラのカクテル作って」と注文が飛びます。
何かの雑誌で、オペラの登場人物に合わせてオリジナルのカクテルを造るというのがあって、「日登美」の回に造ったカクテルなのだそうです。カクテルの名前は、そのオペラの登場人物の名前をとって「ジェルモン」。黄色いチェリーの入ったカクテルです。
「そうそう。そういえば、去年の12月から開店時間を午後8時にしたんですよ」と店主。「最近、遠くからわざわざいらしてくださる方もいて、『午後9時開店だと(終電までに)あまり飲めないので、なんとかならないか』という声が多くなってきたので、1時間早めました。終わりの時間(午前4時)は変わりません」とのことでした。これはうれしいですね。
それじゃ、最後の1杯。なにか珍しいジンはないかなぁ。「テンはどうですか。タンカレーのプレミアムジンです。これも、ここ数年で出てきたお酒です」。じゃ、それにしてみましょうか。なにか合うカクテルがありますか。「いや。このジンは、カクテルにするよりも、そのままストレートで飲まれたほうがいいですよ」。お。いいですねぇ。ほんじゃ、ストレートでお願いします。そうかぁ。「安い・強い」が代名詞だったジンも、プレミアム品がでるようになっちゃいましたか。
クセがあるのがジンなのに、あまりクセを感じないまろやかなジンをストレートでいただいて、本日は終了。というか、もう12時20分なので、明日になっちゃいました。う~む。2時間近く飲んじゃいましたか。ときどき目の前にやってくる店主と、ちょっと、ちょっと話をしながら、気がつくと時間がたってるんですよねぇ、このお店も。今日のお勘定は2,900円。
「どうもごちそうさまぁ」と、まだまだにぎわいが続いている店をあとにしたのでした。
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