絶品! 生の子袋刺し … 立ち飲み「山根商店(やまねしょうてん)」(新宿三丁目)
たん焼き「忍」を出て、JR四ツ谷駅方面に向かう仕事仲間たちとわかれ、地下鉄四ツ谷三丁目から2駅、新宿三丁目です。さすがに1時間半(実質的には1時間)の時間制限だと飲み足りない気がするので、もう1軒寄って帰ろうと思っているのです。
しかし、不思議なもので、自分ひとりで酒場に入って、ゆったりと楽しめたなぁと思う時間も、終わってみればだいたい1時間。今日もそれよりは長い時間いたのに、ものすごく短い時間のように感じてしまいます。グループで行ったということと、自分たちの意思とは無関係に、外から与えられた制限時間だったということが大きいのかもしれませんね。
地下鉄新宿三丁目駅から歩くこと約10分。立ち飲みのもつ焼き屋、「山根商店」に到着します。時刻は午後7時半。この店は、閉まる時間がはやいらしいのですが、まだ大丈夫かな。
店は、いかにも肉屋さん風の店舗の前に、とってつけたような屋台風の立ち飲みスペースがついています。立ち飲みスペースは、防風用のビニール囲いでおおわれていて、中ではストーブがたかれています。屋台の奥の、肉屋さん風のスペースでも立ち飲むことができるようですが、これまでの観察、およびみなさんからの情報等によると、この中で飲んでいるのは、どうやら常連さんたちばかりのようです。
私も、屋台風の部分をL字型に囲む立ち飲みカウンターの、右下隅に陣取り、まずはチューハイ(300円)と牛もつ煮込み(300円)を注文します。
ちなみに、L字の左側が店の正面で、通りに面しています。L字の右側にあるのが、肉屋さん風の店内です。L字の中には、煮込み鍋と焼き台があって、もつ焼きはここで焼かれます。
ここの牛もつ煮込みは、汁がトロッとなるぐらいよく煮込まれていて、まさに汁までうまい一品。駅からここまで歩いてきて、冷えている身体もあたたまります。
左どなりに立っている男女ふたり連れは、レバ刺しをつつきながらサワー(焼酎を甘みのついた液体で割ったもの)を飲んでいます。実は、この二人の立っている場所は、この屋台のなかでも非常にいいポジションで、煮込み鍋や焼き台の様子。さらには仕込みの様子や、L字カウンターの長辺で飲んでいるお客さんの様子までつぶさに見ることができるのです。
しかし、このおふたりは、すっかり自分たちの世界に入り込んでいて、まわりの状況なんてどうでもいいようです。向こうからお客が入ってこようが、こっちにお客が増えようが、まったく詰めあったりすることもなく、自分たちの会話に夢中。あぁ~あ。レバ刺しが乾燥しかかってるのになぁ。
そんなことはさておいて、私も刺身をもらいましょうか。「子袋(こぶくろ)刺し(400円)は、まだありますか」とおかみさんにたずねたところ、「はい。ありますよ」とのこと。さっそくいただくことにしました。「ニンニクとショウガ。どちらにされますか」「ショウガでお願いします」。特にどっちがどうということもなかったのですが、今回はショウガをためしてみることにしたのでした。
「それと、ウーロンハイ(300円)もお願いします」。飲み物は、屋台側ではなく、店内側に入ってすぐ左側のところで用意されます。いつも焼き台でがんばっているのがおかみさん。そして店内には店主と、その息子さんでしょうか。男性ふたりが働いているようです。ここも家族経営なんですね、きっと。
さあ、来ました、子袋刺し。小鉢に生のコブクロがたっぷりと盛られ、その上には刻みネギと、おろしショウガです。ひやぁ! まったく生のコブクロというのは、はじめて食べるなぁ。「ちょい焼き」のものは、「ホルモン」(沼袋)でも、よくいただくんですけどねぇ。
これは、醤油をかけて食べるんですか? あ、そうですか。上からまわしかけて混ぜるんですね。は~い。
なるほど、味はついてないんですね。まずはこのまま一切れいただいてみましょうか。ど~れどれ。うわぁ。すっごいコリコリ感ですねぇ。しかも、臭みもなにもない。これはものすごくいい(新鮮な)コブクロです。
さらに、教えられたとおり、上からちょっと醤油をまわしかけて食べると、醤油の味が入ることで、コブクロそのもの味もぐんと引き立ってきます。魚の刺身を食べるときと同じ感じですね。
前回いただいたレバ刺しもすごかったけど、このコブクロ刺しは、他では味わったことがないもの。まさに驚きの一品です。
やぁ、おいしかった。どうもごちそうさま。2品と2杯で、今日は1,300円でした。
時間でいうと、ちょうど1時間の滞在だったのですが、こちらはゆったりとくつろいで、気づいてみれば1時間というもので、ちっとも短くは感じませんでした。
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