ガツ酢もおすすめ … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)
2月も今日29日の日曜日で終わりです。夕方から、自転車でフラリと出かけたのは、野方のもつ焼き屋、「秋元屋」。店には、開店時刻のちょうど5時に着いたのですが、すでに店内には7人ぐらいの先客がいます。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」と店主(マスター)に導かれて、コの字カウンターの奥側に座り、まずは小瓶のビール(サッポロ黒ラベル、320円)と、煮込みの玉子入り(380円)をお願いします。
煮込みは、この玉子入りのほか、普通の煮込み(320円)や、豆腐煮(200円)もあります。ちょうど、入口近くの男女3人組が豆腐煮を注文したので見てみると、煮込み鍋から丸皿に豆腐を2切れ取り分けたものが1人前のようでした。これも、見るからに味がよくしみてそうで、おいしそうです。
お客さんからは、次々にもつ焼きの注文が入っていて、店主も大忙しの状態です。「いやぁ。こんなに早くからみなさんに来ていただけるとは思ってなかったので、心の準備が間に合いませんよ」という店主に、私の左側に座っている年配のご夫婦から「店が開く前から並んでたんだからね」と激励が飛びます。
店は、店主と、その奥さんらしき女性とがふたりで切り盛りされているのですが、開店以来、最低でも週に1回はこの店に出かけられているというHsさんからの情報によりますと、おふたりは婚約者ではあるけれども、まだご結婚はされていないのだそうです。この店がうまく軌道に乗ったらご結婚されることになっているとのことですよ。
店主は焼き台に集中しているので、未来の奥さん(以下、「おかみさん」と記述します)に、キンミヤの焼酎(270円)をお願いします。
このキンミヤ焼酎、正式なブランド名は「亀甲宮(きっこうみや)」といって、三重県楠町の宮崎本店で造られている甲類焼酎なのです。東京の下町あたりの大衆酒場で、ごくごく普通に見かけるこの焼酎。「下町酒場巡礼」(大川渉・平岡海人・宮前栄著、ちくま文庫)で大々的に取り上げられて以来、急に特別なブランドになってきちゃったのです。
この店でも、普通の焼酎(「宝」かな?)は240円ですが、キンミヤは270円ですからねぇ。宝焼酎の工場も、同じ三重県楠町内にあるというのがおもしろいですね。
ちょうど目の前に来たおかみさんに、さっきから気になっていた「ガツ酢」(150円)を注文します。
「ガツ酢」と言えば、昨年11月に閉店した、鷺ノ宮のもつ焼き屋「鳥芳」でよく食べていたものを思い出しますが、「鳥芳」のものは350円。ここの150円というのは安いですねぇ。
「はい、ガツ酢です」。出てきたのは、小ぶりの小鉢にちょいと盛られたガツに刻みネギがかけられています。どれどれ。や。なるほど、ガツの酢漬けなんですね。「これ、いいですねぇ」と店主に感想を伝えると、「そうでしょ。オリジナルなんですよ。私も店が終わったあと、このガツ酢だけで、焼酎を4杯ぐらい飲んだりするんですよ」と店主。たしかに、それくらいいけちゃいそうな味ですね。
ちょうどガツ酢を食べ終わるぐらいのタイミングで、店主もやっと手が空いてきたようで、「いやいや。お待たせしました」と声をかけてくれます。「それじゃ、ハラミとカシラをお願いします。味噌ダレでね」と、この店自慢の味噌ダレのもつ焼きを注文です。
もつ焼きは、基本的に2本1セットで180円。それぞれ、塩味、タレ味と、味噌味(これが味噌ダレ)が選べるようです。
もつ焼きが焼きあがってきたところで、キンミヤ(270円)をおかわりです。梅シロップも出してもらって、ちょっと焼酎に落とします。「この梅シロップ。新宿の酒屋で仕入れてきたんですが、たくさん入れる方もいらっしゃって、あっという間に残りわずかになっちゃいました」と店主。これをたくさん入れると、甘くて、かえって飲みづらくなるんじゃないかなぁ。他人事(ひとごと)ながら心配してしまいます。このシロップは、フワッと色がつく程度に、ちょっとだけ入れるのがおいしいように思います。
さて、もつ焼き。前回、この味噌ダレについて『シロやテッポウにも抜群に合いますが、タンやカシラもうまいかもね』と書きましたが、その予想は当たっていて、このハラミ(横隔膜の肉)もカシラ(頭部の肉)も実にいい味です。
となりのご夫婦が先ほどたのんだ「ポテトサラダ」(280円)もおいしそうですねぇ。今度は、これも食べてみなきゃね。
さぁ。今日はこの辺で腰をあげますか。どうもごちそうさま。お勘定は1,750円。1時間10分の滞在でした。早く結婚できるといいですね。
あ。そうそう。店の定休日が、水曜日に決まったそうです。
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