サイドメニュー3品制覇! … もつ焼き「ホルモン」(沼袋)
久しぶりに沼袋(ぬまぶくろ)で途中下車し、もつ焼きの「ホルモン」に向かいます。野方(のがた)界隈にもいいお店が多いことを、最近再認識しているところですが、沼袋界隈にもふと心をひかれるお店が多いのです。「ホルモン」が満席で入れなかったら、そういう気になるお店に行ってみようと思っているのですが、これまでのところ、幸いにして「ホルモン」に入れなかったということがないため、他のお店に行けないままなのでした。
今日はどうかな。店に近づくと、入口のガラス戸越しに、手前側のカウンターに座っているみなさんの後姿が(部分的に)見えるのです。やぁ。けっこう多いですねぇ。現在の時刻が午後7時前。一番お客さんが多いぐらいの時間帯ですよね。今日は奥側に入ることにしますか。
この店は「ニ」の字型に2本のカウンターが並んでいて、「ニ」の字でいうと、上と下の両側にお客さんが向かい合って座るようになっています。「ニ」の字の内部は、店主とおかみさんとの作業空間。「ニ」の字の上の部分には、テーブル席もあります。
奥の入口から、「こんばんは」と店内へ。こちらも多いですねぇ。しかしながら、一番手前、ちょうど焼き台の横が空いていて、そこに座ります。
「小瓶のビール(310円)とおしんこ(100円)をお願いします」。このところ、この店に来ると必ずこの組み合わせからスタートしています。なんだか、自分のリズムになっちゃってるんですね。
焼きもの(1本100円)も、これまた自分の定番であるレバーとコブクロのちょい焼きを2本ずつ注文です。いつ行っても、同じものが同じように食べられるのがうれしいですね。
ちょい焼きが焼きあがってきたところで、焼酎(210円)をもらいます。表面張力で盛り上がった部分を、口から迎えに行って、ツツゥ~ッとひと口。そうやってできたすき間に、梅シロップを注ぎます。
焼き台の上が少しあいたようで、店主が床に置かれたダンボール箱から、炭の補給をはじめます。ダンボールには「備長炭(びんちょうたん)」と書かれていて、炭同士があたると、カ~ン、カ~ンという、備長炭独特の金属音にも似た音が響き渡ります。
「今日の炭は、長さがちょっと不ぞろいなんですよね」と、店主はちょっと不満そう。ちょうどいい長さのものを選びながら、炭火の下に新しい炭を入れていきます。「上に置くと、パチンとはじけたときに飛び散るんですよ」と教えてくれます。
炭の補給も終わったところで、今度はアブラとオッパイをお願いします。2本ずつ、塩で焼いてください。
もつ焼きの「もつ」ですが、これは関東地方の呼び方らしくて、関西地方では「ホルモン」と呼ばれることが多いそうです。この店なんて、「もつ焼き ホルモン」という店名ですから、関東も関西も融合しちゃってますね。
その「もつ」。欧米では、古来より余すところなく利用されているのですが、日本では昭和30年代ぐらいから一般大衆に消費され始めたという、比較的歴史の浅い食材らしいのです。
「まぼろし闇市をゆく 東京裏路地〈懐〉食紀行」(藤木TDC・ブラボー川上著、ミリオン出版)によりますと、ホルモン料理というのは、もともとは大正期から戦前にかけて、過酷な強制労働を強いられた在日韓国人の人たちが、貧しい暮らしの中から発明したスタミナ食だったのだそうです。これが、太平洋戦争終了後に、各地の盛り場に突如出現した闇市で大人気となり、最悪の食糧事情を克服するのに大いに役立ったのだそうです。これがいわゆる「やきとり」ですね。「焼き鳥」は鶏肉なんですが、「やきとり」は豚や牛の内臓なのだそうですよ。
おかみさんが、となりの人に焼酎を注(つ)ぎにきたので、私もついでにおかわりしましょうか。クイッと最後のひと口分の焼酎を飲み干して、こっちもおかわりお願いしますね。それとねぇ。トマト(250円)もください。
この店では、焼きもの以外のサイドメニューとして、冷奴、月見、トマトの3品(各250円)があり、人気を博しているのです。私自身、冷奴、月見はこれまでに食べたことがあるのですが、トマトは実ははじめてなのです。
来ました、来ました。うわぁ。真っ赤なトマトですねぇ。これはおいしそう。「お塩です」と、カウンターの中から、小瓶に入った塩が出されます。ん~。甘い。これはいいトマトです。人気があるのもわかりますねぇ。
さっぱりとトマトでしめて、今日は1,880円。ちょうど1時間の滞在でした。どうもごちそうさまでした。
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