平貝を塩焼きで … すし「魚がし寿司(うおがしずし)」(都立家政)
「ピュアー」を出て、再び「魚がし寿司」へ。もう午後10時前だから、今度は大丈夫でしょう。のれんをくぐり、ガラリと引き戸を開けます。こんばんは。わぁ。それでもまだ5人ぐらいのお客さんたちが、お寿司を楽しんでいる。私もL字カウンターだけの店内の奥のほうに陣取ります。
すぐにお手拭をもってきてくれたおかみさんに、燗酒(550円)を注文します。燗酒は、徳利(とっくり)+猪口(ちょこ)というスタイルと、湯呑みで出してもらうスタイルとを選ぶことができます。今日は湯呑みでもらいましょうか。
子供のころ、うちの親父が冬場になると大きな湯呑みに燗酒を注いで、美味しそうに飲んでいた姿を覚えています。最近は、親父もどっちかというとビールのほうが好きなようで、たまに田舎に帰っても、いっしょにビールを楽しむことが多い。しかし、こうやって湯呑みで燗酒を飲むと、いまだにそのころの光景が浮かんでくるのです。
「なにをおつくりしましょうか」と、カウンターの中の店主から声がかかります。そうそう。つまみたのまなくっちゃ。えぇ~と。カウンターの左側(店の入口から見ると突き当たり)の壁に張り出されているつまみのメニューを確認してと…。お。平貝(たいらがい)があるじゃない。じゃ、この「平貝」(500円)をください。「焼きますか」と店主。焼いてください。塩でね。
焼くとはいっても、そこは生でも食べられる平貝のこと。5ミリ程度にスライスされた貝柱の部分が、中まで火が通ったレアといった焼き加減で出てきます。クゥ~ッ。うまいよなぁ。平貝。
以前食べた、磯辺焼き風の平貝もうまかったのですが、こうやって単純に塩焼きで食べると、平貝の甘みをより感じることができます。
平貝ですが、タイラガイといったり、タイラギといったり。どうしてなんだか調べてみました。すると、なんと貝としての名称が「タイラギ」なんだそうです。そしてその「タイラギ」という貝の貝柱を「タイラガイ(平貝)」と呼んで、刺身や酢の物、すし種として使うのだそうです。う~む。今まで逆の認識でいました。
さて、それじゃ、いよいよ「特上にぎり」をお願いしますか。なにしろ、この店は「並にぎり」が500円、「上にぎり」は700円という安さ。そしてなんと「特上にぎり」でも、1,200円なのです。並・上の値段と相対比較すると、たしかに特上という値段の開き(並を1としたときに上が1.4なのに対し、特上は2.4ですから!)があるものの、世間相場で考えるとやっぱり安い。
その「特上にぎり」の内容ですが、マグロが赤身とトロ。それにヒラメ、カンパチ、ホタテ、甘エビ、ウニ、イクラ、玉子と続き、カッパ巻が1本分。飲んだ後のシメとしては、この量で十分です。
この値段なのに、タネもしっかりしているところがこの店のいいところですよねぇ。安いお店に行くと、向こうが透けて見えそうなぐらい薄く切ったタネがのってたりするのですが、ここはそんなことはありません。
なお、カウンター正面の壁には「今日の白身」という短冊もあります。「特上にぎり」にも入っているヒラメ、カンパチの2品に、タイを加えた3品が、今日の白身のようです。
タネケースの端っこのほうに、生ダコの大きな足がおいてあって、それもおいしそうなんだけどなぁ。ま、今日のところはこれで終了としましょうか。なにしろ日曜日ですからね。本気で飲んで、週明け早々からつらくなると困るで…。(苦笑)
どうもごちそうさま。約30分の滞在で、2,250円でした。
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