カウンター4人だけ!? … やきとり「浜の家(はまのや)」(横浜・新杉田)
先週の金曜日になんとなく風邪気味だったので、土曜・日曜は恒例の「早い夕方の居酒屋散歩」も中止して、自宅で静養。月曜日には体調十分で出社したのですが、1日過ごしてみるとどうも思わしくない。少し熱もあるのかフラフラする。よしっ。仕事上の大きな予定も入ってないので、1日休養をとるか。とふんぎって、火曜日は1日休暇をとって、寮でゴロゴロと過ごします。
昔は、多少風邪をひいても踏ん張りがきいたのですが、年とともに、こじらせるとどうしようもない(数日間寝込んでしまう)感じになってきました。そこで、ここ数年は早め早めに手を打って、初期の間になるべく休養をとって直してしまうように心がけているのです。翌・水曜日には復活したものの、この日は大事をとって、仕事終了後まっすぐに帰寮。
そして今日、木曜日です。体調も戻ったようなので、久しぶりに近くの酒場に出かけてみますか。先週の金曜日以来、中5日の登板。なんだかプロ野球の投手のような間のおき方ですね。
しばらくぶりなので仕事仲間もさそわずに、ひとりで出かけることにしましょうか。ひとりだと、自分のペースでサッと飲んでスッと帰ることができますからね。
午後7時過ぎに会社を出ます。この界隈を歩くのも久しぶりなので、ちょっと界隈を散策してみましょうか。
JR京浜東北・根岸線の新杉田駅から、駅の山側を並行して走る駅前通り(産業道路)に沿って、洋光台(大船)方面に向かうと、左手にまず出てくるのがイワシ料理の「乃津(のづ)」です。その先の横断歩道を渡った先、居酒屋が4~5軒並ぶ小さな路地(というかビルの1階がずらりと酒場)の中にあるのが、焼き鳥の「まいど」。ここは焼き鳥がうまい上に、酒の品ぞろえがいいのです。チェーン展開しているらしく、金沢文庫や能見台、泥亀などにも同名の店があるようです。しばらく来てないですねぇ、ここも。
さらにその先、左手にあるのが「たお」です。ここは、ご紹介を受けただけで、まだ入ってみたことはありません。ここも「まいど」と同系列らしく、お酒の品ぞろえがいいのだそうです。先ほどの「まいど」はけっこう小さいお店なのですが、こちら「たお」は表もガラス張りで、なんだかレストラン的な風情のお店ですね。
道路の反対側に渡って、今度は同じ駅前通りに沿って、新杉田駅方向へ。杉田商店街へと左折する交差点のすぐ手前に、焼き鳥屋さんがずらりと並ぶ一角があります。ここも、ビルの1階がずらりと店舗になっているんですね。店の表にもテーブルが出ていて、女性だけのグループ客がそこで生ビールを飲みながら焼き鳥をつついたりしています。比較的新しいお店が多いんですね。
交差点を左折して、杉田商店街方面へ。すぐに国道16号線(横須賀街道)と交差しますが、その左手角にあるのが焼き鳥の「とり千」です。なんということもない、ガスの火で焼く焼き鳥屋さんなのですが、ふらりと立ち寄りやすい人気店なのです。煮物がおいしいんですよね。
この「とり千」から、国道をはさんだ向かい側にあるのが「漁師家海彦」という、いかにも魚がうまそうな居酒屋です。これは、以前行ったことがある「海彦」の系列店なのかなぁ。店同士の距離は100mあるかないかというところですが。
その「漁師家海彦」の角から、杉田商店街と並行する狭い路地に入り込みます。ここは本当に狭い路地なのですが、車(特にタクシー)にとっては抜け道になっているらしく、危ないぐらいに交通量は多いのです。
その路地に入って、すぐ右手に、なにやら廃墟寸前(失礼!)といった風情の、こぎたな~い(←ほめてるんですよ!)酒場が1軒。以前から気になってるんですよね、ここ。ちょっとのぞいてみましょうか。ガラガラガラ。
おっとっと。足を踏み込むまでもなく、目の前がいきなりカウンターで、しかも座席数が4つしかない。その右側2つには若い男女の2人連れが座っており、左側2つが空いている。なるほど、私が路地に入った瞬間に、ちょうどこの店から出ていった男性2人がここに座ってたんですね。
カウンターの中にいる年配の店主から「あと30分ぐらいですけどいいですか」と声がかかります。「えぇ、かまいません。ホッピーをお願いします」。店の外に、ホッピーのケースが積み上げてあったのを確認していたので、いきなりホッピーを注文します。
現在の時刻は午後7時50分。この時間で「あと30分ぐらい」ということは、8時半の閉店なんですね、きっと。
店主は焼酎を厚手のグラスで計量し、サワーグラスに移します。それとは別に瓶入りホッピーの栓をポンと抜き、「はいどうぞ」と両方を出してくれます。トクトクトクと、瓶入りのホッピーを注ぐと、ビン1本分をちょうどつぎきったところで、グラスがぴったり満杯。氷の入っていない、正統派ホッピーですね。(グラスと焼酎とは冷えてませんが…。)
ホッピーを飲みながら、メニューを確認します。わぁ。このホッピー、500円なんだ。ウーロンハイなどのサワー類が400円。サワーより高いホッピーですね。私がこれまで見てきた範囲では、一般的に横浜はサワー類は高いんです。この店と同じく、400円というお店が多いようですね。都内は350円ぐらいのところが多いようです。
それにしても、ホッピーやキンミヤは、このところちょっとスーパースター扱いされすぎてるきらいもありますねぇ。正直な話、どちらも「ビックリするほど美味しい!」といった品物ではないんですよ。キンミヤも他の甲類焼酎と同じく、言ってみれば単なるホワイトリカーなんですが、「昔から下町酒場に行くと、このビンが出てきてたよなぁ」というところがいいんですよね。ホッピーもキンミヤも、味そのものというよりは「ノスタルジックな風情にひたりながら飲むのが楽しい」といったものだろうと思いますので、そこのところ、誤解のないようにお願いします。
「なんだかおいしそうに書いてあるのに、試してみたらちっともおいしくないやん!」という感想を持つ方も多いと思います。きっと、その感想も正解です。(苦笑)
でも、はまるとクセになるのもたしかのようです。メニュー上にホッピーが並んでると、ついたのんでしまいますもんね。
そこへお新香の盛り合わせがのったお皿が出てきます。「はい。お通し」。さらにもうひと皿、皿だけが出てきて、そこへ袋に入ったピーナッツまじりのアラレがカラカラっと入れられます。これもお通し。うっへぇ~っ。私なんか、このお通しだけで、あとは何にもなくても飲めちゃうかも。
店内は、どう表現したらいいんでしょう。玄関を入ると、すぐに小上がりの座敷があるようなお店を想像してみてください。その玄関と小上がりの間に、ちょっとしたカウンターがしつらえてあって、そのこちら側に客が4人座れるスペースがあるという感じなのです。
したがって、店主は小上がりの縁のところに座布団を置いて、そこに腰掛けてこちらに相対しているかっこうです。小上がりの間には、コタツ風の座卓が2つぐらいある。カウンター4席だけというのは、どう考えても少なすぎるので、もしそれよりもお客さんが入ったときには、この小上がりの上にも入ったりするのかなぁ。今現在は、おかみさんと思しき女性がひとり、そのテーブルのところに座って、奥のテレビを見ています。
左端に座っている私のところからはよく見えませんが、先ほど右側の2人連れのところにイカ納豆(200円)が出てきた様子を見ると、どうやらこの小上がりの左手のほうに厨房スペースがあって、そちらはおかみさんが担当しているようです。お店は、この老夫婦2人で切り盛りしている様子です。
カウンターの中央部には、とっても小さい焼き台がひとつ埋め込まれています。やきとりはきっとここで焼くんでしょうね。それにしても小さい焼き台です。この焼き台を見ると、やっぱり定員4人なのかなぁ。
さて、何にもたのまないのもなんなので、1品ぐらいいっときましょうか。ちょうど正面の壁に、メニューの張り紙があるのですが、基本的にはやきとりだけ。鳥皮、レバー、砂肝、ネギ間、ツクネ、カシラ、ナンコツ、ハツが各100円で、ネギは50円です。やきとりじゃないメニューとしては冷奴と温豆腐(各200円)だけのようなのですが、そのメニューの隅っこに、1枚小さい紙を付け足したような感じで「イカ納豆 200円」と書かれています。これはもしかすると、その日の仕込みによって変わるものなのかもしれませんね。
ん~。やきとり用の火は、もう落ちちゃってるように見えるので、冷奴(200円)にでもしておきますか。なんだか、このところにわかに冷奴を食べる機会が増えてますねぇ。
「はい。ヤッコよぉ」と、店主がふりかえっておかみさんに。おかみさんが「はいよ」と立ち上がって、厨房のほうへしたくに向かいます。なんだかノ~ンビリとした空間で、いいですなぁ。
向こうの男女2人連れの女性のほうが、「この店は何年ぐらいやってるんですか」と店主に質問します。「もともとはうちのお袋が始めた店でね。もう40年になるかなぁ。この冷蔵庫なんかも、相当古いよ。新しいのに買い換えたほうが電気代なんかも安いんだろうけどねぇ」と、カウンターの右隅にある冷蔵庫をトントンとたたきます。「常連さんしか来ないんですか」と女性。「そうねぇ。なかなか新しい人は入ってきにくいみたいだねぇ」。ありゃ、そうでしたか。しかし、入ってきにくいもなにも、4人しか入れないんだから、かなり入れる確率は低いですよねぇ。
そんな話を聞いているうちに、もう30分が経過。さてと、それじゃそろそろ腰をあげますか。どうもごちそうさま。「はい。700円です」。ありゃりゃぁ。なんと、あのお通しはサービスだったんですねぇ。
そういえばこの店。店の外にも中にも、どこにも店の名前が書いていないのです。ん~。困った。後ほど、商店街の案内図を見たところ、この場所にあるお店は「富士家」ということになっていたのですが、ここが本当に「富士家」なのかどうかは、未確認です。 → その後、昼間に店の前をとおってみたところ、郵便受けに「浜の家」という表記があったため、とりあえずその名称を採用しています。(2004.06.13追記)
・店情報
| 固定リンク | 0
| コメント (1)
| トラックバック (0)
最近のコメント