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2004年5月

カウンター4人だけ!? … やきとり「浜の家(はまのや)」(横浜・新杉田)

先週の金曜日になんとなく風邪気味だったので、土曜・日曜は恒例の「早い夕方の居酒屋散歩」も中止して、自宅で静養。月曜日には体調十分で出社したのですが、1日過ごしてみるとどうも思わしくない。少し熱もあるのかフラフラする。よしっ。仕事上の大きな予定も入ってないので、1日休養をとるか。とふんぎって、火曜日は1日休暇をとって、寮でゴロゴロと過ごします。

昔は、多少風邪をひいても踏ん張りがきいたのですが、年とともに、こじらせるとどうしようもない(数日間寝込んでしまう)感じになってきました。そこで、ここ数年は早め早めに手を打って、初期の間になるべく休養をとって直してしまうように心がけているのです。翌・水曜日には復活したものの、この日は大事をとって、仕事終了後まっすぐに帰寮。

そして今日、木曜日です。体調も戻ったようなので、久しぶりに近くの酒場に出かけてみますか。先週の金曜日以来、中5日の登板。なんだかプロ野球の投手のような間のおき方ですね。

しばらくぶりなので仕事仲間もさそわずに、ひとりで出かけることにしましょうか。ひとりだと、自分のペースでサッと飲んでスッと帰ることができますからね。

午後7時過ぎに会社を出ます。この界隈を歩くのも久しぶりなので、ちょっと界隈を散策してみましょうか。

JR京浜東北・根岸線の新杉田駅から、駅の山側を並行して走る駅前通り(産業道路)に沿って、洋光台(大船)方面に向かうと、左手にまず出てくるのがイワシ料理の「乃津(のづ)」です。その先の横断歩道を渡った先、居酒屋が4~5軒並ぶ小さな路地(というかビルの1階がずらりと酒場)の中にあるのが、焼き鳥の「まいど」。ここは焼き鳥がうまい上に、酒の品ぞろえがいいのです。チェーン展開しているらしく、金沢文庫や能見台、泥亀などにも同名の店があるようです。しばらく来てないですねぇ、ここも。

さらにその先、左手にあるのが「たお」です。ここは、ご紹介を受けただけで、まだ入ってみたことはありません。ここも「まいど」と同系列らしく、お酒の品ぞろえがいいのだそうです。先ほどの「まいど」はけっこう小さいお店なのですが、こちら「たお」は表もガラス張りで、なんだかレストラン的な風情のお店ですね。

道路の反対側に渡って、今度は同じ駅前通りに沿って、新杉田駅方向へ。杉田商店街へと左折する交差点のすぐ手前に、焼き鳥屋さんがずらりと並ぶ一角があります。ここも、ビルの1階がずらりと店舗になっているんですね。店の表にもテーブルが出ていて、女性だけのグループ客がそこで生ビールを飲みながら焼き鳥をつついたりしています。比較的新しいお店が多いんですね。

交差点を左折して、杉田商店街方面へ。すぐに国道16号線(横須賀街道)と交差しますが、その左手角にあるのが焼き鳥の「とり千」です。なんということもない、ガスの火で焼く焼き鳥屋さんなのですが、ふらりと立ち寄りやすい人気店なのです。煮物がおいしいんですよね。

この「とり千」から、国道をはさんだ向かい側にあるのが「漁師家海彦」という、いかにも魚がうまそうな居酒屋です。これは、以前行ったことがある「海彦」の系列店なのかなぁ。店同士の距離は100mあるかないかというところですが。

その「漁師家海彦」の角から、杉田商店街と並行する狭い路地に入り込みます。ここは本当に狭い路地なのですが、車(特にタクシー)にとっては抜け道になっているらしく、危ないぐらいに交通量は多いのです。

その路地に入って、すぐ右手に、なにやら廃墟寸前(失礼!)といった風情の、こぎたな~い(←ほめてるんですよ!)酒場が1軒。以前から気になってるんですよね、ここ。ちょっとのぞいてみましょうか。ガラガラガラ。

おっとっと。足を踏み込むまでもなく、目の前がいきなりカウンターで、しかも座席数が4つしかない。その右側2つには若い男女の2人連れが座っており、左側2つが空いている。なるほど、私が路地に入った瞬間に、ちょうどこの店から出ていった男性2人がここに座ってたんですね。

カウンターの中にいる年配の店主から「あと30分ぐらいですけどいいですか」と声がかかります。「えぇ、かまいません。ホッピーをお願いします」。店の外に、ホッピーのケースが積み上げてあったのを確認していたので、いきなりホッピーを注文します。

現在の時刻は午後7時50分。この時間で「あと30分ぐらい」ということは、8時半の閉店なんですね、きっと。

店主は焼酎を厚手のグラスで計量し、サワーグラスに移します。それとは別に瓶入りホッピーの栓をポンと抜き、「はいどうぞ」と両方を出してくれます。トクトクトクと、瓶入りのホッピーを注ぐと、ビン1本分をちょうどつぎきったところで、グラスがぴったり満杯。氷の入っていない、正統派ホッピーですね。(グラスと焼酎とは冷えてませんが…。)

ホッピーを飲みながら、メニューを確認します。わぁ。このホッピー、500円なんだ。ウーロンハイなどのサワー類が400円。サワーより高いホッピーですね。私がこれまで見てきた範囲では、一般的に横浜はサワー類は高いんです。この店と同じく、400円というお店が多いようですね。都内は350円ぐらいのところが多いようです。

それにしても、ホッピーやキンミヤは、このところちょっとスーパースター扱いされすぎてるきらいもありますねぇ。正直な話、どちらも「ビックリするほど美味しい!」といった品物ではないんですよ。キンミヤも他の甲類焼酎と同じく、言ってみれば単なるホワイトリカーなんですが、「昔から下町酒場に行くと、このビンが出てきてたよなぁ」というところがいいんですよね。ホッピーもキンミヤも、味そのものというよりは「ノスタルジックな風情にひたりながら飲むのが楽しい」といったものだろうと思いますので、そこのところ、誤解のないようにお願いします。

「なんだかおいしそうに書いてあるのに、試してみたらちっともおいしくないやん!」という感想を持つ方も多いと思います。きっと、その感想も正解です。(苦笑)

でも、はまるとクセになるのもたしかのようです。メニュー上にホッピーが並んでると、ついたのんでしまいますもんね。

そこへお新香の盛り合わせがのったお皿が出てきます。「はい。お通し」。さらにもうひと皿、皿だけが出てきて、そこへ袋に入ったピーナッツまじりのアラレがカラカラっと入れられます。これもお通し。うっへぇ~っ。私なんか、このお通しだけで、あとは何にもなくても飲めちゃうかも。

店内は、どう表現したらいいんでしょう。玄関を入ると、すぐに小上がりの座敷があるようなお店を想像してみてください。その玄関と小上がりの間に、ちょっとしたカウンターがしつらえてあって、そのこちら側に客が4人座れるスペースがあるという感じなのです。

したがって、店主は小上がりの縁のところに座布団を置いて、そこに腰掛けてこちらに相対しているかっこうです。小上がりの間には、コタツ風の座卓が2つぐらいある。カウンター4席だけというのは、どう考えても少なすぎるので、もしそれよりもお客さんが入ったときには、この小上がりの上にも入ったりするのかなぁ。今現在は、おかみさんと思しき女性がひとり、そのテーブルのところに座って、奥のテレビを見ています。

左端に座っている私のところからはよく見えませんが、先ほど右側の2人連れのところにイカ納豆(200円)が出てきた様子を見ると、どうやらこの小上がりの左手のほうに厨房スペースがあって、そちらはおかみさんが担当しているようです。お店は、この老夫婦2人で切り盛りしている様子です。

カウンターの中央部には、とっても小さい焼き台がひとつ埋め込まれています。やきとりはきっとここで焼くんでしょうね。それにしても小さい焼き台です。この焼き台を見ると、やっぱり定員4人なのかなぁ。

さて、何にもたのまないのもなんなので、1品ぐらいいっときましょうか。ちょうど正面の壁に、メニューの張り紙があるのですが、基本的にはやきとりだけ。鳥皮、レバー、砂肝、ネギ間、ツクネ、カシラ、ナンコツ、ハツが各100円で、ネギは50円です。やきとりじゃないメニューとしては冷奴と温豆腐(各200円)だけのようなのですが、そのメニューの隅っこに、1枚小さい紙を付け足したような感じで「イカ納豆 200円」と書かれています。これはもしかすると、その日の仕込みによって変わるものなのかもしれませんね。

ん~。やきとり用の火は、もう落ちちゃってるように見えるので、冷奴(200円)にでもしておきますか。なんだか、このところにわかに冷奴を食べる機会が増えてますねぇ。

「はい。ヤッコよぉ」と、店主がふりかえっておかみさんに。おかみさんが「はいよ」と立ち上がって、厨房のほうへしたくに向かいます。なんだかノ~ンビリとした空間で、いいですなぁ。

向こうの男女2人連れの女性のほうが、「この店は何年ぐらいやってるんですか」と店主に質問します。「もともとはうちのお袋が始めた店でね。もう40年になるかなぁ。この冷蔵庫なんかも、相当古いよ。新しいのに買い換えたほうが電気代なんかも安いんだろうけどねぇ」と、カウンターの右隅にある冷蔵庫をトントンとたたきます。「常連さんしか来ないんですか」と女性。「そうねぇ。なかなか新しい人は入ってきにくいみたいだねぇ」。ありゃ、そうでしたか。しかし、入ってきにくいもなにも、4人しか入れないんだから、かなり入れる確率は低いですよねぇ。

そんな話を聞いているうちに、もう30分が経過。さてと、それじゃそろそろ腰をあげますか。どうもごちそうさま。「はい。700円です」。ありゃりゃぁ。なんと、あのお通しはサービスだったんですねぇ。

そういえばこの店。店の外にも中にも、どこにも店の名前が書いていないのです。ん~。困った。後ほど、商店街の案内図を見たところ、この場所にあるお店は「富士家」ということになっていたのですが、ここが本当に「富士家」なのかどうかは、未確認です。 → その後、昼間に店の前をとおってみたところ、郵便受けに「浜の家」という表記があったため、とりあえずその名称を採用しています。(2004.06.13追記)

店情報

《平成16(2004)年5月27日(木)の記録》

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店情報: やきとり「浜の家(はまのや)」(横浜・新杉田)

  • 店名: やきとり「浜の家」(はまのや)
  • 電話:
  • 住所: 235-0033 神奈川県横浜市磯子区杉田1-11-6
  • 営業: 20:30閉店
  • 場所: JR京浜東北・根岸線新杉田駅西口から徒歩4分ほど。国道16号線を渡り、杉田商店街と並行する小さい路地に入ってすぐ右手。
  • メモ: 店の名前はどこにも書いていない。郵便受けの表記によると「浜の家」らしい。商店街の中にある案内図には「富士家」とあるが…。ホッピー500円、サワー類400円。やきとりは鳥皮、レバー、砂肝、ネギ間、ツクネ、カシラ、ナンコツ、ハツ等が各100円、ネギが50円。冷奴、温豆腐各200円。現在の年配の店主のおかあさんが始めた店だそうで、すでにこの地で40年以上続けているとのこと。

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まるごとたっぷり石ガレイ … 居酒屋「夕凪(ゆうなぎ)」(横浜・屏風ケ浦)

金曜日です。午後7時が近くなると、「だれか、今日飲みに行かないかなぁ」という風情の男がひとり、ふたり現れはじめます。「おっ。行く?」なんて、すぐに笑顔で同調するヤツ。「オレはダメ。今週は三連荘だもん」というヤツ。「給料日前だから許してくれぇ!」というヤツ。すでに別件が決まっているヤツ。職場の中がモゾモゾと動き始めます。

7時半も近くなったころ、そのうちのひとりが「よしっ! 行こうっ!」と踏ん切ります。「よぉ~し」と後に続く私と、もうひとり。さらにロッカールームでもうひとり仲間が増えて都合4人。いそいそと向かう先は、会社の近くにある居酒屋「夕凪(ゆうなぎ)」です。

「夕凪」は、地元・佐島漁港の魚介類、葉山の野菜類を中心に、全国各地の特選素材が自慢の店で、地酒や焼酎の種類も多い居酒屋なのです。

「こんばんはぁ」「いらっしゃいませ」と店主に迎えられながら、入り口左側のテーブル席に陣取ります。店内は、正面から右手にかけてカウンターが横に伸びており、入り口の右手側と左手側の手前にテーブル席があるのです。

「いらっしゃいませ」とおしぼりを持ってきてくれた、アルバイトのおねえさんに、まずは生ビールを4杯注文し、「お疲れぇ~っ!」と乾杯です。

今日のお通しはホタルイカ、ヒジキ、キヌカツギの3種盛り。

さて、つまみのほうは何にしましょうか。なにしろ、この店のメニューはびっしりと数ページにおよんでますからねぇ。表紙のところにあるのが野菜などの特選素材。たとえばフルーツトマトやフルーツ人参(各380円より)や葉山産の夏みかん(1個500円)なんかが出ています。夏みかんのほうは、絞って、炭酸とともに焼酎を割るんですね。

表紙をめくるとその裏が、「活・活じめ」のページ。主として佐島(三浦半島西岸の漁港町)で仕入れてきた魚介類が並んでいます。その次のページから、普通(?)の魚介類や定番のメニューが数ページ続き、地酒のページが1ページ。焼酎のページが1ページ。各ページは、けっこう小さい字でびっしりと書かれているので、なかなか全部は読みきれないぐらいです。

みんなで、「う~ん」とうなりながらメニューを検討し、「オレは天然赤ホヤ姿造り(580円)と牛スジ煮込み」「じゃ、スミイカ(980円)もらおかな」と各自注文をはじめます。ちょっと待った! せっかく4人で来たんだから、大勢じゃないと食べられないものもいってみようよ。『石ガレイ1尾(刺身、カルパッチョ、粗煮)3,850円』ってのがあるから、これにしてみない? 「いいねぇ」というみんなの同意も得て、その石ガレイも注文します。

この店は、店主とそのおかあさん、そして先ほどのアルバイトのおねえさんの3人で切り盛りしていて、調理は店主が行います。その店主が、カウンター横の水槽に活魚をとりにやってきました。「スミイカとホヤは残念ながら死んじゃったんですよ。どうしましょう。なにか他のものにされますか」「う~ん。どうしよう。なににする」「この箱フグなんかもおいしいですよ」「じゃ、それにしてみます」。なるほどなぁ。メニューに「活」と書いている魚は、本当に生きてないと出されないんですねぇ。

水槽のところでは、店主が箱フグを網ですくおうとしています。しかし、水槽の水面付近にゴンズイがたくさんいて大変そう。ゴンズイは海産魚だけどナマズの仲間。ヒレに棘(トゲ)があって、刺されると人によっては医師の治療が必要なほどなのだそうです。

なんとか、箱フグと石ガレイを引き上げることができ、調理に入ります。

ちなみに『活 箱フグ ネギ味噌焼き』は大きさによって値段が違っていて、特大の2,800円からはじまって、中1,400円、小980円と続きます。われわれは4人なので特大にしてもらいました。

箱フグ歓談しながら待つことしばし。まずその箱フグが出てきました。箱フグは、その名のとおり、身体全体が硬い甲羅のような皮膚でおおわれていて、まさに箱のような形状なのです。そのお腹の部分を楕円形にくりぬいて、味噌を入れてオーブンでまるごとの甲羅焼きしているのがこの一品。「かき混ぜて食べてくださいね」という言葉にしたがって、味噌をかき回すと、脂たっぷりのキモが味噌と混ざり合います。

ほぉ。これはお酒が進みますねぇ。皮の近くに、ちょっぴりとある肉の部分もいいですね。

石ガレイの刺身そして! なんとこれは美しいですねぇ! 丸皿にずらりと並んだ、透き通るようなきれいな刺身は石ガレイです。

おぉっ。プリップリ。うっまぁ~っ。まん中に盛られているエンガワと肝が、特にいいですねぇ。日本酒ください、燗で!

すでに、みんな1杯目の生ビールから、あるものは地酒に、またあるものは焼酎にと移っていたのですが、私はもう1杯生ビールをもらってたのでした。しかし、この石ガレイの刺身で、一挙に燗酒に移行です。ちなみに、燗酒は「越の誉(こしのほまれ)」です。(もしかすると、他の地酒も燗をつけてくれるのかもしれませんが、注文してみたことはありません。)

石ガレイの洗い「こちらは洗いです」。同じ石ガレイの刺身が、今度は洗いで出てきました。もともとさっぱりとした味わいなのに、こうやって洗いを食べてみると、刺身のほうはけっこう脂がのっていることが認識できます。へぇ。こちらもいいなぁ。「やっぱり夏はカレイだよね!」と思わせてくれる一品です。

石ガレイのカルパッチョそして、カルパッチョ。これも、どう考えても悪かろうはずがない。これだけの石ガレイですからねぇ。

しかし、これは4人でちょうどいいぐらいです。2~3人で注文すると、この時点でもう満腹になっちゃうかも。魚1尾って、思ったよりボリュームがあるんですね。

中骨の唐揚げ「中骨の唐揚げで~す」。おぉ。まだ出るか! 大きな丸皿いっぱいに、中骨がその形のままドカンと乗っかってます。なるほど。こんな大きい石ガレイだったか。

唐揚げには、焼酎かな。すでにボトルでもらっていた「浪漫倶楽部」を1杯ついでもらいます。ん? この焼酎もうまいですねぇ。ちょっとボトルを見せて。へぇ。北海道清里町産のジャガイモ焼酎ですか。ホワイトオーク(樽)で長期保存してるんだって。だから琥珀色なんですね。最近は、焼酎も本当に種類が増えて、味も香りもよくなってきてます。

石ガレイのあら煮あら煮も登場です。これで石ガレイ5品目。なにしろ煮魚で食べてもおいしい石ガレイですからね。あら煮もさすがのうまさです。

ひとしきり調理も終えて、近くに来てくれた店主からは「来週になるとサッポロのエーデルピルスが入りますよ。ホワイトアスパラも入る予定です」という情報。アスパラは、北海道は喜茂別から毎年(グリーンアスパラとともに)入っている品物で、2週間ぐらいの短い間しか食べられない逸品なのだそうです。ボイルやバター炒め、網焼きが各580円の予定。

エーデルピルスのほうは、ファインアロマホップたっぷりで、同じサッポロのエビスビールよりも贅沢なビールだそうです。ただし、業務用にしか売られていないので、それを仕入れているお店で飲むしかないですね。中ジョッキ1杯が680円とのことです。

石ガレイのあら汁(みそ汁)おぉ。12時だ。そろそろ帰らなきゃ、近くの人たちも電車がなくなっちゃう。「はいはい。じゃ、最後に石ガレイのみそ汁を出しましょうね」と、各自に1杯ずつのあら汁が出てきます。

うわ。シメとしても最高ですが、時間的な余裕があれば、このあら汁だけでもお酒が数杯いけそうですねぇ。いいダシが出てます。

それにしても、この石ガレイ1尾丸ごとは、正解でしたねぇ。大勢(少なくとも3人以上)で来たときでないと、量が多すぎてたのめなさそうですが…。小ぶりの魚を選んでもらえば、2人ぐらいでも楽しめるのかなぁ。

お勘定は4人で18,400円(ひとり平均4,600円)ぐらいでした。いやいや。たっぷり4時間以上楽しんじゃいましたねぇ。金曜日なので、本当は自宅に帰る予定が、この時間になるともう電車もない。しかたない。今夜も単身赴任寮に帰るか。なにしろ、ここから寮までは歩いても20分ほど。タクシーでもワン・メーターの距離なのです。

他のみんなは、店のすぐ近くの屏風ヶ浦駅から京急線に乗り込みます。改札口のところで、「じゃあね。お休みぃ! また来週!」と見送って、寮へと向かったのでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月21日(金)の記録》

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懐かしの「鳥芳」風ガツ酢! … 居酒屋「ぜん」(鷺ノ宮)

都内での仕事が終わりました。ちょっと飲んで帰りたいけど、あいにくの雨。台風2号が近づいてきてるのです。こういうときは自宅の近くの居酒屋がいいですね。

そうだ。「鳥芳」のあとにできた居酒屋「ぜん」に行ってみましょうか。この店は先日ちょっとだけ様子をのぞいてみたのですが、そのときは、「あぁ。ここが鳥芳だったのになぁ」という懐旧の念のほうが強くて、「ぜん」自体の印象をつかめなかったのでした。今日は、「鳥芳」のことは忘れて、新しい居酒屋として再訪してみることにしましょう。

「こんばんは」。傘をたたんで、開けっ放しの入口から店内に入ったのは午後6時半。

店内は、並行する2本のカウンターをはさんで、右側の空間と、左側の空間に分かれています。左側の空間には、その左側の壁のところに作りつけのカウンターがあるので、都合3本のカウンターが並んでいる形になります。

左側の空間には、同一グループの人らしい6人の男性客が陣取り、すでに盛り上がっています。右側のカウンターには、奥のほうに先客が2人。私はその手前側に陣取ります。

「飲みものはなににしますか」と店主。「ホッピーをお願いします」「はい。ホッピーひとつ、お願いします」と、カウンターの奥の厨房部分にいるおねえさんに注文がとおります。

このふたりは夫婦かと思っていたのですが、地元の居酒屋フリークHsさんの話によると、違うとのこと。ここの店主のお父さんが、以前は喫茶「」の近くで「善九郎」という居酒屋をやっていたらしいのですが、今の店主の代になって、ここ「鳥芳」の跡地に移ってきた。そして、このおねえさんは、先代の「善九郎」のころからお店を手伝っていた方らしいのです。

そのおねえさんが、ホッピーにはやや小ぶりのグラスに焼酎と氷を入れ、栓を抜いたホッピービンと一緒に出してくれます。トクトクとホッピーを注ぎ込み、まずはひと口。あぁ、うまいっ。このホッピーが350円です。サワー各種が300円なので、ホッピーはやや高めの価格設定でしょうか。いや、「ホッピー 350円」という価格設定は普通なんだけど、その量がやや少な目なので高く感じちゃうんですね。

さあて。つまみは何にするかな。この店のメニューは、その日の日付入りで、筆書きされています。このメニューを書くのも、実はさっきのおねえさんなんですね。前回この店に来たときに、まだ店が開いてすぐの時間だったので、ちょうどおねえさんがメニューを作っているところに居合わせたのでした。店主と、今日はなにが出せるのかを打ち合わせながら、その場で筆を走らせていくのです。

一番安いメニューは、生キャベツ、温キャベツの各150円。その次は、一気にエゾカマボコの300円や、ラッキョウ漬の350円といった300円クラスに飛びます。そしてビントロブツ、メカブトロロ、焼チョリソーなどが500円、あさりバターやしめじバターが600円と、500~600円クラスが多いのは、前身である居酒屋ゆずりなんでしょうね。大衆酒場にしてはやや高めという価格設定だろうと思います。

おぉ~っ! ガツ酢がある! メニュー上の名前は「ガッツ(ガツ酢)450円」と、カッコつきの表現になっていますが、これをもらってみましょうか。「ちょっと時間がかかると思いますので、これでもつついててください」と店主が落花生を出してくれます。

この落花生は、店内では箸置き代わりにも使われているもののようです。そういえば、十条の「斎藤酒場」も落花生の箸置きでしたね。

その落花生をポリポリとかじりながら、ちょうど1杯目のホッピーを飲み終えるタイミングでガッツ(ガツ酢)が出てきました。ほんじゃ、ナカをお願いします。ナカはホッピーの焼酎部分のおかわりのことで、180円です。

なんと! このガツ酢は! ちょっと食べて確認してみましょ。どれどれ。あ、やっぱり。これは「鳥芳」のガツ酢(ショウガ味)とほぼ同じ内容、ほぼ同じ味付けなんですね。この店を引き継ぐにあたって、肉の仕入先なんかも「鳥芳」から引き継いだらしいので、もしかするとガツ酢の味付けなんかも引き継いだのかもしれませんね。あるいは、「鳥芳」の常連さんの指導によるものなのかも…。いずれにしても、懐かしいし、うれしいですね、これは。「鳥芳」のことは忘れて、新しい居酒屋として再訪したつもりが、思いっきり「鳥芳」に引き戻されちゃいました。

じゃ、次はもつ焼きにしましょう。まずはレバーとタンを1本ずつお願いします。タンは塩でくださいな。

もつ焼きはタン、ハツ、レバー、シロ、ナンコツ、コブクロが各1串120円。ネギマ、ツクネ、コメカミ、黒いも、ピーマン、しいたけ、うづら卵、肉巻は各1串220円です。1串220円というのは、世間のもつ焼き水準から考えるとずいぶん高いかもしれませんね。もしかすると、量がすごいのかな。

となりの2人組からは「割り水焼酎を燗で。あとマルサヤね」と注文が飛びます。なんだなんだ。飲みものも食べものもどっちもわかんなかったぞ。なんなんだろう。

見ていると、黒ジョカ(鹿児島の焼酎用の酒器)が焼き台にのります。うわぁ、この光景も懐かしいなぁ。私は学生時代に博多にいたのですが、そのころ焼き鳥屋さんに行くと、焼き台の端っこのほうによく黒ジョカがのっていたものでした。

「それが割り水焼酎ですか」と店主に聞いてみると、「そうなんです。芋焼酎2種類をブレンドして、海洋深層水で割って、そこの甕(かめ)で寝かしてるんです」とのこと。メニューによると1合が700円、2合が1,300円。もちろん燗だけでなく、ロック(といっても、すでに水割りになっている)などでも飲むことができるようです。

その黒ジョカの横には、大ぶりの魚の干物がのります。う~ん? この香りはもしかして? そうかぁ、クサヤなんだ。再度メニューを確認してみると、「○サヤ(八丈島産) 800円」と、1文字目を伏せ字にしてある。これをそのままマルサヤと呼んでるんですね。

マルサヤは、焼きたてのアツアツが、店主の手でサッサッとほぐされて、皿に盛られて完成です。やぁ、おいしそう。しばらく食べてないですねぇ、マルサヤも。しかし、大ぶりのものが、まるまる1尾分ですからねぇ。いくら好きでも、ひとりじゃもてあましそうです。

え~と。私のほうはナカ(180円)をもう1杯もらって、焼きものはコブクロとハツをください。どっちも塩でお願いします。

「特製塩ダレというのを作ってみたんですけどいかがですか」と店主。え。そりゃぜひ試してみましょう。お願いします。

店主は、カウンターの下からなにやら取り出して、小皿に入れてくれます。「基本的にはゴマ油と塩なんですけどね。ちょっとつけて食べてみてください」。ほぉ。なるほどねぇ。ハツやコブクロは、もともと脂分が少ないので、こうやって油をつけると味が変わっておもしろいですねぇ。

いやいや。どうもごちそうさまでした。1時間弱の滞在で、今日は1,640円。なにしろガツ酢が懐かしかったですねぇ。

店情報

《平成16(2004)年5月19日(水)の記録》

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店情報: 居酒屋「ぜん」(鷺ノ宮)

  • 店名: 炉端「ぜん」
  • 電話: 03-3337-0137
  • 住所: 165-0032 東京都中野区鷺宮3-18-13
  • 営業: 16:00-24:00(23:00LO)、日休
  • 場所: 西武新宿線鷺ノ宮駅の北側。鷺宮図書館のすぐ前の路地にある。
  • メモ: もつ焼きはタン、ハツ、レバー、シロ、ナンコツ、コブクロが1串120円。ネギマ、ツクネ、コメカミ、黒いも、ピーマン、しいたけ、うづら卵、肉巻は1串220円。その他に日替わりつまみがあり、たとえば、らっきょう漬 350円、厚揚げ焼 380円、キムチ奴 450円、あさりバター 600円、ぶり塩焼 600円など。飲みものはビールが生中、中瓶ともに500円、日本酒(七福神)1合300円、冷酒(九平次)1杯600円、ホッピー350円、ナカ180円、サワー各種300円など。

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ちょっとどぎつい緑の悪魔 … バー「pure(ピュアー)」(野方)

「竹よし」での夕食会は、午後9時過ぎにお開きとなりました。夕食会が始まる前は、「明日は仕事だから、一次会だけにしておこう!」と心に強く誓いながら家を出てきたのですが、おいしい鯨を肴に、日本酒(冷酒)をたっぷりといただいて、すっかりいい気持ちになってるその上に、Itさんから「オレも一度ピュアーに行ってみたいんだよね」という言葉まで出てきては、このまま帰るわけにはいきません。「じゃ、ピュアーに繰り出しますか!」と、Itさん、Hsさんと3人で都立家政商店街を南下します。

「こんばんはぁ!」と元気よく「ピュアー」の扉を開けて店内へ。日曜日、午後9時半の店内には、先客が5人。一番奥で、ちょうどお勘定をしているのは、先日も「竹よし」の夕食会の後、ここでお会いした(若い女性ひとり客改め)Ykさんです。

「竹よし」の大常連であるItさんは、「ピュアー」に来たのはこれが初めてですが、Ykさんのことはよくご存知のようで、「なに帰ろうとしてるんだよ。もう1杯飲もう!」と、Itさんと私とで、Ykさんの両側をがっちりとはさみ込む形でカウンターに陣取ります。「もう帰ろうと思ってたのにぃ…」と言いながら、Ykさんも(不承不承)付き合ってくれます。

みなさんそれぞれにカクテルを注文。私も1杯目のカクテルとしてマティーニ・オン・ザ・ロック(たぶん630円)をいただきます。このカクテルは、その名のとおりマティーニを、ロックスタイルで出してもらうもので、普通のマティーニよりも飲み口が軽くなるのです。

さっきまで「竹よし」でもたっぷりとお話をしたのに、ここはここで、また大いに盛り上がります。Itさんも、Hsさんも、Ykさんも。みなさんとっても楽しい酒飲みなのがいいですね。飲むほどに、酔うほどに楽しくなっていく。

2杯目は、前回と同じく、グリーン・スティンガー(デビル)をいただきます。ただし、今回はロックスタイルではなくて、ショートカクテルスタイル(三角形のカクテルグラスで出てくる形)です。

ロックスタイルの時には、本当に涼しそうな色合いだったのですが、ショートカクテルとして出てくると、緑色がどぎつい。「わぁ、気持ち悪いぐらいの緑色ですねぇ」とYkさんもびっくりしたように見ています。なるほど、これを称してデビル(悪魔)と呼ぶんですね。納得の色合いです。

こうして午後11時まで、1時間半ほど楽しんで、お勘定は4人で6千円強。「初回だし、Ykさんにも居てもらったから、オレが払っとくよ」と、Itさんにおごっていただいちゃいました。どうもごちそうさま。>Itさん

そうそう。むりやりおじさんたちに付き合わせちゃってすみません。パァ~ッと明るいYkさんのおかげで、よりいっそう楽しい時間になりました。>Ykさん

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月16日(日)の記録》

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鯨づくしの前夜祭 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

今月もまた、近所の居酒屋「竹よし」の夕食会の日がやってきました。今年から、第2土曜日と第3日曜日の2回ずつ夕食会を行っている(*1)ので、サラリーマンの私としては第2土曜日の会に参加していたのです。しかし、今月は第2土曜日が5月8日のため、大型連休に引っかかる人もいるだろうということで、第3日曜日である今日の1回だけに集約されたのでした。(注1: 第2土曜日の会と第3日曜日の会は、それぞれ独立した別々の食事会で、もちろんテーマ食材も変わります。)

1回に集約したかわりにということで、「夕食会30回(*2)記念特別企画としてテーマ食材をクジラにしよう!」という話が、前回の夕食会のときから出ていたのです。(注2: 実際に第30回だったのは、4月18日(日)の夕食会で、残念ながら、この会には私は出席できていません。したがって、今回は回数で言うと第31回の夕食会だったのでした。)

しかし、肝心の尾肉が入手できなかったということもあり、今回はその「前夜祭(準備会)」ということになりました。

生ミンク鯨刺しとはいえ、店主(マスター)の尽力により、尾の身以外の部分はほとんどそろっている状態。HsさんやTaさんご夫妻ら、参加メンバーのみなさんと生ビールを飲みながら待つうちに、まず出されたのは生ミンク鯨の刺身です。

これはまた、ツヤツヤときれいな赤身ですねぇ。生姜醤油でまず1切れ。ん~。やわらかい。昔の鯨は、やたら筋っぽいイメージがあったのですが、高級品になった最近は、本当にやわらかくておいしい。

これは日本酒をいただきましょうか。なにしろ食べるものが鯨だけに、合わせるお酒は高知の「酔鯨(すいげい)」。今日のは特別純米酒です。ッカァ~ッ。うまい。思わず舌鼓を打ってしまいます。

生ミンク鯨ステーキ続いて登場したのは、同じ生ミンク鯨のステーキ。アスパラが添えられ、上にはたっぷりと大根おろしがのっています。これもまた、やわらかさが際立っていて、すばらしいですねぇ。明らかに、私が子供のころによく食べていた鯨とは別物です。

いや、昔の鯨だって好きだったんですよ。それ以外の肉類が今ほど豊富にはなかったので、鯨の日は、「やったー、今日は肉だ」という喜びがあったものです。しかし、今食べているこの鯨ステーキは、牛や豚など、他のいろんな肉と並べても負けないぐらいにうまいと思うのです。牛肉の赤身だって、マグロのほほ肉だって、これほど上品ではない。極上の赤身といえるのではないでしょうか。

ミンク鯨も、調査捕鯨で捕獲できるのは年間500頭のみ。1頭あたり約1千万円程度するのだそうです。1頭の重さが5~8トンぐらいといいますから、その半分ぐらいが食用に使えるとして、単純計算でも100gあたり250~400円ぐらい。これに加工コストや流通コスト等も加算されていきますから、高いのもしかたないですよねぇ。

生ミンク鯨の刺身とステーキを堪能した後は、鯨の珍味類。ベーコンと、さえずり、百尋の3品が出されます。

鯨ベーコンまず鯨ベーコン。これは畝須(うねす)赤ベーコンという、鯨ベーコンの中でも、最高級といわれているものです。鯨の腹部の白いアコーディオン状の白皮を畝(うね)、その内部の赤身の部分を須の子(すのこ)と呼ぶことから、畝須というのだそうです。まわりが赤いのは、食紅による着色。これがなんとひと塊(100g強)で4千円もするのだそうです! 本日の最高級食材ですね、きっと。

さえずりさえずりは、鯨の舌。これも薄~くスライスして、ベーコンと同じようにいただきます。脂身の部分がとっても多いのがさえずりの特徴かもしれません。その昔、脂を抽出するために利用された事も多いというのもうなずけます。トロリとした感じと、しっかりとしたシコシコ間とが両方味わえる、おもしろい食材ですね。これもけっこう高級でひと塊(100g位)が2千円です。あ。赤ベーコンもそうですが、今書いている値段は、すべて仕入れ値ですからね。念のため。

百ひろそして、百尋(ひゃくひろ)。これは鯨の腸(小腸)をボイルしたもので、これも断面方向に薄くスライスされています。ソーセージのスライスっぽくもあるのですが、その断面はまさに腸。へぇ、腸の輪切りってこんななんだと納得できる(?)品物です。これはなにしろ、プリッとした歯応えがいい。これまたひと塊(100g位)が2千円程度と高級品です。

百尋の「尋(ひろ)」というのは、水深などを測るのに用いられた長さの単位だそうで、1尋は6尺(=約1.8m)。鯨の腸がとっても長いことから付けられた名称なんでしょうね。ちなみに、同じく珍味として食されることのある鯨の胃袋。こちらは百畳(ひゃくじょう)と呼ばれているのだそうですよ。

遅れていた食事会メンバーも、ひとり、またひとりと増えていきます。ItさんとMyさんは、昨日から山菜取りに出かけていたのだそうで、山菜のお土産をたくさん持っての帰還です。ウドやワラビの鮮烈な野の香りもいいですね。(残念ながら、運転していたMyさんは夕食会には不参加でした。山菜どうもありがとうございました。)

これらのほかにアン肝やアン肝豆腐といった店主の隠し玉も出てきます。さらにはおかみさんの手料理、そしてなんとTaご主人の特製手料理(?)も登場です。

鯨のお吸物そして、最後のシメは鯨汁。塩がピシッときいたお吸い物は、日本酒をたくさんいただいた舌に心地よい。これ1杯で、またお酒が進んでしまいますねぇ。これはいかん。(苦笑)

今回は、「前夜祭(準備会)」ということで、食事会の会費はいつもと同じ(飲みもの付きで4,500円)だったのですが、これだけの鯨料理をそろえるとなると、いつもと同じ会費では相当厳しかったに違いありません。どうもありがとうございました。>マスター

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月16日(日)の記録》

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満腹! ゴーヤチャンプル … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

土曜日です。例によって夕方の図書館散歩のあと「川名」に向かいます。店についたのは、午後4時半。おぉ。今日はいつにもましてすごい状況です。カウンターはもちろんいっぱい。テーブル席にも全卓に客が入っており、奥の小上がりにもすでに何組か入っている。まだ開店30分後なのになぁ…。

「いらっしゃいませ。B卓に相席でどうぞ」というおねえさんの声にしたがって、B卓左に座ります。向かい側、B卓右に座っているお客さんも、いつもカウンター2~3番席あたりで見かけるお客さんで、年配の常連客です。

ちなみに、B卓右、B卓左という場合の左右は、カウンター側から見てどっちかということを示していて、お店の人同士で場所を伝えるときの言い方です。たとえば、店主がおねえさんに、「マグロブツはどちら?」と確認すると、おねえさんが「B卓左です」といったように答えるのです。

席につきながら、さっそく生グレープフルーツサワー(336円)を注文します。

すぐに飲みものを持ってきてくれたおねえさんは、私にとっては初顔。つまり今日は、手伝いの中国人女性がいつもの2人から3人になっているのです。店主夫妻(←夫妻だろうと思ってるんですが、確認したわけではありません)のほかに、手伝い3人の、都合5人で切り盛りしているんですね。とはいえ、なにしろお客さんが多いので、てんてこ舞いの状態です。

飲みものを持ってきてくれたおねえさんは、まずは私よりも先に入っていた、いつものカウンター1番席の常連さんに注文を聞きます。「大変そうだから、あとで注文するよ」と1番のお客さん。

次に私のところにやってきて、「時間がかかるかもしれませんが、先にうかがっておきますか?」とおねえさん。「じゃ、先にたのんどこうか。アオヤギの貝焼き(168円)とタイのたまご煮(231円)をお願いします」。いつもは1品ずつ注文することが多いのですが、今日はかなり大変そうなので、2品まとめて注文です。

サワーでも飲みながら、ゆっくりと待つか。と、グレープフルーツをスクイザーで絞っていると、「タイたまご煮で~す」と、待つ間もなく1品が出てきました。なるほど、これはすでに作り置いているものを小鉢に入れるだけなので、すぐにできるんですね。それでも、鍋から盛っただけではなくて、上に木の芽が添えられたりして飾られてるところが、どんなに忙しくても手を抜かないという「川名」らしいところですね。

それにしても、このタイの卵も大きいなぁ。先日の真鯛づくしのものに匹敵するぐらいです。

タイの卵をちびちびとつつきながら、前の席の常連さんに「あのおねえさんたちは、なんていう名前なんですか」と聞いてみます。するとおじさんは、マグロブツをつっつきながら、「少し前からいる人はミィさんというみたいだねぇ。字はどうだったかなぁ。美という字じゃなかったと思うんだけど。もうひとりの、最近入った人はリュウさん。もうひとりはボクも知らないなぁ。え? あの人は今日がはじめてかって? いや、平日も時々見かけるよ。おかみさんはエミさんっていうんだよ」と、最後にはおかみさんの名前まで教えてくれました。(笑)

「そうそう。そういやアイちゃんも日本に帰ってきてるみたいだよ。別のところでバイトしながら学校に通ってるんだろうと思うけど、ミィさんが同じところに住んでるんじゃないかなぁ」と、さすが大常連さんです。

そこへ、アオヤギ貝焼きができあがってきました。「貝焼き」の名のごとく、貝殻ごと炭火で焼き上げたもので、ほわんと蒸気が上がっています。ん~。香りもいいですねぇ。焼き貝ならではです。どれどれぇ。いつもは刺身になった足の部分ぐらいしか食べることがないのですが、身もおいしい! いいですなぁ、これは。2個たのんどけばよかったかなぁ。

このあたり(午後5時ごろ)で、小上がりも含めて、店内が「満員御礼」の状態になりました。ひとり客、男女2人連れ、グループ客、家族連れと客層もさまざまですが、さすがにウイークデイと違うのは背広姿のサラリーマンがいないことかな。

ちょうどリュウさんが横を通りかかったので、生グレープフルーツサワー(336円)のおかわりをお願いします。

次のつまみは何にするかなぁ。今日のメニューとしては、他にサザエのつぼ焼き(189円)もあります。これもうまいんですよね。刺身のメニューはマグロブツ、マグロ山かけ、カツオ刺身、カツオたたき、そしてこれを刺身に入れていいかどうかというところですがホヤ酢。これら5品が各294円です。

ん~。なんか玉子っけのものがほしいなぁ、今日は。ここの玉子系のつまみもボリュームたっぷりでおいしいんですよね。定番メニューとして出てるのは玉子タクワン焼、ニラ玉、キムチ玉子焼、トマト玉子焼の4品で、各336円。そういえば、前回相席になった人が食べてたゴーヤチャンプル(336円)も、玉子たっぷりだったなぁ。よし。今日のメニューにもゴーヤチャンプルがのってるので、今日はゴーヤチャンプルにしてみましょう。おかわりの飲みものが出てきたところで、ゴーヤチャンプルを注文します。

おかわりしたサワーを飲みながら待つことしばし。長方形のお皿からこぼれんばかりに盛り上げられたゴーヤチャンプルの登場です。これはねぇ。夏場のカキ氷なんかを想像してもらえれば近いのですが、とても山の途中には箸を入れられない状態。てっぺんから順番に食べていくしかないですね。

さっそくてっぺんのひと塊を箸でとって、ハフホフとほお張ります。やぁ、これは熱(あつ)うま。前回、向かいの人が食べていたときは、「これはゴーヤチャンプルといいながらも、豆腐の入ってないゴーヤ玉子焼きなのかなぁ」なんて思ってたのですが、豆腐もしっかりと入っています。ただ、豆腐が四角(立方体)ではないために、玉子の部分と同化しちゃってるんですね。これはうまい。しかも、ゴーヤも、これでもかというほどたっぷりです!

マーボ豆腐や、湯ギョウザ(ともに399円)も、ボリュームたっぷりなのですが、これらは汁っぽいので、比較的消化も早い。ところが、このゴーヤチャンプルをはじめとする玉子焼き系は、本格的にボリュームたっぷりなので、しっかりと満腹になってしまうのです。

こんなボリュームなのに、次々に箸が出てしまいます。サワーを飲んではゴーヤチャンプルをつまみ、ゴーヤチャンプルをつまんではサワーを飲んでと繰り返すうちに、気がつくとどちらも空っぽに。うぅ~っ。満腹じゃ。

時刻もちょうど午後6時。今日はこれで腰をあげますか。1時間半の滞在で、今日は1,407円でした。ごちそうさま。

いつもはこの夕方の図書館散歩からの帰宅後に、家族としっかりと夕食をとるのですが、今日はさすがに満腹で、家族たちが食べてる様子を見ながら、横でチビチビとお酒を飲むぐらいしかできませんでした。う~む。「川名」の玉子焼き系つまみは、食前に食べるものではありませんなぁ。(反省)

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月15日(土)の記録》

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「やっこ」も人気! … もつ焼き「金ちゃん(きんちゃん)」(練馬)

都内での仕事のあと、営団地下鉄改め東京メトロ・丸ノ内線から、中野坂上で都営地下鉄大江戸線に乗り換えて着いたのが練馬です。久しぶりですねぇ、練馬も。向かうのは、この界隈ではおそらく随一の大衆酒場、「金ちゃん」です。

実は今までにも何度か「金ちゃん」の前まで来たことがあるのですが、そのたびに店内は満席。やむなく素通りとなっていたのでした。現在の時刻は午後5時45分。この時間なら大丈夫でしょう。

おっ。のれんが新しくなってる。以前はくすんだ感じのよれよれののれんだったのに、濃紺の真新しいものに変わっています。しかし、大きさは以前と一緒。この大きなのれんが、いかにも大衆酒場ですなぁ。さてと、のれんをくぐりますか。

…。えっ!? こんな時間なのに、もうお客がいっぱいじゃないの!

なかば呆然と、大衆酒場としては広めの店内を見渡していると、すぐ右手、焼台のところにいる大将から「ひとり? カウンターの一番奥のところに入って!」と大きな声で指示が飛びます。この指示は、客である私にはもちろん、奥で働いている店の人たちにも聞こえるように出されたもので、さっそく一番奥にかろうじて空いていた、この時点ではまだ一人分とはいえないぐらいのせまい空間周辺をパタパタと片づけて、となりのお客さんの飲みもの、食べものもちょっとずつ寄せて、無事にひとり分の空間ができあがりました。

その席に腰をおろし、まずはホッピー(350円)を注文します。

店は路地の角地にあって、先ほど入った大きな路地側の入り口から見ると、正面から左手にかけて、ずらりとテーブル席が並んでいます。右手には向かい合った2列のカウンターがあって、その両カウンターにはさまれた一番手前のところに焼台が、カウンターの奥側に厨房があるのです。沼袋の「ホルモン」や、今はなき鷺ノ宮の「鳥芳」をご存じの方は、あの形をそのまま大きくしたものと考えていただければ近いと思います。カウンターが長くなって、テーブル席側の面積がうんと増えて、もちろんテーブル自体の数も多いというイメージですね。

私が今座っているのは、内側カウンターの一番厨房側。この席は本来は飲みものを作るための場所のようで、店中の飲みもののすべてがここで支度されている。私のホッピーも準備が始まりました。まずは「源氏」という銘柄の焼酎が、サワーグラスにトトトとつがれ、横のザルに山とつまれた氷が、手づかみでガラガラと入れられます。そして、別途用意されたビン入りホッピー(いわゆるソト)の栓がポンッと抜かれて、さっきほどのサワーグラスとともに「はいどうぞ」。

この店は、男性は焼台を受け持っている大将ひとりしかいないようで、そのほかはみんな女性。カウンターの受け持ちは、ほかの店員さんからも「ママ」と呼ばれている年配の女性の様子。そしてフロアにもベテランらしき女性がひとり。それ以外の3人は、外国の女性のようですが、ひとりは完全に厨房、もうひとりは厨房兼フロア、もうひとりはフロアと、役割分担が決まっているようです。

店内はなにしろお客が多くて、しかもテーブル席側は若者のグループ客がほとんど。大衆酒場の早い時間は、年配のお客さんが多いという光景が普通だと思うのですが、ここはちょっと違いますねぇ。さすがにカウンター席は年配のお客さんが多いようです。

さて。つまみですね。まずは刺身をもらいましょうか。魚の刺身もありますが、「金ちゃん」に来たら、やっぱりモツでしょう。レバー刺し、コブクロ刺し、ハツ刺しが各300円。ほかであまり見かけないハツ刺しをもらいますか。

注文のタイミングがむずかしい。大量のお客さんから次々に注文が入っているので、店員さんが5人居てもテンテコマイの状態なのです。しかし、なにしろこの場所は「飲みもの作成場」。ちょうど飲みものを作りにきたママさんに「ハツ刺しをお願いします」と注文します。口にボールペンを横ぐわえにして飲みもの作りをしているママさん、ボールペンをくわえたまま、目だけをこっちにむけてコクンとうなずきます。

そのハツ刺しを、厨房を担当しているちょっと太めの(失礼!)外国人女性が作りはじめます。すぐ横の冷蔵庫から大きなハツのかたまりを取り出して、スィ~ッ、スィ~ッと薄めにスライスしていきます。うまいもんですねぇ。これを角のところに醤油入れがついた長方形の皿にきれいに盛って、上に刻みネギをのせてできあがりです。

どれどれ。ほぉ。これはおいしい。薄切りなのに、筋肉のしっかりとした食感がしっかりしている。逆に、この薄さが食感の決め手なのかもしれませんね。私自身、ハツ刺しを食べるのは、おそらくこれが生まれてはじめてだと思います。

またまた、ちょうど目の前にきたママさんに、「ホッピーの焼酎だけおかわりください」と注文します。焼酎だけは250円です。この店では、特に計量用のコップはなくて、店員さんたちが目検討で一升瓶からつぎます。2杯目のホッピーを作っても、ソトの部分がまだ1杯分余ってる状態ですので、ナカの量はほぼ「やき屋」程度でしょうか。

それじゃ、ちょいと焼いてもらいますか。レバーとコブクロ、カシラ、それとナンコツ。「もしかして、1本ずつ?」とママさん。「ダメ?」「いいよ。味は?」「塩で!」。ママさんは、おもむろに焼台の方向に向き直り「レバー、1本。コブクロ、1本。……」と、ひとつずつ区切って注文を通します。「もしかして…」と聞かれたところをみると、普通は2本1セットでたのむのかな。

もつ焼きは1本80円と、数あるもつ焼き店の中でも、もっとも安い価格設定だろうと思います。しかし、出てきたもつ焼きは、大きさは普通なものの、鮮度は立派です。塩焼きが実にうまい。

もつ焼きはほとんどの人が注文している品物ではありますが、もつ焼きだけを食べ続けているという人はそんなにいないみたいです。なにしろ、テーブル席側の壁の端から端まで、ずらりと短冊(たんざく)メニューが並んでて、そのほとんどが200~300円なので、もつ焼きもたのむけど、短冊メニューのつまみもたのむという人が多いのです。

私も、その短冊メニューの中からガツホルモン(250円)をもらいましょうか。「はい。ホルモンひとつぅ!」と、ママさんから厨房へ(といっても、1mあるかないかぐらいの距離ですが)注文が通ります。

ガツホルモンは、味をつけて煮込んだガツを冷まし、細(ほそ)くスライスしたものが小鉢で出てきます。味も食感も楽しめる一品で、つまみとしてとてもいいですね。お酒も進みます。

カラン! 飲み干したグラスの氷の音が響きます。ちょうど目の前にきていたママさん、くわえてたボールペンを手に持って、 「ナカ?」。はいお願いします。なんだ。この店でもやっぱりナカで通用するんだ。

これでちょうどソト(瓶入りのホッピー)がなくなります。なるほど、ちょうど3杯分なんですね。

店内はずっと満席状態が続いています。前にも書いたとおり、2列あるカウンターは年配の常連さんが多いようです。しかし1列8席程度、2列合わせても16席しかないので、カウンターはすぐに満席。あふれた常連さんは、カウンター後ろ側のテーブル席に入れ込み状態で座ってるみたいです。

そのカウンターで人気があるのが「やっこ」(150円)。私もひとついただきましょう。実は、これが「やっこ」であると認識できるのにやや時間がかかったのです。カウンター上にはたくさん出てるのですが、なにか別の料理かと思っていたのです。まず外観が特徴的。長方形のお皿に、平べったい感じの豆腐がどかんと置かれ、それが8等分ぐらいに切り分けられています。それが見た目には豆腐よりもずいぶん硬そうな品物に見えるのです。いや、実際に食べてみても、かなりしっかりとした豆腐なのですが…。ちょうど向かい側の人が「やっこ」と注文したら、これが出てきたので「やっぱりこれがやっこなんだ」と改めて認識し、私も注文した次第です。

沼袋の「ホルモン」の冷奴は高さがあるしっかりさなのですが、こちら「金ちゃん」は幅広いしっかりさですね。「ホルモン」同様、醤油皿は「やっこ」ののった皿とは別に、小皿で出てきます。しかし、ここの「やっこ」は、ショウガこそ豆腐のてっぺんに乗っているものの、刻みネギやカツオブシは豆腐の横っちょに添えられていて、いかにも「刺身風に小皿の醤油をちょいとつけて食べてね」と言わんばかり。実際、そうやって食べている人のほうが多いようです。もちろん私もそうやっていただきます。

大将は、6時半ごろまでは焼台のところでもつ焼きを担当してたのですが、ふと気づくと、今はママさんではないベテランの女性が焼台を担当しています。なるほど。この人ももつ焼きを焼くことができるんですね。

さてと。豆腐も食べ終えて、ホッピーもちょうど飲み終わったので、今日はこの辺にしておきますか。まだ月曜日だしね。今回は1時間強の滞在。ホッピー3杯と、つまみが3品。それにもつ焼きが4本で、お勘定は1,770円でした。どうもごちそうさま。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月10日(月)の記録》

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店情報: もつ焼き「金ちゃん(きんちゃん)」(練馬)

    050924a
  • 店名: もつ焼き「金ちゃん」
  • 電話: 03-3994-2507
  • 住所: 176-0012 東京都練馬区豊玉北5-16-3
  • 営業: 17:00-23:00、日休
  • 道順: 西武池袋線練馬駅南口を出て横断歩道を渡り、UFJ銀行と野村證券との間の路地を直進。二つ目の左角。駅から徒歩2分。
  • メモ: カウンターとテーブル合わせて約50席。もつ焼き、やきとり、野菜串焼き 各1本 80円。煮込み、煮込みとうふ 330円。レバ刺し、コブクロ刺し、ハツ刺し 300円。金ちゃんサラダ、まぐろぶつ 400円。山かけ 350円。さつま揚げ 300円。とんそく、枝豆、月見とろろ、ししゃも、もずく、チーズ、いか塩辛 250円。じゃがバター 200円。もろきゅう、冷奴、おしたし 150円。とり手羽先 1串 150円、とりにんにく 1串 100円など。飲み物はホッピー 350円、ビール(サッポロ大瓶) 480円、生ビール 大700円、中550円、サワー各種 350円。焼酎は源氏250円、白波(いも)、はがくれ(麦)各300円。日本酒(奥の松)300円など。
  • HTML版(2003年以前): (01.09.27)(01.07.19)

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熱々フワフワ玉子焼き … 居酒屋「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

横浜でみんなと飲んだあと、自宅最寄りの鷺ノ宮駅に到着したのは午後11時45分。まだ今日なので(笑)、もう1軒寄って帰りましょう。向かったのは、駅前の路地にある居酒屋「ほ里乃家」です。

ここ鷺ノ宮駅もそうですが、西武線沿線の駅前は、まったく駅前という雰囲気じゃないところが多いのです。駅前というと、銀行やスーパーが立ち並び、バスのロータリーやタクシーがずらりと並ぶタクシー乗り場なんて景色を想像します。ところが、西武線の場合、住宅街の中を線路が走り、その途中にどかんと駅があるといった感じなのです。

したがって、駅前の飲み屋街にしても、中央線沿線の飲み屋街は、いかにもそれっぽい路地沿いにずらりと並んでいるのですが、こちら西武線沿線は、住宅街に混ざってポツリポツリ。あまり飲み屋街といったムードではないのです。

「こんばんは」と店内へ。「いらっしゃいませ」と迎えてくれるのは店主。いつもは夫婦ふたりで働いているのですが、今日は(というか、この時間は)ひとりで切り盛り中です。

土曜日の真夜中近くにもかかわらず、店内には先客が3~4人。私も入口近くの席につき、「剣菱(けんびし)」(320円)を燗でお願いします。

燗酒とともに出されたお通し(200円)は、この店でときどき出てくる麩(ふ)の煮付け。これがまた、煮汁の味がしっかりとしみていて、いい酒のつまみになるのです。ところが、今日はなぜか「剣菱」が合わない。なんだか「剣菱」が鼻について、ちっともおいしく感じないのです。1軒目でずっと焼酎を飲んでたからかなぁ。

なんとなくあったかいものが食べたい気分なので、久しぶりに玉子焼(400円)をもらいましょうか。ここの玉子焼きは、注文してから玉子を溶いてつくりますからねぇ。できたてのフワフワが味わえるのです。

その玉子焼きができあがったタイミングで、2本目の燗酒をもらいます。今度は辛口の「剣(つるぎ)」(320円)をお願いします。

玉子焼きは、醤油をかけた大根おろしとのマッチングもよくて、とてもいい酒のつまみとなります。うん。「剣」のほうは大丈夫ですねぇ。なんでだろう??

熱々のうちに玉子焼きを食べ終えて、次はチビチビつつきならが飲もうと「わさび菜漬け」(300円)を注文したのですが、おしくも売り切れ。かわりに「おしんこ」(300円)をもらうことにしました。ここの「おしんこ」は、残念ながら自家製ではなくて、市販の袋入りのもの。しかし、3種類のそれぞれ別々のおしんこを盛り合わせたもので、これはこれでさっぱりといいつまみです。

さすがに12時半を回ると、ひとり、またひとりと帰りはじめ、最後には私ひとりになってしまいました。とはいえ、私もあとおしんこ1切れ分、お酒もおちょこに1杯分ぐらいしか残っていない。

それじゃ、私もボチボチと引き上げますか。腰をあげたのは12時45分ごろ。ちょうど1時間の滞在で、今日は1,540円でした。どうもごちそうさまでした。おやすみなさ~い。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月8日(土)の記録》

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隠れ家で魚料理 … 居酒屋「和(かず)」(横浜・杉田)

土曜日なのに出勤日。年に何度かあるんですよね、土曜出勤が。仕事のあと、残っていた会社の同僚たちと3人で向かったのが、会社近くの居酒屋「和(かず)」です。

「こんばんは。3人です」。店に入ったのは午後7時半。土曜日だから少ないかと思いきや、3つあるテーブル席の2つには、常連さんらしき年配の男女が合わせて4~5人ほど座っており、店の女性なども含めて談笑中です。

店の女性がさっと立ち上がり、「いらっしゃいませ。そちらにどうぞ」と、入口すぐ横の、唯一あいてるテーブル席を指し示してくれます。

店内は、右手にL字っぽい5~6人かけられるカウンター席。そして左手には3つのテーブル席と、さらに影になってよく見えませんが、奥には小上がりもあるのかなぁ。カウンターの奥側、入口から見てちょうど正面の小窓の向こうが厨房です。

左側のテーブル席は3つとも同じ大きさなのですが、カウンターが2番目のテーブル席の横あたりからはじまっているため、この一番入口に近いテーブル席だけが、右側にカウンターがなくて、ゆったりと使えるのです。

カウンターには、ひとり客らしき男性が座っていますが、彼も半分以上ぐらい後ろ(テーブル席側)向きで、話の輪に入っているようです。この人も常連さんなんでしょうね。土曜日も含めて休日は、地域の人たちの歓談の場となっているのかもしれませんね。

すぐに出されたおしぼりで手をぬぐいながら、「まずは生ビール(500円)を3つ」と飲み物を注文します。

生ビールとともに出てきたのはお通しの小鉢。これはナスの煮もの(冷ましたもの)ですね。なにはさておき、乾杯しましょ。土曜日なのにお疲れさまでしたぁ! カンパァ~イッ!

ッカァ~~ッ! うまいっ! こうやって、ゴックンゴックンと一気に流し込むときは、生ビールが最適ですねぇ。ひと息に半分ぐらい飲んじまったぞい。

カウンター奥の黒板にには、今日のおすすめの魚が書き出されています。そう。「肴」ではなくて「魚」なのです、この店の場合。メニューは(ご飯ものなどをのぞいて)すべて魚料理。

「なにたのむ?」と選びはじめる同僚たちに、「ほっときゃ刺身の盛り合わせが出てくるんじゃなかったっけ」と言ってるところへ、その刺身の盛り合わせの登場です。今日の刺身は、また豪勢ですねぇ。ちょっと1枚、写真でも撮っとこうよ。

ひとりで飲みに出かけるときは、できるだけめだたないように、店の空気にとけこむようにということを気にかけるようにしてるので、たいていの場合、写真も撮らない、メモも取らない。ところが何人かで来ると、(良くも悪くも)そこに自分たちの場ができちゃうので、写真を撮ったりするのはやりやすいですね。ただし、店そのものがもっている空気、雰囲気は(ひとりで出かけるときほど)感じられなくなります。

刺身盛り合せさて刺身。自分に一番近い右手手前から時計回りにタイ(松皮造り)、生ウニ、生ダコ、カンパチ、サザエ、マグロ、サヨリ、シメサバという8種の盛り合わせです。いつもながら、見た目もきれいですねぇ。つっついてしまうのが惜しいぐらいです。

ちなみに、後ほどのお勘定から逆算したところでは、この刺身盛り合わせと、最初のお通し3人前とで、5千円ぐらいのようです。

今まで、この店ではひとり客というのはあまり見かけなかったのですが、今日はひとり客が何人か入ってきます。カウンターに座りビールをもらったり、またある人はいきなりキープしている自分のボトルを、入口近くのキープ置き場から自分でもってきて飲みはじめたり。そこへおもむろに刺身の盛り合わせ(1人用)が登場するのです。盛り合わせの内容を指定している人もいます。観察したところでは、こうやって刺身盛り合わせだけで飲んで、スッと帰る人が多い。支払い額はひとり1,500~2,000円。ふと「美味い刺身が食べた~い」と思ったときにはちょうどいいかもしれませんね。

「ビールの次はなににする?」「焼酎のボトルでももらおうか」。常連さんたちに人気なのは「真露(じんろ)」の2リットルボトル(3,500円)。通常の720mlサイズに換算すると1,260円ですから、なるほど安いですよね。しかし、今宵われわれは「いいちこ」の720mlボトル(2,000円)を選択。水割りでいただくことにしました。

いつもそうですが、この刺身盛り合わせだけで、かなり長時間楽しむことができるのです。普通に飲むのであれば、これだけで十分なぐらい。われわれのようなグループ客は、どうしても滞在時間が長くなるので、つまみも追加です。

「鯛のあら煮(700円)とブリカマ(600円)をお願いします。」「すみません。鯛がなくなったんですよ。ナメタガレイの煮物はどうでしょう。」「じゃ、それお願いします」。

談笑しながら待つことしばし。まずはブリカマ焼きが出てきます。魚料理を専門にしている店で食べる焼き魚はおいしいですよねぇ。外がカリッとしてて、中はふんわりジューシーです。

ナメタガレイの煮魚もそう。どうやらおいしさのポイントは、焼き魚も煮魚も、火を通し過ぎないことにあるようです。かといって、生の部分が残ってはダメなので、絶妙なバランスが必要なんですね。

さてと。10時も回ったし、ボチボチと引き上げますか。お勘定は3人で9,800円でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月8日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「和(かず)」(横浜・杉田)

【このお店は現在閉店しています】

  • 店名: 活魚料理・小料理「和」(かず)
  • 電話: 045-773-5775
  • 住所: 235-0033 神奈川県横浜市磯子区杉田1-9-27
  • 営業: 未調査。平日および土曜日は営業しているようである。日祝は不明(行ってみたことがない)。
  • 道順: JR新杉田駅と京急杉田駅のちょうど中間あたり。杉田の商店街から、1本北側(磯子側)の細い通り。東漸寺のとなりの小さな路地にある。
  • メモ: 会社の先輩に「この界隈にも魚を扱う店は多いんだが、どっちかというと若者向けに値段も質も低くしているところが多い。この店は、値段もそれほど高くなくて、質がいいからいいんだ。客の年齢層も高いし」と紹介された店。小さな路地の、さらに路地。まさに隠れ家的な立地。
  • HTML版(2003年以前): (03.11.07)(02.06.24)

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定番メニューを極めるぞ … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

長かった連休(7連休)も今日で終了。明日からは仕事再開です。今日は個人的に連休の打ち上げ(?)でもやりますか。「じゃ、帰りに菖蒲(しょうぶ)と柏餅(かしわもち)を買ってきてね」なんて、「こどもの日」のおつかいまでたのまれながらわが家を出発です。

「川名」に到着したのはちょうど午後5時。例によって満席です。土日も連休も関係ないですねぇ、この店は。店主は「みんなが来るから開けなきゃしょうがないんだよ」と言い、客は客で「開いてるから、来てやんなきゃ悪いだろうよ」なんて、お互いに言い合いながら、いつものとおり、いつもの顔ぶれが集まってくるのです。

さてと。かろうじてテーブル席の一番奥に座れそうなので、あそこに相席させてもらいましょう。よっこいしょっと。こんばんは。相席させてくださいね。

私が席に座るよりも早く、すでにおしぼりとお通し(オレンジ2切れ)が出されて、いつものおねえさんが横でスタンバイです。「今日は、生グレープフルーツサワー(336円)をお願いします」「は~い」。このおねえさん。すっかり顔なじみにはなったんだけど、いまだに名前がわかんないんです。

まずはカウンターの常連さんたちに名前をしっかりと覚えてもらって、その人たちが「○○ちゃん、お酒おかわりね」なんて名指しで注文するようになってくると、こっちも「なるほど、○○ちゃんという名前なのか」とわかるようになってくるのです。今のところは、名前で呼んでる人がまだ1~2人しかいなくて、しかもちょっと判別しにくい。ミィさんとか、ニィさんとか、そんな風に聞こえるんだけどなぁ…。

トンとチュウハイ(焼酎+炭酸+氷)のジョッキが置かれ、それとは別にスクイザー(絞り器)にのせられた半個分のグレープフルーツが出されます。これをギュッコロ、ギュッコロと自分で絞りいれて生グレープフルーツサワーに仕上げるのです。

おねえさんは、私のすぐ横にレシートをかまえて、注文のスタンバイです。え~とねぇ。今日はヤリイカ(294円)からいきますか。

すぐに出てきたヤリイカは、体内の卵ごとさっと湯がいて冷ましたものを、注文を受けてから輪切り方向にぶつ切りにして、刺身風に盛りつけたものです。そうかぁ。普通のイカ刺しもさることながら、卵といっしょに食べるのもうまいんですよねぇ! 刺身醤油でいっただきまぁ~す。

ん~。うまいっ。それにしても、毎回いい意味での驚きを感じさせてくれるのが実にうれしいですね。このヤリイカ。やや小ぶりとはいえ、2ハイ分ですからねぇ。これで294円というのがものすごい。やりますなぁ、店長!

さてと。今日の2品目は、ホワイトボードメニュー(今日のおすすめ)ではなくて、カウンター上部の短冊メニュー(定番の品々)から選びますか。去年までは、ほとんどホワイトボードメニューばかりを注文していたのですが、今年に入って、マーボ豆腐(399円)にはじまって、前回の湯ギョウザ(399円)と、これまた予想外のビックリ品が出てくることが多いのです。今日はマーボナス(336円)をいってみましょうか。

相席のおにいさんは、ずっと漫画本(週刊誌)を読みながら飲んでいたのですが、ふっと顔をあげて「生グレープフルーツサワーはおいしいですか?」と話しかけてきました。「えぇ。私は好きですよ。甘みがグレープフルーツの分だけなんで、甘ったるくないんです」。そうなんです。特に居酒屋チェーン店などでレモンサワーやライムサワーを注文すると、やたらと甘いサワーが出てきたりして閉口することがあるのですが、ここのサワーは、生グレープフルーツを絞り込む前は、甲類焼酎と炭酸だけ。つまりほとんど無味無臭の状態なので、グレープフルーツを入れても、その分の甘み、酸味が加わるだけなのです。

そのおにいさんは、生グレープフルーツサワー(336円)と、ゴーヤチャンプル(336円)を注文です。じゃ、私もついでに生グレープフルーツサワーをおかわりしましょうか。

出てきました、マーボナス。ふ~む。量は336円とは思えないほどあるものの、質的には比較的普通ですねぇ、これは。味も普通においしいマーボナスです。

すごいのは、前のおにいさんのとこに出てきたゴーヤチャンプルです。お皿に山盛りのゴーヤ・スクランブルエッグといった品物です。豆腐は入ってないように見えるけどなぁ(*1)。それにしてもすっごい。ゴーヤだらけって感じです。おにいさんもちょっと驚いている様子。

私がマーボナスを食べ終わっても、おにいさんはゴーヤチャンプルをつっつき続け、結局、最後には玉子部分は完食したものの、ゴーヤはけっこう残しちゃってました。

それじゃ、6時にもなったし、私はこの辺で腰をあげますか。お勘定は1,302円でした。どうもごちそうさまでした。

菖蒲と柏餅。忘れないように帰らなきゃね。(笑)

(*1: 豆腐はちゃんと入ってました。くわしくはこちら。)

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月5日(水)の記録》

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スパイスぴりっと … 骨付鳥「一鶴(いっかく)」(横浜)

連休の真っ只中の今日は、古くからの知り合い4家族で集まって夕食会です。横浜に2家族、埼玉に1家族、そしてわが家が東京ということで、早い夕方に横浜は元町・中華街に集合です。

東京から出かけるにしても、渋谷から東急東横線に乗ってしまえば、そのまま地下鉄みなとみらい線まで乗り入れて、元町・中華街駅までは1本。便利になったものですね。

みんなで元町商店街をぶらぶらと歩いた後は山下公園に。天気もよくて、気持ちいいですねぇ。しかし、山下公園から中華街側に踏み込むと、そこは予想通り人の群れ群れ群れ。びっしりと人で埋まっているような状況です。

われわれのほうは、今日の夕食は横浜駅近くにある「一鶴(いっかく)」を予約しているので、電車に乗って横浜駅までもどります。

店内はテーブル席が主体で、4人席、8人席がずらりと並んでいます。われわれは12人で予約していたので、8人卓+4人卓が通路をはさんで割り当てられています。

この店の主たるメニューは「おやどり」(977円)、「ひなどり」(819円)という2品の骨付鳥のみ。この骨付鳥(ほねつきどり)というのは、骨付きの鳥もも肉のことですが、この「骨付鳥」呼び方そのものも、「一鶴」のオリジナルなんだそうです。

もともとは香川県丸亀市に本店を置く店で、香川県内に6店舗のほか、横浜に1店舗。そして間もなく横浜・青葉台にもう1店舗開店する予定なのだそうです。香川県内では、ものすごい人気のお店なのだそうです。

さて、注文の基本は、ビールなどの飲みものを注文しておいて、まずは「おやどり」「ひなどり」のどちらにするかという選択をすることにあります。ここの「骨付鳥」は、もも肉の骨の部分を手に持ってかぶりつくスタイル。したがって、ひとり1本ずつ注文するのが基本なのです。

「おやどり」は、その名のとおりヒネ鶏で、肉がしっかりと硬い。しかし、噛みしめたときに味わいが深いのは「おやどり」のように思います。宮崎の骨付き地鶏焼きと同じような感じですね。

それにくらべると「ひなどり」は、その肉がほんわりと柔らかくて、とっても食べやすいのが長所です。どちらもそれぞれの味わいがあるのです。

「おや」か「ひな」かという選択が終わると、次に、その骨付鳥が焼けてくるまでの間をつなぐ小鉢物を選びます。この小鉢物(すべて368円)が、全部で15品あるので、居酒屋としても十分なのです。

今日注文したのは「かわ酢」「牛すじ煮」「もつ煮付」「冷や奴」「玉子どうふ」「小魚の三杯酢」「かまあげちりめん」「もろきゅう」「枝豆」「醤油まめ」の10品。おいしいものが多くて、何度かおかわりしたものもあるぐらいでした。

逆に注文していないのは「めざし」「月見とろろ」「酢くらげ」「〆さば」「ねぎさば」の5品ですが、最後の2品、「〆さば」と「ねぎさば」は、本日サバの仕入れがなかったとのことで、本当は食べたかったのに品切れという状態だったのでした。

「おやどり」「ひなどり」はボリュームたっぷりで、このどちらかに「とりめし(スープ付)」(420円)か「むすび(スープ付)」(315円)を組み合わせると、それでもう立派に1食分のお食事メニューになります。骨付鳥をたのむと付いてくるキャベツがおかわりし放題というのもうれしいですね。

しかし、残念なのはさっきも書いたとおり、ひとり1本を手に持って食べざるを得ないために、ちょっとずつ分けっこしたりするのがむずかしいところ。運良く箸でちぎれれば分けることもできるのですが、特に「おやどり」の場合はそれもなかなかむずかしい。

したがって、どんどん食べ進んだあとは、「もうちょっと骨付鳥を食べたいんだけど、丸ごと1本はちょっとねぇ」という状態になってしまい、小鉢物はどんどん追加注文するんだけど、骨付鳥はなかなかたのむことができないのです。フォークとナイフを用意しておいてくれるとありがたいですねぇ。

私自身はというと、生ビール大ジョッキ(872円)で乾杯し、まずは「おやどり」を注文。待ってる間に「かわ酢」「牛すじ煮」「もつ煮付」に「枝豆」「醤油まめ」です。(小鉢物は、テーブルみんなでこれですからね! 念のため。)

店員さんもきびきびと、にこやかに対応してくれて、実に気持ちがいい。われわれのように飲むことを中心にしているグループも、食事だけのグループも入り交ざっての店内です。

「おやどり」完食のあとは、ビールをハーフ&ハーフ大ジョッキ(893円)に切りかえて、今度は「ひなどり」を追加です。さらに「かわ酢」を追加し、となりのテーブルでうまいうまいと評判の「小魚の三杯酢」をもらいます。小魚といいつつも、今日のは中ぐらいのサイズのアジ1尾分です。

骨付鳥の味付けは、とってもスパイシーで飲みものもご飯も進む進むといった感じです。「おやどり」のときはまだいいものの、ガブッといっぺんにたくさん食べることができる「ひなどり」では、ひと口で入ってくるスパイスの量も多いからか、辛さがかなり効きます。

最後は焼酎に切りかえて、小鉢物をちまちまとつつきながら、みんなで談笑です。

電話で予約したときに、「祝日なので、お客様が多いようだと2時間制にさせていただきます」と、あらかじめことわられていたのですが、われわれが午後5時からスタートしたために、まだそれほどお客さんも増えず、ゆっくりと2時間半ほど過ごしたあと、「じゃ、次に行こう」とお勘定。12人(大人8人、子供4人)で4万7千円でした。

それにしても「おやどり」は秀逸ですねぇ。宮崎の地鶏焼きも好きですが、ここの「おやどり」も大好きです。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月3日(月)の記録》

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店情報: 鳥料理「一鶴(いっかく)」(横浜)

  • 店名: 骨付鳥「一鶴(いっかく)」横浜西口店
  • 電話: 045-317-1708
  • 住所: 220-0005 神奈川県横浜市西区南幸2-15-1 TINOビル6F
  • 営業: 11:00-14:00、17:00-24:00(土日は中休みなしで連続営業、ただし日祝は23:00まで)、年中無休
  • メモ: 本店は香川県。HPあり、メニューは以下がすべて(平成16年5月現在)。
    • 骨付鳥 … おやどり 977、ひなどり 819
    • ご飯&スープ … とりめし(スープ付)420、むすび(スープ付)315、スープ 105、サラダ 399
    • お飲物 … 生ビール大ジョッキ 872、中ジョッキ 473。黒生ビール、ハーフ&ハーフビールはそれぞれ大ジョッキ 893、中ジョッキ 483。瓶ビール 567、焼酎、燗酒、冷酒 各315。ソフトドリンク(コーラ、レモンライム、オレンジジュース、ウーロン茶) 各210
    • 小鉢 … 小魚の三杯酢、めざし、ねぎさば、冷や奴、牛すじ煮、酢くらげ、醤油まめ、かわ酢、もつ煮付、枝豆、玉子どうふ、月見とろろ、〆さば、もろきゅう、(土佐沖産)かまあげちりめん 各368
  • HTML版(2003年以前): (02.04.02)

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湯ギョウザは野菜スープ!? … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

長い連休で、すっかり曜日感覚がなくなって、今日が日曜日であることに気がついたのは午後4時。いかん。図書館の本を返しにいかなきゃ。「1~2日、遅れてもいいじゃない」というカミサンに、「いや。そういうわけにはいかんよ。こういうことはきっちりしなくっちゃ」「行きたいのは図書館だけかなぁ(笑)」「……」。図星ですな。

いそいそと図書館に出かけ、借りてた本を返却し、新しい本を借ります。そして、その足で向かうのは近くの焼鳥割烹「川名」です。この行動も、ほとんど定型パターンになってきましたねぇ。悪いやつらに狙われたらいちころです。(って、スパイじゃないんだから…。)

出足が遅れたために、店についたのは午後4時50分。わぁ。連休中でもいっぱいですねぇ。カウンターはもちろん満席。A卓が2人連れ、C卓がひとり客、そしてB卓には「予約席」の表示です。「こちらにどうぞ」。おねえさんが「予約席」の札をはずして、B卓に案内してくれます。

なるほど。土日の早い時間帯は、ひとり客がカウンターおよびテーブル席に入れ込みで入れるように、予約がなくても「予約席」の札を出していることがあるみたいなのです。それによって2人以上のグループ客を奥の小上がりへと誘導してるんですね。もしかすると平日もそうなのかもしれませんが、平日の早い時間帯には来たことがないのでわかりません。

そのB卓に腰をおろしながら、「ホッピー(336円)ください」とまずは飲み物を注文です。

今日はちゃんとホワイトボードメニューが出てますねぇ。とはいえ、もう5時前だから、当たり前といや当たり前か。え~と。今日はなんだか刺身気分じゃないなぁ。焼き物にでもするかなぁ。と選んでいるところへ、おねえさんがお通しのオレンジ2切れと、ホッピーセット(焼酎と氷の入ったジョッキと、ビン入りホッピー)をトンと出してくれます。そして、エプロンからレシートを出してスタンバイOKです。「じゃあねぇ。シシャモ(3本、189円)をください」「はい。以上で?」「うん。まずはね」。

さっき、この店に来る行動パターンが定型化している話をしましたが、まず1品だけ注文して、おねえさんと「はい。以上で?」「うん。まずはね」というやりとりをするのも定型化してますねぇ。

お客さんによっては「○○と、△△と、××ね。それとぉ…」なんて一気に注文している人もいますが、個人的には1品ずつ注文するのがなんとなく好きなのです。まわりの人(ひとり客)を見てみても、多いのは1品か2品を同時に注文するパターンのようですね。2品の場合は、すぐに出るものと、時間がかかる(調理を要する)ものの組み合わせでたのんでることが多いようです。3品の人もたまにいますが、一度に4品以上たのむひとり客はあまり見かけません。

前回、A卓で相席になったおじさん。「いつもは4番に座るんだけど…」って言ってたけど、今日はほんとに4番席に座っています。今日は1番、7番も定番のお客さんで、休日だけど安定的な座席配置(?)になっているようです。

さてと。ナカ(336円)をおかわりして、今度はアスパラサラダ(189円)をもらってみましょうか。「川名」には、サラダやお新香、おひたしなどの野菜系のメニューが、毎日確実に5種類以上はあって、それらがボリュームはあるのに、単価が126~189円ぐらいと、とっても安いのです。今日のアスパラサラダも、太くて長~いアスパラ3本を、5センチぐらいの大きさにカットしたものが、皿に山と積まれて出てきています。これはまた、食いでがありそうですねぇ!

それはそうと、さっきもそう思ったんだけど、ホッピーの焼酎の量がへったかなぁ? 以前は、けっこう上の方まで焼酎が入っていたように思うんだけど、最近はなんだか少なく感じます。ジョッキのふちまでホッピーを入れると、ホッピー(いわゆるソトの部分のこと)が2杯分もたないぐらいです。ま。この店の場合、ナカだけたのもうと、ナカ・ソトをセットでたのもうと、どちらも同じ値段(336円)なので、薄いホッピーが好きな人にとっては今の方がうれしいでしょうね。毎回ナカ・ソトセットでたのめばいいから。私はどっちかというと、「やき屋」風の濃ゆ~いホッピーが好きなので、以前のほうがうれしかったなぁ。それとも、単に私の気のせいで、前からこんなものだったのかなぁ。

5時から6時の間の1時間が、開店後1回目のピークタイムとなるようです。カウンターもテーブル席も、そして奥の小上がりもほぼ満席。このテーブルにも、おじさんがやってきて、相席です。

燗酒を飲み、マグロブツをつっつきながら、そのおじさんが「オレは、いつもは『すずらん通り』の『えべす』(03-3311-6100、阿佐谷南1-12-5)という焼鳥屋に行くことの方が多いんだけどね。そこの若い店主が『川名』と名前の入ったTシャツを着てるんだ。聞けばその店主のおじさんがここの大将なんだって」と教えてくれます。へぇ。この界隈に「川名」と名のつく焼鳥屋が多いという話は有名ですが、実は「川名」グループ(?)は、「川名」という名前のお店ばかりではなかったんだ。もしかすると、相当巨大なグループなのかも! この店が入っているビルだって「川名ビル」という名前だしなぁ…。

う~む。2杯目のホッピーを飲み干したけど、まだちょっと飲み足りない感じだなぁ。やっぱり減ったのかなぁ、焼酎の量。すみませんね。今度はウコンハイ(336円)をくださいな。つまみは「湯ぎょうざ」(399円)っつうのをもらってみますか。

この店には、毎日毎日、その日の仕込みに応じて書きかえられて、カウンターの中の壁の中央部と、奥の小上がりの壁に掲げられるホワイトボードメニューと、カウンターの上部にずらりと短冊で張り出された定番メニューの2種類のメニューがあります。さっきたのんだ「湯ぎょうざ」は、定番メニューの中の一品なのです。「マーボ豆腐」や「ニラ玉」「冷奴」「煮込み」をはじめとする20種類ぐらいが定番メニューに属しています。

さてウコンハイです。うぇ。ニガッ。この苦さが、いかにも肝臓に良さそぉ。しかしまぁ、いくら肝臓にいいと言っても、焼酎で割って飲むウコン茶ですからねぇ。肝臓に悪いものと、いいものを一緒に飲んでどうすんの、ってなもんです、はい。

さぁ来ました。「湯ぎょうざ」。ん? これは!

なんとねぇ。この「湯ぎょうざ」、ひとり用の土鍋に入って、「マーボ豆腐」と同じような感じで出てきたのです。しかも! これが「湯ぎょうざ」!? 野菜スープじゃん!

一緒についてきた小鉢に、レンゲで「湯ぎょうざ」をすくい入れます。ほぉ。野菜スープの中に、トロッと煮溶けた感じの餃子がありますねぇ、たしかに。ど~れ。 あ、おいしい! これも好きな味ですねぇ。この餃子・野菜スープは、実にいいつまみになります。「マーボ豆腐」に匹敵するなぁ、これも。

それにしても、「マーボ豆腐」といい、「湯ぎょうざ」といい。名前を聞いて頭の中に思い浮かぶイメージとはまったく違ったものが出てくるところがおもしろいですねぇ。しかもうまいし! こりゃちょっと「川名」の定番メニューを攻めてみる必要がありそうですねぇ。

さすがに土鍋1杯の「湯ぎょうざ」はお腹にたまりますなぁ。満腹です。しかしまぁ、これも「マーボ豆腐」と同じく、汁っぽい系統なので、胃にもたれることはなさそうですね。

ふと気づけば、もう6時20分。1時間半もすごしてしまいました。6時を回ると、入店とともに入ってた人たちも、ひとり、またひとりと帰っていって、店にも空席ができてきました。私もそろそろ腰をあげますか。どうもごちそうさま。今日のお勘定は1,785円でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月2日(日)の記録》

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家族で初泥鰌! … どじょう「駒形どぜう(こまがたどじょう)渋谷店」(渋谷)

「天気もいいし、ちょっと近場に出かけるか」と、家族4人で連れ立って出かけたのは渋谷。普段、家族で買い物をしたりするときには遠くても西は吉祥寺、東は新宿あたりまでのことが多いので、渋谷まで出てくると、なんだか「お出かけした」って感じになりますね。

それにしても、渋谷はいつ来ても若者が多いですねぇ。今日はハチ公口(渋谷駅の西側の原宿側)から109界隈に出ているのでひどくそう思います。個人的にはこっち側にはあまり来てないですねぇ。呑んべに人気の居酒屋「とみ廣」や立ち飲みの「富士屋本店」は、こことは逆。渋谷駅西側の恵比寿側にあるのです。

そして夕食。あまり乗り気ではない家族を、なかば無理やり誘って「駒形どぜう渋谷店」に向かいます。

「食べてみなよ。絶対うまいんだから」「うぅ~。あんまり気が向かないなぁ。どじょう以外もあるの?」「ん~。どうだっけ。どじょうしか食べたことないから知らな~い」なんて会話を交わしながら、もう店の前です。

「4人ですけど」と店に入ります。午後5時半過ぎの店内は、けっこうお客さんが入っていて、1階のテーブル席はほぼいっぱい。「お2階にどうぞ」と2階の座敷席に案内されます。

2階は、まださすがにガラガラで、並んだ座卓には先客はいません。そのうちのひとつの4人卓に腰を落ち着けます。「まずはお飲み物からうかがいます」。おしぼりを渡してくれながら、女店員さんから声がかかります。「ウーロン茶(250円)を3つと、生ビールの大きいの(850円)をひとつお願いします」。

すぐに飲みものと、お通し(280円)が4人分出てきます。お通しはキュウリとセロリの酢の物。よく覚えていませんが、2階を使う場合は席料がわりに必ずお通しが出てくるんじゃなかったかなぁ。

食べものは、子供たちふたりは「どぜう蒲焼重定食」(1,700円)、カミサンは「柳川定食」(1,600円)を注文。私は単品で「どぜう鍋」(1,400円)をいただくことにしました。「どぜう鍋」は、以前は1,300円+外税(=1,365円)だったので、4月の消費税法改正に合わせて、事実上の値上げになっちゃったみたいですね。

待つ間もなく、まず出てきたのは「どぜう鍋」。この「どぜう鍋」は、「丸鍋(まるなべ)」とも呼ばれるスタイルのもので、平たい鉄鍋にドジョウがそのままの姿でずらりと並んでいます。下ごしらえとして、生きたドジョウに酒をかけて、甘みそ仕立ての味噌汁に入れてじっくりと煮込まれているそうなので、温まりさえすればすぐに食べられる、というか温かくなくてもいい人は、このままでも食べられるという品物なのです。

その「どぜう鍋」を火にかけて、上にたっぷりと刻みネギを盛り上げるころには、もうグツグツと沸きはじめます。「よ~し。食べていいよ」「えぇ! もう食べていいの!?」と、恐る恐るといった感じで箸をのばす家族たち。しかし、ドジョウはもうトロトロで、ほとんど煮溶けんばかりの状態になっているため、小皿に盛られるときにはあまり原形はとどめていない。それに好みで山椒粉や七味唐辛子をサッサとかけていただくのです。「おいしい!」と、次々に箸が出てきます。

もうちょっと夏が近づくと、体内に卵がたっぷりになって、もっとおいしいんですけどねぇ。

続いて出てきたのは「柳川定食」。開いたドジョウを笹がきゴボウとともに煮て、最後に玉子でとじたものです。定食にはご飯とお新香、そして「どぜう汁」が付いてくるのです。「どぜう汁」には、丸のままのドジョウが数尾入っていて、ドジョウ好きにはたまらない料理なのですが、カミサンはこれは苦手のようで、私がいただくことにしました。(ラッキー!)

追いかけて、子供たちの「どぜう蒲焼重定食」も出てきました。お重のふたを開けると、四角いご飯の上に、開いたドジョウの蒲焼が4つ。きれいに整列して並んでいます。

子供たちも「どぜう汁」はいらない(いやだ!)ということだったので、「どぜう鍋」のおかわりは断念し、「どぜう汁」をすべて私が引き受けることにしました。ふっふっふ。「どぜう汁」にはお酒ですね。え~と。大関生冷酒(300ml、780円)をお願いします。

この店にはクジラのメニューもあり、その中から「くじら竜田揚げ」(900円)をもらってみることにしました。扱っているものが一番小さいドジョウなので、「それじゃ、一番大きいクジラも置こう」ということで、メニューに入ったんだという話を聞いたことがあります。おもしろい発想ですね。

ちょうど1時間ほどで食事を終えて、最後にレジでお土産の「はらら子の山椒煮」(550円)を買って、4人分でしめて11,350円でした。

カミサンの総括感想としては、「思ってたより気持ち悪くもなくて、おいしかったけど、同じ値段を出すのならウナギや、寿司、天ぷらなんかのほうがいい」とのことでした。う~む。江戸の夏っちゅう風情がいいんだけどなぁ…。

店を出たあと、洋服を買いに行くという家族たちと、約1時間後に渋谷駅で待ち合わせることとして、ひとりで渋谷・道玄坂界隈を散策です。実はこの界隈にも、古い酒場が多いらしいのです。

道玄坂界隈やってきたのは渋谷マークシティ(井の頭線渋谷駅)のすぐ北側に隣接するエリア。まず目に飛び込んできたのは、「東京一うまい腸詰」が謳い文句の「細雪(ささめゆき)」です。う~む。これは店の構えからしてとっても古くて、良さげですねぇ。

その「細雪」の角を曲がって、小さい路地に入るとすぐ左手がビアレストラン&バーと書かれた「れすぽうる」。これもいいですねぇ。ビールの種類が多くて、たたずまいも落ち着いています。

まわりにはアダルトショップなども並んでいますが、気にせず路地を道成りに進むと、左手には缶詰類(各300円)をつまみに飲める居酒屋「とりすみ」です。さらにその先が、本場仕込みの中国家庭料理、ジンギスカンと餃子の「珉珉羊肉館(ミンミンヤンローカン)」。なるほど、これは聞きしに勝るレトロ感(レトロ館)ですねぇ。

路地を抜けた先、突き当りにもおもしろそうな店がありますよ。レトロ系ショットバー「東京ハイボール」です。「Dハイ(ドデカイハイボール)」発祥の店と書かれてますねぇ。

さらに渋谷マークシティ前まで回りこんだ角が、焼き鳥・串揚げの「森本」です。入口のところから垣間見ると、店内をぐるりと取り囲むようなカウンターはお客さんでいっぱい。焼き鳥を焼く煙がもうもうと出てきて、いかにも人気店であることを示しています。

この「森本」から渋谷マークシティ(井の頭線のガード)の下をくぐって、反対側に抜けた左手が「鳥竹」。こちらも「森本」と並んで人気の焼鳥店なんだそうです。

渋谷にもあるんですねぇ、こういう小汚い飲み屋街(← ほめ言葉ですよ!)。近いうちに、ぜひこの界隈でも腰をすえて飲んでみたいと思います。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月1日(土)の記録》

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店情報: どじょう「駒形どぜう(こまがたどじょう)渋谷店」(渋谷)

  • 店名: 駒形どぜう 渋谷店
  • 電話: 03-3464-5522
  • 住所: 150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目5−9 ザレンガビル4F
  • 営業: 11:30-22:00(21:30LO)、無休(年末年始は休み)
  • 道順: 渋谷マークシティ横のレンガ作りのビルの4階。JR渋谷駅ハチ公口・西口より徒歩3分、井の頭線改札より徒歩3分。
  • メモ: どぜうなべ1,700、どぜうさきなべ1,700、柳川なべ1,700、どぜう汁325、ささがきごぼう(どぜうなべ用)350、どぜう定食(お通し、どぜうなべ、柳川、どぜう汁、ご飯、お新香)3,700、アサヒスーパードライ中瓶620、ふり袖(京都・伏見、正一合、燗酒)630など。本店は浅草公式サイトあり。(2016年2月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (02.07.23)(01.09.14)

  • 住所: 150-0042 東京都渋谷区宇田川町32-8
  • 営業: 11:30-23:00(22:00LO)、日祝は -22:00(21:00LO)、無休
  • 道順: 渋谷駅ハチ公口から、109右側の文化村通りを直進。東急本店(文化村)が間にあるY字を右に行き、次の路地を右折。さらに二つ目の角を右折した右側。東急本店と、パルコや東急ハンズがあるところのちょうど中間地点ぐらいか。
  • メモ: どぜうなべ 1,300円、柳川 1,100円、どぜう定食(お通し、どぜうなべ、柳川、どぜう汁、ご飯、お新香) 2,900円など。(2002年7月調べ)

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水割りと野蒜 … バー「ペルル」(鷺ノ宮)

ピュアー」を出て、連休中に開いてるお店はどこなのかなぁと、界隈を散策しながら鷺ノ宮方面に向かいます。連休中とはいえ、今日はカレンダー上では普通の金曜日なので、開いてるお店は多いみたいです。

鷺ノ宮駅近くのそば屋「豊年屋」の前をとおり、鷺宮図書館方向に右折。すると、右手に広島風お好み焼きの「春よこい」。郵便局の先を左折すると、すぐ左手が元「鳥芳」の跡にできた居酒屋「ぜん」です。ここも何人かのお客さんが入ってます。と、そこへ前方から男性が。ありゃ! 「ペルル」の店主(マスター)ではありませんか。

店主は、店のフロア側に用があったらしく、店裏側の勝手口から出て、ちょうど店の表側に回ってきたところだったようです。「こんばんは」とあいさつをして、店主にくっついて店内に入ります。

わぁ。連休中にもかかわらず、「ペルル」の店内はほぼ満席。奥から2番目あたりに、かろうじて1席空いているといったところです。すごい人気ですねぇ。

「こんばんは、こんばんは」と常連さんたちにあいさつしながら、その場所に向かいます。店主も「入口のところでバッタリと会って、むりやり引っぱり込んじゃいましたよ」と、笑いながらみんなに話します。

ほんじゃ、例によって水割り(ブラックニッカ、350円)をもらいましょうか。カウンターの中の女性がすぐに水割りの用意をしてくれます。手伝いの女性は3人ぐらいいて、曜日ごとにひとりずつ、どなたが来るかが決まっているらしいのですが、私が来るときにはこの人のことが多いですねぇ。

水割りといっしょに、小皿が出てきます。「野蒜(のびる)です。こちらのお客さんから差し入れです」。すみません、いただきます、とそのお客さんを見ると、なんと「鳥芳」でもよくお会いしたことのある男性です。「荒川の土手で採ってきたんですよ」。へぇ。荒川の土手でノビルが採れたりするんだ。でもこうやって調理されて出されたらわかるけど、野生ではえてる状態だったら、どれがノビルなのか、さっぱりわかんないかもしれないですねぇ。

今回も、入口近くはSzさんが陣取っており、店のBGMがわりにギターをかき鳴らしています。さりげなく弾いてるのにうまいんですよねぇ。なんだか、ギターが身体の一部になってるみたいです。

水割り(350円)もおかわりして、常連さんたちの会話に引き込まれていきます。

この店、店内はバー風なのですが、店の看板は「居酒屋ペルル」となっているのです。実際に、ちょっと料理したおつまみも何種類かあって、まさに居酒屋風に飲んでいる人もよく見かけます。「居酒屋風に飲んでる」というのは、席についてまずビールを注文し、料理をもらって、そのあとワインなどに切りかえていくような飲みかたを言っています。

そうかと思うと、カクテルを注文する人もいたりするのですが、それらが店全体としては違和感なく溶け込んでいる感じです。

お。そろそろ11時ですか。今日は午後6時前から飲みはじめて、よく飲みましたねぇ。店内はまだ盛り上がりが続いていますが、私のほうはボチボチと失礼しますか。お勘定は700円。ここも約1時間の滞在でした。みなさんお先に。おやすみなさぁ~い。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月30日(金)の記録》

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涼やかにグリーン・スティンガー … バー「PURE(ピュアー)」(野方)

おいしいお魚をいただいて、いい酔い心地で「竹よし」を出たものの、なにしろ大型連休の真っ最中。明日も休みですからねぇ。こりゃもう1軒だな。

都立家政(とりつかせい)商店街を南下し、向かっているのは「ピュアー」です。バーに行くのも久しぶりですねぇ。前回の「ピュアー」以来なので、20日ぶりということになりますか。

私の場合は、居酒屋と比べると、どうもバーのほうが頻度が低いみたい。しかしながら、バーに二日と開けずに通っている人の話もよく聞きます。純粋に「飲むこと」が好きな人に多いのかもしれませんね。銘酒居酒屋を好む人も、それと似てます。これを「酒好き」と呼ぶならば、私のようなのは「居酒屋好き」とでも言えばいいのでしょうか。酒・肴・場の織りなす全体が好きなんですね。

これらとは別に「食べること」が好きな人もいる。もちろん、このグループの人たちも飲むのは飲むのですが、あくまで「食べること」の副産物(言い過ぎ?)。食事を盛り上げるためのアルコールであったりすることが多いように思います。このタイプはなんて呼ぶんだろう? 普通に「グルメ」?

そんなわけで「居酒屋好き」の私としては、1軒目がバーになることはなかなかなくて、たいていの場合1~2軒居酒屋に行って、「お腹はもう満足。でももうちょっと飲みたい」という状態で、シメとして行くことが多いのです。

「こんばんは」と店内に入ると、「いらっしゃいませ。毎度」と、店主(マスター)の笑顔が迎えてくれます。

午後8時半の店内は先客が1人、直線カウンターのみの店内のまん中に座っています。それじゃ、私は一番奥のほうに陣取りますか。

お。カクテルのメニューがすでに5月版になってます。今回もまた、飲んだことのないカクテルからはじめますか。まずは「オリンピック」っつうのをください。

「オリンピック(Olympic)」(520円)はブランデー、オレンジキュラソー、オレンジジュースを1:1:1で混ぜて作る、軽めのカクテルなのだそうです。そのためか値段も一般的なショートカクテル(630円)より安いですね。

ってなことを考えているうちに、早くも「オリンピック」ができあがってきました。幅の広いカクテルグラスの上には、なんと5スライス分のオレンジの、皮の部分のみで形作られた五輪のマークです。これはおもしろい! カクテルは、こうやって見た目でも楽しめるところがいいですよねぇ。

この店もそうですが、一般的にバーの場合は派手な色使いがあまりなくて、店内がシックなトーンになっている場合が多い。そこへ、トンと色鮮やかなカクテルが出てくるから映(は)えるんですね。同じレシピで作られたカクテルでも、カラオケボックスやチェーン居酒屋で出されると、なんだかサワー(甘ったるい成分を含んだ炭酸水で割った焼酎)の延長線上のように感じてしまうのはこのためかもしれません。

「オリンピック」は、1900年(明治33年)に第2回目として開催されたパリ・オリンピックを記念して、パリのリッツ・ホテルで生まれたカクテルなのだそうです。

「今日のお通し(310円)はエビのカルパッチョです」。わぁ。これもきれいですねぇ。

この店は、看板も「レストラン&バー」となっているとおり、料理も自慢のようなのです。だから、料理を楽しみに来ているお客さんもよく見かけます。さっき入ってきた、若い男性二人も、さっそく料理を注文しています。

さあて、私のほうは、2杯目のカクテルはなにをもらいましょうか。このところジンベースのカクテルを飲むことが多かったのですが、今回は1杯目をブランデーベースにしましたので、2杯目もブランデーベースにしてみようかな。となると「サイドカー」や「スティンガー」が思い浮かびます。久しぶりに「スティンガー(Stinger)」がさっぱりといいかな。

「ん~。ホワイトミントが切れてるんですよ。普通のペパーミントを使って、グリーン・スティンガー(デビル)でどうでしょう」と店主。飲んだことがないので、それにしてみましょう。

「スティンガー」は、いろいろとバリエーションがあるようで、普通はブランデー2/3に、ホワイトミント1/3を加えてシェイクなのですが、このホワイトミントを普通のペパーミントに変えると、今回注文した「デビル(Devil)」という名のグリーン・スティンガーに、ベースをジンに変えると「ホワイト・ウェイ(White Way)」とか「ホワイト・ウィングス(White Wings)」と呼ばれるジン・スティンガーに、ベースをウォッカに変えると「ホワイト・スパイダー(White Spider)」とか「ホワイト・スティンガー(White Stinger)」と呼ばれるウォッカ・スティンガーになるのだそうです。

グリーン・スティンガー(630円)は、シェイクのあと、氷の入ったロックグラスに移されて、ロックスタイルで登場です。

なるほど。スティンガーの涼やかな感じが、カクテル自体が緑色になったことでより増幅されますねぇ。ペパーミントの主成分であるミントオイルには消化を助ける働きがあるらしくて、食後酒としてぴったりなのだそうです。

こうして飲んでいる間にも、お客さんがじわじわと増えて、すでに5~6人の状態になっています。「交通の便は悪い」と言ってもいいような立地条件だし、周辺に他の店はないのに、お客さんたちはこの店を目指してやってくるんですねぇ。

さてと。私のほうはボチボチと腰をあげましょうか。お勘定をお願いします。1時間の滞在で、今日は1,460円でした。どうもごちそうさま。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月30日(金)の記録》

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全身これエンガワ … 居酒屋「竹よし」(都立家政)

先日「竹よし」に行ったときに、「30日に小平にある魚市場に行ってみる予定なので、よかったら来てみてください」と常連のTmさんがおっしゃってたその日になりました。いい魚は手に入ったかなぁ。

「こんばんは。どうでした?」「やあ、いらっしゃい。いいのがありましたよぉ」と店主。店内には、Tmさんもいらっしゃってて、カウンター中央で刺身をつつきながら、冷酒をチビチビやっているようです。

「見てください、このキンメダイ。オコゼもいいのがありました。こっちはハッカク。アジもいいのがありましたねぇ」と仕入れた材料を次々に見せてくれます。ほぉ。これはまたきれいですねぇ。いかにも新鮮そう。

さぁ。なにはともあれ、まずはビールをいただきましょうか。今日はビン(スーパードライ中瓶、500円)のほうでお願いしますね。今日のお通し(200円)はメカブの小鉢です。

ハッカクTmさんがつついているのはハッカクの刺身(1,200円)のようです。「これはすごいですよ。全身がヒラメのエンガワのような…」というTmさんの言葉にひかれ、私もハッカクを造ってもらうことにしました。

ハッカクというのは、身体が八角形のように角張っていることから付けられたあだ名(市場での呼び名)のようで、正式名はトクビレ(カサゴ目トクビレ科トクビレ属)といいます。

皮はまるで鎧(よろい)のように硬いみたいで、ペロリンとその形のまま剥(は)げています。おもしろいですねぇ、これは。その鎧の下にあらわれるのは、まっ白で見るからに脂ののった白身です。

「お待たせしました。ポン酢でも、醤油でもお好みでどうぞ」。竹を二つに割った器に盛られたハッカクの刺身が出てきます。

どれどれ。まずはワサビ醤油のほうでいってみますか。醤油皿に刺身をちょんとつけた瞬間に、醤油の表面にサァ~ッと広がる脂(あぶら)。ものすごい脂ののりです。口に入れると、身はコリッとしっかりしていて、脂の旨みが口の中に広がります。ん~。これはたしかにエンガワの感触に近い。おいしい魚ですねぇ!

これはお酒だ。今日もまた菊正宗をぬるめの燗(400円)でください。

今日行った小平の魚市場は、新潟県に本社がある角上魚類というところなのだそうです。小平以外にも、都内では赤羽と南千住にも店舗があるそうです。「日本海が丸ごとやってきた!!」というのが謳い文句で、普通の魚屋さん風に、一般の人にも広く販売している店のようです。

行ったついでに、いろいろとお試し用の品々も仕入れてこられたそうで、それらもちょっとずつ味見させてくれます。

まず出てきたのは、マグロの切れ端。身のところをサクにしてとっていた残り、つまり尾の部分と、頭の部分からとった細切れの身です。細切れとはいえ、なにしろマグロですから、刺身といっても十分通用するぐらいの大きさの身なのです。

「キンメダイの刺身(700円)1人前を、ふたりで分けて食べようか」という提案がTmさんから出てきました。大賛成です。これからひとりで1人前食べるとなると、すっかり満腹になっちゃって、お酒も飲めないぐらいになってしまう。ちょっとずつってのがいいですね。

キンメダイは、皮もついたままのものに、サッと湯をかけた、いわば松皮作りの湯引きといった状態で出てきました。ど~れ。あぁ。これも脂がのった白身なんですが、ハッカクとはまったく違いますねぇ。ハッカクのあとに食べただけに、キンメの身はせつないぐらいにやわらかく感じます。そのやわらかさの中からジワァ~ッと脂の旨みが出てくるんですねぇ。皮が付いてるから、旨みがより強い。

ぬはは…。思わず笑いがこみあげてくるほどのうまさです。お酒、おかわりお願いします。Tmさんも、冷酒(酔鯨)のおかわりをもらっています。

ハッカクも、キンメダイも、同じ白身ながらそれぞれ違う方向にうまさを発揮していて、実にいい。ちなみに、オコゼは唐揚げ(750円)になるんだそうです。これもうまそうですよねぇ。

「珍味もいろいろと買ってみました」と店主。「珍味といえば、ホタルイカの黒造りは召し上がりましたか」「いや。食べたことがないと思います」「そうですか。これも人気があって、もう1人前は残ってなくて、ひと切れ、ふた切れぐらいしか残ってないんですけどね。食べてみてください」と、小鉢に出してくれます。真っ黒な中から、ドロッとホタルイカをすくい上げて、チュルンといただきます。はぁ~っ。刺身のような、塩辛のような。そんでもってワタの濃厚さもある。たしかにこれは人気あるでしょうねぇ!

さらには、ホヤ味付けや、ホタテヒモの塩辛など、これから新たに登場する珍味類をちょっとずつ味見。やぁ。ちょうど仕込みの日に来てみて実にラッキーでした。お酒もさらにおかわりです。

え! と思うぐらいおいしかったのは、なんと普通の焼き海苔。今まで、料理の脇役的に食べることはあっても、主役として食べることはなかったですからねぇ。チビリとかじったときに、口の中に広がる風味が濃くて深い! 鼻の奥から、ふわりと磯の香りが広がります。こんな海苔を使ってたんですねぇ、「竹よし」では!

Tmさんと店主は、さっそく次の仕込みの相談です。「今度は5月3日に行こう」と、すでに日程まで決まってきています。う~む。5月3日は、家族で外出予定なので、来られそうにないのが残念です。

わいわいと飲み進むうちに、もう午後8時過ぎ。2時間半近くも腰をすえてしまいました。どうもごちそうさま。お勘定は3,250円。ぜ~んぶ美味しかったです!

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月30日(金)の記録》

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手軽に気軽に天ぷらを … 天ぷら「せき家(せきや)」(野方)

ゴールデンウィーク2日目の今日は、子供たちはカレンダーどおり登校日。小学校は自由参観日(見たい人は見に行っていい日)なので、ちょっと子供の様子を見に行ってから、行きつけの散髪屋での~んびりとくつろぎながら散髪。

散髪を終えたところで、午前11時過ぎ。カミサンも呼び出して、チャリを連ねて野方に向かいます。ずいぶん前に、Hsさんから「野方にいい天ぷら屋さんがありますよ」と教えてもらっていたのに、まだ行くことができていなかったのです。せっかくの機会ですので、天ぷら好きのカミサンとともに、天ぷら定食でもつついてみようかと思っているのです。

とってもいい天気の中、みつわ通りをスイィ~ッと駆け抜け、目的の店「せき家」に到着したのは午前11時半です。ちょうど店が開店する時間ですね。

店内に入ると、どかんと大きなL字カウンター(Lの左側が入口)。このカウンターに10人ぐらいは座れるでしょうか。奥にはちょっとした座敷もあるようです。一番乗りかと思いきや、奥に女性ふたり連れが入っています。彼女らも、ついさっき入ったばかりといった風情で、まだやっとお茶を出してもらっているところ。われわれも、彼女たちと逆サイドのカウンターの端っこに腰をおろします。

店は店主夫妻と思しき2人が切り盛りしているようです。もともと昭和34(1959)年2月4日に開業し、その後42年間続いた定食の店「せきざわ食堂」を、2002年5月に、現在の大衆天ぷらの店「せき家」としてリニューアルしたのだそうです。

さあて。なにをいただきましょうか。「天ぷら定食」は季節の野菜天3品に、エビ、キス、イカの天ぷらで800円。「天丼」はこれらが丼飯の上にのって750円。「上天ぷら定食」は「天ぷら定食」にかき揚げ天が付いて1,000円です。

初回なので、品数の多い「上…」のほうにしておきますか。2人前お願いします。

カウンターの上の段には天ぷら用の長方形の皿が置かれ、目の前の下の段にはお盆が置かれ、カウンター内の天ぷら鍋の温度が頃合いになってきたのを見計らって、ご飯、天つゆ、みそ汁、漬物が出されます。

シャァ~ッという音とともに天ぷらが揚げられはじめ、しばらくすると1品また1品と天ぷらが出てき始めました。

こちらも大急ぎで、アッツアツの間にシャクッとかじりつきます。

カウンターの中、目の前で揚げてもらった天ぷらを、その場で食べられるというのがうれしいじゃないですか。

季節の野菜天は、アスパラ、カボチャ、ナスの3品でした。

これらの定食のほかに、天ぷらはそれぞれ100~350円でお好みで揚げてもらえます。天ぷら以外のつまみも、しらすおろし(250円)、冷奴(250円)、だし巻き玉子(300円)、まぐろぶつ(500円)など、それほど品数は多くないものの、ポイントをついた品ぞろえになっているようです。

飲みものもビール、酒、焼酎のほか、ワイン(1種のみ)まであるので、今度は、夜の部で来てみたいですね。

店情報

《平成16(2004)年4月30日(金)の記録》

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店情報: 天ぷら「せき家(せきや)」(野方)

  • 店名: 大衆てんぷら「せき家」(せきや)
  • 電話: 03-3338-7408
  • 住所: 165-0027 東京都中野区野方5-17-14
  • 営業: 11:00-14:30、17:30-22:00、火休
  • 場所: 西武新宿線野方駅を出て、改札口正面のときわ通り商店街を抜け、突き当たりのちょっと右側にある小さい路地を入った先、右手。黄色いひさしが目印。
  • メモ: 昭和34(1959)年2月4日開業。創業者が開いた定食の店「せきざわ食堂」を、平成12(2000)年5月23日、その息子夫婦が大衆天ぷらの店「せき家」としてリニューアルオープン。カウンター10席程度のほか、奥に堀りゴタツ式の小座敷もある。
    〔一品〕盛込天(エビ、イカ、キス、野菜三点)700、天ぷら各種100~400、まぐろさしみ700、まぐろぶつぎり500、まぐろ山かけ500、まぐろ納豆500、野菜サラダ400、だし巻玉子350、お新香300、しらすおろし300、冷奴300、若め酢300、冷しトマト250、ヘルシー生野菜400、激辛キムチ250、空豆300。
    〔飲物〕ビール(中)500、日本酒(コップ酒)400、いいちこ(お湯割、ロック、水割)400、レモンサワー350、ウーロン割350、シークサワー400、黒酢サワー400、焼酎(甲種)350、いいちこ(ボトル)2,000、ワイン(岩ノ原、フルボトル)2,000、(同、ハーフボトル)950、ウーロン茶250、コーラ250、ミネラルウォーター250、お湯300、梅ぼし100、氷はサービス。ランチタイムのコーヒー160。
    〔お好み単品〕小エビかき揚350、穴子350、玉ネギかき揚250、なっと揚250、えび200、めごち200、ほたて200、とん天200、まぐろ200、きす150、いか150、ちくわ150、しいたけ150、まいたけ150、アスパラ150、ハス100、なす100、カボチャ100、さつまいも100、いんげん100、ピーマン100、ネギ100、ゴーヤ100、ししとう100、のり100。
    〔定食・丼〕上天ぷら定食(小エビかき揚、エビ、イカ、キス、野菜三点)1,000、天ぷら定食(エビ、イカ、キス、野菜三点)800、野菜天ぷら定食(かき揚(玉ネギ、人参、みつば)他、野菜四点)700、まぐろさしみ定食900、まぐろぶつ切定食700、天丼(エビ、イカ、キス、野菜三点)750、かき揚丼750、エビ天丼800、穴子天丼900、各みそ汁・お新香付、ライス(大)は100円増し。
    〔茶漬〕のり茶漬500、梅干茶漬600、天ぷら茶漬700、各お新香付。(2009年5月調べ)

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その場で串刺し!! … もつ焼き「春(はる)」(中野)

横浜での仕事を終えて、JR湘南新宿ラインで東京へ。中野駅に着いたのは午後7時過ぎです。明日からはゴールデンウイークの7連休。気分も軽やかに、この界隈で飲んで帰りますか。さぁて。どこにするかなぁ。

まずは南口側に出て、丸井裏手にある酒場が連なる横丁へ。「北国」の前まで来ると、中からはザワザワと居酒屋らしい喧騒が響いてきます。入口のすりガラス越しにもわかるほどの満席状態。こりゃ入れそうにないですねぇ。

北口側にまわって、「第二力酒蔵」を皮切りに、各酒場の様子をながめつつ「中野ふれあいロード」を北していきます。こうやって、酒場街をフラフラと歩くのも好きなのです。

もうそろそろ早稲田通りに抜けるかというあたり。ちょうど左手には西友があるところの右手の路地にあるのが、もつ焼きの「春」。メッセージボード(掲示板)に、「秋元屋」店主のばけつさんから「今まで行った中ではナンバーワンか、少なくともベスト3には入ります」という書き込みがあり、気になっていたお店です。

あれ!? 看板に灯がついてる。掲示板には「開店は8時か9時」と書かれていたので、この時間(午後7時半)にはまだ開いてないだろうと思っていたのに…。よ~し。決定。「春」に入ってみましょう。

「こんばんはぁ」。店内は直線カウンターのみで、全体で7~8人も入ればいっぱいという広さしかありません。そのカウンターの手前に男女2人連れ。一番奥には男性1人客が座っており、私はその間にある2席の空席のうち、奥のお客さんに近い側の席に陣取ります。

カウンターの中には、おにいさん風の男性と、年配の男性。パッと見て、この年配の男性が店主かと思ったのですが、最初の飲みもの、黒ホッピー(380円)を注文してみて、実は逆でおにいさん風の男性のほうが店主。年配の男性が手伝っていることがわかったのでした。

お通しとして出てきたのは、なんと豚耳の小皿です。さっと茹でた豚耳を、千切りにスライスし、酢味噌をちょいとつけていただく一品。中のナンコツのコリコリ感と、その外側を取り巻くゼラチン質のプリプリ感がいっぺんに味わえるのです。こりゃうまいなぁ。

今は、先客たちの注文をさばくので店主が忙しそうなので、しばらくはこの豚耳でチビチビとやっておきますか。

カウンターの中の壁の上部に、ずらりとメニュー短冊が並んでいます。焼き物は1本が100円、120円、150円、180円といった段階的な価格設定になっていますが、レバー、カシラ、シロなどの、いわゆるもつ焼き類はほとんどが100円です。豚もつのみならず、鶏肉や鶏もつもあるようです。

焼き物のほかには、ガツ刺(380円)、豚足(280円)、豚耳(280円)などのメニューも並んでいます。新鮮そのもののレバ刺もおすすめらしいのですが、これは月・水・金しかないメニューなのだそうです。あれっ? 今日は水曜日なのに、レバ刺がメニューになかったような?? 見落としたかなぁ…。

なぜ月・水・金かというと、ばけつさんの情報によれば、月・水・金と店主自身が品川の食肉市場(屠殺場)に行っていて、レバ刺はその日にしめたものしか出さないからなのだとか。店が開くのが遅いのも、食肉市場から帰ってきてから開けるからなのだそうです。

やっと店主の手も空いてきたようで「なににしましょう」と聞かれます。「1本ずつで、レバーと、コブクロと…」とたのみ始めたところ、「あ。今日はコブクロの仕入れがないんですよ」と店主。「ほんじゃ、オッパイと砂肝(すなぎも)。それと、ナンコツもお願いします」と、レバーと合わせて4本を一気に注文します。この4本はすべて1本100円です。

なんと、この店では、注文を受けてから、冷蔵庫の内臓肉をかたまりのままで取り出してきて、それから1本分を切り分けて、下ごしらえし、串に刺していくのです。食肉市場から帰ってきてからでは、下ごしらえをする時間がないということもあるのでしょうが、なにしろこの新鮮さにかなうものはない。

魚の刺身にしても、刺身に引いてからおいておく(いわゆるスーパーの刺身パック状態)よりも、注文を受けてからサクから刺身を引いたほうが刺身の表面がつややかですからねぇ。内臓肉だって同じことが言えるのではないかと思います。

その場でカットして、その場で串に刺していくにもかかわらず、できあがった串は重心がちゃんとしていて、焼き台の上にのせてもクルクル回らず、安定しているのです。さすがですなぁ。

「レバーはタレですか、塩ですか」と店主。「塩でお願いします」。

まずはレバーと、しばらくして砂肝が出てきました。う~む。うわさどおりの美味しさですねぇ。

オッパイは、串焼きではなくて、網焼きしたものが皿に盛られて出てきます。なるほど。個人的には「ホルモン」のオッパイが好きなのですが、ここのオッパイも、それと匹敵するか、それ以上のものだと思います。オッパイは脂肪分がおおいためか、ちょっと鮮度が落ちるとすぐに臭みが出てくるのです。「ホルモン」のもの同様、ここのオッパイも、まったく臭みがなく、オッパイの食感と、脂の甘みが十分に堪能できます。

そしてナンコツ。骨の硬い部分は切り砕かれて、食べやすく下ごしらえされています。これもうまいなぁ。

振り返ってみると、味を聞かれたのはレバーだけでした。他は、全部塩焼き。それがデフォルトなのか、「レバーを塩で食べるぐらいだから、他も塩だろう」と見透かされちゃったか…。

「すみません。ナカをお願いします」と、ホッピーの焼酎もおかわりです。

右どなりのお客さんは、キープの焼酎をウーロンハイにして飲んでいます。ボトルキープは宝焼酎とキンミヤ焼酎が各1,500円。麦焼酎(いいちこ)は2,500円。そして、割るためのお茶(ウーロン茶)は、カウンターの上にどかんと置かれています。これを勝手に使って割っていいのかなぁ?

右どなりのお客さんが「ニンニク(180円)を1本焼いてもらえるかなぁ」と注文。そうそう。左の男女2人連れがさっき食べてたニンニクがおいしそうだったんですよね。「私も1本お願いします」と便乗します。

ニンニクは、丸ごと電子レンジでチンしたあと、ひと房ごとに分けて3個1串で、皮が付いたまま串に刺し、焼き台で焼いていくのです。

右のお客さんは、カウンター上の大きな味噌容器から、味噌をひとかたまり、自分のお皿に取り分けます。そのお客さん、こっちを向いて「ニンニクにつけて食べるんだけどねぇ、この味噌だけでもつまみになるんだよ」と教えてくれます。へぇ、そうなんですか。どれどれ、私も。と小皿に取り分け、箸先にちょいとつけてペロリ。な~るほど。これはおいしい味噌ですねぇ。ガーリック味噌かな、もしかすると。

ニンニクも焼きあがってきました。1個を串からはずし、皮をとると、中からホコホコに焼けたニンニクが出てきました。さっきの味噌をちょいとつけてホクッとひとかじり。いいですねぇ、これも。

このあたりで、左側の男女2人連れが席をたち、入れかわるようにサラリーマン3人連れが入ってきました。そのうちのひとりは、大の常連さんらしく、店主との話を聞いていると、昨夜もここに来ていたようです。どの店も常連さんというのは二日とあけずにどころか、1日もあけない勢いで通ってるんですねぇ。

その常連さんがリードして、3人連れの注文を決めていきます。何本かのもつ焼きのほかに注文したのはガツ刺し(1人前380円)です。

さっき、もつ焼きを注文を受けてから下ごしらえする話をしましたが、なんとガツ刺しも注文を受けてから作るのです。とはいえ、こちらはさすがに下ごしらえというか、茹でそのものは終わっているようですが、それでもほぼ丸ごとに近い胃袋がどかんとまな板の上に出てきて、それをガツ刺しの状態にスライスしていくのです。なんともねぇ。もつ好きにはたまりませんなぁ。

こういう光景、他でも見たことあるなぁ。どこだっけ。そうだ、そうだ。業平(なりひら)の「まるい」だ。あそこも、大きな内臓のかたまりから調理するんですよねぇ。しばらく行ってないなぁ、「まるい」も。

さあて。9時前になってきたので、ボチボチと腰をあげますか。まだいろいろと食べてみたいのですが、なにしろ小さい店ですから、あんまり長居すると、これから続々とやってくるであろう常連さんたちにも悪いですよね。1時間半程度の滞在で、今日は1,360円でした。(ここから逆算して類推するところでは、お通しが200円、ナカも200円というところでしょうか。)

帰りぎわに、「実は、秋元屋さんにうかがって来たんですよ」と話すと、店主は「今日(水曜日)は秋元屋さん、お休みですね」。それを受けて、入口側のサラリーマン3人連れも「そういえば、今日は、ここに来ないところをみると四文屋にでも行ってるのかなぁ」と、みなさん、秋元さんのことをよくご存知の様子でした。

このお店ですが、実は2年ほど前にも、ある方からメールで「マスターがあらゆる残り物をいれて作る煮込みは最高です。でもいつでもあるわけではない上に、中身も毎回違います」とご紹介いただいていて、それも気になっていたのです。次回はぜひ煮込みも食べてみたいですね。

店情報

《平成16(2004)年4月28日(水)の記録》

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店情報: もつ焼き「春(はる)」(中野)

  • 店名: もつ焼き「春」(はる)
  • 電話: 03-5343-2150
  • 住所: 164-0001 東京都中野区中野5-54-8
  • 営業: 20:00から21:00ごろ開店し、朝の05:00まで。木曜休
  • 場所: 中野駅北口を出て、中野ふれあいロード(サンモールの1本新宿よりの通り)を北上すること約5~6分。西友前の路地に右折した先、右手。(ソープランドの向かい。)
  • メモ: 月水金には店主自身が品川の食肉市場(屠殺場)に行っているため、こんな遅い時間の開店となるらしい。その日の朝しめた内臓肉等を、その日の夕方仕入れるから新鮮そのもの。レバ刺しなど生の刺身は月水金のみ。串(1本100円から)は注文を受けてから切って刺す。

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ホタテの網焼き … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

ホルモン」を出て、沼袋駅から電車に乗ったものの、なんだかちょっと飲み足りない。そうか。今日はビールを大瓶にしたかわりに、焼酎を1杯しか飲んでないからなぁ。よしっ。もう1軒にしましょう。(と、強引に理由をつけてハシゴ酒に持ち込むのが呑んべの悪いクセですなぁ…。)

自宅最寄り駅のひとつ手前、都立家政(とりつかせい)の駅に降り立ったのは午後7時20分。向かうはいつもの「竹よし」です。

「こんばんは」と店内に入ると、右手カウンターには常連のTmさん。そして左手のテーブル席では、若い男性2人客が酒と肴を楽しんでいます。私もTmさんの手前に座り、まずは燗酒をお願いします。燗酒は「菊正宗」(400円)と「菊水」(450円)の2種類があり、後者が辛口です。私はいつも「菊正宗」をもらっているのでした。

お猪口は、竹ザルにずらりの中から好きなものを選びます。口の広がった、安定感のあるタイプが好きで、いつもヒラメの絵が描かれた酒器を選んでいるのですが、今日はちょっと毛色を変えて、糸尻が高く、器が横に広がった小ぶりなもの(平盃)にしてみましょうか。この形状を、文だけで説明するとむずかしいですね。藪蕎麦(やぶそば)をご存知の方は、あの猪口に近い形状を思い浮かべていただければいいのですが…。

今日のお通し(200円)は、小さい小鉢に盛られたエビとマグロのミニ山かけ。エビは茹でたもの、マグロはぶつ切りが、それぞれ数切れずつ。醤油をたらし、グリグリっとかき混ぜていただきます。

さて。なにを作ってもらいましょうか。Tmさんからは、「塩辛をのせたヤッコがうまいよ。沖縄のスクガラス豆腐みたいで」とすすめられますが、なにしろさっき「ホルモン」でヤッコを食べたばかり。他のものがいいなぁ。あ。ホタテがある。これにしましょう。ホタテ網焼き(550円)をお願いします。

Tmさんと店主は、小平にある魚市場を30日に見に行ってみようという話で盛り上がっています。新潟に本社がある市場で、いい魚がおいてあるらしいのです。「海のないところに魚市場というのもおもしろいですねぇ」と聞いてみると、「いやいや。今は物流がいいから、むしろ新潟との県境とか、そういう山の中で取引されることも多いんですよ」とTmさん。へぇ。そんなもんなんだ。

出てきましたよ。ホタテです。貝柱と肝は焼いて、そしてヒモの部分は別に小鉢に盛られて、こちらは刺身でいただきます。ん~。焼いた貝柱は、さすがに歯応え・香り・味わいが広がりますねぇ。刺身もうまいが、焼いたホタテもまたうまい! お酒、おかわりください!

「30日には、きっといい魚が入ってるから、来てみてくださいよ」とTmさん。ほんとですねぇ。ここの魚介類は、いつもは築地で仕入れてるらしいのですが、小平ではどんな魚が仕入れられるんでしょう。楽しみです。

それじゃ、明日も仕事なので、今日はこの辺にしておきますか。午後8時半まで1時間強の滞在で、1,550円でした。どうもごちそうさま。また30日に来ますね。

店を出て、鷺ノ宮駅方面に向かいます。強かった風もおさまってきたので、しばらく行っていない「魚幸」を視察(?)してから帰りますか。この店は、店の前におすすめメニューが出されているので、中に入らなくてもなにがあるかわかるのです。

おぉ。竹の子メニューがずらりと並んでますねぇ。竹の子刺身、竹の子土佐煮、わか竹煮、竹の子醤油焼、竹の子と三つ葉のおひたし、竹の子味噌田楽が各500円。竹の子天ぷらが600円、竹の子と海老のはさみ揚げが800円などなど。竹の子は大好きだなぁ。

あ。そうそう。「魚幸」は、その名のとおり、基本的には魚料理屋さんなので、あおりいか刺身(800円)、関あじ刺身・たたき(各700円)、鯛カブト焼(950円)などの季節の魚メニューももちろんありますからね。カウンター割烹風のこの店にも、また来てみなきゃいけないですね。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月27日(火)の記録》

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ヤッコはどう食べる!? … もつ焼き「ホルモン」(沼袋)

なんじゃこりゃ! というほどの強風です。4月なのに台風並み。雨も降っていて、傘も必要。最悪の天気です。

そんな中、都内での仕事を終えて、西武新宿線・沼袋(ぬまぶくろ)駅まで帰ってきたのは午後6時。踏み切りを渡ろうとしていると、ビュンビュンッと右へ左へと方向が変わる風が吹いてきて、あっと思う間もなく、傘の骨が1本ボッキリ。それでも、大型傘だったからこれくらいの被害ですんだようで、まわりを見ると折り畳み傘はまったく使い物にならないぐらいボロボロになり、透明のビニール傘なんて、そのビニールの部分が完全にはずれてしまって、もう傘とは呼べないぐらいの状態になっているのです。まいったなぁ。

これは急いで避難しなければ。足早に駅近くのもつ焼き屋、「ホルモン」の店内に飛び込みます。おぉ。こんな雨風にもかかわらず、店内は5割ぐらいの入り。それでも、さすがに普通の日よりは少ないですね。

まずはビールとおしんこ(100円)をもらいましょうか。今日はなんだかビールを飲みたい気分なので、大瓶のほう(サッポロ黒ラベル、490円)をお願いします。

すぐに出てきたビールをグラスに注ぎ、まずは1杯目をググゥ~ッと飲み干します。やぁ。まいったまいった。こんな天気になるとはねぇ。2杯目もググゥ~ッとやって、やっと落ち着いてきます。なにしろ、雨風の影響で、背広はぬれるは、髪はモサモサに乱れるわ。こんな天気なら、はやく家に帰ればいいのに、それでも途中で燃料補給をしようとしてしまうんですねぇ、これが。へへっ。

よっしゃ。落ち着いたところで、いつものようにレバーとコブクロのちょい焼き(焼きものはすべて1本100円)をお願いしますね。そう、2本ずつでね!

今日のおしんこはキュウリ。そのおしんこをポリポリやりながら、もつ焼きの焼き上がりを待ちます。とはいえ、なにしろ「ちょい焼き」なのですぐに焼きあがってくるのです。ほ~らきたきた。さっそくレバーを串からはずして、ネギとショウガをちょいと乗せてパクリ! っかぁ~っ。うまいなぁ。プリッとした歯ごたえがいいじゃありませんか。

コブクロもいいですねぇ。これだけ新鮮なレバーやコブクロならば、刺身で出してもよさそうなものなんですが、どういうわけだかこの店は刺身のメニューはないんです。なんでかなぁ。過去(先代のころ)に、なにかいやな経験でもあるのかなぁ、なんて勘ぐってしまいます。

レバーとコブクロでビールを飲み終わり、続いては焼酎(210円)です。おつまみは、久しぶりにヤッコ(250円)を食べてみようかな。この店でヤッコをたのむのは昨年の4月以来。というか、いろんな店をすべて合わせても、ヤッコを注文したのはそれ以来じゃないかなぁ。

いや、決してきらいじゃないんですよ、ヤッコ。むしろ「好き」という部類ですし、自宅でお酒を飲むときにもよくいただいています。なのに、なぜか外で飲むときには注文していないんですねぇ。

このことに気がついたのは、先日、「もうそろそろやき屋のメニューはすべて制覇したんじゃないかなぁ」と思って、過去の記録を調べていたときです。自分の中では、ごくごく普通にヤッコは注文したことがあるつもりでいたのに、記録を見ると1度も注文していないのです。あれぇ、と思ってほかもあたってみると、ほかでもほとんどたのんでいない。湯豆腐はけっこうたのんでるんですけどねぇ。

考えてみると外で飲むときには、「この店ならばこれ」と言われるつまみを注文することが多い。湯豆腐や肉豆腐は「この店ならば…」というメニューになっていることも多いのですが(たとえば前者なら「銀次」「佐原屋」、後者は「大はし」や、肉豆腐ではありませんが「第二力酒蔵」「三州屋」など)、冷奴が名物になっているお店は…。どっかありましたっけ? そんなことも原因のひとつかなぁ。

さぁ、来ました。ヤッコです。長方形のお皿に、きっちりと直方体の、見るからにしっかりとした豆腐。豆腐の上にはネギとショウガがのっています。それとは別に、醤油の入った小皿です。この店のカウンターの上には醤油さしは置かれていないので、こうやって別皿で出てくるんですね。

このキメ細やかで、密度が高そうなまっ白い豆腐をしばらく愛(め)でたあと、今まで観察したところ一番多いのは、小皿の醤油を全部上からかけてしまうやり方です。このやり方の短所は、せっかくのまっ白い豆腐が、この瞬間に醤油の色に染まってしまうことなのです。そこで、私自身は、逆に豆腐を箸でひと口大に切って、まるで刺身のように、ちょいと小皿の醤油をつけていただく方法をとっているのでした。この場合、豆腐の上のネギやショウガも、いっせいに醤油皿のほうに移してしまうため、豆腐の白さがよりよく見えるようになるのです。

やぁ。うまいなぁ。これから、ヒヤッとつめたい冷奴がますます食べたくなる季節になってきますね。

それじゃ最後にアブラ、オッパイを塩で1本ずつ(100円×2)焼いてもらいましょうか。最初に食べたレバー、コブクロとともに、これら2品も、この店でははずせないもつ焼きになっちゃってます。アブラのクニュクニュ感、オッパイのコリコリ感とフワッと広がる脂の甘みが大好きなんですよねぇ。

満足満足。どうもごちそうさま。今日のお勘定は1,650円。ちょうど1時間のもつ焼きタイムでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月27日(火)の記録》

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ニホンシトロンで下町風! … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

掲示板で、『中野区近辺では入手困難な「ニホンシトロン」の炭酸が「秋元屋」に登場しました』という情報をいただいて、さっそくチャリを飛ばして出かけてきました。

日曜、午後6時の店内は、すでに7~8割程度の入り。もはや安定した人気店ですねぇ。

入口近くに開いてるところに座ろうとしたところ、カウンターの一番奥のお客さんから「ヨッ」と声がかかります。あ。Tdさん! Tdさんは、地元に生まれて、地元に育った、生粋(きっすい)の地元っ子で、この界隈のことをよくご存知なのです。「魚がし寿司」「竹よし」などを教えてくれたのもTdさんなのです。さっそくTdさんのとなりに移動します。

「飲みものは?」という声に、待ってましたとばかりに「キンミヤとニホンシトロンをお願いします」。その注文に、「さっそく連絡がいきましたか」と焼き台の店主もニコリと微笑みます。「あふれるぐらい泡が出ますから気をつけてくださいね」とおかみさん。

ニホンシトロンの瓶は、190ml入りながら、なで肩の細身。どれどれとジョッキの焼酎に注ぎ込みます。ジョワワァ~ッ。炭酸の音もドハデに、シュゥゥ~ッと泡が盛り上がってきます。おぉ。聞きしに勝る泡立ちですねぇ、これは。途中でいったん休憩し、ある程度泡がおさまるのを待って、再び注ぎます。

カァ~ッ。ものすごく強い炭酸ですねぇ。口の中で炭酸成分が大暴れです。

下町酒場といえばココという情報サイト「酔わせて下町」の中の特集、「下町ハイボール」のページによりますと、関東での焼酎の飲まれ方は「①焼酎のみ」→「②焼酎+シロップ」→「③焼酎+ホッピー」→「④焼酎+炭酸」→「⑤焼酎+炭酸+“元祖の素(謎のエキス)”」→「⑥焼酎+サワーの素(レモンサワーやライムサワーなど)」と変遷してきたのだそうです。

この近所で言えば、荻窪「カッパ」が①、沼袋「ホルモン」が②、そして③は荻窪「やき屋」をはじめいろいろと。で、④が今飲んでるものですね。この炭酸の強さが、「下町酎ハイ」の大きな特徴なのだそうです。

ちなみに、このキンミヤ+ニホンシトロンのセットは370円でした。

さて、つまみのほうは、まずは煮込みをもらおかな。あれ? 以前は「煮込み」(320円)と「煮込み玉子入り」(380円)の二つしかなかったのに、「煮込み豆腐入り」(380円)というのも加わってますねぇ。「玉子も豆腐も入れてもらうのはできますか?」「ハイ、大丈夫ですよ」。すぐに大きめの小鉢に煮込みを入れてくれて、「お待たせしました、全部入り(440円)です」!

Tdさんは、今では週に2~3回、ここ「秋元屋」に通われてるのだそうです。「鳥芳がなくなったからねぇ」とTdさん。ほんとにそうですよねぇ。Tdさんの家(都立家政駅近く)は、ちょうど「秋元屋」(野方)と「鳥芳」(鷺ノ宮)の中間あたり。逆方向になったとはいえ、「鳥芳」と同じぐらいの距離感で通えるんですね。

2杯目の飲みものは、これまたさっきメニューで新発見した「トリハイ」(280円)をもらってみましょうか。「これは、いつからあるんですか?」と店主に聞いてみると、「先週からなんですよ。中野のブリックで研究しまして」とのこと。

なにしろ店主が研究熱心で、店が終わったあとや、週に一度の休みの日(水曜日)には、他の店に研究に行くらしいのです。たとえば最初にいただいたニホンシトロンの炭酸は、堀切菖蒲園の「小島屋」で研究してきたものなのだそうです。そして、この「トリハイ」(トリスのハイボールのこと)は、「ブリック」のものをベースに、「ピュアー」のマスター直伝のレモンピールで仕上げたものなのだそうです。

レモンピールというのは、薄く切ったレモンの皮をグラスの上でひねって、皮に含まれる油分でカクテルに香り付けすることを言うのですが、このレモンピールが実によく効いていて、おいしいハイボールに仕上がっています。これはやばい。スイスイと入ってしまうカクテルです。あ。ちなみにトリハイ用の炭酸は、この店で従来から使っていたハイサワーのものです。

さあて。そろそろ焼いてもらいましょうか。今日はコブクロとガツをお願いしますね。

この店のもつ焼きは、普通は2本1人前で180円。しかし、みなさんが注文しているのを聞くと、「タンを3本、塩でね!」なんて本数を指定している人もいるようです。

そういえば、コブクロとガツも新登場メニューですねぇ。最初のころに「そのうちコブクロなんかもやってみたいと思ってるんですよ」と店主が言っていたのを思い出します。いよいよ研究段階を終えて、メニューに加わったんですね。

出てきたコブクロ(塩焼き、2本で180円)は、すごいぞこれは! 「鳥芳」の大きくぐるりと円を描くコブクロもすごかったのですが、ここのコブクロは、大きさはそれほど大きくないものの、グルグルッと回っている感じは「鳥芳」以上です。

そしてガツ(こちらも塩焼き、2本で180円)。このガツは厚みがありますねぇ! その厚みが、そのまましっかりとしたプリプリ感につながっていて、ガツ好きにはこたえられません。

トリハイ(280円)もおかわりお願いします。しかし、このトリハイはもつ焼きに合いますねぇ。ウイスキーのハイボール自体が、もともと絶対にもつ焼きに合いそうな品物なのに、他のもつ焼き屋さんのメニューにないのが不思議だったぐらいです。絶対いいよ! これは!

トリハイもうまく、Tdさんとの話も盛りあがり、今日は結局1時間40分あまり長居してしまいました。この間、店はズゥ~ッとほぼ満席の状態を維持しています。そろそろ私は失礼しますか。今日は1,730円でした。どうもごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月25日(日)の記録》

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全品制覇の日は近し! … 立ち飲み「やき屋」(荻窪)

久しぶりに荻窪の立ち飲み「やき屋」に寄って帰ろかな。横浜から東京に向かうJR湘南新宿ラインの車中で、ふと思いつきます。この電車に乗ると横浜→新宿間は30分。午後7時過ぎに横浜駅を出て、新宿で中央線に乗り換え、8時にはもう荻窪です。

さて、入れるかなぁ。のれんをかき分けて、恐る恐る店内へ。わぁ。今夜もいっぱいですねぇ。よぉ~くのぞき込むと、メインカウンターの奥から3番目ぐらいにかろうじてひとり分の空きがある様子。ほっと胸をなでおろしながら、その場所に向かいます。

と、その場所まで向かう途中で、カウンターのお客さんから「よっ!」と声がかかります。おや。なんとKさんです。「やぁ、久しぶりぃ!」なんて会話を交わすものの、Kさんの近くはまったく空いておらず、やはり当初予定の奥から3番目、Kさんのところからは2人間にはさんだ向こう側に陣取ります。

ところが。ここでKさんが「すみません。ちょっとずれていただいてよろしいですか」と、間にいる2人のお客さんに声を掛けて、となりに移ってきてくれたのです。ちょうどテーブル席に料理を運んでいたおかみさんも、「こんなに込んでるときに、大胆なことをするわねぇ!」と笑っています。Kさんが常連さんで、間にいた2人も常連さんたちだったからできた技です。普通にマネしたら、思いっきり怒られますので気をつけましょうね。(笑)

Kさんも、ちょうどいらしたばかりのようで、今日1杯目となるホッピー(ナカ、ソトのセットで300円)とゲソのワタ和え(150円)を注文しています。「私もホッピーとワタ和えをお願いします」。久しぶりにワタ和えをいってみましょうね、私も。

ワタ和えは、あらかじめ大鉢にたっぷりと用意されているものを、注文に応じて小鉢に取り分け、刻みネギをちょいとのせて出してくれます。イカワタの濃厚さと、タレの甘みが混ざりあって、甘口のいいつまみになるのです。「他のどこにもありませんもんねぇ、これだけは」とKさん。まさに、この店オリジナル。オンリーワンのつまみです。Kさんは、唐辛子をサッサッとふりかけて食べています。なるほど、それもいいかもね。

1杯目のホッピーはワタ和えで飲み終え、Kさんがナカ(150円)とイカ刺身(150円)を注文します。あ。そうだった。そういえば、以前この店でKさんと一緒になったときに、「ワタ和えのタレに刺身を入れて食べるのもうまいんですよ」という話をしてました。「私もナカとイカ刺身!」と追っかけて注文し、Kさんのほうを向いて「例のヤツですね」とニッと笑い合います。

そこからあとは、Kさんの手元を見ながら、Kさんがやるのと同じように作っていきます。まずは、イカ刺しの小鉢に添えられたワサビを全部、タレだけ残ったワタ和えの小鉢側に移し、箸でまんべんなくネリネリします。タレの粘度(ねんど)がけっこう高いので、よ~く練らないと、うまくワサビが混ざりません。

しかるのちに、イカ刺しをすべてワタ和え側の小鉢に投入。同じようにまねしてると、Kさんから「いきなり全部入れちゃって、大丈夫ですか!?」と声がかかります。ちょっとだけ試してみようという方は、この段階で投入量を調整するといいでしょう。投入が終わると、これまたタレがまんべんなく行き渡るように、箸でよ~くかき回して、Kさんの創作つまみ「イカ刺しのワタ和え」の完成です。

ど~れどれ。さっそく1~2本をつまみ上げて食べてみます。まずワタ和えのタレの濃厚な味わいと、甘さが広がりますが、その中にワサビがピリッと存在感を発揮します。いゃ、うまぁいっ。これはいいよ、Kさん!

パクパクほおばる様子を横で見ていたKさん。「なかなかのもんでしょ。問題なのは、これを食べると、店に入ってからの2品が、順番まで決まってしまうということだけなんですよ」。そうかぁ。いろいろ食べてみるというバラエティがなくなっちゃうんですね。全部おいしいからなぁ、ここのつまみは。

あっという間に「イカ刺しのワタ和え」を食べ終え、次のつまみを探します。Kさんは「あげ!」と注文。これは「ゲソ揚げ」(150円)のことですね。この店では、注文したものをお客さんに出すときに、店長からおかみさんに何が出るかということが伝えられます。それを受けて、おかみさんが伝票に記録するのです。このとき、決められた符丁が使われるのですが、「ゲソ揚げ」の符丁が、さきほどKさんが注文に使った「あげ!」です。ちなみに、「ゲソわた和え」の符丁は「わた!」、イカ刺しなんかはそのまま「いかさし!」です。

私は「みそキュウリ」(150円)をもらおかな。

「やき屋」の「みそキュウリ」は、キュウリ1本を縦方向に2つに切って、味噌を添えるという独特のスタイル。このスタイルをひそかに(笑)まねているのが、「秋元屋」(野方)。先日うかがったときに、店主自ら「『やき屋』さんとおなじでしょう?」と笑いながら話してくれたのでした。他の店でもいいもの、おもしろいものはどんどん吸収していくというのも、「秋元屋」のおもしろいところのひとつです。

ところが、この「みそキュウリ」。ほかの人が食べているのを見たことは多いのですが、私自身が食べるのはこれがはじめてなのです。たっぷりと添えられている味噌を、たっぷりとキュウリにつけて、ポリッとひとかじり。このモロキューも、呑んべに愛されるつまみのひとつですよねぇ。

で! この「みそキュウリ」を食べたことによって、この日メニューに出ている17品の150円ものメニューの中で、食べたことがないのは、あと「冷奴」のみとなりました。(ていうか、この瞬間は「やったーっ! 全品制覇だ!」と思っていたのです。ところが、あとでこの文章を書くときに、念のため過去に注文した品々を確認していて、「冷奴」を食べてないことに気がついたのでした。(涙))

「この日メニューに出ている」と書いたのは、実は150円メニューは全部で20品あって、3品は、上に紙が張られて隠されている状態だったのです。隠れているメニューは季節物の「イカ大根」と「枝豆」の2品と、仕入れ値がおり合わなくてお休みしている「ウナギ肝焼き」です。「枝豆」と「ウナギ肝焼き」は食べたことがないなぁ。

しかしながら、未体験150円メニューは、残り3品となりましたか。近いうちに全品制覇ですね。どれもおいしいというのも、この店のすごいところですね。食べたことがあるものの中で、「これは今度からたのむのやめよう」なんて思ったものはひとつもない。これはKさんも同じだそうです。

ところでこの「みそキュウリ」。キュウリもさることながら、味噌だけでも十分つまみになりますねぇ。チビッと箸先につけて、ペロリとなめながらいただくお酒のうまいこと。本当は日本酒がいいかも。

さあて。今日はこの辺にしておきますか。それじゃ、Kさん、お先に。

兄弟店である中野の「やきや」同様、こちらも4月以降消費税の対象店になったようで、お勘定は945円(900円+税)でした。「すみませんねぇ」とおかみさん。

そういえば、先日、古くからの常連さんと思しき方からメールをいただきました。私は、この店を切り盛りしているお二人がご夫婦かと思っていたのですが、実際には、ここ(荻窪)のおかみさんと中野の店長がご夫婦なのだそうです。以前は、荻窪をお二人でやっていたのですが、御主人が中野に新店(中野の「やきや」のこと)を出されて、荻窪も今のスタイルになったのだそうです。う~む。知らなかったなぁ。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年4月19日(月)の記録》

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