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暑い日は穴倉で … バー「ブリック」(中野)

暑い暑い真夏のような一日。背広の上着はズゥ~ット手に持ったまま。ん~? そういえば、ちょっと前にもこんな暑い日に都内に来たなぁ。「ブリック」で生ビール飲んだっけ。よ~し。ちょっと暗めの穴倉のような空間で、ググゥ~ッとビールを飲みますか、今日も!

ギッコロと、入口ドアを開けて店内へ。午後7時半の店内は、ウィークデイにもかかわらずL字カウンターはほぼ満席。カウンター内のバーテンダー氏に、「こちらへどうぞ」と、スッと手を伸ばして示されたところに、かろうじて空席が1個。いやぁ、よかったねぇと思いながらその席に座ります。

「いらっしゃいませ」と差し出されたおしぼりを受け取りつつ、「生ビールの小(400円)をお願いします」と、なにしろビールを注文です。これを楽しみに来ましたからね!

すぐに出されたグラスの生ビール。泡もしっかりと美しい。さすがにお酒のプロがついだビールですねぇ。んじゃ、いただきますか。ッカァ~ッ。んまいっ!

お通し(400円)として出てきたのは今回も枝豆。夏らしいですね。じゃ、つまみも涼しく野菜スティック(400円)にしますか。

ビールを飲み干しました。私が座っているカウンター中央部は、実に微妙なポジションでして、これより入口側は、カウンターの入口側にいる若手バーテンダー氏の担当場所。そしてこれより奥側はチーフ・バーテンダーの菊地店長の担当場所なのです。ちょうど目が合った菊地店長にトリハイ(トリスのハイボール、200円)を注文します。

菊地店長も、若いバーテンダー氏も、忙しそうに働きつつも、常にまわりに目線を向けてくれているため、「注文しようかなぁ」と顔をそちらに向けると、あまり待つこともなく必ず目が合うのです。

さてトリハイ。ホワイトや角瓶などのほかのウイスキーは、水割やハイボールなどを注文すると「シングル(30ml)ですか? ダブル(60ml)ですか?」と量を確認されるのですが、トリハイの場合は必ず1ジガー(45ml)使うと決まっているので聞かれないのです。

サントリーのホームページ内にある、「吉村喜彦のトリスバー探訪」というページによると、元々トリスバーとして誕生したこの「ブリック」には、トリスを置いていない時期があったそうなのです。そのトリスが復活したのは昭和60(1985)年。そのころブームになっていた酎ハイに対抗するために、トリスのハイボールを復活させたのだそうです。ウイスキーを1ジガー使うというのも、そのときに決められた酎ハイへの対抗戦略のひとつなんですね。

最後にレモンの皮をピッと絞ってトリハイのできあがりです。

サントリーのウイスキーラインナップの中で見ても、トリスはそれほどいいお酒ではないはずなのですが、このバーのカウンターにひじをついていただくトリハイのうまいことといったら。

野菜スティックも出てきました。角瓶と同じデザインのロックグラスにクラッシュアイスが入れられ、細長く切られたセロリが3本、キュウリも3本、そしてニンジンが3本。横には辛子マヨネーズの小皿が添えられています。

この野菜スティックも好物のひとつなんです。いつも感動するのがこの歯ごたえ。セロリの歯ごたえは、ま、当然としても、キュウリもシャキッと。ニンジンなんて、パキッていう音とともに割れるように口の中に入ってきますもんねぇ。噛みしめると甘いし! そういえば、となりのおじさん(ひとり客)も野菜スティックをかじりながら、角の水割りを飲んでいます。ひとり客同士が、となりあってポリポリやってる姿もなんだかおもしろいですね。

トリハイ(200円)もおかわりです。

そこへ、入口横のテーブル席に座っている男女ふたり連れからフライドチキン(500円)の注文が入ります。や。それはおいしそうですねぇ。私もついでに作ってもらいましょう。「じゃ、こっちも、フライドチキンをお願いします」。「はい」と菊地店長が準備をはじめます。

いろいろなバーを見てみると、ほとんどつまみを置いてなくて、どっちかというと飲むことが主体のお店と、料理の種類も多くて、たっぷりと食べることもできるお店の2つに大別できますが、ここ「ブリック」は後者です。大好きなポテトサラダ(400円)、マカロニサラダ(400円)のほか、お腹がすいてるときにはグリルドサンド(450円)なんかもいいんです。この3品は、数あるつまみの中でも特に人気が高いようで、いつ来ても、だれかが必ず食べています。

私自身はまだ食べたことがないのですが、プレーンオムレツ(450円)やスペイン風オムレツ(600円)といった、オムレツ系のメニューも人気のようです。スペイン風オムレツなんて、厚みもたっぷりで、これだけで満腹になっちゃうんじゃないかなぁというボリュームです。

ふたたびトリハイ(200円)をおかわりし、野菜スティックもちょうどなくなったところへ、フライドチキンの登場です。

丸お皿の手前側に、まん丸く整形されて熱々に揚げられたフライドチキンが4つ。とてもおいしそうな香りをはなっています。皿の奥側には千切りのキャベツたっぷりの上に、細くスライスされたニンジンがきれいに整列して乗っかっていて、自家製らしきマヨネーズがかけられています。

どれどれ。まず1個目をハフハフとほおばります。出てきた瞬間からそうでしたが、本当にいい香りですねぇ、この鳥肉は。自分が注文してないときに、となりで食べられたりするとたまりませんなぁ、きっと。

私が入った後からも、お客さんは続々と入ってきており、1階はいっぱいなので、次々に2階に上がっていきます。店の中はお客さんでいっぱい。火曜日でも、午後8時をまわるとこういう状況になるんですね。

あら。トリハイがなくなっちゃった。本当はビール1杯と、ハイボール2~3杯というあたりが、気持ちよく酔えて、翌日にも残らないちょうどいいぐらいの量なんですが、まだフライドチキンも残ってるので、今日は4杯目をいただいちゃいますか。「すみません。トリハイ、もう1杯」。

トリハイは、さっき書いたとおり、ちょうど1ジガー(45ml)ずつ、メジャーカップできっちり計量して作られますので、4杯飲むと、ウイスキーを180ml(1合。1/4ボトル)飲んだことになります。アルコール度数が、日本酒の3倍ぐらいなので、日本酒に換算するとちょうど3合分ということですね。

それにしても、ハイボールは、そのシュワシュワとした炭酸の口当たりのせいか、すいすいといくらでも飲めちゃって困りますねぇ。酔いが後から効いてくるタイプの飲みものです。

この穴倉のようなほの暗いバーの空間に、まだまだずっと抱かれていたいところではありますが、なにしろ火曜日。今日はこの辺にしておきますか。

お勘定は2,530円。1時間強の滞在でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年6月22日(火)の記録》

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受信: 2004.09.20 11:56

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