深川の夜は更けて … スナック「エコー」(門前仲町
「だるま」をあとに、3軒目として向かった先は、辰巳新道(たつみしんみち)にあるスナック「エコー」です。
「こんばんは。2人です」。「あら、いらっしゃい。久しぶり。お元気でしたか」。いやいや。お元気でしたかは、こちらが聞きたいセリフです。ここの女将さんも、そろそろ80に手が届くかといった年齢ながら、たったひとりでお店を切り盛りされているのです。
それじゃ、例によって「いいちこ」(麦焼酎)をロックでお願いしますね。
ここ辰巳新道は、門前仲町を代表する飲んべ横丁。路地の中には2箇所の共同トイレ(男女兼用)があって、各店のお客さんはそこまで用を足しにくるのです。
「一見(いちげん)さんは入りにくい」と言われているこの横丁も、私の場合は、たまたま会社が近くにあったので、先輩から後輩へと、紹介によって引き継がれてきたのでした。同じ会社でも、部署によって行きつけの店が違うので、飲んでるその場でいっしょになることは少ない。ところが、なにしろ共同トイレは2箇所しかないので、そのトイレで「おぉ!」とか「やぁやぁ」なんて鉢合わせが多いのも、この横丁のおもしろいところだったのです。
うちの部署は、たまたま工場ごと横浜に移っちゃいましたが、ほかの部署の人たちは、あいかわらずここ門前仲町一帯で楽しく過ごしてるんだろうなぁ。ちょっとうらやましいですね。
Frさんも、もともとこの地元の人だし、女将さんなんて、この界隈の生き字引といって言いぐらいいろんなことをご存知なので、地元話に花が咲きます。
やっぱりいいなぁ、深川界隈は。飲んでることが自然、酔っ払ってて当たり前のようなゆったり感を感じるのです。もともとが辰巳芸者に象徴される花街や、洲崎遊郭などの、いわゆる三業地(さんぎょうち。芸者屋と料理屋と待合(マチアイ)という三業の営業の許可の出されている地域)なんかが近くに控えていたせいでしょうか。今でも場外馬券場(ウィンズ)なんかがある地域には、いい飲み屋が多いですからね。
深川・門前仲町のふところにゆったりと抱かれながら、ヘロヘロになるまでたっぷりと飲んだのでした。
たくさんおつきあいいただきまして、どうもありがとうございました。ぜひまた飲(や)りましょう! > Frさん
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