元気丼で腹ごしらえ … 大衆食堂「つるかめ」(新宿)
1週間の夏休みに突入しました。新宿バスターミナルから、高速夜行バスに乗って松山まで移動です。でも、その前に腹ごしらえが必要ですね。せっかくの新宿なので、ション… いや思い出横丁で食べていきましょうか。現在午後6時。バスの出発は7時過ぎなので、1時間程度は大丈夫ですね。となると、ちょっと飲んで、夕食も食べられるところがいいですね。久しぶりに「つるかめ食堂」にしましょうか。そう、ソイ丼で有名なお店です。(注:タウンページ等に登録されている正式名称は食堂「つるかめ」のようですが、店頭には「つるかめ食堂」という表示がたくさんあるのです。)
西武新宿駅側(JR新宿駅からは遠い側)の入口から思い出横丁に入ります。途中、かくんとクランクしたところに、うなぎの串焼きが食べられる「カブト」があるのですが、土曜日でも満席です。なにしろ、夏はうなぎの季節ですからねぇ。
そして「つるかめ食堂」。こっちもお客さんが多いですねぇ。向こう側(JR新宿駅寄り)にちょっと空きがありそう…と思っていたら、私の前を歩いていたおじさんがガラリと引き戸をあけて、そこに入っちゃいました。残念。ちょいと引き返して、手前側の角のところに座ります。
店内は、だいたい8割程度の入りです。ただし、これは1階のカウンター席のこと。私は入ったことがありませんが、実は2階にも席があるらしいのです。
スッと目の前に来てくれたお店のおにいさんに、まずはビールを注文します。ビールは、サッポロ黒ラベルの大ビンのみで600円。「ビール!」とたのむだけで、「ハイヨッ」と出てくるスピードです。
大衆食堂といいながらも、入っているお客さんのほとんどはビールや、酎ハイ(350円)などを目の前に置いて、いっぱいやっている状態です。ま、なにしろメニュー構成からして、大衆酒場風ですからねぇ。目玉焼き、玉子焼きなどの150円にはじまって、塩辛、マカロニサラダ、ポテトサラダ、トマトサラダなどなどが200円、そして300円メニューが続き、マグロ刺しやシメサバなどが400円。ほかにも、トンカツや天ぷら、焼き魚などなど、つまみにもなるし、おかずにもなるメニューがずらりと勢ぞろい。これらのすべてがプラス300円で定食になるのです。
思い出横丁自体が観光地化していて、周辺のお店と比べるとやや高めの価格設定の店も存在する中、ここ「つるかめ食堂」のような、まさに大衆食堂らしい価格設定はとってもうれしいですね。だからいつもお客さんが多いんでしょう。
私は、今日は元気丼(げんきどん、500円)をもらいましょうか。
元気丼は、その名のとおり丼物(どんぶりもの)なのですが、ごはんの上にのっかってるのが牛スジ煮込みと牛タンマリネなのです。どちらも単品メニューとしても存在していて、牛スジが250円、牛タンが300円です。
牛スジ煮込みや、牛タンマリネをはじめとするサラダ類など、すぐにできる品物は、カウンター正面にど~んと据えられたガラス製のタネケースの中や上にずらりと並んでいて、丼メシの上に、そのタネケースの中の鍋やバットからひょいひょいと盛りつけるとすぐにできあがります。牛タンマリネの中央に1個、煮とろけんばかりのニンニクが乗ってるのがうれしいですね。
まずはごはんには手を付けず、上に乗っている煮込みやマリネをちびちびつまみながら、ビールをいただきます。
1階の店内は、コの字型のカウンターのみ。コの字の右側全体が入口になっていて、コの上のほうがJR新宿駅側になります。私が今座っているのは、コでいうと右下隅の角のところ。角の位置に陣取ると、左側のカウンター(コの下の部分)も、右側のカウンター(コの右の部分)も、どちらも一望できておもしろいですね。
私のすぐ右側にいるひとり客は、肉のフライ(“フラメンキン”というここの名物料理のひとつかも。お皿の上の残りがわずかになっているので判別しにくい)をつっつきながらビールを飲んでいる。野球帽を後ろ向きにかぶった青年かと思っていたのですが、その人の携帯に電話がかかってきてしゃべりはじめるとなんと女性の声。あらためてよく見ると、みなりは青年風ながら、若い女性ひとり客だったのでした。
そして左側、コの字でいうと下の辺にあたる部分は、どうやらこの店の大常連さんたちが居ならぶ常連席のようです。ここに並んだ3~4名ほどの人たちは、キンミヤマークが燦然(さんぜん)と輝くサワーグラスを片手に、後ろの壁にもたれるようにして、ゆっくりと飲み、しゃべっています。カウンターの中の店員さんのみならず、奥の厨房のおじさんからも名前で呼ばれながら親しげに話しているところを見ると、この人たちも、まさに二日とあけずに通ってるんですね。
あ。念のために言っておきますと、キンミヤマークはすべてのサワーグラスについてますからね。常連さん用のグラスにだけついているということはありません。ちなみにキンミヤマークというのは、「亀甲宮(きっこうみや)」という甲類焼酎のブランドマーク。六角形の亀甲の中に「宮」という字が金色で書かれているので、通称「キンミヤ」と呼ばれているのです。
なぜ、コの字の上ではなくて、こちら下側が常連席になったのかと考えてみると、どうやら壁にもたれかかることができるかという点にあるようです。この店には2階があるということを書きましたが、その2階へ上がる階段は、コの字でいうと左上の部分にあるのです。つまり、コの上側の辺のところが、まさに2階にあがるための通路になっているわけで、なかなか落ち着いて壁に寄っかかることもできない。というか、通路なので、こちら側よりも多少幅が広くて、壁にもたれられないじゃなかったかなぁ。(←未確認です。)
お。ちびちび飲(や)ってるうちに、もう6時半をまわっちゃいましたか。時間的に余裕があれば、もう1品ぐらい(できればマカロニサラダかポテトサラダがよかったなぁ)たのんで、酎ハイの1杯も飲んでいこうかと思っていたのですが、そこまでの余裕はないようですね。それじゃ、いよいよごはん部分に突入しますか。
そば屋で、「おかめそば」を注文して、その具の部分(カマボコやフ、ワカメなど)でお酒を飲んで、最後にそばをすすってお腹も満たすなんて食べ方をしたりしますが、この店の丼(どんぶり)もそれに近いものがありますね。名物「ソイ丼」(500円)もそうです。なにしろ「ソイのあたま」(400円)といって、「ソイ丼」の具のところだけがつまみとして存在しているぐらいです。まるで、そば屋の「抜き」(具入りのそばから、そばを抜いたもの)のようですね。
はい。どうもごちそうさま。お勘定は1,100円。コの字の左上の部分に陣取る女将さんはじめ、お店のみなさんからの「ありがとうございましたぁ」の声に見送られながら、店を後にしたのでした。
さぁ、松山に向けて出発だ。
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コメント
ビールはサッポロラガーもあります。
ひとによっては思い入れの強い店なので、
いい加減なことを書かないでください。
投稿: 高田泰三 | 2007.07.27 14:31