120%大満腹! … フランス料理「北島亭(きたじまてい)」(四ツ谷)
昨夜の大阪からの友人に続いて、今日は四国の友人が上京です。久しぶりに向かった先はフランス料理の「北島亭」。まずはいつものように「クリュグ」(シャンパン)をいただきながら、メニューを選びます。
われわれが店に入ったのは午後7時半。この時間が「北島亭」に予約を入れられるもっとも遅い時間です。なにしろスタートしてから最後のコーヒーまで、たっぷりと2時間以上かかりますからねぇ。
この時間になると、6時ごろに店に入っていた人たちのところへちょうどメインディッシュが出てきはじめるころ。われわれのテーブルの横を美味しそうな肉や魚が通り過ぎていきます。
「う~む。ジビエ、あんまりないねぇ」。11月だからジビエ(野生の肉類)を楽しもうと楽しみにしていたのですが、ちょっと残念です。「ホロホロ鳥と鴨なんてどう?」「仔羊も食べたいなぁ」なんてことで、メインは「ホロホロ鳥のソテー(4,500円)」「鴨のロースト(5,000円)」、そして「オーストラリア産仔羊フィレ肉の塩包み蒸し焼き(2人前、11,000円)」に決定。
ちなみにテーブルを囲んでいるメンバーは友人と私も含めて全部で4人です。けっして友人とふたりで4人前の肉料理を食べるわけではありません。なにしろ「北島亭」はひとり分の量がとってもたっぷりとしていることでも有名で、気をつけて注文しなければ、とても食べられない量になってしまうのです。
「魚も1つだけもらっとこうか」と、「白甘鯛の皮カリカリ焼き(5,500円)」を1人前だけもらうことにしました。
さぁ。あとは前菜だ。注文するときは食べるのと逆の順番に考えていくんですよね。われわれはこうやって食べたいものを勝手に言ってるだけですが、友人は「それじゃ、ワインはどれにするかなぁ」なんて、みんなの注文に合わせてワインも選んでる。これが難しそうなんですよね。私にやれといわれるとできない。(ワインだから選べないというわけでもなく、日本料理に合わせる日本酒だって選べないかも…。)
前菜は「生ウニのコンソメゼリー寄せ(3,000円)」は絶対にもらおうね。看板メニューだからね。「この前(2週間くらい前)来たとき、うさぎもうまかったよ」と友人。じゃ、それももらわなきゃ。サバもうまいよね。それと、11月といえばセップ茸も食べなきゃ。「アカザエビも食べたら」と友人。彼は自分自身では甲殻類は食べない(食べられない)のですが、みんなにはすすめてくれるのです。じゃ、それも1人前。本当はこうやって1人前ずつたのんでシェアするのはマナー違反かもしれないのですが、なにしろ食べたいものがたくさんあるにもかかわらず、自分の胃袋には限界があるので、「食べたいっ!」という欲求の前にはマナーもぶっ飛んでしまうのでした。
シャンパンを飲みながら歓談することしばし。まずはウニのコンソメゼリーから登場です。これは人数分注文したので全員に。いつも書いてるんですが、ウニのやわらかさと、コンソメゼリーのやわらかさがちょうど同じくらいに仕上がっていて、口の中でトロリンととろけるんですよね。思わず笑いがこみ上げる一品です。
そして真鯖のマリネ。これはいわゆる洋風シメサバなんですが、その切り身のきれいなこと。このまま刺身で食べてもうまそうな絶品のサバです。野うさぎのパテは、野うさぎの肉をパイ生地でくるんで焼いたもの。彼が「おいしかったよ」と言ってたとおりのいい味わいです。
ここでシャンパンが終了し「ニュイ・サンジョルジュ(94年)」が出てきます。これは、ロマネ・コンティと同じく、ブルゴーニュの赤ワイン。タンニンの渋みがコクを感じさせて、大好きなワインです。
セップ茸は、ヨーロッパでは「キノコの王様」といわれているくらいのものだそうで、秋の味覚の代表格なのだそうです。ぷくんと丸いその形は、おとぎ話の絵本に書かれているキノコの姿そのもの。それをスライスしてソテーしたものが出てきます。ムフフ。これもまた、笑いがこみ上げる一品ですね。続いてはアカザエビとアスパラ。ひと皿ひと皿に、シェフの全力投球の意気込みを感じます。
やぁ。おいしかったねぇ。居酒屋で飲む場合には、もう満足というくらい食べてますが、これがまだ前菜。これからいよいよメインディッシュに突入です。
厨房からは若い衆が「今日の白甘鯛です。これを焼きます」と見せに来てくれます。こりゃまた、ものすごく立派な甘鯛ですねぇ。ま、そういう甘鯛が仕入れられたからこそ、シェフが「見てもらってこい!」と、見せに来てくれたんでしょうね。
ワインも2本目。今度はボルドーの「シャトー・ムートン・ロートシルト(83年)」に切り替わります。こっちは柔らかで、とってもふくらみを感じる、包容力のある赤ワインです。
「白皮(しらかわ)です」と、白甘鯛の皮カリカリ焼きが出てきました。外パリッと、中トロッとというこの焼き加減は「北島亭」ならではのもの。こんな焼き魚、ほかでは食べられませんなぁ。
そしていよいよメインの肉料理、ホロホロ鳥ソテー、鴨ロースト、そして仔羊の蒸し焼きが出てきました。ホロホロ鳥は頭の部分も含めて丸々1羽分。鴨や仔羊の肉のピンクも絶妙ですねぇ。もう満腹と思っていたのに、こういうのが出てくるとどんどん食べることができるのが不思議です。
うわぁ。飲んだ、食った。もう本当に満腹。胃袋120%くらいです。でも、昔はたのみ過ぎちゃって、最後に食べられないくらいだったのに、最近は自分たちの食べられる量がちゃんとはかれるようになってきました。なにしろ注文するときには空腹だから、いくらでも食べられる気がしちゃうんですよね。
デザートは、私はシャーベットの盛り合わせにするかな。これが一番さっぱり系なのです。ほかはケーキなどですからねぇ。コーヒーはエスプレッソをお願いします。
もうほかのお客さんたちもいなくなって、厨房からは北島シェフも出てきました。
最後の最後にテーブル上に出てきたのは焼き栗です。まわりは真っ黒に焼け焦げてるんだけど、中の実のうまいこと。
やぁ。もう動けないくらい満腹。どうもごちそうさまでした。3時間のディナータイムでした。
| 固定リンク
コメント