焼きガキもうまい … やきとり「鳥佳(とりよし)」(横浜・上大岡)
もつ焼き情報たっぷりの「至高のはらわた」のページに、横浜のお店も何軒か紹介されています。今日はその中の1軒、上大岡の「鳥佳」にやってきました。
お店には入口がふたつあって、とりあえず近い側(上大岡の駅側)の引き戸を開けます。「こんばんは。ひとりです」。店内はテーブル席がならんでいて、右側の厨房からおねえさんが顔をのぞかせます。「おひとりさまでしたら、こちらのカウンターのほうへどうぞ」。なるほど、入り口によってテーブル席側とカウンター側が分かれてるんですね、了解です。いったん外へ出直して、駅から遠い側、交差点の角のほうにある入口から店内へ入ります。
こちら側の入口から入ると、左手に7席のカウンター。右手にはテーブル席が2つ並び、さらに一番奥に4人掛けのテーブル席がひとつという、わりとよく見かけるやきとり屋さんの風景になります。なるほどねぇ。向こうの入口側のテーブル席は、グループ客用に増設したんですね、きっと。(件の「至高のはらわた」の紹介写真では、その部分は別の店です。この店を買い取って、テーブル席スペースにしたのかな。)
カウンターには先客の男性がひとり、中央部に座っているだけ。私は、カウンター一番奥の、ちょうど焼き台の前の席に陣取り、まずはビール(キリンラガー、大瓶、520円)をもらいます。
「はい」とビールを出してくれた女性店員さんに、奥の鍋でグツグツ煮えているもつ煮込みを注文。すぐに出てくるのかと思いきや、この煮込みをさらにひとり用の鉄鍋に移して、豆腐とともにグツグツと煮込みます。メニューを確認すると、なるほど「もつ皿」(400円)というのと「もつ煮込み(豆腐入り)」(530円)という2種類があって、これは後者なんですね。「もつ皿」なら、きっとあの鍋からお皿にさっとついでできあがりだったんでしょう。
「辛いの入れますか?」とおねえさん。見れば、赤い唐辛子味噌みたいなのが入った瓶を持ってます。「ちょっとだけ入れてください」。「はい」と新しい割り箸でちょいちょいとその真っ赤なのを鍋に入れてくれ、その割り箸ごと「はいどうぞ」と出てきます。いやぁ、うまい。これはなかなかいい煮込みですよ。汁もあまり濃すぎることはなくて、いっしょに出されるレンゲですくって飲んでもおいしい。
向こう側のテーブル席のお客さんからもつ焼きの注文が入り、さっきまでは若い女性店員さん2人だったのに、どこから現れたのか店主らしき男性がもつ焼きを焼き始めました。私ももつ焼きをいきますか。「1本ずつでも大丈夫ですか?」「はい、いいですよ」と店主。「じゃ、レバ、コブクロとナンコツを1本ずつ。塩でお願いします」。
もつ焼きは、森下賢一さんが「散歩の達人」('04年12月号)で書かれているように「ハズレるとキビシイ」食べものなので、なかなかはじめていく店ではレバやコブクロなどの内臓系はたのみにくいんですよね。その点、この店は「至高のはらわた」で紹介されているお店ですし、ネタケースの中にならんでいる串を見ても新鮮そうだしで、初回からズバリと内臓系を、しかも塩焼きで注文してみたのでした。
そろそろ焼きあがるかな、というタイミングで、お酒を燗でお願いします。この店には「老松寿」(350円)、「喜久酔」(470円)、「久保田千寿」(530円)、「越乃景虎」「黒龍吟醸」「磯自慢」(各630円)など、何種類かのお酒があるようなのですが、特に銘柄を指定せずに出てきた燗酒は静岡の「喜久酔(きくよい)」(470円)でした。やわらかい旨みがいいですね。ちょうど出された塩焼きのもつ焼きともよく合います。
そのもつ焼き。ここはカシラ、タン、ハツ、ツクネ、レバー、シロ、ナンコツ、コブクロなどが1本130円と、都内とくらべるとやや高め。都内とくらべてもつ焼き屋さんの軒数も少ないんですよね、残念ながら。(知らないだけかなぁ?)
そういえば、チューハイなんかも横浜市内は高いんですよね。だいたい400~500円くらい。都内南・西部が300~400円くらい、北・東部(北区・下町地区)だと200~300円くらいと、下町のほうに行くほど安いようです。この店もチューハイ、ウーロンハイなどは420円という横浜価格です。
カウンターの中央・上部には「今日の美味」と書かれたホワイトボードが掲げられていて、シシャモやホタテなどが列挙されています。向こうのグループからシシャモや焼きガキの注文が入り、私も焼きガキ(300円)をひとつもらうことにしました。
焼きガキは注文を受けてから生のカキを串に刺し、炭火の上で焼き始めます。1串に3個刺されて300円。炭火で焼かれたカキは、身がプクンとふくらんできてとってもおいしそう。考えてみれば、こうやって炭火の上で直接焼いて食べるという食べ方はしたことがなかったなぁ、これまで。最後に醤油っぽいタレを刷毛(はけ)で塗って仕上げ焼き。
「はいどうぞ」。ど~れ。熱々のカキをハフホフとほお張ります。うん! うまいわ、これは。殻付きのまま焼いて、焼き汁といっしょに食べるものたしかにうまいのですが、これは表面はしっかりと、そして中はふんわりと、いいですねぇ。
どうもごちそうさま。午後8時前から約1時間の滞在で今日は2,210円。
都内のもつ焼き屋がだいたい1本100円くらいなので、横浜地区は3割がた高いのかな。もつ焼き1本が100円になるような換算をしてみると、日本酒470円は360円、もつ煮込み530円は410円、そして支払い総額は1,700円になる計算になります。これくらいで飲めると飲みやすいんだけどなぁ。横浜は観光地でもあるから仕方ないのかなぁ。
・店情報
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