煮込みに引かれて … 居酒屋「バクダン」(高円寺)
シマチョウの煮込み、シマチョウの煮込み、シマチョウの煮込み、…。今日はなんだか無性にシマチョウの煮込みが食べたくなり高円寺駅で下車します。向かうのは大衆酒場「バクダン」。私が知ってる範囲でシマチョウの煮込みがあるのは西巣鴨の「高木」か、ここ「バクダン」。
シマチョウは牛の腸で、豚の腸と比べるとたっぷりと肉厚で表面がひだひだとなっているのが特徴です。このひだひだとなっている様子が縞(しま)模様に見えるからシマチョウって言うんでしょうね、きっと。
「こんばんは」と飛び込んだ土曜日8時過ぎの店内はお客さんでいっぱい。私はたまたま今日は年に何度かの土曜出勤で、仕事帰りですが、ここのお客さんは地域の常連さんが多いので平日だろうと、土日だろうと変わりなく込んでるのです。むしろ土日のほうが多いくらいかも…。
そんな中、カウンターの一番端にいたおにいさんが、テーブル席の知り合いのところに移ってくれて、無事にカウンターに席を確保。さっそくホッピー(350円)とモツ煮込み(350円)を注文します。
この店では、焼酎のホッピー割りのことを、わかりやすいように「ホッピー酎」と表記しています。このホッピー酎を注文すると、氷のたっぷり入ったサワーグラスとビン入りのホッピーが出てきます。サワーグラスには8~9分目の高さまで焼酎が入っていて、ホッピーをつごうとしても上のほうに、ほんのちょびっと入るだけ。ッカァ~ッ。濃いですねぇ。
小鉢に入った牛モツ煮込みも出てきました。よく煮込まれていて、シマチョウそのものも箸でつっつくとふわんとしたやわらかさになっています。こんなにやんわりと煮込まれているのに、口の中にいれると芯の部分はしっかりとした食感なのがシマチョウのすごいところ。なかなか他のモツではまねできませんねぇ。
カウンターに座っているおじさんたちは、しきりに明日の競馬(ジャパンカップ?)の話をしている。どうも大衆酒場とギャンブルは切っても切れない関係にあるようで、阿佐ケ谷の「川名」でもギャンブルの話はよく耳にします。逆に、各地のウィンズ(場外馬券場)の近くにはいい大衆酒場があるんですよね。横浜の野毛しかり、浅草しかり、錦糸町しかり。
1杯目のホッピー酎を飲み干しておかわり用の焼酎を注文します。この店には“ナカ”(ホッピーの焼酎部分のみのおかわり)という設定はなくて、おかわりをたのむときには普通の焼酎をストレートでもらうことになります。これがビール会社のちょうど1合入るコップにたっぷり入って250円。
氷は店の入口のところにある製氷機のところから勝手に取ってきていいのですが、店のおにいさんが「氷もいれましょうか?」とあいたサワーグラスに氷を入れてくれました。
このサワーグラスに、こっちのコップの焼酎を半分くらい移すのですが、なにしろなみなみと入っているので、エイッと気合いを入れていっきにやる必要があります。それでいて、半分ぐらいのところでヤッととめないといけない。これがなかなかむずかしいのです。コップに半分分くらいを移すと、ちょうどサワーグラスの6分目くらいまで焼酎が入り、残りの部分に瓶のホッピーを入れるとちょうどよくなります。
つまみのほうは今度はシューマイ(200円)を注文です。シューマイは四角いお皿に大ぶりのものが3個。横にはキャベツの千切りが添えられます。ワッツッツ。この火傷しそうなほどの熱々感がいいですねぇ。
次はポテトサラダ(250円)にしようかな。前回、マカロニサラダ(250円)を食べたので、今回はポテトサラダです。この店にはこのふたつのサラダが常にあるので、好みに応じて食べ分けることができるのです。
ポテトサラダには、練って練ってトロンとなったタイプのものを出すお店と、あまり練らないで出すお店とがありますが、このお店は後者のあまり練らないタイプ。このタイプはポテトの形もある程度残っていて、しっかりとしたお芋感(?)を味わうことができます。
残りの(コップ半分の)焼酎をサワーグラスに移して、ホッピーをそそぎます。ここでちょうどホッピーも終了。つまり最初のホッピー酎(350円)と、おかわりの焼酎(250円)の都合600円で、ちょうど3杯のホッピーが飲めるってことですね。ホッピー1杯あたりだと200円という計算になります。荻窪の「やき屋」でホッピーを3杯(外1、中3)を飲むときと同じです。
午後9時をまわると、お客さんたたちが次々に勘定をはじめます。ここは営業時間が午後9時までなのです。お客さんたちもそれを知っていて、別に言われたわけでもないのに自分たちでせっせと帰り支度をはじめるのでした。木場の「河本」(こちらは閉店が午後8時)と似たような感じですね。
じゃ、私もボチボチお勘定をお願いしますか。ちょうど1時間の滞在で、今日は1,400円でした。「毎度、どうもありがとうございます」という店のおにいさんの笑顔に見送られながら店を後にしたのでした。
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