ブルショットで締めくくり … バー「ハイランダー(HIGHLANDER)」(虎ノ門)
やっばぁ~いっ。実は今日は田舎から上京してきている友人家族と午後8時から食事の予定だったのです。
寄り道さんとの「よじかわ(=4時に「川名」)」での一次会が終わったのが午後5時半。まだ少し早すぎるので、もう1軒と二次会の「竹よし」に向かったのですが、ここでのマグロの赤身と燗酒のあまりのマッチング、そしていつものように軽妙洒脱な寄り道さんの話に引き込まれているうちに、気がつけばもう8時を過ぎていたのでした。
「ごめんね。これから向かうからね。もうお腹は十分なので、ビールの1杯も飲めればいいから、食事の心配はしないでね」と友人の携帯に電話をかけて電車に乗り込みます。
今日の食事の場所は神田神保町のビアレストラン「放心亭(ほうしんてい)」(→ぐるなび、Yahoo!グルメ)。友人の奥さんが「ここのアイスバイン(塩漬けの豚の骨付きすね肉の煮込み)が最高においしい」と絶賛するお店なのです。
店に着いたのは午後9時ごろ。店は三省堂書店の地下1階にあります。トントントンと階段を下りて、入り口の店員さんに「え~と…」と友人の名前を告げようとしたところ、「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」とすぐに店内に案内されます。
なんでかなぁ? と思いながら彼の後ろについて店内に入ると、店の中にいたのは友人家族ひと組だけ。えっ? なんで? 「日曜・祝日は9時半までの営業なんだって。さっきまでお客さんがいっぱいだったけど、もうみんな帰ったよ」と友人。そうなんだ。ごめんごめん。じゃ、せっかくなので大急ぎでビールをいただきましょう。カンパ~イ。
私のためにとっておいてくれた2種類のビールを大急ぎで飲み、そしておすすめのアイスバインをいただきます。なるほど。アイスバインもさることながら、付け合せのザワークラウト(キャベツの漬け物)がまたうまいですねぇ。
また今度じっくりとやって来ることにして、残念ながら今日のところは店を出ます。
ここから友人とふたりでホテルオークラに向かい、ホテル内のスコティッシュバー「ハイランダー」で友人との二次会(私にとっては四次会)です。今日は入口右手手前のまるで穴倉のようなボックス席です。飲み物は友人がキープしているマッカラン。
ホテルのバーは、町場のバーとはかなり雰囲気が違う。町場のバーはひと言でいえば「酒場そのもの」といった感じなんですが、ホテルのバーはなんだか喫茶店の延長線上のよう。常連さんの数の違いといったこもあるのでしょうか。町場のバーの場合はほとんどの常連さんの中に、一見さんがちらほらと混ざっている状態が多い。それにくらべるとホテルのバーはたまに友人のような常連さんもいるんだけど、ほとんどのお客さんはたまたま今日このホテルに泊まっている人だったりする。
お店の人の側も同じようなことが言えて、町場のバーはマスターやママさんがいつもと変わらずその場所にいてくれることがとっても大切です。お客の側も勝手なもので、自分は1年ぶりくらいに行ってるにもかかわらず、マスターやママさん、そしてお店の雰囲気が以前とちっとも変わってないことを確認して喜んだりする。それにくらべるとホテルのバーは良くも悪くも組織経営。会社の中での人事異動なんかと同じように、クルクルと担当者が変わったりするので、人と人(お店の人と客)とのつながりでできあがるような暖かさは望むべくもない。とはいえ、まったくないかというとそうでもなくて、ここ「ハイランダー」にしても、明らかに常連さんと思しきひとり客、ふたり連れなんかがカウンターに腰をおろしてバーテンダーと談笑したりしている姿もよく見かけます。
大勢人がいる中でも、自分だけの時をゆっくりと持つことができるのはホテルのバーですね。普通に過ごしている限り、お店の人はほぼ無干渉ですから。かといって見ていないわけではなくて、こうやってボトルキープをしている場合であっても、グラスが空くとどこからともなくすっと寄ってきておかわりを注いでくれます。ストレートで飲んでるので、自分で入れても変わんないといえば変わんないんだけど、そこがやっぱりホテルのバーなんですね。気持ちよく飲むことに専念できます。
ホテルのバーにも2タイプあって、ここ「ハイランダー」や、同じホテルオークラのメインバー「オーキッドバー」、帝国ホテルの「オールドインペリアルバー」や「ランデブーバー」のような、いわゆる本格的なバーのタイプがひとつ。もうひとつはニューオータニの「ザ・バー」(タワー最上階40階)や、帝国ホテル「インペリアルラウンジ アクア」(本館17階)などのように、高いところからの景色を楽しみながらといった高層ホテルならではのバーです。あまりバーに行ったことがない人と連れ立っていくときには後者のほうが気楽でいいかもしれないですね。
われわれもお酒を飲みながら近況を確認しあい、最後は例によってブルショット(冷やしたブイヨンとウォッカのカクテル)をいただいて、たっぷりと飲んだ1日を締めくくったのでした。
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