チューハイ6ぱぁーつ! … 居酒屋「だるま」(門前仲町)
一次会の「河本」を出た一行6人は、この地域に(も)ものすごく詳しい吉田類さんに従って、門前仲町方面をめざします。
門前仲町(もんぜんなかちょう)は寛永4(1627)年にこの地に創建された「富岡八幡宮」の門前町屋であったこと、そして元禄16(1703)年の成田山ご本尊の出開帳に端を発する「深川不動尊」の門前仲町であったことから名付けられた地名です。このふたつの東京を代表する神社(八幡様)・仏閣(お不動さん)があるため、今でも毎月1日、15日、28日の縁日には大変なにぎわいを見せているのです。
そして門前仲町はいい酒場がひしめく一大居酒屋タウンとしても有名。中でも群を抜いて有名なのは「魚三酒場」です。4階建てのビル全体が居酒屋になっていて、魚介中心のメニューが豊富でしかも安い。開店時刻の午後4時前から店の前には行列ができはじめ、その行列が閉店まで続くことでも有名です。私自身は、行列してまで飲み食いすることは好きではないので、あまり行ったことがありません。
この「魚三酒場」の裏手にまわると「浅七」「山幸」「花菱」などなどが、逆に「魚三酒場」の前の永代通りをお不動さんの側へ渡ると「富水」や「こくれ」が。われわれはさらにその界隈を門前仲町交差点方面に進み“仲町名物・牛にこみ”の「大坂屋」へ。ここも吉田類さんの行きつけのお店のひとつなのですが、残念ながら今日はお休みのようです。
この「大坂屋」を少しお不動さん側にある路地が、この界隈でもっとも濃い飲み屋街と言われている辰巳新道(“たつみしんどう”と呼ばれたり、“たつみしんみち”と呼ばれたり。本当はどっち?)です。ここはまさに吉田類さんのホームタウンと言ってもいいくらいの飲み屋街ですが、「あれぇ、開いてないなぁ。まだ時間が早いのかなぁ」と類さん。どうやらお目当てのお店が開いていないようです。なにしろまだ午後7時前ですからねぇ。
吉田類さんは辰巳新道入口のところで呼び込みをしているおじさんとも仲がいいようで、なにやらひと言ふた言愉快そうに話をしています。こんなところも地域に溶け込む類さんならではですね。
「それじゃ、ひとまず「だるま」に寄りましょうか」。辰巳新道の入口のすぐ前にあるのが美人姉妹でも有名な居酒屋「だるま」なのです。今日も例によって「だるま」の店主が店の入口のところにドンと立ってお客さんを迎えています。その入口引き戸を開けて店内へ。店主が満面の笑みで「いらっしゃいませ」と迎えてくれます。Takahashi-iさんご夫妻は、この店でもすでに常連さんのようで「久しぶりだねぇ」なんて声をかけられています。
「だるま」は入口を入るとすぐに「コ」の字型の大きなカウンター(「コ」の字の下側が入口)があり、そのカウンターは5~6割りの入り。その奥にテーブル席が並んでおり、われわれは奥のテーブル席を2つくっつけて陣取ります。
後ろのテーブル席のお客さんからは「よぉ。類ちゃん」と吉田類さんに声がかかります。類さんご自身はこの店にはあまりいらっしゃらないらしいのですが、いろいろなお店で門前仲町界隈の酔客たちとは一緒になることが多いのだそうです。後ろのお客さんたちもそういう界隈の呑んべさんの一団なんですね。どこに行っても類さんは大人気です。
さっそくチューハイ(400円)を人数分(6発!)注文し、つまみは串カツ(600円)、サラダ盛り合せ(600円)、そしてニラ玉(600円)をもらいます。
チューハイはジョッキ入りのものがプレーンな状態(氷に焼酎+炭酸のみ)で出てきます。お客はカウンター上、テーブル上に置かれているレモンサワーの素、ライムサワーの素を勝手に入れてレモンサワーにしたり、ライムサワーにしたりするのです。
「ここは基本的にグループ客向けのお店なんで、あまり来てなかったんですよね」と類さん。たしかにつまみも1品1品のボリュームがすごくて、ひとりできたら1品くらいしか食べられないくらい。考えてみると、ここには職場の仲間たちと何人かで来ることのほうが多かったなぁ。
吉田類さんはどっちかというと店と客、あるいは客同士の濃密な関係が楽しめるようなお店がお好きなように思います。ここ「だるま」は、いい意味で「大衆酒場」。そういう濃密な関係というよりは、ドライに大騒ぎするようなタイプのお店ですもんね。
さぁ、つまみも出てきました。まず出てきたのはサラダの盛り合せ。ポテトサラダやトマトなどが大きなガラス鉢にたっぷりと盛られています。サラダ盛り合せもそうですが、串カツもこの店の名物メニューのひとつ。揚げ立てのやわらかくて大きなカツは一度食べたらクセになります。つまみのほとんどは注文を受けてからカウンター内の厨房で作るので、ニラ玉も熱々でチューハイの冷たさといい対比です。
そういえば今日は美人姉妹がいませんねぇ。昔は美人三姉妹で有名だったのですが、最近はそのうちのおふたりのどちらかがお店に出ていることが多い。以前、ひとりがお店に出ているときに、もうひとりが手伝いに入ってきて、店内のお客さんから思わず「おぉ~っ」という声と拍手が沸きあがったことがありました。そうやって“ふたりが一緒にそろう”ということも珍しいのですが、“ふたりともいない”というのも珍しいんじゃないかなぁ。「いや。そんなことはありません。私なんかこれで6回来てますけど、1度も美人姉妹見たことないですからねぇ」と語るのは寄り道さん。えぇ~っ。そんな方もいるんですねぇ!
みんなでもう1杯ずつチューハイをいただいて二次会終了。午後9時前まで2時間弱の滞在で6人で6,200円(ひとり千円強)でした。
どうもごちそうさま。入口の店主にあいさつをして店の外へ。深川の夜はまだまだ続くのでした。
(同じときの記録が「深川的日常」にもありますので、あわせてお楽しみください。)
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