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アンコウで日本酒 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

まりっぺさんから「jirochoさんたちとアンコウ鍋を計画してますが、よろしかったらいかが?」というメールをいただいていたその日がやってきました。参加人数は私も含めて8人。

男女それぞれ4人ずつという構成ですが、女性のほうはまりっぺさんともうおひとりは先日も「竹よし」でお会いしたKnさん。残るお二人とははじめましてです。

男性のほうはjirochoさんは「寄り道オフ会」でお会いしたばかりで、腹黒屋さんとは以前「だるま」オフでお会いして以来。でもjirochoさんの掲示板ではよく拝見してますよぉ(笑)。残るおひとりは、ここの掲示板で「武蔵屋」の休店を教えてくださったいけちゃんさんです。どうもはじめまして。情報ありがとうございます。

今日はママさんの体調が悪いのだそうで、8人で貸し切り営業です。なにしろ店主(マスター)ひとりしかいないときは、この上にさらにお客さんにいらしていただくと手が回り切らない可能性があるそうなのです。でも、そのママさんも「今日はすみませんね。楽しんでいってください」とごあいさつに出てきてくれてひと安心。

料理のほうは、まりっぺさんが夕食会スタイルであらかじめお願いしておいてくれたのだそうで、後は座って飲むばかり。

まずはビールからスタートです。普通の夕食会のときは生ビールではじめる人が多いのですが、このグループのみなさんは瓶ビールから。「日本酒が好きな人が多いので、ビールは本当に最初だけ。グラスに1~2杯も飲めば十分なんですよ」とjirochoさん。ひゃぁ~っ。お手やわらかにお願いしますね。みなさん。

お料理の一品目はタラの白子ポン酢です。この日本酒に合う料理からはじまるところがいいじゃないですか。「そういえば「緑川(みどりかわ)」の生原酒があるって書かれてましたよね」とjirochoさん。「そう。以前来たときに1本あったんですけど、今日は同じ「緑川」だけど「緑(みどり)」しかないみたいですねぇ」と保冷庫の中にならんだお酒をあれこれと探しながら「緑」を取り出します。

どちらも同じ緑川酒造(新潟県・魚沼)のお酒ですが、生原酒のほうは正式には「緑川 ゆららか 純米にごり酒(生原酒)」という名称で、澱(おり)がまさにその名のとおり「ゆららか」に残った薄にごりの生酒。アルコール度数が18~19度あるというピリッとしたお酒です。

一方、「緑」のほうは雪洞貯蔵酒というのが特徴。火入れが終わり、瓶詰めされたお酒を雪のドーム(雪洞)の中で約半年間貯蔵する。雪洞の中は光もなく、温度も約0度で一定。この安定した環境の中でゆっくりゆっくりと熟成されたお酒なのだそうです。

続いて登場した肴はアンキモ。でかい! 大きく筒状にして蒸されたアンキモを、その筒の形のまま4センチくらいの高さに輪切ったひと切れがひとり分。

この集まりのために仕入れたというアンコウは北海道産の4.5キロもの。早くから仕込みをはじめ、このアンキモもそれから蒸されて冷まされたもの。とろりととろける食感が新鮮さを物語ります。

こういう食事会の場でなければ、私なんか白子酢とアンキモだけでもう十分お酒が飲めちゃうなぁ。普通にフラっと「竹よし」に入って飲む場合のことを振り返ってみると、本当にこの2品くらいの量しかたのんでいないかも。

お酒のほうはjirochoさんが差し入れとして持参された土佐のお酒「しらぎく 特別本醸造 あらばしり」に移ります。

「私はお水をいただこうかしら」と後ろの女性。あぁ、よかった。爆発的に強い人ばかりではなかったんだ。とちょっと安心したのも束(つか)の間、「日本酒をいただくときは、お水も一緒にいただくことにしてるの」って、本格的に強いんじゃん!

日本酒は糖分が多いからなのか、たくさん飲むとなんだかのどが乾いた感じになってくるのです。だからチェイサーとしてお水をいただきながら飲むと、どんどん飲めちゃう。また、生酒のようにちょっと度数の高いお酒(18~20度くらい)は、ちょっとだけ加水して普通の日本酒と同じくらい(14度程度)にしてやると飲みやすかったりするらしいのです。

出される肴は大皿にたっぷりの刺身盛り合わせ。マグロとタイ、透き通る美しさはサヨリですね。この時期、サヨリの刺身がとってもうまく感じます。

横の大皿にはこれまたたっぷりのポテトサラダなんですが、なんだか赤っぽい身が混じっている。「タラバガニの身をほぐして入れてみました」と店主。おぉ。なんとぜいたくなポテトサラダよ。もともとポテサラ大好きですからねぇ。たぁ~くさんいただきましょう!

jirochoさんのお酒もなくなり、次にいただくのは「毘(びしゃもん)」。これは濁り酒です。「下に沈殿してるので、よぉ~く混ぜて飲んでくださいということでした」と店主が説明してくれますが、日本酒好きの今日のメンバーからは「まずは混ぜずに上澄みを飲んでみたぁ~い!」という希望が続出。ほんじゃ、揺すらぬようにゆっくりと取り出して、はいどうぞ上澄み部分。われも、われもと出てくるグラス。たしかにこういう飲み方って珍しいですもんね。私も1杯いただきます。

ふ~ん。濁り分がないと普通のお酒に近い味わいなんですねぇ。そうかぁ。この沈殿した部分に濁り酒のなんともいえぬ甘みや雑味がつまってるんですね。みんなが1杯ずつ上澄みを試したあとは、しっかりと混ぜ合わせて濁り酒として続きをいただきます。

さぁ、そして大鍋でグツグツと出てきたのは今日の主役、アンコウ鍋です。

アンコウの身アンキモアンコウ鍋

ついさっきまで、鍋に入る前のアンコウの七つ道具がカウンター上でお披露目されていたのです。仕入れたての新鮮さを誇るピンクの身。たっぷりのアンキモ。これらがひとつの鍋の中で競演です。

ハフハフとコラーゲンたっぷりのアンコウをほおばります。汁に溶け込んだアンキモのこくがよく効いています。汁用のアンキモは味噌と合わせて早い段階からグツグツと煮込み、それとは別に食べる用のアンキモをできあがり直前に投入しているのだそうです。

お酒は「吉田蔵 大吟醸」。今日のメンバーのものすごいところは、お酒を1本ずつきっちりと空けてから次に進むところ。私なんか、夕食会のときなどは、ついあれもこれもと飲んじゃうんですが、この日本酒好きの人たちは全然違う。新品の一升瓶をポンッと開けて、じっくりとその1本を飲み切ってから次へ。カウンターの上には一升瓶の空瓶が1本また1本と並んでいきます。とってもきれいな飲み方ですよねぇ。これが真の日本酒好きっつうやつか。素晴らしい!

jirochoさんのグループとまりっぺさんのグループが出会ったのも、日本酒の試飲会のような場だったのだそうです。女性ばかりのグループというのも珍しいなぁと思って、jirochoさんたちが声をかけたのがきっかけで、それ以来こうやって一緒に飲みに行ったりするようになったのだそうです。その最初の試飲会のときにも、この女性グループは端から端までの日本酒を飲んで、さらにまた最初に戻って飲んでいたほどの猛者ぞろいだったんですよと笑いながらjirochoさんが紹介してくれます。いや、それは笑い事じゃないくらい強いかも…。

アンコウ雑炊そして最後はアンコウ雑炊です。キモのうまみたっぷりの雑炊は、これがまた肴になるほど。え~い。もうコップ酒だ。「吉田蔵」をコップでいっちゃえ。それにしてもアンコウの旨みを吸いつくした見事な雑炊です。おいしいよなぁ。

「日本酒が大好き」ということがガンガンと伝わってくるメンバーに囲まれての楽しく過ごした時間も、気がつけばもう3時間。「さぁ、それじゃ次に向かいますか」と二次会に向かったのでした。

今日もおいしい料理をたっぷりとありがとうございました。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月26日(土)の記録》

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