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2005年3月

菜の花のおひたし … 居酒屋「茶や(ちゃや)」(野方)

竹よし」を出て、沼袋まで帰る青地さんと都立家政駅で別れ、Ykちゃん(小悪魔改め都立家政の姫)とともに都立家政商店街を南下します。Ykちゃんの家はこのまままっすぐ行ったあたり。途中で右に折れると私の自宅なのです。

「せっかくだからもう1杯飲んで帰りますか」と入ったのは、今日は「ピュアー」ではなくてその手前の「茶や」。ここも遅くまで開いてるんですよね。

奥のテーブルに陣取り、Ykちゃんは得意の生ビール。私はチューハイ(300円)をもらいます。お通しは小鉢に盛られた菜の花のおひたし。ん〜。春ですなぁ。

それにしてもYkちゃんはいくらビールを飲んでも変わんないし、またいくらでもビールが飲めるのがものすごい。まったくうらやましいくらいです。

近所の酒場の話題などで盛り上がるうちにもう2時過ぎ。そろそろ帰りますか。あれっ!? つまみもなにも注文しなかったね。

お勘定は2人で1,700円。「なにも注文しないですみませんでした。おやすみなさい」と店を後にします。それじゃYkちゃん、遅くまでつきあってもらってありがとう。気をつけてね、おやすみなさ~い。

さぁ、もう今日になっちゃいましたが、夕方からは「竹よし」の夕食会。今回は開店13年目突入の記念会ということで、奮発して豪勢にタイとエビとを仕入れる予定とのことでした。「竹よし」の店主は、あと数時間後には仕入れに向かってるんですね。いい仕入れができるといいなぁ。楽しみです。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年3月11日(金)の記録》

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おめでとう、12周年! … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

「今日はどっかで飲む予定はありますか?」 高田馬場駅で電車を待っているところへ青地さんから電話が入ります。「「竹よし」に顔を出してみようかと思ってるんですよ」。「わかりました。私も仕事が終わったら向かうようにします」。

今日は会社の近くでちょっとしたパーティーがあり、今、高田馬場まで帰ってきたところ。「竹よし」につくのはちょうど午後10時ころになりそうだなぁ。

パーティー会場には「八海山」のいいのが置いてあったので、主としてそれをいただきながら刺身やお寿司などをつっついてきたのでした。それなら最後は「ピュアー」のカクテルあたりで締めてもよさそうなもんですが、横浜から電車に揺られてくるうちに「もうちょっと日本酒が飲みたいなぁ」という気分が盛り上がってきたのでした。実はもうひとつ理由があるんですが、それはまた後で…。

「こんばんは」と店内に入ると、なんと目の前に小悪魔… いや都立家政の姫が座っていて、その向こうにはItさんと、カウンターにはずらりとお客さんが座っていて、一番手前が空いてるだけ。さっそく小悪… 姫のとなり、一番入口寄りの席に陣取り、まずは瓶ビール(スーパードライ、中ビン、500円)からスタートです。

小… 姫はいつものように生ビール。Itさんは冷酒(300ml瓶)を店主(マスター)と一緒に飲んでいる様子。はい、じゃ、カンパァ~イ!

ッカァ~ッ、うまいっ。日本酒が飲みたいぃ~って気分で来てても、やっぱり最初はビールですね。そういや、パーティー会場でも最初の1、2杯ビールをいただいただけで、「八海山」を発見してからはずぅ~っと日本酒(冷酒)でしたからねぇ。そのあと1時間半ほど電車に揺られたし、なんだかビールがとっても新鮮なおいしさで味わえます。

今日のお通し(200円)はエビ入りの玉子焼き。玉子焼きも大好きなので、これはうれしいお通しだなぁ。

今日このお店に来た理由のもうひとつ。実は今日(3月11日)は「竹よし」の開店記念日。平成5(1993)年に開店し、今日で丸々12年になるのでした。「おめでとうございます」と声を掛けると「そうかぁ。忘れてましたよ」と笑う店主。お客さんたちも「へぇ。そうだったんだ」。なんだ。常連さんが多いから、みんな知ってて来てると思ってましたよ(笑)。

さてつまみ。「今日はパーティーがあって、もうけっこう食べてきちゃったんですよ」と話しをすると、「じゃ、芽キャベツをゆでたのでもお作りしましょうか」と店主。いいですねぇ。前に山菜の天ぷらと一緒に出された芽キャベツの天ぷらもうまかったよなぁ。これは楽しみです。

ちなみにこの「ゆでた芽キャベツ」というのはメニューにはのっていない一品。材料があれば、いろいろと工夫して作ってくれるのもこのお店のいいところです。たとえば姫は「白子焼き」が大好き。今日もメニューには「白子酢」がのっていますが、「白子焼き」はありません。どう? 「もちろんいただきましたよ、今日も」と笑う姫。ね。あれば作ってくれるんです。

それじゃ、いよいよ日本酒いきますか。今日は「初孫」(500円)をお願いします。

このところ、燗酒(菊正宗、400円)をたのむことが多かったので、久しぶりの冷酒です。メニューにずらりとならんだ地酒類は、普通に注文するとガラス製の徳利に入れて、冷酒の状態で出してくれます。お猪口も徳利とおそろいのガラス製のもの。燗で飲みたいときはもちろん燗もつけてくれます。

「初孫」と一緒に、「芽キャベツができるまでのつなぎに」と出してくれたのは小鉢盛りのイカ塩辛。そうそう。ここの塩辛も自家製でうまいんですよ。日本酒にぴったりです。

塩辛でチビチビ飲(や)りながら談笑しているところへ芽キャベツもできあがってきました。長方形のお皿に粒ぞろいの芽キャベツがずらりと6個。ゆでたての緑も鮮やかでいいですねぇ。春っぽい。お皿にはマヨネーズとタルタルソースがのっていて、好みに応じてそれらをちょいとつけて食べるようになっています。もちろん、カウンター上の天然塩をパラッとかけて、さっぱりといただいてもいいんですけどね。ん~。味も春っぽ。はい、姫もひとつどうぞ。Itさんも食べる?

「Ykちゃん(姫の名前)もなにか作る? 今日はセロリがあるよ」とカウンターの奥側にいるママさんから声がかかります。「食べますぅ!」と姫が答えると、ママさんが料理の支度をはじめます。ママさんはカウンターの奥にいたお客さんと話をしていたのですが、そのお客さんがさっき帰宅したのでした。

そこへ、「こんばんは」と入ってきたのは青地さんです。「あ。こんばんは。先日はどうも」とあいさつをして、先ほど空いたばかりのカウンターの一番奥側にふたりで移動します。青地さんは生ビール(中、500円)を注文し、カンパイです。

青地さんの逆どなり(奥から3番目)のお客さんからも声がかかります。話してみるとこの方がなおとんさん。あぁ、そうでしたか。「アスクユー・東京レストランガイド」ではよく拝見してました。なおとんさんもこの沿線にお住まい。したがってアスクユーの記事でも、この界隈の飲食店のことをよく書かれてるのです。「行ってるお店が似てるので、いつかどこかでばったりお会いすると思ってました」となおとんさん。なおとんさんはキープしている焼酎を飲みながら山菜の天ぷらを注文します。

「はい、Ykちゃん。イカとセロリの炒め物、できたよ」とママさん。そうかぁ。セロリはイカと炒めましたか。こりゃまたおいしそうですねぇ。席を立って姫のところまで行き、できたばかりのイカ・セロリ炒めを横からひと口。ん~。うまいわ。

ガラリと入口引き戸が開いて「こんばんは」と入ってきたのは「ラッキーパパス」の折笠店主です。「あ、こんばんは」。みんなからあいさつの声が飛び、折笠店主は一番入口の近く、姫のとなりに座ります。

さてと。お酒がなくなったので次は「酔鯨」(500円)をいただこうかな。冷酒は喉越しがいいというか、その冷たさもあいまってすいすい飲めてしまうのが怖いところ。あとで効きますからねぇ。強いウォッカでも、トロリとなるくらい冷凍した状態で飲めばきつさを感じないのと似てるかなぁ。冷やして飲むと、酒のうまみや甘みなんかは感じるんだけど、アルコールがガツンとくる感じは薄れてしまいますからねぇ。

「じゃ、私はそろそろ」となおとんさんが席を立ちます。今日はお会いできてよかったです。またぜひこの界隈の酒場でお会いしましょうね。

12時の閉店時刻にはItさん、折笠さんも席を立ち、残るは姫と青地さんと私の3人。姫は、これまでもときどきこっちにもやってきては話をしたりしていたのですが、3人だけになったので「来たよぉ」ととなりの席に移ってきてくれます。

「これでもつっついてみる」と店主が出してくれたのはキヌカツギ。腹巻きのように付いている皮をギュッと握って、中の身の部分がツルリと出てくるところへ塩をふっていただくのですが、このなんでもない芋のうまいことといったら。

楽しく過ごすうちに気がつけばもう1時。そろそろ帰りますか。今日のお勘定は2,400円。か~るく日本酒の予定が、結局しっかりと腰を据えて楽しんでしまいました。どうも遅くまですみません、ごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年3月11日(金)の記録》

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男の波止場 … 酒亭「堀(ほり)」(横浜・新杉田)

横浜での仕事を終えて、先日教えてもらった「堀」を、今度はひとりで再訪です。そう。元・銀座のママさんのお店ですね。

「こんばんは」と入口引き戸をあけたのは午後7時過ぎ。「いらっしゃいませ」。今日もにっこり笑顔で迎えてくれる女将(ママ)さんです。そうそう。この笑顔でしたね。

L字型カウンターだけ(テーブル席や奥の座敷もあるようですが通常は使われていないようです。)の店内は先客はふたり。L字の左側を入口とすると、Lの下の辺のところに座っています。私も空いているL字の左側に腰をおろし、今日もビール(サッポロ、中ビン、600円)からスタートです。

奥のお客さんは前も同じ席で飲んでいた角瓶をキープしているお客さん。そして私に近い側の人ははじめてお目にかかりますが、年配の男性ひとり客です。今日のお通し(推定400円)は野菜、貝柱、高野豆腐(こうやどうふ)などの煮物が盛られたガラスの小鉢。

私の近くのお客さんは、ひとしきり飲んでもう帰ろうかとしているところ。女将さんがお持ち帰り用らしきおにぎりを2個作っています。ふんわりと手で握ったおにぎりのおいしそうなこと。最後に海苔を巻いてできあがりです。そのおにぎりを受け取ったお客さんは「どうもごちそうさん。それじゃお先に」と奥のお客さんに声をかけ、私のほうにもちょいと頭を下げて店を出て行きます。仕事帰りにここでひとしきり飲んで、家で風呂にでも入ってからゆっくりとおにぎりを食べるんでしょうね。

奥のお客さんはウイスキーの水割りを飲みつつもカレーを注文。へぇ、と思いながら見ているとちょっと深めのお皿にカレーだけをついでおつまみとして出されます。「私もカレーをください。」「同じでいいの? ごはんなし?」「そう。おつまみでお願いします。」「は~い」と同じお皿に、同じようにカレー(これも推定400円)をついでくれます。こうやって食べるとカレー味の肉野菜煮込みって感じですよね。ちょっと辛めでビールが進みます。

「お酒を燗でお願いします。それとおしんこ」。ビールに続いては燗酒の注文です。ここのお酒は「剣菱(けんびし)」(400円)。注文を受けてから燗をつけてくれます。

この近くの小料理屋風の酒場は、カラオケが主体で飲み物はほとんどがボトルキープの焼酎。日本酒なんてたのもうもんなら「お銚子はどこだっけ?」みたいなお店も残念ながら多いのです。このお店のようにカウンター奥の棚に徳利がずらりとならんでスタンバイされてると、それだけでとってもうれしいですね。

「はい、どうぞ」。女将さんがカウンターの向こうからお酌してくれます。あららぁ。なんだか日本映画のワンシーンのような。はいどうも。あぁ。もう日本酒の味なんてどうでもいいくらいおいしく感じます。

おしんこ(400円)は、残念ながら袋入りの市販品なんだけど切り方や盛り方をが工夫されてて、見た目にもおいしそう。小茄子(こなす)に大根(だいこん)、胡瓜(きゅうり)と、これはべったら漬けですね。

「この近くは昔は、ここも含めて飲み屋が数軒しかなかったからねぇ」と奥のお客さんが話してくれます。奥のお客さんはご自宅がこの近所なのだそうで、昔からこのお店で飲んでたのだとか。「新杉田駅なんて、まだできて新しいからね。それより前はなんにもなかったんだ。造船所の景気がよくてねぇ。毎日真っ黒になった男衆が正門から続々と出てくるんだけど、飲み屋は数軒。大盛況だったねぇ、どの店も」。「そうねぇ」。女将さんはあいかわらずおっとりと、にっこりと、おだやかです。

お酒(400円)のおかわりをお願いします。

「僕はそろそろ帰ろうかな。ママ、お弁当作ってもらえる」。「はい。お弁当ね」と返事した女将さんはカウンターの中でニコニコとお話しを続けながらも手は野菜を刻んだりしはじめます。挽き肉と野菜をフライパンでジャーッと炒めて、いったん皿に取り、続いては溶き玉子を投入。シャララッとかき回して、さっきの具を入れてクルクルっと丸めます。カウンターの外とにこやかにおしゃべりしながらも、きれいな具入りオムレツのできあがり。さすがですね。

お持ち帰り用のパックにあったかいご飯をよそい、その横にさっきのオムレツ。さらにはおしんこが添えられます。さっきのおにぎりもおいしそうだったけど、こっちもいいなぁ。

「今日は高いわよ」と女将さん。奥のお客さんのお勘定は8千円弱です。なるほど。角瓶の新しいボトルが入ったんですね。ボトルが入ってこの値段なら、そう高くはないかも。

「じゃ、お先に。ごちそうさん」とお客さんが出ていきます。おそらく毎日近くこの店にやってきて、最後に今日の晩ごはんを作ってもらって帰るのが日課になってるんでしょうね。おにぎりを作ってもらってたお客さんもきっとそう。まるで1日の終わりの波止場のようなお店なんだなぁ。

さぁ。それじゃ私も腰を上げますか。どうもごちそうさま。9時までの2時間弱の滞在で、今日は2,600円でした。

コートを着て席を立つと、女将さんがカウンターをまわって出てきてくれて、お店の外で「どうもありがとうございました。またいらしてください」と見送ってくれたのでした。感激!

店情報 (前回)

《平成17(2005)年3月10日(木)の記録》

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真夜中のやきとり屋 … 居酒屋「八千代(やちよ)」(中野)

川名」を出た吉田類さん、青地さんと私の3人は、まっすぐ大通り(中杉通り)まで出てタクシーを拾います。「青梅街道から中野に向かってください」。そうか。ここから中野に行こうとすると早稲田通りから向かうか、青梅街道から向かうしかないんですね。よく知ってれば住宅街の中を抜けていく小道もありそうですが。

もっとむずかしいのはこれから向かおうとしている「八千代」の側。「八千代」があるのはまるで住宅街の一角で、まわりに他の居酒屋なんてちっともありませんからねぇ。

しかし、類さん、青地さんはすでに「八千代」の常連さん。迷うことなくタクシーを誘導し、「八千代」のすぐ近くのちょっと広めの道路でタクシーを降ります。

狭い路地に入り住宅街の中のY字路の角にあるのが「八千代」。まわりの住宅街とくらべても、ここだけがポツンと異質で、となりのマンションもまるで「八千代」を避けるような風情で建っているのです。

8人で満席の店内は、普通の入口側は人がいっぱい。もう12時近い時間なのに、みなさんがんばってますねぇ。逆に言えば、それだけ地元の人たちが多いお店ということでしょうか。いい店は大体地元の人たちにも愛されてて、まず地元の人たちでいっぱいになりますもんね。

「向こうから入る?」とたずねてくれるこの女性が順ちゃんか。私はこの店2回目ですが、前回、はじめてきたときにはいらっしゃらなかったので今日はじめてお目にかかります。その声にしたがっていったん外に出てY字の先っぽのところにある焼き台を回って逆側へ。お勝手口か裏口かといった扉から店に入ります。

「おぉ。類さん久しぶりだねぇ」。深川の各店同様、ここでも類さんは人気者です。

8人で満席となるカウンターだけの店内の一番こちら側の隅に3人でならんで腰をおろし、まずは燗酒(菊正宗、290円)でスタートです。

順ちゃんはBS-iの「吉田類の酒場放浪記」の中では和服に割烹着姿で登場してますが、今日は洋服にネクタイ姿。でも、後日寄り道さんに聞いたところでは順ちゃんはネクタイ姿でいることのほうが多いのだそうです。でも、甲高い笑い声とニコニコ笑顔はテレビのまんま。

さらにおもしろいのは、今日はカウンターの向こうのほうに「酒場放浪記」の収録のときにもいらっしゃった男性客、女性客がいて、一番端っこにいる私から見ると、ちょうど鏡に写して「酒場放浪記」を見てるような感じです。(番組の中では、逆に向こうの男性客、女性客がこっち側にいて、カメラが向こう側にいたのでした。)

こんな夜中なので、もうやきとりを注文する人もほとんどいなくて、焼き台を担当するお父さんも手持ちぶさたそう。途中からは、小さいくぐり戸をくぐって、ついにカウンターの中へ来てしまいました。

私の場合、1軒目の生グレープフルーツサワー4杯ですでにすっかりできあがっていて、なにを飲んでなにを食べたかもほとんど覚えてない状態で気がつけばもう午前2時。ほとんどウトウト状態で先にお勘定してもらいます。

ワイワイと楽しく過ごして今日は1,700円。「それじゃお先に!」と店を出て、中野駅から我が家までタクシーで1,700円。中野あたりで夜中まで飲むと、飲み代とタクシー代とかおんなじか…なんて妙なところに感心しながら帰宅したのでした。

後日談ですが、青地さんもこの後すぐに帰宅され、今はちょっと遠く(府中方面)に住まれている吉田類さんはなんとこのあと自転車で帰宅されたのだそうです。う~む。類さんおそるべし!

店情報 (前回)

《平成17(2005)年3月4日(金)の記録》

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類さん登場! … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

ひとりで静かに飲もうかと、会社の帰りに立ち寄ったのは阿佐ヶ谷の焼鳥割烹「川名」です。「川名」でひとり静かに? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「川名」こそ群衆の中の孤独で静かに飲める店。ひとりでカウンターに座ることができれば、ほんとにボォ~ッと気持ちよく過ごせるのです。

「こんばんは」と店に入ったのは午後9時前。「いらっしゃいませ」と声をかけてくれたのはおかみさんとミィさん(手伝いの女性)。今日はこのふたりが店内を切り盛りしているようです。

7席ある直線カウンターは、入口側から2番目と4番目の席が空いていて、他は埋まっている。テーブル席もそこそこの入りです。ま、金曜日の夜ですもんね。空いているカウンター2番の席に陣取ります。座ると同時に、すでに横まで来てくれてたミィさんが、お通し(無料)のオレンジ2切れがのった小皿と生グレープフルーツサワー(336円)をカウンター上にトンと置いてくれます。「今日はマスターは?」「マスターは今日は早あがり」とミィさん。へぇ、そうだったんだ。エプロンからレシートを取り出すミィさんに、カウンター向かいの壁に掲げられた今日のおすすめボードの中からタイの刺身(294円)を注文します。

となり(入口から3番目)に座ったおにいさんも今しがた来たばかりらしく、瓶ビールをもらって豚軟骨もつ煮込み(231円)を注文しますが、残念ながら煮込みは売り切れとのこと。ここの煮込みは店内でも人気だし、店の外ではお持ち帰り用にも売ってるので、夜になると売り切れちゃうことも多いんですよね。「湯(ゆ)ギョウザ(399円)ってどんなのですか」というおにいさんの質問に、ん~、とちょっと考えたミィさん。「野菜スープで煮たギョウザです」。たしかにそうですねぇ。うまい答えです。「じゃ、その湯ギョウザと焼き鳥丼をください。」「焼き鳥丼はちょっと時間がかかりますが、いいですか?」と確認するミィさんに、「はい。いいです」と返事するおにいさん。どうやら、この店にはあまり慣れていない様子です。

そこへタイ刺しがやってきます。おっ。どうよ、このタイは。身が飴色(あめいろ)だもんね。タイのような白身魚は、真っ白な身よりも、こうやってちょっと飴色がかった身のほうがうまいように思います。

となりのおにいさんのところにも湯ギョウザが届きます。ひとり用の小鍋にたっぷりの湯ギョウザ。それをれんげですくって食べはじめます。「美味しそうですねぇ」。今日はひとり静かに飲もうと思っていたのに、ついつい声をかけてしまいます。「はい。おいしいです。いつも表(おもて)で焼き鳥や煮込みを買って帰ってたんですが、店の中が楽しそうで。一度入ってみようと思って、今日は来てみたんです」とニコニコと答えてくれるおにいさん。

生グレープフルーツサワー(336円)をおかわりし、次にたのんだ肴は「焼きハマグリ」(231円)です。昨日(3月3日)がひな祭りだったんですね。

ブィ~ンとマナーモードにしている携帯電話が振動します。ん、と待ち受け画面を見ると、なんと酒場詩人・吉田類さんからの電話です。店内は携帯電話禁止なので、いったん入口を出て電話をとります。「もしもし。吉田類ですけど…」。類さんはいつもご自分のことをフルネームで名のられるのです。「今、新宿にいるんですが、以前お話をうかがった、阿佐ヶ谷の「川名」でしたっけ? そこに行ってみようかと思ってるんですが、どのあたりなんでしょう?」と類さん。えぇ~っ! 今その「川名」で飲んでるんですよ! 「それはちょうどよかった。阿佐ヶ谷に着いたらまた連絡しますから、ナビゲートしてください」。はいはい。それはもう喜んで。

吉田類さんにしても、太田和彦さんにしても、みなさんから「ここがいいよ」とすすめられたお店に精力的に出かけられるという姿勢がすごいですよね。「いい酒場を知りたい」という気持ちにあふれています。それに引き換え私のほうは、みなさんからご紹介いただいている酒場の数が増える一方で、全然出かけることができていませんねぇ…。

席に戻るとちょうど「焼きハマグリ」ができあがったところ。炭火で焼かれた小ぶりのハマグリが5個。パカンと開いた貝殻の中に見える身は、焼き立てでホワンと湯気があがっていて見るからにおいしそう。さっそくまず1個に手を伸ばします。くぅ~っ。このプリンとした食感、そしてしっかりとしたコクの身の味わい。いいなぁ。

となりのおにいさんはこれまたおいしそうな焼き鳥丼を食べ終えて、「店内もほんとに楽しいですねぇ。また来ます」とうれしそうな笑顔を私に向けてくれながら席を立ちます。良かった良かった。またぜひお店でお会いしましょうね。

私も3杯目となる生グレープフルーツサワー(336円)を注文し、肴はなんと「ナチュラルチーズ」(294円)です。この店でチーズがメニューにあがるのははじめてじゃないかなぁ。しかも6Pチーズなどのプロセスチーズではなくて、ナチュラルチーズですから驚きです。チーズは牛乳を乳酸菌と酵素で発酵させてできるのですが、その乳酸菌や酵素が生きたまま含まれているのがナチュラルチーズ。それを加熱処理して乳酸菌を殺菌し、酵素を破壊したものがプロセスチーズです。熟成させた味わいの深みや乳酸菌の薬効などはナチュラルチーズのほうが高いのですが、品質の安定と長期保存という面ではプロセスチーズが優れているのだそうです。

そこへ吉田類さんから「阿佐ヶ谷駅に着いた」という電話が入ります。「旧・中杉通りを10分ほど北上していただくと左側角にあります。向かいはセブンイレブンです」と伝えます。なぜこんな簡単な道案内でいいかというと、類さんは以前、阿佐ヶ谷に住んでおられたからなのです。だからたったそれだけの道案内で「あぁ。あのあたりね。大体わかりました」と電話が切れます。

でてきたナチュラルチーズは、この値段(294円)ながら小皿に3種盛り。3種はハードタイプとかセミハードタイプと言うんでしょうか、すべてしっかりした(つまりカマンベールみたいにトロンとしてない)タイプのチーズです。大衆酒場にチーズはつきものですが、ナチュラルチーズとはねぇ。すばらしい。

ガラリと入口引き戸が開いて吉田類さんの到着です。「こんばんは。ごぶさたしてます」とごあいさつをしつつ、カウンターから後ろのテーブル席に移動します。「なにを飲まれてるんですか?」と類さん。「これは生グレープフルーツサワーなんです。」「じゃ、私も同じものをひとつ」。すぐに横に来てくれていたミィさんにサワーを注文です。

すぐに届いた生グレープフルーツサワーで乾杯し類さんと飲みはじめます。前回の深川での飲み会の後、吉田類さんは京都方面への取材旅行に出かけられてたのですが、「初日はその名も「スタンド」という酒場からはじめて…」と、そのときの様子や、速報として書かれた夕刊フジの記事などを見せていただきながら、古都・京都の酒場話しに花が咲きます。京都もさすがに歴史をもった街だけあって、いい酒場がそろってるんですねぇ。類さんは現在そのときの取材記事のまとめに大いそがしなのだそうです。

類さんも私もサワーをおかわり。私はこれで4杯目。大体3杯が限度で、それを超えると泥酔状態に入っていくんだけどなぁ。大丈夫かぁ!?>自分

「川名」の店内やメニュー、そして集まったみなさんの飲みっぷりなどを見ながら「ご主人はいないのかなぁ」と類さんは店主と話がしたい様子。「残念ながら今日は早あがりらしいんですよ」と言いながら、入口のところに置いてある店の名刺を取ってきて類さんに手渡します。

と、そこへフラリと入ってきたのはなんと青地さんです。青地さんは吉田類さんとともに森下賢一さんの句会のメンバーで、昨年末の森下さん、類さんとお会いする機会を作ってくれた方でもあります。青地さんも吉田類さんと私が飲んでるのを見て驚いている様子。わぁ、なんたる偶然、なんて互いに喜びあいながら、青地さんもわれわれのテーブルに加わります。

「ミィちゃんが一番厳しいんだよな」というカウンターのお客さんの声が聞こえてきます。この店ではみんながあまり飲み過ぎてしまわないように、ある程度の量を飲むとおかわりをしても「もうダメです」と断れれることがあるのですが、その仕分けが一番しっかりしているのがミィさんのようなのです。とはいえ、いつもほんわりと笑顔のミィさん。その笑顔のままで「もうダメですよ」と言われるので、言われた客の側もなかなか反発できないんですねぇ。

なんでもないようで、店の秩序を一定の状態に保つのは大変なことのようです。飲み方がだらしなかったり、他のお客さんに迷惑をかけるような飲み方をするお客がいる場合には、きびしくそれをいさめ、場合によっては出入り禁止にしたりすることも重要なのです。これができないお店はアウトローのたまり場のようになってしまって、店の空気が悪くなってしまうのでした。この界隈でもときどきそういう感じのお店を見かけるのが残念です。

「ラストオーダーの時間です」とそのミィさんが注文を取りにきてくれます。ここは11時でラストオーダー。この時間をもって計算を行い、11時半の閉店時刻を迎えるのです。「追加はありません。どうもありがとう」。久しぶりに迎えたラストオーダー時刻の「川名」です。たいてい早い時間帯に来てたからなぁ。類さんや青地さんも追加はなし。でもなんだかまだ話し足りないなぁ。「「八千代」が2時まで開いてるから「八千代」に行きましょう!」という提案があり、あっという間に決定。じゃ、善(?)は急げでさっそく向かいましょう、と3人で席を立ちます。

3人別々にレシートを付けてくれていて、私は今日は2,163円。「ありがとうございました」と笑顔で見送ってくれるおかみさんとミィさんに「ごちそうさま」とあいさつしながら、4杯のサワーにふらつく足取りで、3人で店を後にしたのでした。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年3月4日(金)の記録》

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15分1杯勝負!? … 立ち飲み「酒寮キンパイ西口店」(横浜)

西横浜の「加一」を出て、再び横浜駅へ。「前回行った立ち飲みのキンパイ。西口側にも系列店があるんですよ」と伊東さん。そちらもいつも人がいっぱいでにぎわっているのだそうです。

相鉄線・横浜駅の改札を出たところが、横浜駅の出入り口でいうと『みなみ西口』。ここを出るとかなり濃い商店街である「西口五番街」に入ります。おぉ。このあたりは実にゴミゴミとした雰囲気で、酒場好きには良さげな場所のように思えますねぇ。

「ここです、ここです」と、ビルの一角にある小さい入口の前に立つ伊東さん。入口の上の看板には「立飲み処 酒寮キンパイ」と書かれています。「あれ? お客さんが少ないなぁ」といいながら先に立って店に入っていく伊東さん。

店内はPの字型のように奥に行くほど広がっていて、Pの左奥側が厨房および注文スペースになっている。Pの内側には壁に沿って周囲に立ち飲みカウンターがすえつけられているほか、Pの広いところの真ん中にも柱があって、その付近に立ち飲みテーブルが置かれています。ただし、先客は4~5人程度。

左手奥のレジカウンターの前に行くと、中にいる女店員さんらしきおねえさんから「9時までなんですよ」と声がかかります。現在時刻は8時45分。あと15分か。「じゃ、1杯だけ」とおねえさんに断って、伊東さんはレモンサワー(290円)を注文します。それじゃ、私はキンパイ樽酒(250円)をお願いします。その場で飲み物を受け取って料金を支払います。

奥には男性もいて、この人が料理などを担当している様子。ふたりで切り盛りしてるのかな。

レジカウンターの上には紙製の短冊がずらりとぶら下げられているのですが、これがまた年季が入って、茶色く変色している。そのメニューはイワシ刺身・天ぷら・煮付け、まぐろなかおち、もつ煮込み、枝豆、漬物、とりからあげ、はんぺんフライ、しらすおろし、あげギョーザ、いかさし、冷奴、ちくわ天ぷら、とりささみチーズ、ハムカツ、串カツ、アジのフライ、ポテトサラダ、さつま揚げ、いか沖漬けとかなり豊富で、値段も200~400円くらい。揚げ物が多いというのも特徴かな。

先ほどの「加一」でもチューハイ、レモンサワーが280円で驚いたのですが、ここも290円。横浜にも安いところはあるんですねぇ。しかも、このチューハイが焼酎と炭酸とをよく冷やしておいて、氷無しで作るというかなり東京下町風なのです。おもしろいなぁ。

「普段はまさに人がひしめいてるという言葉がぴったりくるくらいお客さんが多い店なんですよ」と伊東さん。そのお客さんたちが閉店を前にして波が引くようにいなくなった後なんですね。

立ち飲みカウンターの壁には「禁煙」と書かれた張り紙が張ってありますが、そんなことはまるで知らないような素振りで先客のみなさんたちはタバコをふかしています。お客が多い時間帯は本当に禁煙になるのかも。この狭さでみんながタバコを吸ったら、ものすごい煙になりそうですもんね。

ちょうどお酒を飲み干したくらいのタイミングで午後9時。店のおねえさんから「閉店で~す」の声がかかり、みんなが窓口へとグラスを返しに行きます。我々も「ごちそうさん」とグラスを返し店の外へ。

この界隈は探索するといいお店が多そうですねぇ。楽しみです。

今回もまたどうもありがとうございました。近いうちにまた第3弾をよろしくお願いします。>伊東さん

店情報

《平成17(2005)年3月2日(水)の記録》

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店情報: 立ち飲み「酒寮キンパイ西口店」(横浜)

    060531z
  • 店名: 立飲み処「酒寮キンパイ」(西口店)
  • 電話: 045-311-2074
  • 住所: 220-0005 神奈川県横浜市西区南幸1-5-30
  • 営業: 13:00-21:00、日祝休
  • 場所: 横浜駅みなみ西口を出て「西口五番街」の中にある立ち飲み屋。間口が狭いので発見するのがむずかしいかも。
  • メモ: キリッと冷やした焼酎と炭酸で作ったレモンサワー(290円)は氷無し。キンパイ樽酒250円。つまみはイワシ刺身・天ぷら・煮付け、まぐろなかおち、もつ煮込み、枝豆、漬物、とりからあげ、はんぺんフライ、しらすおろし、あげギョーザ、いかさし、冷奴、ちくわ天ぷら、とりささみチーズ、ハムカツ、串カツ、アジのフライ、ポテトサラダ、さつま揚げ、いか沖漬けなど

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古き良き大衆酒場 … 居酒屋「加一(かいち)」(西横浜)

「伊東さんと行く横浜酒場紀行」。第2回目となる今日は、横浜駅から相鉄線各駅停車で2駅の西横浜に出没です。伊東さんはこの沿線にお勤めで、電車で通勤されているときにふと車窓を横切る赤提灯に引かれて、普段は乗らない各駅停車でわざわざこの店を訪れてみたのがきっかけで、よく来るようになったのだそうです。

西横浜駅の改札を抜けて、歩道橋を右側に下りたところにあるのが目的のお店「加一(かいち)」です。看板には「煮込み・おでん」と大書されています。

店内はまん中にU字型(ただし左が少し短い)のカウンター席があり、左に7人程度、右に10人程度座れそうです。このカウンターはU字につながっているものの、一番手前のところには座れない構造のようです。そしてそのU字カウンターの両側、右側と左側に小上がりの座敷席があります。

グループ客が多い店なのか、平日午後7時の店内はカウンター席は空いていて、逆に両側の座敷席はほぼすべてのテーブル(座卓)にお客さんがいる状態です。我々ふたりはカウンター左側の奥に陣取り、まずはビールからスタートです。「ビールはキリン、アサヒとありますが、どちらになさいますか」と若い女店員さん。「横浜だからキリンにしましょうか。」「キリンは一番絞りとクラシックラガーとがあります。」「じゃ、ラガーのほうで」。ビンビールは大瓶が490円。これは安い価格設定ですね。

我々のすぐ横の壁に営業許可証が掲示されていて、それによるとここの店主は古谷嘉一郎さん。おそらくこのご主人の名前から「加一」という店名が付けられたんですね。カウンターの奥側にある厨房で働いている年配の男性が店主でしょうか。この方以外は、全員が女性。年配の女性から先ほどの若い女性まで5人くらいでフロアを切り盛りしているようです。もしかすると、おじいちゃん(店主)、おばあちゃん、その娘ふたり、さらには孫娘といった家族での営業なのかな。

最初のビールをググゥ~ッとやって、つまみの選択です。カウンターの中にはもつ煮込みの鍋とおでんの鍋とがならんで火にかけられていて、いつでも出せる状態。まずはそのもつ煮こみ(550円)をいただきましょうか。

もつ煮込みの鍋は比較的浅めの金属鍋です。先日の「鳥佳」(上大岡)の煮込みもこんな感じの鍋でしたねぇ。東京だと、もうちょっと深めの鍋とか、寸胴鍋で煮込んでるお店が多いように思うのですが、横浜のほうはこの浅いタイプの鍋が標準的なのかな。その鍋から、平たいお皿に取り分けられます。味付けはけっこう甘めのミソ味。七味唐辛子を多めにふりかけて食べるのが合いそうです。

カウンターの入口側にはガラス製のネタケースがあって、何種類かのつまみが、すでにお皿に盛られた状態で並んでいます。その中からスパゲティサラダ(430円)をいただきます。

つまみは290円の板ワサからはじまって、ホウレン草おひたし(380円)、コブクロ炒め(490円)、シメサバ(520円)、マグロ刺し(700円)などなどと続き、全体では20~30品ほどのメニューが並んで、最高値は鯨ベーコンの1,800円。他のほとんどが3桁価格(千円未満)という設定の中で、この鯨ベーコンは飛びぬけて高い価格設定です。

飲み物のほうも、ビール大瓶が490円で安いなぁと思っていたら、レモンサワーやチューハイもなんと280円という、東京下町あたりと同じような価格設定です。サワーなどの値段が比較的高い(400~500円くらいの店が多い)横浜にあって、この280円というのは異例の値段といえるでしょう。

ビールもなくなったので、日本酒をもらいましょうか。日本酒はメニューでは「清酒」とだけ書かれていて普通の徳利が310円。大徳利は590円とこれもまた安いですねぇ。じゃ、大徳利のほうでお願いします。(お酒の銘柄はおそらく「日本盛」です。)

大徳利は寸胴・背高の古来からあるタイプのもの。説明するのがむずかしいですが、「鍵屋」(根岸)や「東国屋」(石川町、閉店中)の徳利をご存知の方は、そのタイプを想像してください。その徳利にはあらかじめ日本酒が入れられた状態で、棚にずらりと並んでいます。そこから1本が取り出されて、もつ煮こみの鍋の横にある6穴の燗付け器に浸(つ)けられます。こうやって、燗付け器で燗をつけてくれるというのもうれしいもんですね。

カウンター上の大きなバットに入っているジャガイモもさっきから気になってるので、これをもらいましょうか。ちょっと甘めの照り焼き風。つややかに照りの出たジャガイモは食感も味わいも実にいい。こういう、まさにおふくろの味といった感じの料理がうまいところというのは安心できますね。このジャガイモはメニューにはない一品ですが、おそらく440円だろうと思います。

我々が入ったあとも、お客さんが続々と入ってきます。たいていのお客さんが3~4人のグループ客なのですが、さっきも書いたとおりもう小上がりには空いている卓はないので、みなさんカウンターにずらりと並んで飲み始めます。年配のお客さんから若いグループまで、客層もさまざま。店内の空間がゆったり目なので、みんながワイワイしゃべっていても、あまりうるさい感じはしません。

燗酒をおかわり(590円)して、次にもらったのはメザシ(380円)です。2人で1人前だけたのんだのですが、これがなんとメザシ8尾分。4尾ずつが1連になったものが、2連分あります。炙ったばかりの熱々のメザシにお酒もどんどん進みます。

それにしても、この店の女性陣はみんなニコニコと明るくて気持ちいいなぁ。お店の人、特に女性陣の雰囲気は、そのままお店の雰囲気となって反映されてきますもんね。

その中でも一番年配の女性、きっとこの人が大女将さんだと思うのですが、その人が「こちらはサービスです。どうぞ」とお新香の盛り合せを持ってきてくれます。実は、さっきもグループなんだけどカウンターに座って飲んでいる年配のお客さんたちに「今日はお座敷が全部埋まっていて申しわけありません」とあやまりながら、このお新香の盛り合せをサービスで出していたのです。それをこちらにも出してくれたんですね。どうもありがとうございます。じゃ、お酒をもう1本(590円)お願いします。

ゆったりと穏やかな店内に気持ちも落ち着きます。なんだか、古き良き大衆酒場の典型のようなお店ですねぇ。今回もいいお店をご紹介いただきありがとうございます。

2人で1時間半楽しんで、お勘定は4,060円(ひとりあたり2,030円)でした。どうもごちそうさま。

店情報

《平成17(2005)年3月2日(水)の記録》

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店情報: 居酒屋「加一(かいち)」(西横浜)

  • 店名: 居酒屋「加一」(かいち) 〔加一食堂〕
  • 電話: 045-311-6974
  • 住所: 220-0024 神奈川県横浜市西区西平沼町8-37
  • 営業: 17:00-23:30、日祝および第2・4土休
  • 場所: 相鉄線・西横浜駅の改札を出て右へ。駅の階段を下りたところに赤提灯があり、回り込むように入る。改札を出て徒歩1分程度。ホームからも赤提灯がよく見える。
  • メモ: 昭和33(1958)年に大衆食堂として開店し、その後、居酒屋になった。ビール(大ビン、490円)、レモンサワー、チューハイ等 280円、日本酒 小310円、大590円。つまみは290円の板ワサからはじまって、ホウレン草おひたし(380円)、コブクロ炒め(490円)、シメサバ(520円)、マグロ刺し(700円)など

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ナマコと新ジャガ … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

3月に入りましたが、寒いっ! 今日は一日中曇ってましたからねぇ。こんな日は燗酒であったまって帰りましょうか。

都内での仕事が終わり、自宅へと向かう中央線の車中でそんなことを考えます。電車は徐々に中野に近づきます。久しぶりに「北国」のおでんでもつっつきながら燗酒かなぁ。どうすっかなぁ、なんて思ってるうちに出発。

次は高円寺。う~む。「バクダン」の煮込みか湯豆腐っつう手もあるけど、ここはどっちかというと燗酒よりも焼酎だよなぁ。高円寺も出発。

さぁ、いよいよ後がなくなってきたぞ。阿佐ヶ谷ならば「川名」、荻窪ならば「やき屋」。さあ、どうする。ん~~~。家からより近い「川名」にしよっと。なにしろまだ火曜日ですからね。電車はちょうど阿佐ヶ谷に到着。プシュンと開いたドアからホームに降り立ちます。

「こんばんは」。表で焼き鳥を焼いているおかみさんにあいさつして店内へ。火曜、午後7時の店内はカウンターはいっぱい。カウンターの中から顔をのぞかせたミィさん(手伝いの女性)が「テーブルにどうぞ」と声を掛けてくれます。

「川名」のカウンターは7席。そのカウンターの背後に4人掛けのテーブルが3卓あって、手前からA卓、B卓、C卓と呼ばれています。A卓はカウンター席のお客さんの上着(コートやジャンバー)でいっぱいになっています。テーブル席が空いているときは、カウンター席のお客さんたちの荷物置き場になるのです。B卓とC卓はそれぞれカウンター側から見て右側にお客さんがひとりずつ入っている状態。テーブル右側に座るとテレビが見えるので、まず右側から座っていくのです。

A卓の荷物を退けてもらうほどでもないので、B卓に相席させてもらうことにします。

よっこいしょとコートを脱いで、荷物やコートを席の奥側に押し込んで、B卓左に腰をおろした瞬間、「はいどうぞ」とミィさんがお通し(サービス)のオレンジ2切れと一緒に生グレープフルーツサワー(336円)を出してくれます。うわっ。何も注文しないでも自分の好みの飲み物が出てくるなんて、まるで大常連さんみたい。なんだか鼻高々でうれしいっ。寒いので燗酒を飲もうと思いながら入ってきたんだけど、そんなことよりもこっちのほうがはるかにうれしいなぁ。前の席のおにいさんも「おっ」という目で見てるもんね。ふふふ。

そのサワーを2~3口いただいて、おもむろに今日のおすすめメニューに目をやります。今日の刺身(各294円)はマグロブツ、マグロ山かけ、ホッキ貝刺し。そう。このホッキ貝刺しは前回いただいてうまかったなぁ。さらにはホヤ酢にウルメイワシ刺しですか。おっ。その下にはナマコ酢(231円)があるじゃない。ナマコ大好き。これをいただきましょう。

待つことしばし。なんと店主の川名さん自らナマコ酢を持ってきてくれました。「いらっしゃい」と笑顔を見せながら、ナマコ酢といっしょに出してくれたのはツブ貝の煮物です。ありゃぁ。ナマコももちろんうまいですが、ツブ貝もいいですねぇ。

昔、呉(広島県)に住んでたころ、独身寮の近くにナマコ酢のおいしい店があって、冬場になるとよく寮の仲間と連れ立って「ナマコを食べに行こう!」と出かけていたことを思い出します。小鉢にたっぷりのナマコを1片ずつコリコリとかじってはお酒をチビリ。これが実に合うんですねぇ。

ちょうど1杯目のサワーを飲み終わり、横の通路を通過するミィさんに空いたグラスを渡して、生グレープフルーツサワー(336円)のおかわりをお願いします。つまみは新ジャガマーガリン(168円)をください。

前ににっきーさんが「ここの店主は正直ですよねぇ。ジャガバターって書けばいいのに、ジャガマーガリンって書いてるんですよ」と言ってたのが気になっていたのです。でも、今日改めて見てみるとカウンターの上の短冊メニュー(これらが定番メニュー)にはちゃんとジャガバター(336円)もあるんです。それとは別に今日のおすすめメニューが書かれたホワイトボードに新ジャガマーガリンが書かれているのです。

「新ジャガマーガリンです」と問題の品が出てきました。小ぶりの新ジャガを二つに切って、その上に乗っているのは、これはハーブ入りのマーガリン? どーれ。パクリとひとかじり。こりゃうまいなぁ。このマーガリンだからまたうまいんだ。なぁるほど。これはジャガバターじゃなくてジャガマーガリンでないとダメなんですね。

そのとき入り口引き戸がガラリと開いて入ってきたのはなんと寄り道さんです。なんでぇ!? 火曜日だよ! 寄り道さんもこっちを見てびっくりしています。

「テーブルどうぞ」と寄り道さんに声を掛けたミィさん、こっちを振り向いて「席移りますか?」って。このところよく一緒に来てたんで、覚えてくれてたんですねぇ。はいはい、移りましょう。前の席のおにいさんに「すみませんね」とごあいさつして、寄り道さんの座ったA卓に移ります。

「「やき屋」に行こうか、「川名」にしようかと迷って。週に1回は「川名」ですよねぇ」と寄り道さん。なんと迷った店までおんなじじゃん。

寄り道さんは黒ホッピー(336円)にホタテ貝焼き(294円)と新ジャガマーガリン(168円)でスタート。

店主が「おふたりでどうぞ」とツブ貝や干し柿、大豆などを出してくれます。すみません。ありがとうございます。これがまたわれわれだけに出してくれているわけではなくて、店内の常連さんたちにほぼもれなくといった感じで出してくれるのです。といっても、店内はほとんど常連さんばかりといった状況なので、ほとんどみんながいただいています。ただでさえ単価が安いお店なのにねぇ。

寄り道さんは黒ホッピー(336円)を、私は生グレープフルーツサワー(336円)をおかわり。私はシシャモ(168円)も焼いてもらおかな。

寄り道さんが食べたホタテ貝焼きもそうですが、ここの焼き貝や焼き魚は、やきとりと同じく店の表の炭火で焼くのでピシッといい焼き加減になるんですよね。やきとりを炭火で焼くのは、強力な火力で肉汁を肉の中に閉じ込めてしまうというのがそのねらいなのですが、その強力な火力は貝や魚を焼くときにもいかんなく発揮されるのです。

そこへ、またまたツブ貝が、今度は丸皿にゴロゴロとたくさん登場です。聞けば、煮ているうちに身が引っ込んでしまって、お客さんには出せなかったものなのだそうです。「食べにくいかもしれないけど、やってみて」。よ~し。これはもう殻を割っちゃえばいいんだ。入口のあたりの殻をペキッと割り、そこをきっかけにペキペキと割り進んでいきます。ほ~ら。身が見えてきた。ここまでくれば普通のツブ貝と同じ。おいしくいただくことができます。「おいしいです、マスター」。

そういう引っ込んじゃったツブ貝もけっこう多かったようで、カウンターの入口あたりに座っている常連さんたちにも同じように丸皿が渡されます。「ほら。テーブル席のお客さんみたいに殻を割れば食べられるみたいだから」とこっちのお皿を指差しながら説明。そう。全然食べにくくないですよ。

これはサワーをもう1杯かな。3杯目となる生グレープフルーツサワー(336円)をいただきます。寄り道さんも3杯目の黒ホッピーのようです。

この3杯目を飲みきったところで本日は終了。午後9時過ぎまで、2時間強の滞在で私は1,575円でした。どうもごちそうさまでした。

(同じときの記事が「寄り道Blog」にもありますので、あわせてお楽しみください。)

店情報 (前回)

《平成17(2005)年3月1日(火)の記録》

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最後はカルバドス … バー「ピュアー(PURE)」(野方)

竹よし」~「秋元屋」ルートですっかりと酔っ払いながらも、青地さんとともにフラフラとたどりついたのは真夜中の「ピュアー」です。

本日最後の一杯はカルバドス(840円)をいただくことにしました。

カルバドス(Calvados)は、フランスのカルバドス地方で作られるリンゴの蒸留酒です。ブドウの蒸留酒であるブランデー(これも産地によってコニャックとかアルマニヤックと呼ばれてます)が濃縮されたブドウの味と香りがするように、このカルバドスもグラスを鼻に近づけただけでリンゴのいい香りがして、口に含むとリンゴの甘い風味が広がります。ゴクンと飲み込むと喉の奥から鼻の奥のほうへとリンゴの香りが沸きあがってきて、身体中がリンゴの香りに包まれたように感じるほど。

こういう濃縮感が樽で熟成させた蒸留酒のいいところだと思います。熟成させる時間とともに、原材料のもっている味や香りをみごとに閉じ込めていくんですね。

先日、「一番好きなのはどのお酒?」と質問されたことがありました。「う~ん。いろんなお酒がそれぞれ好きなんですよねぇ」。そのときの肴、店の雰囲気、自分の体調などによってビールがいいときもあれば日本酒がいいときもある。焼酎のストレートをちょっと梅割りにして「効くなぁ」と飲みたいときもあれば、ここでは生グレープフルーツサワーなんて決まっている感じの店もある。

「その中でもこれはというのはないんですか?」と重ねて質問がきます。う~む。あんまり飲まないのはワインかなぁ。海外に行ったときとか、ワイン好きな故郷(いなか)の友人が来たときくらいしか飲まない。決してきらいではなくて、むしろ好きなんだけど、自分で選べないんですよね。日本酒ならばはじめてのお酒でも「この地域の純米吟醸だったら、だいたいこんな味なんじゃないかなぁ」とあらかじめ予想がつく。しかしワインは不勉強なせいか、まったくわかんないんです。きっとワイン通のみなさんにしてみれば「ボルドーならばこんな感じ、ブルゴーニュならこんな感じと、だいたい予想がつくじゃん」といったものかもしれないんですけどねぇ…。

ワイン好きな故郷の友人のおかげで、けっこういろんな銘柄のワインを飲んでると思うのですが、もったいない限りです。はい。

よく飲むのはウイスキーかな。そのもの自体の味わいや香りが深くて強いこのお酒は、肴がなくてもそれだけで楽しめるし、逆にピート(草炭)の香りの少ないジャパニーズウイスキーなどであれば肴に合わせることもできる。世間で思われている以上に融通のききやすいお酒ではないかと思うのです。

たとえば今現在は東京の自宅には肴と合わせてもおいしいサントリー角瓶を、横浜の単身赴任寮にはそれだけでじっくりと楽しめるブラックニッカを置いています。

飲み方はたいてい水割り。ウイスキーとミネラルウォーターは冷蔵庫でよく冷やしておく。飲むときにはショットグラスとタンブラーを用意して、まずショットグラス1杯分のウイスキーをタンブラーに。しかるのちにミネラルウォーターをショットグラスに2杯分タンブラーに移します。マドラーでクルクルっとかき回したらできあがり。氷は入れません。

これでアルコール度数が15度くらいの水割りができるのですが、これくらいの度数がちょうど味も香りもわかりやすいように思います。熟成中にたっぷりと濃縮された風味をじっくりと味わうことができるのです。余裕があればこうやって水で割った状態で冷蔵庫に入れて、しばらく寝かしておくともっとおいしいのかもね。

今日はカルバドス1杯で終了。お通し(310円)と合わせて1,150円。どうもごちそうさまでした。

店を出て野方駅方面(環七方向)に向かう青地さんと別れ、リンゴの香りの余韻に包まれながらトコトコと帰宅したのでした。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月26日(土)の記録》

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すっかり泥酔 … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

二次会はひと駅となりの「秋元屋」。土曜日夜の店内は大勢のお客さんで盛り上がっていますが、われわれ8人は表のテラス席に陣取ります。

店主自ら注文を取りに来てくれます。今日も焼き台は修業終了間近の三浦さんが担当されてて、店主は外回りを見ながら、ときおり三浦さんに指示を出しているようです。

まずは飲み物を各自思い思いに注文。私はホッピーをいただくことにしました。

料理のほうはjirochoさんたちが代表で注文してくれます。ガツ酢、煮込み、ポテサラなど、この店の人気メニューをずらりと注文し、「あと、やきとんはおまかせでお願いします」とjirochoさん。なるほど。「おまかせで」という注文もできるんですね。

このページでは、鳥を焼く店を「焼き鳥屋」と漢字表記、豚のモツを焼いている店を「やきとり屋」とひらがな表記して呼び分けてますが、辞書(新明解国語辞典)で「焼(き)鳥」を調べると『小さく切った鶏(トリ)肉を串(クシ)に刺して焼いた料理。〔広義では、もつ焼きをも指す〕』となっています。だから広義の側でとれば、もつ焼きも「焼き鳥」と呼んでいいんですね。

和英辞典(新和英中辞典)によると「焼き鳥」は「grilled meat on a stick; roast chicken.」となっていて、先ほどの広義の意味合いのほうが先に来ているくらいです。

「秋元屋」の看板は「やきとん」となっているのですが、これは辞書にはない言葉。でも「うちは鶏ではなくて、豚を焼く店なんだよ」ということがよくわかります。

やきとん以外のサイドメニューの豊富さもこの店の特長のひとつ。大衆酒場の定番、ポテトサラダ、マカロニサラダをはじめ、お新香やキャベツ、もずく、焼きコロッケなどなどが100~300円くらいで勢ぞろいしているのです。

飲み物のほうも、私はホッピー、日本酒(菊正宗)、トリハイ(トリスのハイボール)などをいただくことが多いのですが、実は日本酒も各種地酒がずらっとそろっているほか、焼酎もいろんな銘柄のものを置いていて、酒好き、焼酎好きの人たちにも人気があるようです。

実際、今日のメンバーも日本酒好きの人が多いので、みなさん思い思いにいろんなお酒を楽しんでいるようです。

そろそろ腰をあげましょうかというころになって、「こんばんは」と店に入ってこられたのは青地さんです。あらあら。こんばんは。

青地さんは森下賢一さんの句会に、吉田類さんらとともに参加されていて、森下、吉田両氏とも親交が深い。昨年12月には青地さんが森下さん、吉田さんとご一緒させていただく場を段取りしてくれたのでした。(そのときの記録

お勘定を済ませて、野方駅へと向かうみなさんを見送り、私は青地さんとともに、今度はカウンターにすわってちょいと一杯飲みなおし。

完全に酔ってる上に、さらに酔いを積み重ねて、完全にヘロヘロ状態で青地さんとともに店を後にしたのでした。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月26日(土)の記録》

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アンコウで日本酒 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

まりっぺさんから「jirochoさんたちとアンコウ鍋を計画してますが、よろしかったらいかが?」というメールをいただいていたその日がやってきました。参加人数は私も含めて8人。

男女それぞれ4人ずつという構成ですが、女性のほうはまりっぺさんともうおひとりは先日も「竹よし」でお会いしたKnさん。残るお二人とははじめましてです。

男性のほうはjirochoさんは「寄り道オフ会」でお会いしたばかりで、腹黒屋さんとは以前「だるま」オフでお会いして以来。でもjirochoさんの掲示板ではよく拝見してますよぉ(笑)。残るおひとりは、ここの掲示板で「武蔵屋」の休店を教えてくださったいけちゃんさんです。どうもはじめまして。情報ありがとうございます。

今日はママさんの体調が悪いのだそうで、8人で貸し切り営業です。なにしろ店主(マスター)ひとりしかいないときは、この上にさらにお客さんにいらしていただくと手が回り切らない可能性があるそうなのです。でも、そのママさんも「今日はすみませんね。楽しんでいってください」とごあいさつに出てきてくれてひと安心。

料理のほうは、まりっぺさんが夕食会スタイルであらかじめお願いしておいてくれたのだそうで、後は座って飲むばかり。

まずはビールからスタートです。普通の夕食会のときは生ビールではじめる人が多いのですが、このグループのみなさんは瓶ビールから。「日本酒が好きな人が多いので、ビールは本当に最初だけ。グラスに1~2杯も飲めば十分なんですよ」とjirochoさん。ひゃぁ~っ。お手やわらかにお願いしますね。みなさん。

お料理の一品目はタラの白子ポン酢です。この日本酒に合う料理からはじまるところがいいじゃないですか。「そういえば「緑川(みどりかわ)」の生原酒があるって書かれてましたよね」とjirochoさん。「そう。以前来たときに1本あったんですけど、今日は同じ「緑川」だけど「緑(みどり)」しかないみたいですねぇ」と保冷庫の中にならんだお酒をあれこれと探しながら「緑」を取り出します。

どちらも同じ緑川酒造(新潟県・魚沼)のお酒ですが、生原酒のほうは正式には「緑川 ゆららか 純米にごり酒(生原酒)」という名称で、澱(おり)がまさにその名のとおり「ゆららか」に残った薄にごりの生酒。アルコール度数が18~19度あるというピリッとしたお酒です。

一方、「緑」のほうは雪洞貯蔵酒というのが特徴。火入れが終わり、瓶詰めされたお酒を雪のドーム(雪洞)の中で約半年間貯蔵する。雪洞の中は光もなく、温度も約0度で一定。この安定した環境の中でゆっくりゆっくりと熟成されたお酒なのだそうです。

続いて登場した肴はアンキモ。でかい! 大きく筒状にして蒸されたアンキモを、その筒の形のまま4センチくらいの高さに輪切ったひと切れがひとり分。

この集まりのために仕入れたというアンコウは北海道産の4.5キロもの。早くから仕込みをはじめ、このアンキモもそれから蒸されて冷まされたもの。とろりととろける食感が新鮮さを物語ります。

こういう食事会の場でなければ、私なんか白子酢とアンキモだけでもう十分お酒が飲めちゃうなぁ。普通にフラっと「竹よし」に入って飲む場合のことを振り返ってみると、本当にこの2品くらいの量しかたのんでいないかも。

お酒のほうはjirochoさんが差し入れとして持参された土佐のお酒「しらぎく 特別本醸造 あらばしり」に移ります。

「私はお水をいただこうかしら」と後ろの女性。あぁ、よかった。爆発的に強い人ばかりではなかったんだ。とちょっと安心したのも束(つか)の間、「日本酒をいただくときは、お水も一緒にいただくことにしてるの」って、本格的に強いんじゃん!

日本酒は糖分が多いからなのか、たくさん飲むとなんだかのどが乾いた感じになってくるのです。だからチェイサーとしてお水をいただきながら飲むと、どんどん飲めちゃう。また、生酒のようにちょっと度数の高いお酒(18~20度くらい)は、ちょっとだけ加水して普通の日本酒と同じくらい(14度程度)にしてやると飲みやすかったりするらしいのです。

出される肴は大皿にたっぷりの刺身盛り合わせ。マグロとタイ、透き通る美しさはサヨリですね。この時期、サヨリの刺身がとってもうまく感じます。

横の大皿にはこれまたたっぷりのポテトサラダなんですが、なんだか赤っぽい身が混じっている。「タラバガニの身をほぐして入れてみました」と店主。おぉ。なんとぜいたくなポテトサラダよ。もともとポテサラ大好きですからねぇ。たぁ~くさんいただきましょう!

jirochoさんのお酒もなくなり、次にいただくのは「毘(びしゃもん)」。これは濁り酒です。「下に沈殿してるので、よぉ~く混ぜて飲んでくださいということでした」と店主が説明してくれますが、日本酒好きの今日のメンバーからは「まずは混ぜずに上澄みを飲んでみたぁ~い!」という希望が続出。ほんじゃ、揺すらぬようにゆっくりと取り出して、はいどうぞ上澄み部分。われも、われもと出てくるグラス。たしかにこういう飲み方って珍しいですもんね。私も1杯いただきます。

ふ~ん。濁り分がないと普通のお酒に近い味わいなんですねぇ。そうかぁ。この沈殿した部分に濁り酒のなんともいえぬ甘みや雑味がつまってるんですね。みんなが1杯ずつ上澄みを試したあとは、しっかりと混ぜ合わせて濁り酒として続きをいただきます。

さぁ、そして大鍋でグツグツと出てきたのは今日の主役、アンコウ鍋です。

アンコウの身アンキモアンコウ鍋

ついさっきまで、鍋に入る前のアンコウの七つ道具がカウンター上でお披露目されていたのです。仕入れたての新鮮さを誇るピンクの身。たっぷりのアンキモ。これらがひとつの鍋の中で競演です。

ハフハフとコラーゲンたっぷりのアンコウをほおばります。汁に溶け込んだアンキモのこくがよく効いています。汁用のアンキモは味噌と合わせて早い段階からグツグツと煮込み、それとは別に食べる用のアンキモをできあがり直前に投入しているのだそうです。

お酒は「吉田蔵 大吟醸」。今日のメンバーのものすごいところは、お酒を1本ずつきっちりと空けてから次に進むところ。私なんか、夕食会のときなどは、ついあれもこれもと飲んじゃうんですが、この日本酒好きの人たちは全然違う。新品の一升瓶をポンッと開けて、じっくりとその1本を飲み切ってから次へ。カウンターの上には一升瓶の空瓶が1本また1本と並んでいきます。とってもきれいな飲み方ですよねぇ。これが真の日本酒好きっつうやつか。素晴らしい!

jirochoさんのグループとまりっぺさんのグループが出会ったのも、日本酒の試飲会のような場だったのだそうです。女性ばかりのグループというのも珍しいなぁと思って、jirochoさんたちが声をかけたのがきっかけで、それ以来こうやって一緒に飲みに行ったりするようになったのだそうです。その最初の試飲会のときにも、この女性グループは端から端までの日本酒を飲んで、さらにまた最初に戻って飲んでいたほどの猛者ぞろいだったんですよと笑いながらjirochoさんが紹介してくれます。いや、それは笑い事じゃないくらい強いかも…。

アンコウ雑炊そして最後はアンコウ雑炊です。キモのうまみたっぷりの雑炊は、これがまた肴になるほど。え~い。もうコップ酒だ。「吉田蔵」をコップでいっちゃえ。それにしてもアンコウの旨みを吸いつくした見事な雑炊です。おいしいよなぁ。

「日本酒が大好き」ということがガンガンと伝わってくるメンバーに囲まれての楽しく過ごした時間も、気がつけばもう3時間。「さぁ、それじゃ次に向かいますか」と二次会に向かったのでした。

今日もおいしい料理をたっぷりとありがとうございました。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月26日(土)の記録》

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ほろりと苦い山菜天ぷら … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

さぁ、金曜日。横浜の会社を出て東京へ。やってきたのは「竹よし」です。前回の夕食会以来なので、ほんの2週間ぶりなのですが、なんだかずいぶん来てないように感じるなぁ。そんなことを思いながら店に着いたのは午後9時半。

「こんばんは」と店に入るとカウンターの手前側にはふじもとさんです。ふじもとさんは今やすっかり「竹よし」の常連さん。特に金曜日は絶対といっていいくらいいらっしゃってるのだそうです。

そしてそのとなりはなんとTakahashi-iさん。どうしたんですか今日は。「いや。先日の夕食会のときに会費を払い忘れたような気がしまして。どうかなぁと思ってきてみたら、やっぱり払ってませんでした」。おぉ。なんと律儀な。じゃ、今日は安心して思いっきり飲みましょう!

カウンターの一番奥では開店以来の大常連、Enさんがアンコウ鍋をつついています。私もその手前、Takahashi-iさんとの間に腰をおろし、なにしろまずはビール(スーパードライ、中ビン、500円)です。

今日のお通し(200円)は大根の煮物。じっくりと煮込まれた大根は黒光りする透明感で、上に盛られたひき肉もいいアクセントです。

Takahashi-iさんは刺身盛り合わせ(1,000円)をつまみながら大徳利の燗酒をチビチビと。この季節、刺身に燗酒というのもいいですよねぇ。今日もマグロやタイなどが見た目も美しく盛りつけられています。

ふじもとさんはビール。進みが悪いですねぇ。どうしたんですか? 「実はさっきまで秋元屋にいて、2軒目なんですよ」とふじもとさん。「秋元屋」ではカリビアンさんとばったりと会って盛り上がったのだそうです。

カウンター一番奥のEnさんは先にも書いたとおり、ひとり鍋としてアンコウ鍋をつついているのですが、なにしろひとりですからだれに何を言われるでもない。自分の好きなものを、好きな順に、そして好きな火の通し加減で、少量ずつ仕上げながらおいしそうに冷酒を飲んでいる。私も自宅ではときどきひとり鍋をするのですが、こうやってお店のカウンターでつっつくひとり鍋もいいですねぇ。なにしろ中身がアンコウですもんねぇ。

「今日はなににしましょうか?」と店主がたずねてくれます。今日は山菜天ぷら(600円)をいただこうかな。食事会のときに白子の天ぷらのつけ合わせとして出てきたタラの芽の天ぷらがものすごくおいしかったんで、今度はじっくりと山菜天ぷらを食べたいと思ってたんですよ。「そうですか。そういえば、おいしいっておっしゃってましたねぇ。山菜はこれからまたコゴミやなんかも出てきて、ますますおいしくなりますからね」と店主。

天ぷらができあがったタイミングで燗酒(菊正宗)を大徳利(800円)でお願いします。

山菜の天ぷらはふきのとうが2個に、タラの芽2個、そしてこの丸いのは芽キャベツだそうです。これも2個。ホロ苦くて、青っぽい味わいが山菜。半分はタレで味を楽しみ、半分は塩で風味を楽しみます。できたての熱いうちにいただかないと、春の香りが半減してしまいますからね。パクパクと一所懸命いただいておいて、あとは口の中と鼻の奥に残る春の余韻を楽しみながらお酒をチビリチビリ。これでお酒が「桜正宗」なんかだと、より春の感じがしますよね。名前が春らしいだけなんだけど、春には「桜正宗」、秋には「菊正宗」を出すなんてお店もあるらしいですね。

入り口近くに入ってきたのは男性ひとりのお客さん。まず生ビールをもらってつまみはイカ塩辛(400円)と平貝刺し(700円)、アンコウ唐揚げ(700円)を注文。すぐに出る塩辛でつないで、まだ酔いの進まぬうちに平貝を甘みを堪能。そして最後にアンコウの唐揚げでしっかりと仕上げるという見事な構成ですね。しかも出てくる順序も考えられている。同じようなタイミングで出てくるものばかりを注文すると、カウンターの上がお皿だらけになって見た目もよくないですもんね。太田和彦さんの「超・居酒屋入門」を、まさに地でいかれてますなぁ。すごいっ。

そのお客さんがビールを飲んで、塩辛をつっついているうちに平貝の刺身ができあがったようです。カウンターの入り口側は、天ぷら鍋なども近くにあるので透明なアクリル板でカウンターの内外が仕切られています。したがってカウンターの入り口側に座るお客さんにものを出そうとすると、どうしてもカウンターの中央側からアクリル板を外側に回り込むように手渡さないといけない。そうやって手渡そうとすると、できあがったばかりの平貝の刺身がちょうどわれわれの目の前を通過していくわけですね。

平貝の大きな貝殻の上に、美しく盛り合わされた刺身。「おぉ~っ。うまそぉ」。思わずわきあがる歓声。いや。歓声をあげたのはわれわれのほうで、注文したお客さんはニコニコとほほ笑みながら「よろしければいかがですか?」と平貝をこちらに押しやってくれます。「えぇっ。そんなつもりじゃなかったんですけど」とあやまりながらもついつい伸びる私の箸。ん~。なんというプリプリ感。そしてなんという甘さ。どうもありがとうございます。

平貝の肝は、刺身とはべつに蒸し器で蒸されて、一口大に切られて、あったかい状態で小鉢に盛られます。これをポン酢醤油でいただくわけですね。っくぅ~っ。これもうまそぉ。「これもどうぞ」。いやいや。肝はいけません、肝は。元々量が少ないんですから。え。そうですか。じゃ、すみません、ひと切れだけ。むほぉ。こりゃまた酒が進みますねぇ。

あ。ちなみにこの平貝の肝は、平貝の刺身を注文すると、その刺身の一環としてついてくるものです。注文を受けてまるまる1個の平貝をさばき、貝柱の部分は刺身で、そして肝の部分は蒸して出してくれるんですね。

じゃ、その蒸し器のスタンバイができてる間に、私は茶碗蒸し(600円)をいただきましょうか。

入口のお客さんのところにはアンコウの唐揚げが出されます。そのお客さんは、それも「どうですか?」とこっちの食いしんぼトリオにすすめてくれますが、「これだけは絶対いけません」とみんなで阻止。なぜならお皿の上に7つばかりのっている唐揚げは、ひとつひとつがそれぞれアンコウの7つ道具。全部を食べてはじめてアンコウが味わいつくせるようになっているのです。アンコウ鍋の場合、7つ道具の食感の違いは残りますが、味は全体として同じような味(鍋の出汁の味)になってしまいがち。ところがこの唐揚げは、ひとつひとつの味わいが衣の中にギュッと閉じ込められていて、味の違いもよくわかるのです。アンコウの季節には絶対おすすめの一品です。

11時過ぎにEnさんや入口のお客さんが席を立ち、入れ替わるように入ってこられたのはこれまた大常連のTmさんともうひとり連れの男性。この男性が近くの洋食屋さん、「ラッキーパパス」の店主、折笠信弘さんなのだそうです。なるほどそうだったんですか。「竹よし」の店内では何度かお会いしてるのですが「ラッキーパパス」の店主だとは知りませんでした。洋食も食べられる居酒屋風のお店とのことですので、今度ぜひ行ってみたいですねぇ。

茶碗蒸しができあがったところで、燗酒(菊正宗)を今度は1合徳利(400円)でお願いします。

元々、肴としての汁物(吸物)も好きだし、玉子も好きだし。茶碗蒸しはそんな私にとって最高のつまみです。ただ非常にめんどうがかかる料理のようで、ひとりではなかなか注文しにくいんですよねぇ。今日のようにたまたま蒸し器がスタンバイされているなんてきっかけがあるとついたのんでしまいます。

Takahashi-iさんとふじもとさんも、それぞれ終電車に合わせて「それじゃ、また!」と席を立っていきます。

楽しく飲んで、気がつけばもう午前1時。最後まで残っていた3人で店を出ます。私のお勘定は3,100円。たっぷりと楽しい夜でした。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月25日(金)の記録》

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元・銀座のママさん!? … 酒亭「堀(ほり)」(横浜・新杉田)

会社の先輩たちと4人で飲み会です。「昔、銀座でママさんをやってた人がやってる店があるんだけど知ってる?」と先輩。そんな店があるんですか。ちっとも知りませんでした。「じゃ、そこに行ってみよう。言っとくけど今はもうばあさんだからな」と釘を刺す先輩。

「ほら。ここだよ」。えぇっ! ここ!?

この大通り沿いに2~3軒の酒場が並んでることは知ってたのです。でもなんとなくこの界隈に多いカラオケ主体の小料理店みたいで、今まであまり食指は動いてなかったのでした。店には「酒亭 堀」と書いてある。へぇ。酒亭だったんだ。

「こんばんは」と先頭に立って入口引き戸を開ける先輩。「あら、いらっしゃい」と声をかけてくれるこの人が女将(ママ)さんですね。うわぁっ。全然おばあさんじゃないじゃない!

ていうか、たしかに年齢はうんと上っぽいんだけど、(いい意味で)ちっともおばあさんらしくない。ニッコリと笑顔で迎えてくれる女将さんは、年上の女性に失礼な言い方かもしれないけど、かわいい。これは銀座時代には相当ブイブイ言わしてたんでしょうねぇ!

店内はL字型カウンター(左側が入口)のみと言っていいのかな。右手に小さいテーブル席があるんだけど、荷物置き場になっている様子で使っているようには見えない。そのカウンターはLの左側に3人。下の辺にも3人の6人も入ればもう満席。本当に小ぢんまりとしたお店です。

先客は男性ひとり客ひとり。カウンターの一番奥に座って静かにキープしているらしい角瓶の水割りを飲んでいます。われわれ4人も、カウンターの角をはさむように着席。おしぼりを渡してくれる女将さんに、まずはビールを注文します。「ビールはなんにしましょう。アサヒ、サッポロ、キリンがありますけど」と女将さん。奥の壁のメニューを見ると生ビールもあるようですが、ここはサッポロ黒ラベル(中ビン、600円)を2本ばかりいただくことにしました。

「はい、どうぞ」。ニコニコ顔の女将さんがみんなにビールをお酌してくれます。

お通し(たぶん400円)として出されたのは切り干し大根の煮物の小鉢。店は女将さんひとりで切り盛りしているようです。

「お腹がすいてるんだけど、なんかないかなぁ」と先輩。「今日はとんこつと、カキのクリーム煮があるけど…」とカウンターの中にならんだ鍋のふたをとってクルクルとかき回す女将さん。「じゃ、僕はカキ」。「こっちはとんこつをもらおうかな」と各自思い思いに注文。

カキのクリーム煮は、シチューっぽい感じで深い丸皿に入れられてスプーン付きで出されます。メニューにはない一品です。そしてとんこつ(850円だったかな?)のほうは、豚の角煮の大きな塊がどかんと入って、他にも大根やコンニャクなどが入った煮物。これはどうやらこの店の冬場の自慢の品のよう。ボリュームもたっぷりで、なにしろあったまります。

店内にはテレビもなければ、ラジオもない。ましてやカラオケなんて考えられない。こいつはいいなぁ。先輩の話では、奥にちょっとした座敷があってそこで小さい集まりならば開くことができるのだそうです。

さらに瓶ビールを追加。冷蔵庫はカウンターの外の、われわれが座っているすぐ横にある。「いいですよ。自分でとりますから」と冷蔵庫のビールを取りに行きます。やぁ、ほんとだ。各社の銘柄がそろっている。あれ? このビールはなにかな? 「富士山」なんて銘柄です。手に取ってみるとアサヒビール製。へぇ。こんなビールもあるんだ。これにしよっと。女将さんに2本のビールを手渡すと、女将さんがその瓶を布巾できれいに拭ったあと、栓をポンッと抜いてお酌してくれます。

角瓶をちびちびと飲っている奥のお客さんからおしんこ(400円)の注文が入ります。おしんこ、こっちもください。「いる人?」の問いかけに4人全員の手があがります。

ビールも残り少なくなり、今度は焼酎をボトルでもらうことにしました。焼酎は銘柄によって1,500~2,000円くらいのようです。われわれは「いいちこ」のボトルをもらって、ロックや水割りでいただきます。

もうちょっとなにか食べた~い、というわれわれの注文に、女将さんが厨房の中でニコニコと話をしながら、なにやら料理の支度を進めます。ジャァ~~ッと油で揚げる音のあと、出てきたのは… 何これ? 山芋に海苔(のり)を巻いて揚げたものに似た感じなんだけど、食感が全然違っててトロッとしてない。「これはねぇ、蓮根(れんこん)の海苔巻き揚げ」と女将さん。へぇ。蓮根をすったものだったんだ。珍しいし、うまいっ。

午後7時から9時半まで楽しく過ごして、4人で10,650円(ひとり2,700円弱)。

会社関係で飲みに行った場合、ここには書かないことも多いのですが、この界隈で久しぶりに出会ったテレビもカラオケもない普通の酒場がうれしくて、ついご紹介してしまいました。なんだか懐かしい感じの酒場です。近いうちにまた行ってみたいと思います。

店情報

《平成17(2005)年2月24日(木)の記録》

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店情報: 酒亭「堀(ほり)」(横浜・新杉田)

  • 店名: 酒亭・お食事処「堀」(ほり)
  • 電話: 045-772-2603
  • 住所: 235-0036 神奈川県横浜市磯子区中原2-1-5
  • 営業: 17:30-22:30、土日祝休
  • 場所: JR京浜東北線(根岸線)新杉田駅を山側(西口かな?)に出て、目の前の大通りにそって磯子(横浜)方面に徒歩約8分。左手。消防署の向かい側あたり。(湘南予備校の真向かい。)
  • メモ: ビール中ビン(キリン、アサヒ、サッポロ)600円。日本酒(剣菱)400円。とんこつ 850円、おしんこ 400円など。

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日曜は4時開店 … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

日曜日です。このところほぼ毎週「よじかわ(=4時に「川名」)」してるので、今日は河岸を変えてみようかな。今、午後5時過ぎ。「竹よし」だとつい本格的に飲んじゃうし、「ピュアー」は6時半開店だし。そうなるとやっぱり「秋元屋」かな。

トコトコと出発したところで携帯にメールが入ります。「寄り道師匠と秋元屋です」というメールはにっきーさんです。なんと。みなさんも「秋元屋」でしたか。即座に「了解!」の返事を返し、足を速めます。

店に着いたのは午後5時半。コの字カウンター(コの下側が入口)の下の辺に寄り道さん、にっきーさん、そしてなんとしんちゃんさんも一緒に飲んでるではありませんか。「こんちは、こんちは」とみんなにあいさつしながら、にっきーさんとしんちゃんさんの間に入れてもらいます。

おしぼりを渡してくれるよっちゃん(店を手伝っている女性)に、ホッピー(380円)と煮込み玉子入り(380円)を注文。「あいよっ」とよっちゃんが飲み物を出してくれます。じゃ、みんな、カンパ~イ!

「今日は「よじあき(=4時に秋元屋)」だったんですよ」と寄り道さん。そうそう。普段は午後5時開店の「秋元屋」なんですが、日曜日は午後4時に開店するのです。

しんちゃんさんは「よじかわ」してから、さらに2軒目としてここにいらっしゃったのだそうです。う~む。5時半で2軒目というのはいいペースですねぇ。「川名にはたっつんさんやまりみるさんたちがいましたよ」としんちゃんさん。そのたっつんさんは寄り道さんとは連絡が取れている様子。じゃ、まりみるさん夫婦にも連絡しようと「秋元屋にいます」のメールをしますが返事がありません。(後日談:この日まりみるさんは携帯を自宅に忘れてたのだそうです。残念!)

しんちゃんさんは「川名」でも3杯やっつけてきたのだそうですが、ここでもいいペースで飲ってます。さすがに強いですねぇ。

じゃ、私もナカ(250円)をおかわりして、焼き物はレバーとコブクロを塩でお願いします。(100円×2)

今日は店主が外まわりを担当されてて、焼き台の担当は三浦さん。三浦さんは「秋元屋」に弟子入りしてやきとんの修業中なのだそうです。営業中の焼き台はなかなか人にまかせることはできないものらしいのですが、それをまかせているということはもう修業も仕上げの時期なのかな。焼いている姿も堂々としています。

ワイワイと話しながら飲んでいると、「インターネット、いつも見てますよ」と声を掛けてくれる方もいらっしゃったりして、それもまた楽しい。なんだかネット上のバーチャル世界と実世界(リアル)との交差点のようなお店でもありますもんね。とはいえ、実世界の「秋元屋」の客層はうんと広くて、ネットなんてまるで関係ない地域のおじさんたちや家族連れ、グループ客などもたっぷりなのです。こうやって老若男女まんべんない客層に愛されることも、いい店であることの証のひとつのように思います。

向こうのお客さんからナンコツの注文が入ったついでに私もナンコツを塩焼きで(100円)、さらにはチレ(脾臓)とテッポウ(直腸)をこちらは味噌焼きでお願いし(100円×2)、さらにナカ(250円)もおかわりです。

この味噌焼きが「秋元屋」の大きな特徴のひとつ。チレやテッポウには最高に合います。以前はもうちょっと甘~い感じの味噌だったのですが、最近はピリッとドライになっていて、ハラミやカシラなどの肉系のタネにもよく合います。寄り道さんなんか、最近は味噌焼きしか注文しないのだそうです。

夕食前に軽く飲むつもりが、話も楽しく、気がつけばもう7時半。さぁ。日曜日だし、ぼちぼちと引き上げますか。どうもごちそうさま。私のお勘定は1,760円でした。

店を出て、野方駅から帰路につくしんちゃんさんと別れ、残った3人で「ピュアー」に引っかかりそうになりながらもかろうじて踏み止まりながら、都立家政への分岐点へ。「それじゃまた! 今週も仕事がんばろうね」と別れます。寄り道さんとにっきーさんはここから都立家政方面へと向かうのです。

おぉ、さぶっ。ひとりになると寒さも身に染みます。今週も楽しい土日だったなぁ。

(同じときの記事が「寄り道Blog」にもありますので、あわせてお楽しみください。また、「まりみるのおいしい生活日記」には同じ日の「川名」、「竹よし」の記事があります。)

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月20日(日)の記録》

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アードベッグ白ラベル … バー「赤坂グレース」(赤坂見附)

北島亭」を出て、友人とふたりで赤坂見附のレストラン・バー「赤坂グレース」へと向かいます。彼はここ「赤坂グレース」も20年以上の行きつけなのです。

「こんばんは」と店に入ったのは午後10時。土曜日ということもあってか、店内は他のお客さんはなし。まずは「ザ・マッカラン(The Macallan)」(ヴィンテージ[1964年])からスタートです。

今日も最後の最後はなにしろ「アードベッグ(Ardbeg)」でしめたい。しかし、このアイラのお酒はものすごく個性が強いので、最初にこれを飲んじゃうとほかのお酒が弱々しく感じてしまう。

逆に「ザ・マッカラン」は、シェリー樽の香りも華やかな、キラキラ輝くような味わいのウイスキー。一番最初にいただくのに向いているように思います。だからこのところ最初は「ザ・マッカラン」。そしてほかのお酒をいただいたりして、最後に「アードベッグ」にたどり着くという飲み方になってきているのでした。お寿司のときに白身魚から入って、じわりと大トロに向かっていくような感じかなぁ。

店主の久保村さんは今日もカウンターの中でいろんなお酒の話を聞かせてくれます。

2杯目はコニャック「ボルドリ(Borderies)」をいただきます。この店は、特に古い洋酒を中心に品ぞろえが豊富で、この「ボルドリ」も100年くらい前、明治33(1900)年ころに瓶詰めされたもののようです。いわゆるカスク(樽出しそのまま)の状態で、加水されていないこのお酒はブドウのこくがたっぷり。とても力強いブランデーなのです。

肴のほうは、厨房を担当しているカツ子さん(久保村マスターの奥様)が、鴨のスモークや野菜とソーセージのスープなどを出してくれます。洋酒の場合にもスープがつまみになるのがおもしろいですね。

さぁ、そしていよいよ「アードベッグ」です。アードベッグ(Ardbeg)というのはゲール語で「小さな岬」という意味なのだそうです。もともとピート(草炭)の香りが強いアイラ島のウイスキーの中でも、この「アードベッグ」はその度合いがもっとも強い。まさにヨードチンキ風とも言われる風味でいっぱいのお酒なのです。アードベッグ蒸留所は1815年に創業したのですが、その後浮き沈みを繰り返し、休業したりしていた。現在の「アードベッグ」はグレンモーレンジ社が買収した1997年以降のもので、黒いラベルの10年ものが市場で最もよく見かけるタイプです。(もちろん、買収した時点でそれより以前に貯蔵されている樽なども含めて買収してますので、現在でも1970年代の「アードベッグ」などを市場に出すことができるわけです。)

アードベッグ白ラベルここ「赤坂グレース」にも、その黒ラベルの「アードベッグ」はたくさん置いてあるのですが、このところ飲んでいるものはグレンモーレンジ社が買収する前の、白いラベルの「アードベッグ」なのです。これは市場にはほとんど出てないんじゃないかなぁ。

この白ラベルの「アードベッグ」を飲むと、普通の黒ラベルの「アードベッグ」がプレーンにさえ感じてしまうからおもしろい。とんがった感じは黒ラベルの方が強いのですが、深みがまったく違う。同じ蒸留所で同じように造ってるはずなんですが、なにかが微妙に違うんでしょうね。

「アードベッグ」のおかわりをお願いします。

そして最後にカツ子さんが出してくれた料理はカニ雑炊です。「北島亭」であんなにたくさんのフランス料理を堪能したというのに、カニ雑炊はカニ雑炊で、また美味しくいただけてしまうのが不思議なり。

約2時間の滞在で、ちょうど日付けが変わるころに店を後にしたのでした。

そうそう。「北島亭」も、ここ「赤坂グレース」も、宮下裕史さんの書かれた「職人で選ぶ45歳からのレストラン」に出ていることを、今日知りました。「北島亭」にこの本が置いてあって、それを見せてもらっていたら、なんと「赤坂グレース」も出ている。こっちのお店に来てからその話をしたら、この店にもちゃんとその本がありました。「赤坂グレース」はあまり本に出ることがない店なので貴重かも。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月19日(土)の記録》

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店情報: バー「赤坂グレース」(赤坂見附)

  • 店名: レストラン&バー「赤坂グレース」
  • 電話: 03-3402-2486
  • 住所: 107-0051 東京都港区元赤坂1-1-16 東京元赤坂ビル地階
  • 営業: 18:00-02:00(土は -24:00)、日祝休
  • 場所: 地下鉄赤坂見附駅の出口Cを出て、サントリー美術館の裏手にあるシェル石油の路地を入る。直進約30秒の右手地下1階。
  • メモ: チャージ(チャーム付き)1,050円。洋酒約5,000種類。ビーフステーキサンド5,250円~など。サービス料10%。
  • HTML版(2003年以前): (03.12.13)(03.11.22)(03.10.25)(03.07.05)(03.04.05)(03.02.15)(01.11.10)(01.07.21)(01.06.09)(01.03.03)(00.01.22)(97.11.30)

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トリュフのパイ包み焼き … フランス料理「北島亭(きたじまてい)」(四ツ谷)

故郷(いなか)から友人が上京し、久しぶりに向かったのは彼が20年以上行きつけにしているフランス料理の「北島亭」です。(「北島亭」自体は平成2(1990)年9月の開店なのですが、それ以前は北島シェフが居た「ドゥ・ロワンヌ」や「パンタグリュエール」に行っていたのだそうです。)

「バクダンだけ予約してあるからな。後はその場で選ぼう」という事前連絡が入っています。我われが「バクダン」と呼んでいるのは「トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」のこと。毎年これくらいの季節になると出てくる「北島亭」自慢の一品のひとつなのです。

友人の家族とともに4人でテーブルを囲み、まずはシャンパン(クリュッグ・グランキュベ)を飲みながらメニュー選びです。

「メインはエゾ鹿にしようか」なんて話になったのですが、残念ながらエゾ鹿は1人前くらいしか残っていないとのこと。それをもらうことにして、その他にメニューには2人前として載っている「仔羊の塩包み焼き」を3人前でお願いすることにしました。

魚も1品はいただきましょうか。「金目鯛の皮カリカリ焼き」がいいかな。

それじゃ、前菜。まずはいつものように「生ウニのコンソメゼリー寄せ」を4人分と、あとは「ホワイトアスパラとトリュフ」と「アカザエビとホワイトアスパラ」をそれぞれ1人前ずつといきましょう。

まずアミューズとして出てきたのは、小鉢にちょんもりと盛られたニンジンの細切りのサラダです。こういうスタートも珍しいですね。口の中がさっぱりとした感じになります。

追いかけるように出てきたのはひとりに1個ずつの生ガキ(カクテルソース)。ひゃぁ~っ。見るからにうまそぉ! カキの殻に唇をつけてつるりと口中へ。この冷たさ。ふくらむうまみ。カキ自身のもつ塩加減も抜群です。

そして「生ウニのコンソメゼリー寄せ」。「北島亭」と言えば…、と言われるほどの名物メニューがこの一品。ウニのやわらかさと、コンソメゼリーのやわらかさがほとんど同じ感じで、口の中でとろりと溶けていくのです。シャンパンも進みますなぁ。

続いては大きなホワイトアスパラが、まるで筏(いかだ)のように3本並んだ長方形皿がふたつ。ひとつは「ホワイトアスパラとトリュフ」で、もうひとつが「アカザエビとホワイトアスパラ」です。小皿に取り分けていただきます。これもまたこの季節ならではの食べもの。甘みの中に感じるほろっとした苦さが、まさに春の味わいですね。

さぁ。満を持しての登場はバクダン、「トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」です。これはひとりに一皿ずつ。お皿の上には、まるで大きなパンが1個コロンと置かれているような形で、できたて熱々のパイが1個。ナイフとフォークを手にもって、そのパイに思いっきり鼻を近づけ、パイのてっぺんにサクッとナイフを入れます。どかぁ~んとあふれるトリュフの香り。むおぉぉぉっ。こいつはすごいぞぉ。パイの中には1辺2センチくらいの立方体のトリュフがたぁ~っぷり。その立方体にまとわりつくようにフォアグラがとろり。フォアグラが主役で、トリュフが脇役って料理はよく見かけるのですが、この「トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」では主役の座がまるで逆転。あくまでも主役はトリュフなのです。

その立方体を1個フォークに刺して、パクンと口に放り込みます。トリュフのこのコリコリとした食感はどう表現したらいいのでしょう。生の栗とか、そんな感じかなぁ。弾力感はほとんどなくて、とにかく硬質なコリコリ感なのですが、硬くはない。噛むにつれ、トリュフのガスっぽくも感じる独特のいい香りが鼻の奥からどんどんあふれてきます。この香りは、ごくんと飲み込んでからも、お腹の中からうわぁ~っと盛り上がってきます。

このシーズンはとにかくトリュフが高くて、一番高いときはキロ25万円くらいしたのだそうです。今でも20万近い。そのトリュフが今回のパイ包みの中には50グラム入っているのだとか。仕入れた1キロがすべて使えたとしても、50グラムだとトリュフ分の材料代だけで1万円ですからね。ずっと前は80グラムくらい入っていたものが、年々ちょっとずつ減ってきて今はこれくらい。それでも1皿1万円以上、いやむしろ2万円に近いくらいの価格設定になってしまいます。

ちょうどトリュフを食べ終わったところでシャンパンもなくなり、次は赤ワイン、ボンヌマール[2000年](デュジャック)をいただきます。

料理のほうはメインに移り、「金目鯛の皮カリカリ焼き」です。先ほど厨房から「これを焼きます」と立派な金目鯛を見せに来てくれたのですが、その金目鯛が美しく焼きあがっています。ここは「肉を焼かせたら右に出るものはいない」と言われるくらい焼き肉で有名なお店なのですが、その技は焼き魚にもそのまま反映されていて、表面はカリッと、内部はトロッと、実に絶妙の焼き加減で焼きあがった魚は他では味わったことがないほどです。

「仔羊の塩包み焼き」の大きな肉の塊りとともに厨房から現れたのはなんと北島シェフその人です。これはまたものすごくきれいなピンク色ですねぇ。「これからこれを切り分けていきます」と説明してくれます。こうやって切る前の状態を見せてくれたということは、シェフも満足のいく仕上がり具合だったんですね。これはうれしい。

数分後には1皿のエゾ鹿と3皿の仔羊が出てきます。エゾ鹿の肉を一切れずつもらい、逆に他の3人から仔羊の肉を少しずつエゾ鹿のお皿に。これで全員が両方の肉を楽しめます。見た目もそうでしたが、食べてもやっぱりうまいですよね。さすが「北島亭」の焼き肉です。

これでちょうど大満腹状態。メニュー選びをするときは空腹状態で選ぶので、ついあれもこれもと注文しすぎて、途中でギブアップするくらいのこともあったのですが、最近はちょうど満腹になる分量がつかめてきたように思います。

我われは午後7時から食べ始めたのですが、午後9時を過ぎるころにはお客さんたちも帰りはじめて、店内は我われのグループだけ。厨房の中からシェフも出てきました。

そこで、もう一度シャンパン(クリュッグ・ヴィンテージ[1990年])をいただいて、シェフも一緒に飲み直しです。北島シェフは「レストランをやってて本当によかったと思う。毎日毎日テンションをあげて仕事にかからないといけないので大変なんだけど、自分でこれはと思って仕入れてきた材料の味がうまく引き出せたときは最高の気分になる」と語ってくれます。「いい家やいい車なんかはまったく欲しいとは思わないが、いい厨房といいスタッフは欲しい。やっぱり人ですよ」と北島シェフ。

シェフが料理のことやレストランのことを話すときには、目をキラキラと輝かせながら、まるで少年のように語ってくれます。本当に楽しくて楽しくて仕方がないといった思いがガンガンと伝わってきます。この思いが料理を通してお客さんにも伝わるんですね。だからいつも予約でいっぱいなんだろうと思います。

「これじゃ満足できないだろうと思うから、ついつい多めに出してしまう。お客さんから、多すぎて食べられないよと言われて、量を減らすこともあるんだけど、またすぐにもうちょっと、もうちょっとと多く出してしまうんですよねぇ」と笑うシェフ。愛情たっぷり、量もたっぷりが「北島亭」ですからね。

最後にデザートのシャーベットとエスプレッソをいただいて今回も大満足・大満腹で「北島亭」を終了します。どうもごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月19日(土)の記録》

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青梅街道の人気店 … やきとり「屯(とん)」(新高円寺)

新宿での仕事が終わり地下鉄丸ノ内線で新高円寺へ。以前、バスの中から見えて気になったやきとり「屯(とん)」に行ってみようと思っているのです。

私が知っている人気のもつ焼き屋はたいてい表通りからひとつ入ったような路地の中にある。たとえば「ホルモン」「秋元屋」「」「カッパ」「縄のれん」「たつや」「四文屋」などがそうですね。それに対してここ「屯」は青梅街道に面して店がある。こんな大通りに店があるのも珍しいですよねぇ。だからこそバスから見えるわけですが。(とはいえ、大通り沿いのもつ焼き屋がまったくないわけではなくて「山利喜」「埼玉屋」などは大通りに面してます。)

よいしょ、と気合いを込めて入口引き戸を開けて店内へ。今でも新しい店に入るときには気合いがいるのです。店内は右手が後ろに厨房スペースがある普通の直線カウンター、そして左手が壁に面した直線カウンターという、全体としてみれば内側に人が座るタイプの2列平行カウンターです。しかも、右手のカウンターも、左手のカウンターも奥行きは同じ。しかも、右手のカウンターも、厨房スペースとの間に大きなネタケースがど~んと乗っかっているので、目の前に壁があるのとほとんど同じ状態。つまりどっちかがメインカウンターで、どっちかがサブカウンターという造りでもないようなのです。

5時半近い時刻ですが店内に先客はなし。カウンターの内外にいる店員さん5人(男性4人、女性1人)から「いらっしゃいませ」の声がかかります。右手手前の焼き台の前に陣取るか、それとも少し奥まで進むかちょっと迷いながら取りあえず右のカウンター中央部まで進んで腰をおろします。焼き台のところにいるのが店主っぽいので、その近くには常連さんが座るんじゃないかなと思ったからです。だいたいカウンターの端々というのは決まったお客さんがつきやすい席なんですよね。

もつ焼き屋さんや大衆酒場などで座るときはコートなども脱がないで、せいぜい前のボタンをはずして座るくらいのほうがいいみたい。コート置き場なんてないことが多いし、そんな場所があったらひとりでも多くの酒好きが座れたほうがいいですもんね。

そうやってコートのボタンをはずしつつ、目はカウンターに立て掛けられたメニューを追います。「いらっしゃいませ」とお手拭きを持ってきてくれたおにいさんにホッピー(350円)ともつ煮込み(350円)をお願いします。(カッコ内の価格は税抜きで表記しています。店内のメニューには税抜きと税込みの両方の値段が表記されています。これ以降の価格表記も同じく税抜き価格です。)

すぐに出てきたホッピーは、荻窪の「やき屋」と同じスタイル。つまりサワーグラスに氷と焼酎が入って出てきて、それとは別に栓が抜かれたホッピーの瓶が出てきます。「やき屋」との違いは、こちら「屯」のホッピーにはレモンスライスが入っていることと、あとこちらにはマドラーがないことでしょうか。

焼酎の量も「やき屋」と同じで、グラスにたっぷりとホッピーを注いでも、瓶の3分の1くらいしか入らない。ホッピー通たちが言うところの「外1中3(そといち・なかさん)」、つまり瓶入りホッピー(ソト)1本で、焼酎(ナカ)が3杯いけるというペースなんですね。

「お通しです」と出てきたのは平皿に盛られたぶつ切りキャベツと小鉢入りのワカメです。「こちらに味噌がありますので」と目の前の壺をちょっとこちらに押して示してくれます。見ればカウンターの3人にひとつくらいの間隔でこの壺が並んでいる。ほほぉ。東松山あたりではやきとり屋に行くと「つける味噌ダレ」が置いてあるという話を聞いたことがありますが、これのことかな!? 実は横浜の焼き鳥屋にも「つける味噌ダレ」がある店が多いんですよね。

その味噌ダレをキャベツの横にたっぷりととって、キャベツ1枚を丸めてツンと味噌をつっついていっただきまぁ~す。おぉ。ちょっとピリ辛の味噌がうまい。

もつ煮込みも出てきました。深い丸皿に盛られた煮込みは大根やコンニャクも入ったミソ味のもの。「うわぁ~っ」とか、「どひゃぁ~っ」といった感じではないのですが、ごくごく普通にうまいというのがいいですね。まさに安心の味わいがもつ煮込みです。(ただし、まずい店にあたるととても食えたもんじゃないほどひどいつまみになるというところが内臓(もつ)系の恐いところでもあるんですけどね。)

ガラリと引き戸が開いて、ジャンパー姿の年配の男性ひとり客。お。やきとり屋さんらしくなってきたかな。なにしろひとりじゃねぇ。

店はそれほど広いわけではなくて、カウンターはそれぞれ8~9人ずつ、両側でも20人はいかないくらい。店の奥のほうがどうなってるのかはわからない状態ですが、もしかすると小上がりかなにかもあるのかなぁ。

追いかけるようにもうひとり。待ち合わせてきたのか、たまたま知り合いだったのか、先ほどの男性ひとり客に「よっ」とあいさつしてとなりに座ります。このふたりが座っているのはちょうど私の後ろ側。前、後ろの間隔がそれほど広くはないのでなんか変な感じですねぇ。

コロン。ホッピーの最後のひと口を飲み干すと、氷が手前に転がってコロンと音が出るのです。その音に、たまたま近くにいたおにいさんが「ナカ?」と聞きながらコップを取りにきてくれます。ついでに焼き物もお願いしましょうか。1本ずつでも大丈夫ですか。じゃ、「とん(カシラ)」、「れば(豚レバー)」、「こつ(豚軟骨)」を1本ずつ、塩でお願いします。こういう定番もののもつ焼きは1本100円です。

まず出てきたのはレバー。これはおもしろい。ひとつひとつのレバーの間に玉ねぎがひと切れずつはさんである。博多の焼き鳥はこういうスタイルなんですが、こちらではあまり見かけませんよねぇ。レバーの焼き加減がまたいいですねぇ。内部はトロッとした状態で仕上がっています。

次の皿はトン(カシラ)とコツです。この店では焼き鳥も焼きとんも両方とも扱っていて、鳥のほうにも、豚のほうにも軟骨があるため、鳥のほうをナンコツ、豚のほうをコツと呼び分けているんですね。これまた焼き具合がちょうどいいですねぇ。

数人いるおにいさんのひとりがフロア内を担当しているので、お酒のおかわりなどは非常にしやすい。ふっとそのおにいさんのほうを向いて「ナカください」と普通の声で注文するのでOKです。大規模チェーン店で「す・み・ま・せぇ~~ん!」なんて大声を出しても知らん顔をしてとおり過ぎて行ったりするのとくらべると雲泥の差ですね。こんなところが居心地のよさに直結します。

ナカが届いたところで、今度は鳥のほうをもらってみましょうか。「とりはつ(鶏の心臓)」と「つくね」、「ずり(砂肝)」を1本ずつ(各100円)。今度も塩でお願いします。

鶏ハツはもともと大好物なので言わずもがなのうまさ。ツクネは1串に3個刺さってるのですが、これがまた練り物好きにはたまらぬ仕上がりになっています。おもしろいのはズリで、形がそろった小ぶりのものが、まさにズラリと串にならんでいる。これもいい味ですねぇ。

当初の予定どおりホッピーはナカを2回おかわりするとちょうど瓶入りホッピーがなくなりました。

今日は初回でもあるし、このあたりで切り上げることにしましたが、メニューには他にも「水ぎょうざ」(250円)、「鳥もつ鍋」(500円)など、心ひかれる品がならんでいます。これらもまた食べに来たいですね。

この店はお勘定は自分の席でするスタイルを採っているようです。「どうもごちそうさま」と声をかけると、「ありがとうございました」と返事したおにいさんがカウンターの中でシャカシャカと計算をはじめ、そのレシートを席まで持ってきてくれます。「2,153円です」。

約1時間半の滞在。だんだんとお客さんが増えてくる店を後に自宅へと向かったのでした。

店情報

《平成17(2005)年2月15日(火)の記録》

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店情報: やきとり「屯(とん)」(新高円寺)

  • 店名: やきとり「屯」(とん)
  • 電話: 03-3313-1110
  • 住所: 166-0011 東京都杉並区梅里2-11-17
  • 営業: 17:00-24:00、年末年始などを除き無休
  • 場所: 丸の内線新高円寺から青梅街道に沿って南阿佐ヶ谷(荻窪)方向に徒歩3~5分程度、左手道路沿い。赤ちょうちんが目印。
  • メモ: 焼き鳥、もつ焼きはレバ、ハツ、タン、鳥レバ、鳥ハツ、ツクネなどの定番物が105円/本。アスパラベーコン巻き、トマトベーコン巻き、カキなどなどの創作串焼きも250~600円くらいで多種多様。ホッピー350円。

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カキ串焼き … 居酒屋「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

横浜での仕事を終えて、明日の都内での仕事に備えて鷺ノ宮駅に到着したのは午後9時半。久しぶりに「ほ里乃家」に寄っていきますか。

店内はJ字のカウンターのみで、Jの右上の位置が入口です。全体で12~3人は入るでしょうか。今日の先客は3名ほど。みなさんそれぞれ常連さんのひとり客同士らしくJの字で言うと右側の方にかたまって座っています。

私もぐ~んと店の奥に進み、ちょうどJの字でいうと真下のあたり、店の最深部に陣取ります。まずはビール(スーパードライ、大ビン、580円)からお願いします。声には出しませんが「はいどうぞ」といった感じで、最初の1杯をママさんがお酌してくれます。「どうもありがとうございます」。ググゥ~ッと飲み干すこの1杯のうまいこと。外はどんなに寒くても、やっぱり最初はビールですね。

今日のお通しは大豆の煮豆。さっぱりとした味付けで実にいいつまみです。これだとビールでも日本酒でも焼酎でも合いそうですねぇ。

さあて。つまみは何をいただこうかな。おもむろに店の奥の壁にずらりとならぶメニューの短冊をながめます。古くて茶色っぽく変色しているのは定番のメニューです。定番であることもわかりますが、ずぅ~っと値段も変わってないことを物語ってますね。そして白い新しい短冊に書き出されてるのは季節のメニュー。どれにするかなぁ。お。カキの串焼き(600円)発見。先日、横浜の「鳥佳」でいただいて美味しかったんですよね。今日はこれにしてみましょう。

カウンターの中は厨房になっていて、店主(マスター)がカキ串焼きの準備をはじめます。冷蔵庫から取り出された大きなカキをきれいに洗って、1個ずつていねいに串に刺していきます。なにしろカキの身が大きいので、1串に2個刺すと串からこぼれ落ちんばかり。2串1人前を焼き台で焼き始めます。

店にはひとり、またひとりと常連さんたちが入ってきます。みなさんけっこう遅い時間にやって来るんですね。それぞれおでんをもらったり、刺身をもらったりしながら飲み始めます。ひとり客で入ってくるものの、店内のお客さん同士はそれぞれ名前も知り合ってるし、冗談も言い合えるほどの間がらのようで、どんどんと店内は盛り上がっていきます。なんだか、学生時代の部活動の部室を思い出しますね。みんなそれぞれ学年もクラスも、大学時代にはさらに学科も違ったりするんだけど、放課後になると三々五々部室に集結してくる。地域密着の居酒屋もそれに近いところがありますよね。そういう話を肴がわりに聞くともなしに聞いているのもまた楽しい。

焼きガキはすぐにできるかと思いきや、じっくりと火を通しているようでけっこう時間がかかります。「おまたせしました」と出てきたカキは、下準備のときは串からあふれんばかりに大きかったのに、ギュッと縮んだ感じで、ちょうどいい大きさになっている。

お酒もお願いしますね。いつも「剣菱(けんびし)」(320円)を注文することが多いのですが、今日は辛口の「剣(つるぎ)」(320円)をお願いします。

それじゃ、いよいよカキをいただきますか。ど~れ。おぉ。これはしっかりとウェルダンで焼き上げられていて、芳ばしさ、身のしっかり感が実にいい。ここまで焼くととっても貝らしい感じと言ったらいいのでしょうか、干し貝柱とか、貝ヒモなんかにも似た歯ごたえとうまみの広がりが出てくるようです。燗酒とも合いますなぁ。

いかん。カキがうまいもんで、ついパクパクとあっという間に食べきってしまいました。向こうのお客さんから「ホウレン草おひたし」(300円)の注文が入ったついでに、私もホウレン草を注文します。

常連さんたちの楽しい会話の渦の中に身をまかせて、帰宅前の1時間強の居酒屋タイム。今日は2,020円でした。どうもごちそうさま。みなさんお先に。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月14日(月)の記録》

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遅れて“よじかわ” … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

昨夜の夕食会の二次会でのこと。またまた「じゃ、明日は“よじかわ(4時に「川名」)”ね」という話になります。酔った勢いとはいえ「よ~し」とそれに同調する人は7~8人。そんなに入れないよ、と心配してしまいます。

あけて日曜日の今日。息子のサッカーの試合を見に行ったり、家族での~んびりとテレビを見たりして過ごしながら、ふと気づくと、にっきーさんから「あれれ…。だれもいません」という「川名」店内からのメールが届いています。メールは4時過ぎ。今はもう5時が近い。その後の様子を確認してみたところ寄り道さんがいらっしゃってふたりで飲んでるとのこと。「それじゃ、私も向かいます」と自宅を出発します。きっといっぱいで入れないから、いつでも行ける私なんかは今日はやめとくか、なんて勝手に判断したのがよくなかったようです。やっとのことで「川名」に着いたのは5時半でした。

「いらっしゃいませ」とカウンターの中の店主に迎えられた店内は、この時刻になるとやや空きが出てきています。第一波のピークが過ぎ、7時ごろの第二波までの間のささやかな休息期間といったところでしょうか。

そんな中、B卓(みっつ並んだ4人用テーブルのまん中)には大の男がギュッと詰めあって3人。にっきーさん、寄り道さんの他に、新年早々の酔っ払いツアーにおつきあいいただいた熊さんも同じテーブルを囲んでいます。ありゃありゃお久しぶりです、なんて言いながら、ただでさえ狭い空間に割り込んでいきます。

今日はミィさん(女店員さん)はお休みらしく、サイさん(同じく女店員さんだけど、まだ日が浅くて、ミィさんほど日本語が上手ではないのです。)が注文を取りに来てくれます。いつものように生グレープフルーツサワー(336円)を注文し、それを用意してくれている間に今日のメニューの確認です。

「今日はマグロがすごかったんですよ。ものすごいトロが入ってましたから」と寄り道さん。「これで最後だからって、こんなトロをもらったんですよ」と見せてくれる熊さんのお皿には、真っ白く見えるほどのきれいなトロが2切れ。ひゃぁーっ、うまそぉ! これがあるから「よじかわ」じゃないとダメなんですよねぇ。早いものは開店後数分のうちに売り切れてしまう。そして今日のおすすめの品ほど早くなくなっていくのです。

それじゃ私はホッキ貝刺身(336円)をいただこうかな。生グレープフルーツサワーを持ってきてくれたサイさんにホッキ貝刺身を注文します。

「川名」の刺身は基本的に294円(280円+税)。ときどきこの枠内におさまらない刺身があるようで、そういうときに336円(320円+税)という値段がつくのです。これより高い刺身は見たことがない。つまり私が知ってる範囲では刺身は294円か、336円というふたつの価格帯しかないのです。ということは294円は「普通に仕入れることができました」、336円は「こいつは高かったんです」という店主の気持ちが表れているんじゃないでしょうか。実際、336円の品をたのんでみてはずれだったことはありません。

ほら来た、ホッキ貝。トンと置かれたホッキ貝の貝殻の上にたぁ~っぷりのきれいな刺身です。どうよ、このコリコリ感。そしてこの量。うまいなぁ。

身動きもできないほどの狭い空間ながらみんなと話をしているととても楽しくて、酔うにつれて狭さもあまり気にならなくなってきます。

生グレープフルーツサワー(336円)おかわり! それと、豚軟骨煮込み(231円)もお願いします。

豚軟骨煮込みは、もつ煮込みなんですが豚の軟骨(食道のところ?)も入っているのが特徴で、シロのクニュクニュ感と、ナンコツのコリコリ感とが合わせて楽しめる一品なのです。これも人気の品で、早い時間に来なければ売り切れてしまいます。だからみなさん早い時間帯にやってくるんですね。

熊さんもサワーをおかわり。おかみさんが「5杯目ですから、今日はここまでにしましょうね」とサワーを持ってきてくれます。なるほどちゃんと見てるんですねぇ。

そこへ店主が「これどうぞ」とマグロブツと水菜の和え物(サラダ風)を持ってきてくれます。「どうもありがとうございます」。狭い席に大の男4人がギュッと縮まって飲んでるのでサービスしてくれたのかなぁ。さらにはムール貝も出してくれます。やぁ、おいしい。

「こんばんは」とあいさつしながら入ってきたのは、荻窪在住で、「やき屋」の大常連さんでもある巨匠さんです。巨匠さんはカウンターの7番へ。

さぁ、じゃわれわれは巨匠さんと入れかわるように席を立ちますか。時刻は午後7時半。私はちょうど2時間の滞在でしたが、本当に「よじかわ」だったにっきーさんは3時間半の滞在。参加者が多いかと思って、最初に遠慮したのがよくなかったですね。どうもすみませんでした。>にっきーさん

私のお勘定は1,239円。今週もまた日曜日の「川名」を堪能して新しい週を迎えるのでした。

(同じときの記事が「寄り道Blog」にもありますので、あわせてお楽しみください。)

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月13日(日)の記録》

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二次会へ、三次会へ … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)

竹よし」での夕食会を終えて店を後にしたものの、今回も二次会への参加希望者が多くて「ピュアー」には入りきれそうもなく、鷺ノ宮駅方面に向かいます。「ピュアー」に入れない場合は界隈に他のお店がないのですが、鷺ノ宮駅方面であれば大手の居酒屋チェーン店も含めてなにかしらお店がありますもんね。

まずダメモトでのぞいたのは人気のバー「ペルル」です。土曜日10時過ぎの店内は当然のように満席。はじめて来られたメンバーに「ここがペルルですよ」というご紹介だけして、次に向かいます。

「満月」も当然のように満席。そのとき寄り道さんが「こっち、入れますよ」と案内してくれたのは「平丸家(ひらまるけ)」(03-3336-2313、中野区鷺宮4-3-20(地図)、月休)です。看板には「地酒・地鶏・豆富」とあり、店の肩書き(?)は「喰いどころBar」となっています。ここで、近所に住む酒友・にっきーさんとも合流して二次会を楽しみます。寄り道さんによると新潟の地酒(越乃寒梅、八海山など)で和風料理を楽しむというコンセプトのお店なのだそうです。

ちなみに、この時間帯、ふじもと奥さんは「竹よし」の後片づけを手伝われてました。どうもありがとうございます。>ふじもと奥さん

この「平丸家」で終電近い時間まで二次会。店を出ると店主の小杉さんが外まで見送ってくれました。ほとんど食べずに飲んでばっかりですみませんでした。

鷺ノ宮駅で電車で帰路につくまりみるさんご夫妻と別れ、地元民(?)たちは再び「満月」へ。今度はかろうじて右側のテーブル席側に入ることができました。

最後に残ったのはふじもとさん、hopperさん、Takahashi-iさん、にっきーさん、寄り道さんと私の6人。他の5人はさておいて、自宅が木場のTakahashi-iさんは大丈夫か! そんなことはだれも気にせず、思い思いにレモンサワーやホッピー、コーヒーサワー(これが意外とうまい!)などを注文して飲みはじめます。この時点ですでに11時台後半。まもなく日付けが変わります。

この店には寄り道さんも何度も来ているのに、いつ行っても「おにいさん、おもしろいねぇ。この店初めて?」と聞かれるのだそうです。今日も店主はすでにけっこう飲んでいます。「ん。覚えてるよ、もちろん」と今日は寄り道さんのことを覚えている様子。

「良かったですねぇ、“道草”さん。」「やっと覚えてもらえましたよね、“道草”っていう名前。」「さすが“道草”さんですねぇ」と、まわりのみんなは、せっかく店主が顔を覚えてくれたというのに、この機会になんとか間違った名前を店主の頭に刷り込んでしまおうと、近いんだけど違う名前で呼びかけ続けます。「やめてよぉ。せっかく顔を覚えてもらったのに…」と必死でさえぎる寄り道さん。(注: 実際にはハンドル名ではなくて、本名とそれに近い別の名前でこれをやってますからね(笑)。)

つまみのほうは砂肝炒めやコンビーフ炒めなど、目の前の大皿で目についたものを出してもらいます。

今日はママさんも適度に飲んでいるようで、店全体が楽しそう。「ペルル」の常連、Tgさんたちもすでにこちらの店に移動してこられています。「ペルル」は11時半までなので、その後は「満月」と大体コースも決まっているようなのです。

結局、午前2時半ごろまで「満月」で楽しんで、今日は6人で6,800円でした。

このあと、寄り道さん、Takahashi-iさん、hopperさんの3人は「松屋」で食事! その後、Takahashi-iさん、hopperさんは阿佐ヶ谷駅前まで歩いて解散。Takahashi-iさんはさらに中野駅まで歩き、間もなくやってきた始発の東西線に乗って木場まで帰られたのだそうです。

そして驚くべきことににっきーさん、ふじもとさんのおふたりは、さらに下井草の「GOTEN'S BAR」(03-3301-0221、杉並区井草1-29-3-B1(地図)、無休)で焼酎を飲んでから帰宅されたのだそうです!

すごいなぁ、みなさん。次回もまたよろしくお願いします。

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月12日(土)の記録》

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トロリと白子天 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

第40回目となる「竹よし」の夕食会のテーマは“鱈(たら)”です。先日、「寄り道オフ会」でこのお店に集結した後だけあって、参加者もTmさん、Ojさんらの大常連さんに混ざってまりみるさんご夫妻、ふじもとさんご夫妻、hopperさん、Takahashi-iさん、そして寄り道さんと、いわゆるネットピープルも多く、平均年齢がグンと若返っています。(今回は大常連の長老、Ssさんがいらっしゃってないからかも!?)

首折れタラ!?私が最初にこの店の夕食会に参加させていただいたときもテーマがタラだったのですが、そのときのタラは6.1キロの大物が1尾。今回は北海道産の2.5キロ級のものを数尾仕入れているようです。活け締めのタラは、いわゆる首折れ状態。新鮮さを保つために獲れたらすぐ首を折って血抜きをすることから「首折れ」というらしいのですが、本来は屋久島の「首折れサバ」に対して使う言葉ですね。でもこの首折れタラ(?)もすばらしい。

まずは生ビールをいただきながら、例によってママさんの手料理、今日はエビのお焼き風や、エビや野菜の生ハム巻きをつついてのスタートです。

この紫色は、もしかすると“もってのほか”? 「そうです。Ojさんのお土産なんですよ」と店主(マスター)。“もってのほか”は食用菊。食べてみたら思いのほか美味しかったので“もってのほか”というようになったとか、菊のご紋を食べるなんて“もってのほか”だからこう呼ばれるようになったとか、いろいろと説があるようですが、シャキシャキとした歯ごたえも楽しい一品です。そういえば前にいただいたときもOjさんのお土産でしたよね。いつもありがとうございます。

左が刺身、右が昆布じめさあ、出てきました。タラ尽くしの1品目は刺身です。二山に盛られた刺身は片方がそのまま(生タラ)、もう一方は昆布じめです。ん~。そのままのすっきり感もおいしいし、昆布じめのほんのりと旨みののった味わいもいいですねぇ。こうやってふたつをいっぺんに食べると味の違いがよくわかる。

これは日本酒かな。「今日は北海道の魚なんで、お酒のほうも北海道のものを用意してみました」と店主。その酒は旭川の「男山 きもと純米酒」です。いいお酒ですねぇ。

生白子追いかけるように出てきたのは生白子。こうやって生で食べられるのはよほど新鮮な場合だけですもんね。うれしい。紅葉おろしと刻みネギをのせて、ポン酢をまわしかけていただきます。ん~。溶ける溶ける。パァ~ッと広がった白子のうまみ(甘み)とネットリ感を、さっぱりとした「男山」がさぁ~っと洗い流して余韻をふくらませていきます。これはまた絶品ですな。

さらにもう1本、店主が用意してくれたお酒が「初孫(はつまご) 純米本辛口 魔斬」。こちらは山形のお酒で、“魔斬(まきり)”というのは酒田に伝わる、主に漁師などが使う切れ味鋭い小刀のことを言うのだそうです。魔を斬るという縁起物でもあるのだそうです。

白子などの天ぷらそして天ぷらの登場です。先ほど生でいただいた白子をメインに、季節もののそら豆の天ぷら、タラの芽の天ぷらが添えられています。

天ぷらでさっと火を通された白子のうまいこと! ネットリ感が生のときよりももっともっと強くなって、やわらか~いカマンベールチーズにも近いトロリ具合になっています。中までフワッとあったかいので、白子のもつ甘みもすばらしい! みなさんからも思わずおかわりの声が飛び交うほどの大人気。私ももちろんおかわりをいただきます。こいつはすごいなぁ。

白子の天ぷらもさることながら、添えられているそら豆の天ぷら、タラの芽の天ぷらも、考えてみれば私にとって今年の初もの。ほろりと苦いタラの芽に春の息吹を感じますねぇ。これももう塩をちょいとつけるだけで十分です。いや、むしろ塩だけでしっかり苦味を味わいたい。着実に春は近づいてます。

土鍋で炊いた牡蠣飯も登場します。土鍋で炊いただけあって、しっかりとおこげもできていて、カキの風味たっぷりです。

ワンカップ地酒ひとしきりお腹もふくらんだところで、お酒を飲んでの談笑タイムに入ります。ふじもとさんからは全国のワンカップ地酒の差し入れがあり、みんなでこれをひと口ずついただきます。こんな地酒が売ってるんですねぇ。ふじもとさんによると、新井薬師前の「味ノマチダヤ」で仕入れてきたのだそうです。

それぞれ180mlのカップ酒なのですが、南から順に「万齢 ひきやま 純米」(佐賀)、「南 特別純米」(高知)、「開春 純米 超辛口」(島根)、「黒牛 純米」(和歌山)、「長珍 特別純米」(愛知)、「正雪 純米」(静岡)、「早瀬浦 純米」(福島)、「乾坤一 純米」(宮城)、「羽陽一献 山廃特別純米」(山形)、「豊盃 特別純米」(青森)という10種類のラインナップ。ふじもとさんの話では「ひとつが300円前後なので、10個でも3千円くらい。1升瓶を1本買うのと同じくらいなんですよ」とのころ。でも、これだけの種類がいっぺんに楽しめるのがいいですよね。どれを飲んでもそれぞれに美味しいのがすばらしい。日本酒もいい時代になってますねぇ。どうもありがとうございます。>ふじもとさん

タラとマグロのにぎり寿司最後の締めはタラとマグロのにぎり寿司です。タラの白、マグロの赤が美しいコントラストで皿の上に並んでいます。タラもさることながら、このマグロの中トロ感がまたいいですねぇ。ズゥ~っとタラ尽くし(白身魚)できたあとに、こうやってマグロの中トロをいただくと、マグロの味をより感じることができておもしろい。

大常連Tmさんの締めのごあいさつで第40回の夕食会も終了です。

ここ「竹よし」は平成5(1993)年3月11日の創業なので、来月、第41回の夕食会(3月12日予定)は12周年記念夕食会ですね。楽しみです。

(同じときの記事が「まりみるのおいしい生活日記」にもありますので、あわせてお楽しみください。)

店情報 (前回)

《平成17(2005)年2月12日(土)の記録》

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シメは一口肉味噌そば … 台湾料理「台南担仔麺(たいなんたーみー)」(新宿)

今日はパソコン通信のメンバーで飲み会です。前にも書きましたとおり、ニフティのパソコン通信サービスも、この3月末をもって終了。書き込みができるのは2月末までなのです。

どういうわけだか私も含めて、台湾料理が好きなメンバーが多いので、今日集まったのも新宿の台湾屋台料理のお店「台南担仔麺(たいなんたーみー)」です。

店のホームページにあるサービス券を持参すれば、最初の1ドリンクは無料。私はまず生ビール(420円)を、そして他のメンバーも梅酒ロック(420円)、梅酒湯割り(420円)、杏露酒(シンルチュー)のソーダ割り(520円)をもらい、都合1,780円分がサービスとなりました。

そしてみなさんがそろう前から、台湾料理通のTさんがじっくりと選んでくれた最初の品々は“塩蜆(キャムラァ)” という料理名のシジミの醤油漬け(550円)、干し大根の台湾風玉子焼き(530円)、苦瓜と白子の黒豆炒め(900円)、台湾メンマと角煮(680円)の4品。

シジミは生のままを醤油漬けにしたもの。チュルンと吸い込んで噛みしめるとジワッとシジミのうまさが広がります。

干し大根の台湾風玉子焼きは“菜脯蛋(ツァイポーレン)” という料理。できたての温かさがとてもうれしい。なにしろ今日も寒い1日で、しかも店内の暖房もそれほど強くは効いていないので、あったかい料理が胃袋にしみわたります。

苦瓜と白子の黒豆炒めは“小魚苦瓜(シャウイークークワー)”、台湾メンマと角煮は“筍干(スンコァー)”です。こういうとろみのついた炒め物がまたうまいんですよね。台湾料理は中華料理なんだけど沖縄料理にも似ている。食べるとなんだか健康になりそうなのです。

話が盛り上がりながら注文した第2陣は“香豚足(パンティカァ)”- 豚足の柔らか煮(450円)、“什錦豆腐(シーチンドーフ)”-揚げ豆腐の五目炒め(850円)、“芙蓉蟹(フーヨーハイ)”-渡り蟹と玉子炒め(850円)の3品。

先ほどのシジミ同様、豚足は定番の安心感。ドイツ料理のアイスバインもいいのですが、こうやってとろみをつけて煮込まれた豚足も、骨のまわりのコラーゲンたっぷりの脂のところまでチュルリと入ってきて食べやすいのです。

そして殻付きのまま玉子と炒められた渡り蟹も、殻の中のカニの身をほじほじとつついて食べるとうまいこと。

ドリンクのほうは梅酒ロック(420円)、杏露酒ソーダ割り(520円)をそれぞれおかわり。体調があまりすぐれない(二日酔い)らしいEさんはあったかいウーロン茶(無料)に切り替え、私はウーロンハイ(360円)をいただきます。みんなが調子がよければ、紹興酒をボトルでもらっちゃうのが一番合うと思うのですが、今日は「パソコン通信がなくなってからどうするか」といったまじめなテーマも議論しないといけないので、アルコールは抑え目にしておきましょうね。

第3陣の“香腸(エンチァン)”-手作り腸詰め(630円)、“腰花(ヨウファ)”-豚マメ炒め(650円)、“炒米粉(ツァービーフン)”-焼ビーフン(800円)を注文したところで、遅れていらっしゃる予定だった1名も到着し、総勢5名に。彼は冷たいウーロン茶(280円)を注文します。あったかいウーロン茶は無料なのに、冷たいウーロン茶はソフトドリンクとして有料なのがおもしろい。ていうか、本当はこの1杯も「最初の1杯」としてサービスでもよかったのにね。申告するのを忘れてました。

そして最後はお腹を満たすためにおこげの“海鮮鍋巴(ハイシェンクオパー)”海鮮あんかけ(850円)1人前に、この店の店名にもなっている看板料理・担仔麺(ターミー、200円)に煮玉子(ロータン、たぶん80円)を入れてもらって5人前。担仔麺は小さい丼に盛られた一口肉味噌そば。最後の締めにちょうどいいのです。

以上、午後6時前から2時間半の滞在で、しめて10,720円。最初からいた4人が2,400円ずつ、最後に合流の1人が1,100円という割り勘にいたしました。

祝日だけあって小さいカウンター(6名分くらい?)とたくさんのテーブル席の店内はお客がいっぱい。テーブル席は次々に相席になり、さらに入口のところに並べられた数個の椅子には順番待ちのお客さんが並んでいるほどの人気店。このお客の数に対して店員さん(おそらくみなさん台湾出身の人)が少なく、サービス面では不満が残ったものの、味もよく、なによりゆっくりと長時間話をすることができたのがよかったです。

店を出てみるととなりの手羽先の唐揚屋「世界の山ちゃん」(西武新宿店)にも行列ができています。こっちも人気店のようですね。

店情報

《平成17(2005)年2月11日(金)の記録》

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店情報: 台湾料理「台南担仔麺(たいなんたーみー)」(新宿)

  • 店名: 台湾屋台料理「台南担仔麺(たいなんたーみー)」新宿店
  • 電話: 03-3232-8839 (FAX共)
  • 住所: 160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-45-1
  • 営業: 11:30-15:00、17:00-04:00、土日祝は中休みなし。無休
  • 場所: 西武新宿駅中央部の東側(コマ劇場側)。西武新宿駅の北口出口、南口出口のちょうど中間あたりの信号があるところからコマ劇場方面に入る。手羽先料理の「世界の山ちゃん」の2件となり。
  • メモ: 新宿に新宿店と職安通り店(03-3209-5488、新宿区歌舞伎町2-41-5)の2店がある(公式HP)ほか、都内には水道橋店(03-3263-4530、千代田区西神田2-1-13)、ドーム店(03-3262-4007、千代田区三崎町2-18-5)、「台南担仔麺大王」(03-3572-0944、中央区銀座8-5)に同名っぽい店があるが、経営者は数店舗ごとに違うとの情報もある。

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100万ドルの盛りあがり … バー「ピュアー(PURE)」(野方)

秋元屋」をあとにした、ponちゃん寄り道さん、やぶさん、そして私の4人はみつわ通り商店街を西に向かいます。目的の「ピュアー」に到着したのは0時40分。もうすっかり今日(午前さま)になっちゃってますね。

直線カウンター1本だけの店内は、一番奥に夫婦ふたり連れが、そしてその手前で飲んでるのは前にもお話させていただいた常連女性、Kちゃんです。「おぉ。こんばんは」なんてあいさつをしながら、Kちゃんをむりやり巻き込む形で着席。(酔っ払っていたとはいえ失礼いたしました。>Kちゃん)

ふじもとさんご夫妻は少し前までいらっしゃったらしいのですが、終電がなくなるので先ほどお店を出たのだそうです。こちらもごめんなさい。

さあて。本日の1杯目は横浜生まれのカクテル「ミリオンダラー(Million Dollar)」(730円)といきましょうか。みなさんそれぞれ好みのカクテルを、そしてponちゃんは例によってシェリーをいただいています。

「ミリオンダラー」は大正11(1922)年に横浜のホテルニューグランドで生まれました。横浜は日本のバーの発祥の地。その日本で最初のバーが横浜港近くの山下町(山下公園付近)にオープンしたのは実に万延元年(1860年)だと言いますから、まだ江戸時代のできごとなのです。それ以来、船員さん向けのバーを中心に横浜のバーは発展してきたんですね。今年で日本最初のバー発祥以来145年。ものすごい歴史です。

その間、横浜で生まれたカクテルも多くて、今飲んでいる「ミリオンダラー」の他に、「チェリーブロッサム(Cherry Blossom)」や「バンブー(Bamboo)」、さらにはその名も「ヨコハマ(Yokohama)」などが横浜から世界に飛び出したスタンダード・カクテルなのです。

さて「ミリオンダラー」。このカクテルはジンをベースに、特徴的なのはパイナップルジュースが入っているところ。甘くて飲みやすいカクテルですね。

そこへ、仕事を終えた秋元さん(「秋元屋」店主)も登場。いやいや。お仕事でお疲れのところ、わざわざご一緒していただいて申しわけありません。

本日の2杯目は「アプリコットブランデー(Apricot Brandy)」(520円)。アプリコット(あんず)の香りのある甘いリキュールですが、これがホットで出されます。このところ、仕上げにはホットカクテルをいただくのが定番化してますねぇ。あったかく、そして甘く、まるで温かいデザートをいただいているようです。

ponちゃんはブルーチーズを注文。「この前、横浜のバーでブルーチーズに蜂蜜が添えられてて、それもおいしかったんですよ」なんて話していると、すぐに店主(マスター)が蜂蜜を出してくれます。以前のポートワインのときもそうだったんですが、話題に上るとすぐにそのものが出てくるのがすばらしい。なんでもあるんですねぇ。ponちゃんのブルーチーズを横からちょいといただきます。そうそう、このチーズの酸っぱさと蜂蜜の甘さのバランス。これがまたいいんですよねぇ。

奥のご夫婦も「お先に」と帰り、気がつくともう2時過ぎ。まだまだ楽しさまっさかりではありますが、そろそろお開きにしましょうか。お勘定はひとりずつ別々で、私の分はお通し(310円)も合わせて1,560円でした。どうもごちそうさま。遅くまでありがとうございました。

お店の前で各方向に向かうメンバーと別れ、そして都立家政への分岐点で寄り道さんとも別れ、冷たい夜道を自宅へと向かったのでした。とても楽しかったあとだけに、静かさと冷たさが深々と身にしみる帰り道でした。

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《平成17(2005)年2月10日(木)の記録》

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バスで野方へ … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

寄り道さんとともに「ブリック」を出て、中野駅北口のバスターミナルから野方行きのバスに乗り込みます。ふじもとさんから「秋元屋に女神降臨!」という緊急メールと、「11時にピュアーで合流しましょう」というお誘いメールをいただいていたのです。

野方に着いたのは10時20分。満席かもしれないけどまずは「秋元屋」をのぞいてみましょうか。お。2人なら座れるじゃない。コの字カウンターの奥の辺にはふじもとさん夫婦が、そして手前の辺にはponちゃん(=女神)が飲んでいます。「こんばんは」と店主やふじもとさん夫婦、ponちゃんらにあいさつをして、われわれはコの字の縦の辺。ちょうど焼き台の前に陣取ります。

寄り道さんは例によってキンミヤ(280円)と炭酸(ニホンシトロン、110円)を注文。私は燗酒(菊正宗、280円)をいただきます。

つまみのほうはオッパイを塩焼きで2本(100円×2)お願いします。先日メニューに加わったばかりの串焼きのオッパイですが、今日もあいかわらずのきれいなピンクで味も抜群です。いい仕入れだし、いい焼き加減ですよねぇ!

ponちゃんと話をしていたお客さんが帰り、ponちゃんがこちらに移ってきてくれます。さっきまで話をしていたお客さんはずいぶん昔の知り合いで、久しぶりに会ったのだそうです。ponちゃんはここでもやっぱりシェリー酒。彼女とシェリーは切っても切れないペアですもんね。そして、女神と呼ばれるゆえんのとおり、今日もスパーンと明るくて、飛び抜けるほど楽しい!

ふじもとさん夫婦は「先にピュアーに向かってますね」と店を後にされます。

寄り道さんはキンミヤ(280円)を、私は菊正宗(280円)をそれぞれおかわりし、ponちゃんはシェリーをもう1杯。つまみには久しぶりにガツ酢(180円)をいただきます。やぶさん撮影の写真(ソフト加工済み)

さぁ。閉店時間も過ぎた(現在24時20分!)ので、そろそろ次(ピュアー)に向かいますか。どうもごちそうさま。お勘定は寄り道さんとふたりで1,610円(ひとり当たり800円強)。店内で知り合ったやぶさんも含めて4人で店を後にしたのでした。

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酎ハイへの対抗策!? … バー「ブリック(Brick)」(中野)

中野駅北口を出て「ブリック」についたのは午後9時ちょうど。祝日前夜の店内はお客さんでいっぱいです。「いらっしゃいませ。お2階へどうぞ」とニッコリ笑顔の店主から声がかかります。2階はまだゆったり目。さっそくカウンターのまん中付近に陣取ります。

「いらっしゃいませ。お久しぶりです」とあいさつしてくれたのは、以前、ボトルキープをしていた頃に1階入口側を担当されていたバーテンダーのおにいさんです。「あ。ごぶさたしてます」とあいさつしながら、お手拭きを受け取り、まずは生ビールの小(モルツ、400円)を注文します。横浜から1時間以上かかって移動してきましたからね。最初はやっぱりビールでしょう。お通しは炒った大豆。まずは生ビールをググゥ~ッと飲んで、大豆をポリポリとかじります。

そうかぁ。このおにいさんは、2階のチーフバーテンダーさんになってたんですねぇ。2階も1階と同じくバーテンダー2人で切り盛りしていて、奥側がチーフとしてフロア全体をとりしきり、手前の若いおにいさんが飲み物を担当します。

おつまみはオイルサーディン(500円)をいただきましょうか。たまぁに食べたくなるのが、このオイルサーディンとコンビーフです。オイルサーディンは缶詰めのものなのですが、上にちょいとパセリが飾ってあって、櫛切りにしたレモンが1切れ付いています。

それじゃいよいよウイスキーにいきますか。「トリハイ(200円)をお願いします」。

他のウイスキー(ホワイトや角など)が注文に応じてシングル(30ml)かダブル(60ml)で作られるのに対して、「トリハイ」は最初から1ジガー(45ml)分と決まっています。大き目のタンブラーに氷を入れて、メジャーカップで1ジガーのトリスを計量してタンブラーへ。そこへ炭酸を注いでクルクルっとステア。最後にピッとレモンピールしてできあがりです。

あぁ~っ。うまいっ。

サントリーのホームページ内にある「トリスバー探訪」のコーナーによると、ここ「ブリック」にはトリスを置いていない時期もあった。しかし酎ハイが居酒屋でブームになった昭和60(1985)年に、それに対抗するために『うまい!安い!』のトリスのハイボールを復活させたのだそうです。大き目のタンブラーも、最後に絞るレモンピールも、まさに酎ハイへの対抗策だったんですね。

「こんばんは」と2階に上がってきたのは寄り道さんです。横浜での仕事を終えて、こちらに向かっているときに携帯メールで「ブリックに向かいます」なんてメールのやりとりをしていたのでした。

寄り道さんは白角のハイボール(280円)でスタート。お通しには松の実が出されます。

ここはなにしろサントリー・チェーン・バーなので、サントリー系のお酒しかないかわりに、それらのお酒はとっても安く飲むことができるのです。あ。サントリー系というのは、けっしてサントリー製のウイスキーだけのことではありません。サントリーが取り扱っている、たとえばザ・マッカラン、ボウモア、グレンフィディック、バランタイン、アーリータイムズ、ジャックダニエル、カナディアンクラブなども置いてあるのです。普段は扱っていない(メニューにのっていない)品物も、ボトルキープをするのであれば仕入れてくれることもあるみたいで、バックバーにはそういうボトルも並んでいます。

おいしそうにハイボールを飲む寄り道さんは、すでに武蔵小杉の「文福」で一杯やって、ここが2軒目なのだそうです。「カレー風味の煮込みがおいしかったです」と語る寄り道さんは、そこですでにホッピーを3杯もやっつけてきたそうなのです。

その後、私はトリハイをおかわりし、寄り道さんも白角ハイボールを2杯おかわりして「ブリック」を終了。約1時間の滞在で、お勘定はふたりで2,910円(ひとり当たり1,500円弱)でした。

なお、2階席のお勘定は2階でレシートだけをもらって階段をおり、ちょうどその階段の下にあるレジのところで店長に支払います。「どうもありがとうございました」という店長の笑顔に見送られながら店をあとにしたのでした。

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