まるでミニオフ!? … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)
さぁ、金曜日だ。今週は大井町界隈にも行けたし、個人的に懸案になっていた再開後の「武蔵屋」にも行けたしで、酒場好きにとって充実した週でしたねぇ。今日はまた自宅近くにでも寄り道して帰りますか。どこに行こうかなぁ…、なんてことを考えながら電車に乗ったところへここっとさんからのメール。「今日は秋元屋へ行きますか?」 おぉ。なんとダイレクトなお店指定! しかし、たしかにもつ焼きもいいなぁ。水曜日のうなぎ串焼きから始まった今週の酒場めぐり。金曜日はもつ焼きでしめますか。「了解。9時半ごろに到着予定です」と返信。
山手線から西武新宿線に乗り換えて野方に着いたのは予定どおり午後9時半。金曜日の「秋元屋」は予想どおり人人人…。「こんばんは」と店に入ると、入口から一番見えやすい奥の席にここっとさんがいて手を振ってくれてます。となりにはなんとにっきーさん。今日はお仕事関係の方とごいっしょに来店されたのだそうです。「こんばんは!」と入口近くの席から声をかけてくれたのは金曜日の男・ふじもとさんと、そのとなりはhopperさんです。ふじともさんは金曜日だけでなく、よくいらっしゃってる常連さんなのですが、特に金曜日は絶対といっていいくらいいらっしゃってるので「金曜日の男」とも呼ばれているのでした。
ここっとさんもちょっと前に到着されたばかりでビール(サッポロラガー、大ビン、530円)を飲みはじめたところ。じゃ、私もまずはビールをお願いします。カンパ~イ。
つまみのほうはなにはさておきレバ生(300円)をいただいて、あとはここっとさんも大好きなポテトサラダ(280円)にしましょうね。「レバ生は?」と味つけを確認してくれるヨッちゃん(店を手伝っている女性)に「塩とゴマ油で」と返事。レバ生は生姜醤油で食べても、ニンニク醤油で食べてもうまいのですが、ここのところ塩とゴマ油で食べるのが一番好き。レバーのあまみをより感じることができるように思います。
ポテトサラダは例によって横長のお皿にたっぷりと。そしてパラパラっと胡椒がふられているところが特徴のひとつです。もつ焼き(やきとん)ももちろんうまいのですが、こういうポテトサラダやマカロニサラダなどなどのサイドメニューがさりげなくおいしいのも「秋元屋」の人気をささえてるんでしょうね。ほとんどの人たちがもつ焼きばかりでなくサイドメニューも必ず注文しているのでした。
焼き台に多少余裕が出てきたようで、店主が笑顔で「オッパイ焼きますか?」とたずねてくれます。お。こうやって銘柄指定で確認してくれるということは、きっといいモノが入ったんですね。ぜひお願いします。塩で2本。ここっとさんがとなりから「ニンニクも1本お願いします」。おぉ。そうであった。ここっとさんと言えばニンニクをはずせませんね。逆ドラキュラみたい。(笑)
飲み物のほうは、ここっとさんがビールを追加。私はトリハイ(280円)をいただきます。
トリハイはその名のとおりトリスのハイボール。最後にレモンピールをしているのがここの特徴ですが、これは中野の「ブリック」ゆずり。本来レモンピールというのはカクテルにレモンの香りをつけるために、カクテルグラスの斜め上で、グラスに向ってレモンの皮を折るように圧してプシュッと香りをとばすことなのだそうですが、「ブリック」や、それをならった「秋元屋」のものはレモンの皮をひねった後、グラスの内に落とすという、どっちかというとレモンツイストという方法に近いものです。ちなみに言葉自体のレモンピール(lemon peel)というのは「レモンの皮」という意味だそうです。今日のトリハイは、店のおにいさん(たっつんさん)が作ってくれます。
さぁ、オッパイの塩焼きができあがってきました。オッパイは日本畜産副産物協会の正式名称(?)としては「豚のチチカブ」。ピンクの色合いとプリッとした歯ごたえは他にくらべるものがありません。脂肪分が多いのか、管理がしっかりしていない店では臭みがあったりするのですが、「秋元屋」「ホルモン」「春」などの店で食べれば大丈夫です。絶品の味が楽しめます。オッパイを初めて食べたというここっとさんも気に入ってくれたようでひと安心。
ここらでにっきーさんとそのお連れの方は「ピュアー」に向かって出発です。後ほど合流しましょうね。
ふじもとさんやhopperさんも、トイレに行くついでなどにちょいとわれわれの席の近くに立ち寄ってくれて、ここっとさんともごあいさつ。ふじもとさんはすでに焼酎を7杯(ホッピー×5、キンミヤ炭酸×2)もいただいてるのだそうです。すごすぎっ!
そこへにっきーさんから「ピュアー、自分たちが入って満席です」という情報が入ります。「空いたら連絡してね」。
そこへ「こんばんは」と入ってきたのは、なんと青地さん。さすがに金曜日だけあって知り合いの数も多く、まるでミニオフ会のような盛り上がりです。「森下先生(森下賢一さん)が新しい本を出されたんですよ」と、新聞記事の写しを渡してくれる青地さん。新しい本のタイトルは「国を傾けた女たちの手くだ」。記事には「歴史の陰で国を騒がせた美女17人の悪女伝」という見出しがついています。エジプトのクレオパトラや、中国の則天武后、西太后。さらには池に酒を満たし、木には肉を吊るしたというまさに「酒池肉林」の生みの親・妲己など、世界歴代17人の悪女の知恵が詰まった1冊なのだそうです。
そうかぁ。森下賢一さんというと、私なぞ「銀座の酒場 銀座の飲り方」「いい酒と出会う本―大人の教養としての世界の酒&酒場案内
」などの酒場本をすぐに思い出してしまいますが、実はこういう読み物風の伝記物も手がけられていて、最近では「日本史 不肖の息子
」という、親の困惑をよそに酒色に浮き身をやつし破綻の人生を歩む子どもたちのエピソードを描いた本なども出されているのです。
そこへにっきーさんから「ピュアー、空きましたよ」という連絡が入ります。それじゃ、「ピュアー」に向かいますか。どうもごちそうさま。11時まで1時間半の滞在で、今日はふたりで2,770円でした。
(同じときの記事が「帰り道は、匍匐ぜんしん!」にもありますので、あわせてお楽しみください。)
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コメント
森下先生の伝記モノは、「不肖の息子」とか「傾国の美女」とか、歴史上のまっとうな英雄・偉人でない人物を扱った作品が多いですね。そういえば、先生は酒場でもちょっとクセのある個性的な酒飲みを面白がられるようです。御本人は極めて紳士的で温厚な方なのですが。
当日は、ここっとさんにも初めてお会いできました。若い女性が、オヤジ酒場に単独突入される勇気に敬服するばかりです。
投稿: 青地 | 2005.05.01 20:33
先日もどうもありがとうございました。>青地さん
森下さんの著書をずらりと並べてみると、いわゆる「酒場本」はそれほど多くないことに気がつきました。翻訳物や伝記物が多いんですね。
ここっとさんも、女性一人で行くともれなくついてくる「隣の女、ひとりだよ」という言葉にも負けず「しとりで飲み歩き」を楽しんでおられるようです。本当に楽しい方ですよねぇ。(^^)
投稿: 浜田信郎 | 2005.05.02 09:19
浜田様
先日は楽しいお時間ありがととうございましたm(__)m
>>青地様
きちんとご挨拶できずに申し訳ありませんでした。
>>「酒池肉林」の生みの親・妲己
「仙界伝封神演義」!?で妲己を見た覚えがあります。
昔からのおとぎ話・伝説、大好きです。
森下先生の本は読んだ事がありませんが、今度一度読んでみます(*^_^*)
投稿: ここっと | 2005.05.02 10:32
浜田さん、ここっとさん、コメントをありがとうございます。
それにしても、この『居酒屋礼賛』HPのおかげで、ここに登場する
方々は旧知のような気がしてしまいます。先日も木場の「河本」でTakahashi-iさんと、まりみるさん御夫妻に初めてお会いしましたが、初対面という感じがしませんでした。居酒屋マニアの連帯感?
投稿: 青地 | 2005.05.02 10:51