湯豆腐・ハム・ピー … 立ち飲み「富士屋本店(ふじやほんてん)」(渋谷)
久しぶりの渋谷。このところ「寄り道Blog」や「帰り道は、匍匐ぜんしん!」などのサイトでよく取り上げられていることもあって、ここにも行ってみたい、あそこにも行ってみたいというお店が多いエリアです。しかしながら実際に渋谷の地にやってきてみると、かねてからのお気に入り、立ち飲みの「富士屋本店」につい足が向いてしまうのでした。
なんでもないようなビルの入口から地下へと続く階段をトントントンと降りると、左手にド~ンと広がる大きな立ち飲みワールド。殺風景な階段まわりとは打って変わったにぎやかな光景に、いつものことながら驚かされます。
現在、時刻は5時半過ぎ。まだまだ早めの時間帯なので店内もゆったりです。
ロの字型に店内フロアをぐるりと取り囲む立ち飲みカウンターの右側手前、ちょうどテレビが見やすいあたりに陣取って、小瓶のビール(サッポロ黒ラベル、280円)と湯豆腐(200円)からスタートです。
この店も立ち飲みではよく見かけるキャッシュ・オン・デリバリー(品物が出たとき払い)のスタイルをとっています。今日も2千円以内を目安に飲もうかな。財布から千円札を2枚取り出して目の前に置きます。「湯豆腐、お待たせしました。ビールと両方で480円いただきます」と若い店員さんが千円札を1枚取り、おつりの520円をカウンター上に置いてくれます。その都度支払ってもいいのですが、こうやってあらかじめカウンター上にお金を置いておくと、店員さんの側で必要額を持っていってくれるのでした。
クゥ~ッと1杯目のビールをひと息に飲み干して、ここの人気の品のひとつ湯豆腐に箸をのばします。湯豆腐は薄味の出汁(だし)で煮込まれたタイプで、お椀で登場します。この味のバランスがいいんですよねぇ。
小瓶のビールはコップに3杯程度の量。すぐに飲みきって日本酒に移ります。ここの日本酒は特に指定しなければ埼玉の「寒梅(かんばい)」(280円)が出てきます。燗でも冷でもOKですが、ここはやっぱり燗酒でいただきましょうか。肴が湯豆腐ですもんね。そのほかの日本酒として、「一の蔵(いちのくら)」(400円)などもあります。
湯豆腐も残り少なくなってきましたので次のつまみをたのんでおきますか。次にたのむものは実は決まっているのです。以前「寄り道Blog」で読んで、気になって気になって仕方がなかった品。それは「ハムキャ別」(メニューの記載どおり、300円)です。“キャ別”というのは、もちろん“キャベツ”のことですね。「はい。ハムひとつぅ~っ!」。注文を受けてくれたおにいさんがカウンター内の厨房に注文を通します。
厨房のところでは、おねえさんが楕円形の大きなお皿を用意し、まずはたっぷりと千切りのキャベツを盛っていきます。その上に斜め格子状にマヨネーズをかける。そこへ大きな袋にいっぱい入っているハムを、これまたたっぷりと乗せていって完成。「お待たせしました。300円いただきま~す」と目の前に出てきます。それじゃお酒(280円)もおかわりね。
最初はハムをちびちびといってたんだけどなかなか減らない。途中からはハムで千切りキャベツを巻いて、大きな口をあけてモシャモシャ、モシャモシャ食べながらお酒をチビリチビリ。今が実にそうですが、お腹がすいてるときにはちょうどいいつまみですねぇ。
あ。しまった。一所懸命ハムキャベツを食べてたら、お酒を飲むのが後回しになってた。1合入りのガラス瓶にまだ3分の1くらい残っています。お酒だけ飲むというのもなんだから、ちょっとしたつまみをたのみますか。150円ものくらいの手軽なところで、なにかないかなぁ。お。ピーナッツが150円か。じゃ、最後は軽くこれで締めましょうか。
「は~い。ピーナッツね」と返事した女将さん。まずはシチューなんかが入るような深い丸皿がデンと出されます。しかるのちに取り出したのは、市販の袋入りのバターピーナッツ。しかもこれはかなり大きめの袋ですよ! ピィ~ッとその袋を破り、目の前の丸皿にジャラジャラジャラ…っと、な~んとぜ~んぶ入れちゃったのでした。「はい。150円いただきます」。目の前に置いた小銭の中から150円を取っていく女将さん。うそでしょう。袋入りバターピー全部で150円ってコンビニで買うのとおんなじか、下手するとそれよりも安いかも…。
お酒をチビッと飲んでは、ポリポリ、ポリポリとピーナッツをかじるものの、食べても食べてもなくならない。あぁ~あ。お酒がなくなっちゃった。ん~と。すみません。黒ビール(300円)ください。
「は~い」と出てきたのは、なんとエビス黒生! やったぁ。このビール大好き。出始めのころ、横浜の寮の冷蔵庫にいっぱいになるくらいエビス黒生を買い込んで夜な夜な飲んでいたものでした。懐かしいなぁ。あぁ、うまいっ。ピーナッツを食べるのを忘れて飲んじゃいそう。いかんいかん。ピーナッツもね。ポリポリ、ゴクゴク。
最後にちょうどよく飲み物も食べ物も終わらせるというのがなかなかむずかしいんですねぇ。無意識に飲み食いしてると、たいていどっちかが余っちゃう。今日みたいに(自分では)すごく計画的に飲んでても、もくろみが狂ってフィニッシュが決まらなかったりするんですよねぇ。こんなにたっぷりのピーナッツが150円とは思わないもの。鼻血が出ちゃうかも…。
よーし。最後のピーナッツをいただいて、これまた最後となるコップ3分の1くらいのビールをグイッと飲み干して終了!! いやぁ~っ、長い道のりでした。(笑)
今日はつまみを3品もらったんだけど、湯豆腐(200円)、ハム(300円)、そして最後のピーナッツ(150円)で、合わせて650円ですからねぇ。下手な居酒屋の1品分以下の値段ですもん。
「どうもごちそうさま」。1時間半、1,790円の立ち飲みタイム。カウンター上の釣銭をポケットにいれ、カウンター下の荷物棚のカバンを取り出してカウンターを離れます。「ありがとうございました!」という元気な声に送られながら気分よく階段を上がると外はとってもにぎやか。あぁ、そうだった。渋谷で飲んでたんでしたねぇ。そんなことをまるで忘れてしまうような地下空間なのでした。
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コメント
浜田さん、こんにちは。
一時間半も立ち飲み、お疲れ様でしたm(__)m
ピーナッツ、150円は初めて知りました!
今度、頼みます~。
150円なら自分で持ち歩かなくても平気そうです(笑)
投稿: ここっと | 2005.04.12 09:26
コメントありがとうございます。>ここっとさん
> 150円なら自分で持ち歩かなくても平気そうです(笑)
ここっとさんはいつも小さいおつまみを持ち歩いてますもんね。ぷぷっ。(^m^) (←ここっとさんのブログ風)
投稿: 浜田信郎 | 2005.04.12 12:50