dancyuに登場 … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)
月曜日。都内での仕事を終えて荻窪(おぎくぼ)駅に着いたのは午後6時過ぎ。こんな早い時間なら余裕かと思いきや、「やき屋」はすでにお客さんであふれかえるほど満席です。しえぇ~っ、すごいなぁ。サブカウンター側が3人しか立ってないので、キュッとつめてもらえばもうひとりいけるかな、なんて算段をめぐらせていると、奥のテーブル席で手をあげてくれる人の姿が。阿佐ヶ谷「川名」の常連さんです。自分の横の席を指差しながら空いてることを示してくれます。
これはこれは。こんな大混雑の中、久しぶりにゆったりと座って楽しみますか。
ここ「やき屋」は、もともとは普通に座って飲む居酒屋だったものを女将さん夫婦が居抜きの状態で今の立ち飲み屋にしたらしいのです。したがって、立ち飲みカウンターにしてもはじめから立ち飲み用に造られた店と比べると低くて、ちょうど腰くらいの位置にある。そして、この奥のテーブル席は昔使われていたままに、ここだけが座り飲み席になっているのです。普通は6人がけですが、短い辺にも詰め込めば8人くらいは座れます。その短い辺の位置、いわゆるお誕生日シートの場所に陣取ります。
ちょうどこのテーブルのお客さんが注文した品物を持ってきてくれた女将さんが「ホッピー?」と聞いてくれて「はい」と返事するだけで注文終了。1品目のつまみはイカ塩辛をもらうことにしました。ホッピーは300円。つまみはほぼ全品150円なのですが、となりの「川名」の常連さんがつっついているシメサバだけが200円です。
今までほとんどマスコミに登場していない「やき屋」。かろうじてヒントっぽい情報が出たのが吉田類さんの「東京立ち飲みクローリング」や「酒場歳時記
」で、その後、かなつ久美さんのマンガ「ビバ・オヤジ酒場
」に載ったくらいかな。そんな「やき屋」が、なんと今月号の「dancyu
(ダンチュウ)」(2005年6月・立ち飲み特集号)で紹介されちゃったのです。
その記事によると、この店のイカは毎日オーナーの出身地である八戸から直送されてくるのだそうです。八戸産であることは以前、この店の大常連さんである巨匠さんからもコメントをいただきましたよね。こうやって送られてきたイカを毎日30パイ、店長(げんさん)がさばくのだそうです。記事に書かれてるオーナーって、女将さんのことなのかなぁ。それとも、それとは別にオーナーがいるのでしょうか。
これまでいただいたコメントや、常連さんたちのお話から、荻窪「やき屋」の女将さんと、中野「やきや」の店主が夫婦。中野「やきや」の店主の弟さんが荻窪「やき屋」の店長・げんさんだろうというのが我われの認識なのですが、どうなんでしょうね。そのあたりは記事にも出てません。中野の「やきや」と姉妹店であるとは書かれてるんですけどね。
そして、今食べているこの自家製塩辛については「イカのワタに塩を加え、生のイカを一晩漬けたもの。塩加減もほどほどで、イカの刺身のようなフレッシュさがいい」と紹介されています。
ナカ(ホッピーの焼酎おかわり、150円)をもらって、つまみにはイカしょうが棒(150円)を注文しておきます。イカしょうが棒は、イカの身がはいった練り物(棒天)で、串に刺したものを温めてくれるのです。中までじっくり火を通すので、少し早めにたのんでおくといいのです。私も塩辛がまだなくならない今のうちに注文しておいたのでした。
右どなりの「川名」の常連さんによると、少し前まで他の「川名」の常連さんたちも大勢いらしたらしいのです。なにしろ月曜日は「川名」が定休日なので、普段「川名」にたむろしている常連さんたちも大挙してここ「やき屋」にやってくるんですよねぇ。「やき屋」や「川名」は、本当に定休日以外毎日通うお客さんが多い名店です。野方の「秋元屋」もそれに近い状況のようです。「2千円を超えると、毎日は飲めないよね」とその常連さん。たしかに。「やき屋」や「川名」は千円そこそこで十分飲み食いできますもんね。
イカ棒(イカしょうが棒の略称)も出てきました。横に添えられているおろし生姜に醤油をかけて、その生姜醤油をつけながら食べるのがおいしいんです。
さらにもう一品。今度は刻み穴子(150円)を注文します。「やき屋」はイカのつまみで有名ですが、実はイカ以外にもウナギ肝焼きやもつ煮込み、串刺フランク、味噌キュウリ、お新香、冷奴などのつまみがあって、それぞれ人気の品なのです。そういえば、メニューには20種類くらいのつまみが載ってるのですが、ひとつとして人気のない品物は見かけないですねぇ。どれもバランスよく出ているようなのです。150円という低価格ながら、全部うまいからなぁ。
刻み穴子も食べ終わったところで、今日は終了。相変わらず満席状態の店内を、入口のレジへと向かいます。「945円(900円+税)です」と女将さん。支払いをしながら、「dancyuに出てましたねぇ。ビックリしました」という話をすると、女将さんも「私もビックリしました。はじめてのことなのでどうなりますかねぇ」と笑いながら「ありがとうございました」と見送ってくれました。今日は約1時間の滞在でした。
「dancyu」は毎月6日発売。6月号は三日前に発売されたばかりなので、今はまだ影響が出てないんでしょうが、このあとどうなるかがまさに楽しみでもありますねぇ。
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フランク串が焼きあがったタイミングでトリハイ(280円)をいただきます。
コーヒー割りは、ウーロン割り(ウーロンハイ)や緑茶割りのお茶のかわりにコーヒーを入れたもの。もちろんコーヒーはいわゆるブラックコーヒーの状態(ミルクも砂糖もいれない状態)のもので割るんですが、これが口に含むとコーヒーのいい香りがふくらんで、しかもフワッと甘みも感じるんですよねぇ。意外とはまる一品なのです。
店主(マスター)が新たなメニューを書いて、カウンターの正面の壁に張り出します。「肝酒(ウマヅラの肝)」(600円)。お。そんなのあるんですか。いいですねぇ。じゃ、私はそれをください。「お酒は一ノ蔵でいきましょうね」とお酒を温めはじめます。それとは別にウマヅラの肝が入った小皿が目の前に。ほぉ。この白っぽいピンクが魚の肝ですねぇ。ちょっとこれだけをまずつまみにいただきましょうか。トロリとした肝を箸でやわらかくつかみ、醤油をちょいちょいとつけていただきます。くぅ。とろけますなぁ。これはうまいや。
一ノ蔵の熱燗もできてきました。ちょっと大きめのガラスの猪口(ちょこ)にウマヅラの肝を少し入れて、熱燗を注ぎ込みます。肝のアブラ分がさっとお酒の表面に広がり、熱の加わった肝はくずれるくらいにやわらかくなります。ど~れどれ。まずひと口。うっまぁーっ。はい。みんなもどうぞ。カウンターのみなさんにお猪口を回し飲みです。
ちなみに、今日のメニューでは単品の刺身はマグロ中トロ(900円)、カンパチ(800円)、ホウボウ(600円)、タイ(600円)、アジ(刺身、ナメロウ)(600円)、生クジラ(刺身、ユッケ)(850円)、ウマヅラ(800円)、平貝(700円)がならんでいます。刺身盛り合わせはこれらの中から店主におまかせの5品盛りになるのです。今日は生クジラ、タイ、中トロ、ホウボウ、カンパチの5品です。もう見るからに美味しそうですよねぇ。
私はカウンター上のママさんの大皿料理から、身欠きにしん(ミガキニシン)と竹の子の煮物をいただこうかな。ニシンは焼き魚で食べてもおいしいけど、こうやって身欠きニシンとして乾かしたものを煮たのもいいなぁ。
いくつかの刺身メニューの中から、今日、私が選んだのは「カメの手」! 知ってますか、「カメの手」。磯の岩場にくっついてるフジツボ系の貝で、その形がまさに亀の手に似ていることから「カメの手」と呼ばれているものです。
お皿にたっぷり盛られた「カメの手」(336円)が出てきます。横には醤油皿。「カメの手」は上部が硬い爪の部分。下部がやわらかい柄の部分になっていて、この柄のところの皮をとると、中からきれいなピンクの身が出てくるのです。これにワサビ醤油をちょいとつけていただきます。身はちょっとしかないんだけど、プリッとしっかりしていて、なかなかいいつまみになりますねぇ。
さてつまみ。寄り道さんは「厚焼玉子」(600円)を注文。そう。たっぷりと飲んだ後の、最後の温ったかい玉子焼きが胃に染みこむようにおいしいんですよねぇ。できたての玉子焼きを出してくれる酒場、大好きです。
この店は牛タンが有名だったんだけど、BSE騒ぎ以降メニューからなくなっていたらしいのです。牛タン焼きやゆでタンがうまかったんですけどねぇ。メニューにもない。「今日のメニューのほうにありますよ」と寄り道さんが教えてくれます。え? と振り返ってみると、入口の扉に貼られた「本日のおすすめ」というメニューの一番上に誇らしげに「牛タン焼き」(650円)の文字が。やったぁ。じゃ、それひとつお願いします。
まずはイギリスとオーストラリアとが合同で出している「The Pub」というコーナーでオーストラリアのビール、ビクトリア・ビター(500円)を購入。それを飲みながらオーストラリア料理のコーナーへ。ラムチョップ(350円)とカンガルーソテー(200円)を買ってつまみます。
伊東さんから「スカンジナビアコーナーのサーモンがおいしいですよ」と教えてもらい、さっそくパックにいっぱい入ったスモークサーモン(500円)を購入。ついでにアクアビット(1ショット、100円)ももらいます。
「最初はビールね」とビール(横浜らしくキリンラガー)を出してもらい、料理のスタートです。まずは前菜のお酒で漬け込んだ地鶏の料理が出されます。
ブッと料理を載せた小さいエレベーターの到着する音がして、店主も2階から降りてきます。2品目は牛テールと冬瓜(とうがん)のスープです。脂がギトギトと浮いてるほど濃厚なスープなんだけど、冬瓜のおかげでなんだかサッパリといただけます。お。鶏の足の部分も入ってる。これもうまいなぁ。
3品目は青菜の炒め物。これは空芯菜(くうしんさい)というまるでストローのように芯の部分が抜けた野菜なんだそうです。壁のメニューで「炒空心菜(クウシンサイイタメ)」(800円)と書かれているのがきっとこの料理ですね。
続いて出てきたのは…。なにこれ? 上にポコポコと目玉焼きが乗っかったようなひき肉の料理。目玉焼きは塩漬けされたアヒルの玉子なのだそうです。黄身がものすごく濃厚で、オレンジ色っぽい。
そして、この店の人気料理、中華肉まん(1個210円)です。これは昔ながらの手作りで作っているのだそうで、この肉まんだけをお土産で買っていく人も多いのだそうです。サイズも大きい!
6品目は魚料理。スズキの揚げた上に切り干しダイコンのあんをかけたもの。中華風に調理した魚もうまいなぁ。最初に魚を揚げているからか、身のホンワリ感が十分残っていてとってもジューシーです。
そして本日のメインディッシュ、海鮮鍋が7品目。エビやイカ、貝や野菜がたっぷりと入ってスープもうまい。8品目もトコブシの荳[豆支]蒸しと魚介類が続きます。しかしこれはまた紹興酒も進みますねぇ。
午後5時から9時までの4時間。おおいに飲んで食べて話をして笑って。楽しい時間はあっという間に過ぎて、お勘定は飲み物は自己申告制。「ビールが何本だっけ? 紹興酒は?」と自分たちが持ってきた本数を確認して老店主に告げます。本日のお勘定は10人で39,500円。ひとりあたま4千円弱という信じられないような低価格で本格広東料理を楽しむことができたのでした。さすが伊東さん、そしてさすが横浜中華街ですねぇ!
私もバスペールエールを片手に、かろうじて空いていた一番奥の座り飲み席へ。この席はすぐ横がバス社のマークが入った鏡になっていて、ちょっとこじゃれた雰囲気です。テーブルの上に「禁煙」のマークが大きく張られているのがちょっと興ざめですけどね。こちら側の奥がずらりと禁煙席になっているようです。
このバラ身ポンズ合えもあらかじめ用意されているらしく、すぐに出てきました。なぁるほど。バラ身というのはウナギの骨ぎわの身みたいですね。小鉢の中には細長い身がた~くさん入っていて、上に紅葉おろしと刻みネギがのっかっています。グリグリっとかき回して、全体を均等な味にしておいていただきま~す。うん。いいねぇ、これも。もともと「
「はい。たぬき豆腐のお客さま。お待たせしました」と出てきたのは丼鉢。えぇっ。これがたぬき豆腐。心の中ではすっかり「佐原屋」の湯豆腐イメージだったので、熱いことを想定しながら手を伸ばして受け取った丼は冷たい! しかもツユがたっぷりと張られていて、その上にこれでもかというくらい天カスとワカメがてんこ盛り。さらにカニカマものっかって、チリレンゲが添えられています。こいつはすごいボリュームだなぁ。チリレンゲを手にとってエイッと丼の内部につきさすと、大きな豆腐のかたまりにあたります。なるほど、ちょうど丼と同じくらいの大きさに切られた四角い豆腐が2段重ねになってるんですね。単純に言えば冷やしたぬきソバのソバが冷やっこに変わったものといった感じかな。これはつまみとしてもおもしろいけど、単に食べ物として食べてもうまいなぁ。

平日午後9時半の店内はゆったりとしていて、窓際の席に男女ふたり連れがひと組いるのみ。我われはカウンターの中央部に陣取り、伊東さんはジンリッキーを私は先日来マイブームになっているカナディアンクラブのロックをいただきます。
そこへ店主(マスター)の登場です。なるほど5時を回って少し厨房も楽になってきたんですね。休みの日はまず4時からの1時間がうんと込んで、次は7時前くらいから2度目の波がくるようなのです。この1週間の休みの間、店主はホノルルトライアスロンに参加されていたのです。というか、ホノルルトライアスロンに参加されるためにお店をお休みにしたと言ったほうが正しいですね。「どうでしたか?」「いやぁ。大変でしたよ」と店主。「途中で何度ももう止めようと思ったんですが、完走できました。」「えぇ~っ! おめでとうございます!」とにっきーさんとふたりで大拍手。店主が完走の証(あかし)であるメダルを見せてくれます。
ママさん手製のワサビ菜の漬け物を出してくれて、これがまたお酒にぴったり。「これもちょっとやってみますか」と店主が出してくれたのは……。なにこれ!? 「生クジラのユッケです。ちょっと醤油をかけてかき回して食べてみてください」。ほぉ。生クジラでしたか。真っ赤な刺身がとってもきれい。そこに刻んだキュウリとネギ、おろしたショウガが添えられ、卵黄がのった上からゴマがパラリとふられています。よ~し。じゃ、醤油をチョンチョンとかけてグリグリグリッ。こんなもんかな。ど~れどれ。…。うっまぁ~い。クジラ刺しそのものもうまいんだけど、こうやるとちょっと卵黄のアブラっぽい感じが付加されて味がふくらみますねぇ。

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