本格大衆酒場! … 焼き鳥「三河屋(みかわや)」(横浜・保土ヶ谷)
「伊東さんと行く横浜酒場紀行」。第1回目の横浜駅周辺編、第2回目の西横浜編、第3回目の元町編、そして番外編となる先日の中華街編に続いて、第4回の今回は保土ヶ谷です。保土ヶ谷は会社の先輩の家があるので降りたことがあるくらいで飲むために来たのははじめてです。
「こんにちは。今回もよろしくお願いします」。改札を出たところで待っていてくれた伊東さんにごあいさつして、第4回横浜酒場紀行のスタートです。「こっちです」と案内してくれる伊東さんの後ろについて、左手(東口)側、大きなバス通り(国道1号線)があるほうに降り立ちます。「ほらここ」。言われてその方向を見ると、なんと大通り沿いの歩道のところに並ぶ赤ちょうちん。なんとねぇ。こんなに駅の近くに、こんなにも風情のある飲み屋街が形成されていようとは。
伊東さんは、一番手前のホッピーののぼりも華やかな立ち飲み屋さんを通り抜けた先にある、いかにも古びた(←ほめ言葉ですよ!)焼き鳥屋に入っていきます。店の名は「三河屋」。店内は右手にテーブル席が3つ。そして左手には細長いテーブルを何卓か組み合わせてコの字になるように形造ったカウンター席があって、午後7時現在、お客はほぼ9割程度の入り。客層は会社勤めのグループ客から、近所の年配ひとり客まで、まさに老若男女入り混じってといったところ。この「老若男女入り混じって」というのも、ある意味名店の特徴なんですよね。
我われも、そのコの字カウンターの一角に、まさに角をはさむように陣取って、まずはビール(キリンラガー、大ビン、550円)をもらって乾杯です。お通しとして出されたのは小皿に盛られたキャベツの漬物。
「ここはサワー(340円)なんかも横浜にしては安くていいんですよ」と伊東さん。そうそう。横浜地区はどういうわけだかチューハイやサワー、ホッピー類の値段が高くて、400円くらいだと比較的リーズナブル。450~500円なんて価格設定もざらにありますもんね。「もつ煮込み(420円)もおすすめなんだけど量はちょっと少なめなんで、ふたり分もらいましょうか」。賛成。まずはもつ煮込みですね。
すぐに出てくるもつ煮込み。平皿にもられた煮込みは豆腐とシロ。茶色くなるまで煮込まれた豆腐がまたおいしそうじゃありませんか。刻みネギがのった上から七味唐辛子をたっぷりとかけていただきます。
それにしても、この下町酒場感覚はすばらしいですねぇ。東京ではいい酒場は大通りからはずれた路地の中にあることが多いのですが、横浜はどうもそうではなくて、いい酒場は大きな通り沿いにあったりもするんです。この店なんかもそう。おもしろいなぁ。
ビールを1本飲み終わったところでお酒にいきますか。お酒は一級酒(370円)、二級酒(310円)、樽酒(340円)、生酒(700円)とあります。一級酒、二級酒というのがまたおもしろいなぁ。でも1杯目は樽酒(たるざけ)をいただいてみましょうか。
樽酒は升(ます)に注がれて出てくる店も多いのですが、この店では升を受け皿にして、その中に置かれたグラスにあふれるまでお酒を注いでくれています。升の横にちょいと塩が盛られてるのがおもしろいなぁ。グラスを手に持ったときに、うっすらと指先に付く水分でその塩をくっつけてペロリとなめます。くくっ。塩だけで飲めちゃうよなぁ。
この店は焼き台もおもしろい。店の中にあるんです、ってそれじゃ普通か。どういったらいいんでしょうか。長テーブルを並べたコの字カウンターがあって、その横の壁際にポツンと焼き台がある。そこに焼き担当のおじさんがやってきて焼くんですが、その焼いてる立ち位置はカウンターのお客さんのすぐ横。ね。頭の中に絵を描いてみてください。飲んだり食べたりしてる人の横で、おじさんが壁に向かって立って焼き鳥を焼いてるんですよ。あんまり見ない光景でしょ。同じくらいの位置関係でもカウンターの中と外にいるんだったらまるで普通の光景なんだけどねぇ。なにしろ互いにカウンターの外にいるだもんね。
せっかくだからあそこで焼いてもらわなきゃ。「トマトの肉巻き(100円)を2本と、ナンコツ(90円)を塩で2本お願いします」と伊東さんが注文してくれます。
ここの焼き鳥はレバ、ハツ、タン、カシラ、シロ、ナンコツ、コブクロといった定番の品が1本90円。トントロ、とりかわの他、ねぎ、ししとう、アスパラ、しいたけ、オクラ、ポテト、トマトの肉巻きといった野菜系の品が1本100円です。
「お酒を、今度は二級酒(310円)でいってみますか。2本ね」。二級酒は徳利で出されます。
焼き鳥も焼き上がってきました。トマトの肉巻きは人気があるようで、多くの人がたのんでいます。普通、トマトの肉巻きというとプチトマトまるごと1個をベーコンや豚肉で巻いたものが何個か串に刺さってることがおおいのですが、ここのは中くらいのトマトをクシ切りにしたものを巻いたのが何個か刺さってる。はじめて食べるなぁ、このスタイルは。
やぁ、おいしかった。ちょうど1時間の滞在。お勘定はふたりで3,070円(ひとりあたり1,535円)でした。どうもごちそうさま。
・店情報
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コメント
はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いてます!
1号線沿いの三河屋は、10年ほど前常連に連れられてよく通いました!
レバ刺しが串のまま出てきて、間のネギをはしで割いて食べるのです。
あと、ヤッコとか湯豆腐は井土ヶ谷?のいい豆腐屋さんから仕入れているらしく、おいしかったです。
いつもおとなしいワンちゃんがいたのですが、まだいますかねえー。
もう何年も行けていないので、久しぶりに行こうと思っていたところでした。。
投稿: たけーだ | 2005.06.23 11:12
たけーださま
ワンちゃんいます、10歳とかで少し老けて見えますがまだまだ元気ですよ。
投稿: 伊東@横浜 | 2005.06.24 13:19
おー。伊東さん!
ご本人自ら書き込みいただきましてありがとうございます。
来週の横浜オフもよろしくお願いします。
そしてもちろん「伊東さんと巡る横浜酒場紀行」の方もよろしくお願いします。m(_"_)m
投稿: 浜田信郎 | 2005.06.25 14:44