おでん鍋の前で … おでん「米久(よねきゅう)」(阿佐ヶ谷)
英国パブ「ザ・ライジング・サン」を出て四ッ谷駅から中央線で13分。阿佐ヶ谷駅に到着します。パブで飲んだだけでなにも食べてないのでお腹もすいたなぁ。先日、おでんを求めて「北国」に行ったのにもうシーズンが終わってたので、今日は年中必ずおでんがあるおでん専門店でおでんをつっついて帰りましょうか。
阿佐ヶ谷駅北口から歩くこと2分ほど。おでんの「米久」です。ガラリと引き戸を開けて入るとカウンターの手前、おでん鍋の前に座っている女将さんから「お帰りなさ~い」と声がかかります。午後8時過ぎの店内は先客は5人ほど。
ここのカウンターは形がおもしろくて、今までカウンターの奥に座ってたときは「し」の字型をしたカウンターかと思ってたのですが、こうやってお客さんが少ないときにじっくりと見てみると、一番手前がちょっと幅の広いカウンターになっていて、おでん鍋があるところで細い(というか一般的な幅の)カウンターに切り替わり、店の奥までずっとまっすぐに伸びているということがわかりました。お客さんが多いときには、この一番手前の幅広カウンターを反対側(カウンターの内側)にまわり込んでお客さんが座っているため、「し」の字のカウンターであるかのように見えてたんですね。
今日はそのおでん鍋の前、ちょうど広いカウンターから、普通のカウンターに切り替わるあたりに陣取り、まずはお酒を注文します。ぬるめの燗でお願いしますね。「はいはい」と店の奥のほうにある燗つけ器のところに行き、徳利にお酒をそそぎます。「あら。聞かないで大きな徳利にしちゃったけど、よかった?」 はい。いいですよ。
おでんは竹の子と、玉子と、これはなに? あ、そうですか。イカと豆の天ぷらですか。じゃ、それをひとつ。(過去の「米久」の記事を読み返してみると、毎回必ず竹の子をたのんでるんことが判明。これも好物なんですね。)
おでん鍋が見えるところに座ると、ちょっとあついけど鍋の内容が見えていいですねぇ。お汁たっぷりに入れてくれたお皿に練りガラシをちょいとつけて、まずは竹の子からいただきます。
おでんの専門店に来ると、年中おでんがあるから、その季節その季節の旬の野菜なんかが入ってていいんですよね。おでんはだいたい120円から150円くらいですが、季節物、たとえばセリ巻きとか三つ葉巻きなどは250円だったりします。おでん以外のメニューもあって、たとえばポテトサラダ(「いもサラダ」と表記)、塩辛、塩らっきょ、冷しトマトなどが各300円のほか、マグロ刺身(600円)、シメサバ(500円)、シメコハダ(300円)などなど。ただし、これらは一番最初にたのんだとしても「おでんの後に出ます」と書かれています。「まずおでんをたのんでください」ってことなんですね。
おでんを食べていると、ふたり、三人、またふたりと徐々にお客さんが増えてきます。老若男女いろいろなのですが、みなさん常連さんのようで、互いに声を掛けあったりしながら、カウンター手前側の広いところへと集結してきます。カウンターが普通サイズになった奥のほうはたっぷりと空席があるのに、そっちには入らないんですね。おもしろいなぁ。私もまわりを常連さんに取り囲まれるような形になってしまいました。
みなさん、女将さんのことを「おかあちゃん」と呼ぶんですね。さっき入ってきた男女ふたり連れの女性は「おかあちゃん。今日はロールキャベツあるの?」と聞いています。「あるわよ」と女将さん。「えぇっ! やったぁ~っ。冬場はいつ来ても売り切れてたのにね。」「もうこの季節になると大丈夫よ」。なるほど。ロールキャベツはこの店の人気の品なんですね。おぉっ! ロールキャベツでっかい!
おでん鍋から遠いお客さんには「今日はゲソ天と、イカと豆の天ぷら、エビ団子があるわよ」なんて、おでんの内容を説明しています。それじゃ、私も第2陣のおでんをもらいましょうか。え~と。さっき言ってたゲソ天とぉ…。「ゲソ天はちょっと辛いわよ。いい?」 はい。大丈夫です。あと、ガンモをお願いします。「はい。じゃおかわりだからコンブをサービスしとくわね」。ありがとうございます。
左どなりの男性はトウモロコシをもらってます。これもまた季節ものですねぇ。大きなかたまりのままおでん鍋に入っているトウモロコシを取り出し、包丁で縦数列分だけをスライスして切り取り、スライスした側も、残ったトウモロコシの側もいっしょにお皿に盛ります。なるほど、こうやってスライスされたところをきっかけにまわりの部分へと食べ進むんですね。おもしろいなぁ。
さてと、私のほうはボチボチ腰をあげますか。どうもごちそうさま。ちょうど1時間の滞在で、1,480円でした。
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