吉田類さんと … 焼鳥「国道下(こくどうした)」(横浜・国道)
「昨日の横須賀取材の帰りで、今、横浜に来てるんですよ」という電話が酒場詩人の吉田類(よしだ・るい)さんから入ります。現在、夕方4時前。「了解です。仕事が終わったら、またお電話するようにします」。
ところが、こんな日に限って仕事がなかなか終わんないんですよねぇ。急いで急いで、やっとなんとか片がついたのが午後7時半。会社を出て駅に向かいながら類さんの携帯に電話します。「じわじわと東京に向かいながら飲んでて、今は国道(こくどう)にいるんですよ」と類さん。え? 国道? 国道って地名? 「鶴見駅から鶴見線で1駅のところです。さっき着いたばかりだからまだいますから」。
急いでその国道駅へと向かいます。私も明日は都内での仕事なので、東京に近づいていくのは実に好都合なのです。
鶴見駅から鶴見線に乗り換えて、ひと駅。ここが国道ですか。ちょうど鶴見線が旧国道1号線(現在の国道15号線)と交差するところにあるので「国道」という駅名になったのだそうです。駅のホームにもアーチ型の屋根があったりして、なんだか古風におしゃれ。
トコトコと階段を下りて、無人の改札を抜けると駅のガード下もアーチ型たっぷりの古風なつくり。あとで聞いた話では映画のロケなどにもよく使われる場所なのだそうです。
「駅の改札を出たところの焼き鳥屋。1軒しかないからすぐわかりますよ」と類さんが教えてくれたのですが、たしかにポツンと1軒焼き鳥屋がある。店名は「国道下(こくどうした)」。なんてわかりやすい名前でしょ。
「こんばんは」。開けっ放しの入口から店内に入ると、中は右手にカウンター8席程度と左手にはせま~いテーブル席(2人用)が2卓ほど。そのカウンターの一番奥で類さんが飲んでいます。カウンターは類さんが確保しておいてくれた、類さんのとなりの1席をのぞいて満席。みんなの背中の後ろをカニ歩きで通り抜けてその席に座ります。
「え~と。まずはビールをください。小さいのありますか。」「じゃ、生ビールをサワーグラスにつごうね」とママさん。今日はママさんひとりで切り盛りしているようです。
その生ビールをググゥ~ッとやっつけて、やっとひと心地つきます。
類さんはウーロンハイを飲んでるようなので、私も1杯のビールのあとはウーロンハイに切り換えます。
特にお通しとかはないみたいなので、つまみもたのみましょうね。類さんがもらってるのは「竹の子煮」。メニューはカウンター奥の黒板に書かれています。ん~と。お新香、牛もつ煮込み、マカロニサラダ、厚揚げ焼、さしみコンニャク、冷しトマト、冷やっこ、山かけ、まぐろさし、アジさし、ヤリイカボイル、真だこ、かつおさし、イイダコ、ところてん、枝豆ですか。品数は多くないものの呑んべ好みのする品々ですね。値段は書かれていないのですが、どう考えてもそれほど高くはなさそう。じゃ、私は「牛もつ煮込み」をいただきましょうか。
この「牛もつ煮込み」もけっこう人気の品のようで、満席のカウンターでも何人かが煮込みをつついています。ほら、来た来た。大体煮込みは出てくるのも早くていいんですよね。おぉ。この煮込みはシマチョウとハチノスですか。これはいいなぁ。んん。プリプリと食感もよくてとてもいい煮込み具合です。
刺身をつついてる人も多いなぁ。「すぐそこが生麦魚河岸通りですからね」と説明してくれる類さん。400メートルほど続く通り沿いに約80軒ほどの店が出て、午前中は朝市でにぎわうのだそうです。
「ママ。ウーロンハイおかわり」と声をかける類さん。「実は昨日(6月1日)誕生日だったんですよ」という類さんに、「あら。そうなの。おめでとう、類ちゃん」とママさん。「それで、誕生日はどうしてたの?」とママさんが続けます。「いや、昨日は取材で横須賀に行ってて、特になにもしてないんですよ」と類さん。「じゃ、私の誕生日のときに一緒に飲もう。10月30日の日曜日だからお店は休みなんだけど絶対飲もう」とママさん。聞けば、ママさんと類さんとは同じ年の生まれなんだとか。
類さん、こんなところ(失礼!)にも行きつけのお店があってすごいですねぇ。ずっと通われてるんですか。「いや。今日で3回目!」 ……。すごすぎっ! 3回目にして、もうすっかり大常連さんの風格です。ママさんも「類ちゃん」「類ちゃん」と気軽に呼んでるし。そういえば、類さんの番組(吉田類の酒場放浪記)の中で、はじめても店でもスゥ~ッと溶け込んでいきますもんねぇ。これも類さんの大きな才能のひとつだろうと思います。
「これ、食べてみる」とママさんが出してくれたのは「イカの塩辛」と、こちらはなに? へぇ、「昆布チリメン」って言うんですか。どれどれ。ほぉ。適当に塩っけが利いてて、いいつまみですねぇ。ん。イカの塩辛もうんまぁ~いっ。私もウーロンハイのおかわりをお願いします。
この店には、若いころの若山富三郎、勝新太郎兄弟が、松尾和子といっしょに来店したことがあるんだそうで、店の奥にそのときの写真のパネルがあります。「松尾和子がカウンターの中にスッと入ってきて、それはもうおどろいたわよ」とママさん。
こうやって飲みながら、「吉田類さんを囲むオフ会」を6月25日(土)に行うことも決まりました。(この記事を書いてる時点ですでにオフ会は終了していますが、詳細は掲示板をご覧ください。)
今日は午後10時半まで2時間ほど楽しんで、ふたりで2,800円でした。どうもごちそうさま。
・店情報
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まずはビール(キリンラガー、大ビン、550円)を注文し乾杯。お通しは鳥皮の煮込みです。
「あまり食べられないから小さいのちょっとでいいです」と
さぁ。唐揚げの登場です。丸いお皿に千切りキャベツがたっぷりと敷かれ、その上にドンと半身(はんみ)分の唐揚げ。小サイズでも大きいですねぇ。
「ここっとさん。取れた肉はキャベツの上に乗せるんだよ」と横から箸を伸ばして、解体された肉をキャベツの上に敷き詰めていきます。実は「酔わせて下町」の中に、『バラバラになった鳥の身はキャベツの上に置き、肉汁と熱でフニャリとさせ、しゃぶりつく合間に戴くのが正しいキャベツの食べ方である』と書かれていたのでした。
2点目は、そのトイレがあるところよりさらに路地の奥。そこに燦然と輝く「呑んべ横丁」という路地のマークがあります。入ってみると、まるでガード下のトンネルのような感じのところに小さい店がずらりとならんで、そこここからカラオケの響きが聞こえてきたり、お店の女性がなにやら準備している姿を垣間見ることができるのです。この通りは濃いですねぇ!
カウンターの向こう側から「これ、ふたりで食べて」とマスターが出してくれたのは…。なに? 豆? 「大根の実と刺身ワカメです」。えー。大根の実ってはじめて見たような。刺身ワカメもつややかですねぇ。
「ムロアジはもう出てますから食べてみてください。これからトビウオのほうを焼きます」とマスター。その言葉に、寄り道さんとは逆側に座っている常連さんから、「はい。どうぞ」とムロアジのクサヤの小皿が差し出されます。
トビウオのクサヤもできあがってきました。これはまたムロアジにくらべるとずいぶんと肉厚でしっかりとしてますねぇ。ふ~ん。ムロアジほどの繊細さはないものの、こっちもおいしい。それにしてもこれだけ満席のお客さんがいならぶ中で、クサヤが嫌いな人がひとりもいないというのがおもしろいなぁ。アズサちゃん(21歳、大学生)も「おいしぃ」なんて言いながらクサヤを食べてるし。
今日のお通しはチーズとカニミソのパテ。すっごく酔ってたのに、このカニミソのパテの味は記憶の隅に残っています。





さぁ、出ました「皿鉢料理」。大皿に盛り込まれているのは刺身がヤガラ、カツオのたたき、カツオの刺身、キビナゴ、キンメダイにノレソレです。焼き魚はこれまた高級魚ノドクロ(赤ムツ)! それにジャコ天、ハモ天が加わります。これはまた見た目もきれいですねぇ!
まずはすっきり、さっぱりと淡白な白身魚ヤガラから。そして穴子の稚魚、ノレソレ。これもまた味わいは比較的淡白でチュルチュルと食べやすいのです。次は白身ながらアブラのたっぷりとのったキンメダイ! こっちの大皿にはヤガラの頭が飾られてますが、もうひとつの大皿に飾られているのはキンメダイの頭。目がでっかい!
ひとしきり刺身をいただいたところで、ノドクロの焼き魚です。大皿盛りの料理なので、焼き立てではないのですが、冷めた状態でも身がトロッとやわらかいのがさすがですねぇ。「こうやって口を開けてみると、喉のところが黒いからノドクロっていうんですよ」と店主がノドクロの口を広げて見せてくれます。
お仕事の都合で遅れていた都立家政の小悪魔・Ykちゃんも登場。「庭で採ってきた」というおいしそうなサクランボを持ってきてくれました。

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