ばったりとふたり飲み … 酒房「北国(きたぐに)」(中野)
明日の都内での仕事に備えて自宅へと戻る道すがら、中野駅で途中下車して「北国」です。午後8時前の店内はカウンターに先客が3人だけという比較的ゆったり気味。水曜日だし、なにしろ外が雨ですからね。
先客3人のうち2人が女性。ゆみさん(店を手伝っている女性で、ママさんの姪)もカウンターに座って一緒に話をしています。私もL字カウンターの入り口側、短辺のところに陣取り、まずはビールを注文します。今日のお通しは大ぶりの四角い豆腐が1個入った汁椀。この汁椀系のお通しが実にいいんですよねぇ、「北国」は。すきっ腹にあったかい汁がすーっと染み込んでいくようです。
ビールは普通に注文するとキリンラガー大瓶ですが、一番絞り大瓶もあるようです。
雨の中、みなさんのゆっくり、ゆったりとした会話が続き、いい意味で古びた店内の雰囲気ともあいまってほんとうにくつろいだ、の~んびりとした時間です。
エアコンいらずのこの時期だけ開けっ放しになっている入口から傘を畳みながら入ってきたのは、この店にはおよそ似つかわしくない若い女性。……。あれっ? ここっとさん!? 「あ。こんばんは」などとあいさつをしつつ、となりの席へ。
ここっとさんは今日は「新宿バール」でちょっと飲んだ後、ニラ玉が食べたくなってここ「北国」まで足を伸ばしたのだそうです。「ごめんね。今日はニラ玉ないのよ」とすまなさそうに言いながらビール用のグラスを出してくれる、ゆみさん。「あー。残念」。
ほんじゃま、ビールをどうぞ。かんぱーい。
ここっとさんと飲みに行くときは、3人以上で行くことがほとんどなので、こうやってカウンターにふたりで座ることはあまりない。いつもは飲み仲間って感じでワイワイ騒いでいるのですが、こうやってとなりで見ると、なにしろ娘くらいの年齢(?)の女の子ですからねぇ。緊張するなぁ。ま。ビールでもどうぞ。どんどんビールをすすめるくらいしかないなぁ。(苦笑)
「ニラはないけど、ネギ入りの玉子焼きならできそうよ。どう?」とゆみさん。「それお願いします」とうれしそうなここっとさん。うーむ。「北国」でメニューにないスペシャル料理を作ってもらうとは…。「北国」に通うこと数回にして、すでに私なんかよりもうんと常連さんの風情です。というか、はじめていく店でも、なんだかすぐに店に馴染んでしまうというのが彼女の大きな特長のひとつでもあります。
私はウイスキーの水割りをお願いします。彼女用に引き続き瓶ビールも出しておいてくださいね。…。なーんて、若い女性とふたりということでハードボイルドに決めていたのも最初だけ。1杯目の水割りを飲み終わるころには、「でさー。寄り道さんもジョッキを持って待ってたのに、マイペースでどうぞだって! 笑うよねー。」「あははー。その話、100回くらい聞いたよ。」「え。そうだっけ (^^;;」なんてすっかりふだんのペースです。
店の空気は静かに、のんびり、ゆったり。我われもその空気にどっぷりとひたりながらのんびり、ゆったり。そしてときどきつっつくネギ入りトロトロ玉子焼き。
男性常連客が多いときは、そのうちの何人かのペースメーカーを中心として、店中でひとつの話題で盛り上がっていくことが多い店なのですが、今日はたまたまそのペースメーカーの方々がいらっしゃらないこともあって、こうやってのんびり、ゆったりになってるんですね。こういう「北国」もまたいいなぁ。
2杯目の水割りを飲み終わるころ、店も閉店時刻の午後10時を迎えます。どうもごちそうさまでした。2時間の滞在。お勘定はふたりで3,800円でした。
(同じときの記事が「帰り道は、匍匐ぜんしん!~しとりで飲み歩き」にもありますので、あわせてお楽しみください。)
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