煮物ととんぶり … 酒房「路傍(ろぼう)」(中野)
「北国」を出て午後10時。ウイークデイですが、せっかくここっとさんがこちら(中野)にいらっしゃってるので、もう1軒寄ってから帰りますか。
「北国」から中央線のガードをくぐり北口側へ。北口に連なる酒場街を散策しつつ深部へとすすみます。とはいえ、ここっとさん自身、「ブリック」や「川二郎」「春」などの、中野の中でも名店と言われている店の数々にはすでに足を運ばれているので、そういう店を基点にしつつ、その途中にある酒場をちらちらと見て歩きます。
その「川二郎」前から、ジンギスカンの「神居古潭(かむいこたん)」を回って、久しぶりに入ったのは「路傍」です。
端っこの小さい囲炉裏を取り囲むようにJの字に曲がったカウンター。その囲炉裏の周り、Jの字のグルッと曲がったあたりに先客の常連さんが2名。男性と女性ですが、それぞれがひとり客として訪れている様子です。先ほどの「北国」もそうですが、この店もだいたい常連さんのひとり客が多くて、しかもほぼ二日とあけずにやってくる状態。いわばサロン的な意味合いをもった酒場なんですね。
我われもカウンターの長い部分の中央部に腰を下ろし、ここっとさんはビール、私は「千福(せんぷく)」の樽酒をもらいます。樽酒はおかみさんの手で、大きな樽から片口の器に入れられ、それから一合升(いちごうます)につがれます。一緒に出される塩をなめながらいただくお酒のうまいこと。
この店は昭和36(1961)年に現在の店主のお母さんが創業し、それ以来45年近くこの地で営業を続けています。店内の雰囲気も、出されるつまみも昔ながらの普遍的居酒屋の姿を守ろうとしているのだそうです。今日のお通しも煮豆と芋の煮っころがし。こういうなんでもない煮物が出てくる店が少ないですよねぇ。これがまた日本酒と合うこと!
ここっとさんは“とんぶり”を注文。“とんぶり”は、ほうき草の実を乾燥させて沸騰したお湯でゆでたもの。その粒々の感じから「畑のキャビア」とも呼ばれていますが、粒々の色は緑色です。プチプチと歯応えも気持ちいい一品ですよね。
囲炉裏のところでウルメイワシなんかをあぶってもらうもまた絶品なんだけど、それはまた今度にしましょうか。
「2階のソーセージのお店にはもういらっしゃいましたか」と店主。「え。行ってないです」。「手造りのソーセージが実にうまいんですよ。ホワイトビールなんかもあって」。へぇ。ソーセージなんかも含む練り物系は大好きなので引かれますねぇ。ビールのうまいこれからのシーズンにぴったりそう。ぜひ近いうちに行ってみます。ありがとうございます。(「路傍」の2階、「ブラッスリー 風馬(ふうま)」(03-3387-7313、Yahoo!グルメ、グルメウォーカー)
ふと気がつけばもう12時近く。そろそろお開きにいたしますか。お勘定はふたりで3,200円でした。どうもごちそうさま。
(同じときの記事が「帰り道は、匍匐ぜんしん!~しとりで飲み歩き」にもありますので、あわせてお楽しみください。)
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