「もう一度「金田」に行きたい。」「おーし。自由が丘は横浜からの帰り道だから、今度の週末(金曜日)にでも行ってみますか。2階席も行ったことないので楽しみ」。なんてことで、昨日の突然の「文福」とは違って事前にしっかりと予定されていたのが今日の自由が丘。あぁ、それなのに…。
午後7時前。一番最初に「金田」に着いたH氏から「2階、いっぱいで入れません!」というメールが飛び込みます。う~む。やはり予約してなかったのはまずかったか。なにしろ、みんなの仕事終わりの予定が読みにくかったので、「2階ならなんとかなるだろう」と高をくくって特に予約もしないで今日の日を迎えたのでした。
「もうすぐここっとさんが到着すると思います。どっか入っててください。呑んだフルさんと私はあと30分くらいで到着予定です」。フルさんは都内の会社最寄り駅を出発したばかり。私は横浜駅で東横線に乗り換えようとしているところ。東と西の両側から別々に自由が丘を目指しているのですが、到着するのはどうやらどちらも7時半頃になりそうなのです。
「ここっとさんも到着。「ほさか」に入りました」とH氏。「ほさか」は、自由が丘駅から見ると「金田」の数軒手前にあるウナギ串焼きの名店。「ほさか」もお客さんであふれ返っていることが多い店なのによく入れましたねぇ。
携帯メールでのやり取りで、フルさんは中目黒、祐天寺、…。こちらは武蔵小杉、多摩川、…と、まさに自由が丘駅にジャスト同じ時間につくタイミングで移動していることが判明。「じゃ、改札口で!」とメールして自由が丘駅下車。ちょうど7時半です。
……。
……。
同じ時間に着いてるはずなのに、フルさん現れない…。
電話してみようと携帯電話を手にしたところへ、フルさんから電話がかかってきます。「フルです。どうやら反対側(南口)の改札に出たみたいです。」「了解です。これからそちらに回りますから、そのままいてくださいね」。ぐるっと回ってフルさんと合流。
自由が丘駅の南口側といえば、前々からとっても気になっているひな鶏唐揚げのお店「とよ田」があります。せっかくこっち側で落ち合ったので、ちょっと見学していきましょうか。
東急ストアの近くって書いてたけど…とウロウロしつつ、最終的に東急ストアの前に行ってみるとそこに「とよ田」の電灯看板が。なんだ。最初からまっすぐ東急ストアを目指せばよかったなぁ。その電灯看板のある狭い路地を入っていくと「とよ田」発見。カウンターが主体のようですが、手前の方にテーブル席あるのかな? 下のほうだけがうっすらと透き通った窓からは、カウンターに座っている人たちの足のあたりをなんとなくうかがうことができます。カウンターにはぽちぽちと空きがあって、バラバラに2~3人ならまだ入れそうです。この店で扱っている品は、鳥のモモの唐揚げ、鳥の手場先の唐揚げ、砂肝の唐揚げの3品のみだが、メニューはない(個々の値段も不明)。ごはんもないという潔さなのだそうです(もちろん飲み物はあります)。うわさどおりにぎわってますねぇ。場所もわかったので、いよいよ今度来てみなきゃいけないですね。
さらにぐるりと駅のまわりを移動して「金田」の前へ。念のためもう1回のぞいておきましょうか。「4人ですけどぉ…。」「お2階はいっぱいなんですよ。申しわけありません」。そうかぁ。まだ空いてないんだ。
「金田」から「ほさか」の前へ。開け放された入口から店内を見ると、コの字カウンターの端っこの方でH氏とここっとさんが飲んでいる姿を発見。「おーい」とちっちゃく手を振りあいながら店の前を通過。近くにフルさんおすすめの日本酒がおいしい「そめや」というお店があるらしいので、このまま「金田」が空かなかったときのことを考えて、念のためそこものぞいておこうと思ってるのです。
「そめや」は、「金田」や「ほさか」から見ると線路の反対側。自由が丘デパートの2階にあります。チラッと見えるカウンター主体の店内には先客はおらず、4人でも入れそうです。「どうする? 入っちゃう?」とフルさんと相談しているところへ、ここっとさんから電話。「どうしたの? ふたりで通過して行っちゃって。「金田」は大丈夫。空いたら電話してもらうことになってるから」。おぉ。さすがここっとさん。「わかった。じゃ、すぐに「ほさか」に向かいまーす」と返事して、フルさんとふたりいそいそと「ほさか」へ。
「ほさか」の店内でやっと合流したのは8時前。「よく4人分の席が空いてたねぇ。こんなにいっぱいなのに。」「……。空いてたんじゃなくて、空けてもらってたんです。それなのに2人は店の前を通過して行くんだから。」「あ。そうなの。ごめーん」。
「今、「金田」からも2階が空きましたという電話がかかってきたから、私は先に行っとくね。ちょっとだけ食べたら来てね」と先に店を出るここっとさん。
男ども3人は「2階いっぱいです」と言われて「はーい」とあっさり引き下がってきたのに、彼女は「じゃ、空いたらここに電話してください」と自分の携帯電話に連絡してもらうようにしていたそうなのです。言われてみればちょっとしたことなのにね。これがなかなかできなかったりする。男3人で来てたら、今日は「金田」には入れなかったかもね。(^^;;
H氏によると、ここ「ほさか」もまずは2人分の空きスペースを確保して入り、それからじわじわと4人分にしてもらうようにここっとさんが交渉してくれたそうなのです。本当に彼女の実行力、実現力には頭が下がります。うんと(20くらい)年下なのに、すばらしくたよりになります。 orz
そんなわけで、すぐに出ないといけないので瓶ビール1本(大瓶、570円)と“ひとそろい”一人前を、フルさんとふたりでいただくことにしました。
“ひとそろい”というのは、この店のウナギ串焼き4品をそれぞれ1串ずつ4串そろえたものです。4品というのは、「からくり焼」(280円)と、「きも焼」(280円)、「ひれ焼」(280円)、「かしら焼」(220円)です。黙っているとタレ焼きですが、塩焼きも注文できるようです。
値段的には同じようなウナギ串焼きの「川二郎」(中野)、「川勢」(荻窪)、「カブト」(新宿)、「むら上」(大井町)なんかよりはちょっと高めかな。
飲み物は他にビールの小ビン(350円)や、日本酒(上撰400円、佳撰350円)、焼酎(400円)がありますが、チューハイやサワーなどはない。いかにも昔ながらの一杯飲み屋って感じですね。H氏は焼酎(1合グラスになみなみ)と、それとは別にウーロン茶(ジュース類は100円らしい)をもらって、両者をチビチビと飲んで、お腹の中でウーロン割りにしてるようです。焼酎用のレモン(150円)なんてのもあるみたいなので、炭酸水があればチューハイやレモンハイを作ることはできそうですね。あるのかなぁ、炭酸。
ウナギ串焼き4本をふたりでつっつけるように串から抜いてばらし、山椒粉をパパッと振りかけます。
「からくり焼」はウナギの身の部分。根岸の「鍵屋」などではウナギの身をくねらせて串に打ったものを「クリカラ焼」と銘うってますが、こちら「ほさか」は「からくり焼」。
“クリカラ”と言えばすぐに連想するのは「倶利羅紋々(くりからもんもん)」。これは背中に彫りこまれた龍の刺青のことを指します。もともとは仏教の言葉で「宝剣に火炎に包まれた黒龍が巻きついているさま」のことを言うんだそうです。だから、同じようにウナギの身を串にくねらして刺して焼いたものを「クリカラ焼」と言うんでしょうが、それが伝わってくる途中で「からくり焼」に変わっちゃったのかなぁ。でもここのウナギの身はくねってないから“クリカラ”じゃないんだなぁ、なんてことを考えながらも、パクパクといただくウナギの身はやっぱりうまいよなぁ。
「きも焼」はずらりと並んだウナギの内臓を串に刺してやいたもの。他の串と同じく、これも串からばらしてはみたものの、全体がつながってて途中で切るのはむずかしい。なんとかうまく分けようね、フルさん。ちょっと苦いのがお酒に合うんですよね。今日はビールだけど。
「ひれ焼」は、その名のとおりウナギのヒレの部分をぐるぐると巻きつけたもの。これ、けっこう好きなんですよねぇ。中野の「川二郎」の、ニラと一緒に巻いたヒレもおいしいんですけど、この店のもいいですねぇ。「かしら焼」は、頭のちょっと下って言えばいいのかな。首(?)あたりの肉っぽいんだけど、店によってはカブトなんて呼ばれてますよね。いかにもウナギのパーツらしい一品です。
「たしか両国あたりにもウナギの串焼きがうまい店があったなぁ」とフルさん。ウナギの串焼きで一献というのは本当にうまいんですよね。
「そろそろ行かないと。彼女ひとりですよ」とH氏。あ。忘れてた。急いで残りのビールを飲み干してお勘定してもらいます。フルさんと私は、ふたりで1,630円。15分ほどの滞在でした。
(同じときの記事が「帰り道は、匍匐ぜんしん!~しとりで飲み歩き」にもありますので、あわせてお楽しみください。)
・店情報 (前回)
《平成17(2005)年7月8日(金)の記録》
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