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立ち飲み第2世代 … 立ち飲み「BUCHI(ぶち)」(神泉)

最近、都内にもこじゃれた立ち飲み屋が増えてきてるのだそうです。第1回目の立ち飲みブームは平成11(1999)年に「立ち飲み屋」という本が出されたころ。長引く不況の中、過剰なサービスはなく、人件費がかからないため、酒の値段が安いのが特徴的な立ち飲み屋がサラリーマンの間で大人気になったのでした。今回のブームはそれに続く第2回目のもので、今度はサラリーマンのみならず、若い女性の間にも流行ってきているのが大きな特徴です。

祝日(体育の日)の今日、飲み仲間である呑んだフルさんと連れ立って、そんなおしゃれな立ち飲み屋の1軒、「BUCHI」にやってきました。交差点の近くにある総ガラス張りの外観は、まるでブティックかなにかのよう。とても立ち飲み屋には見えないなぁ。

店に入っても、丸いテーブルがあったり、カウンターも微妙に丸っこくできていたりと、雰囲気重視。第1世代の立ち飲み屋がなるべく空間の無駄を無くそうとコの字カウンターなどを多用していたのとは明らかに異なります。

「おふたりさま、こちらにどうぞ」と案内されたのは、その丸っこいカウンターの中央部。両側では若いカップルが立ち飲んでおり、まわりを見ても若い男女がとても多い。女性同士のグループもいます。特徴的なのはひとり客は皆無であること。たまたま今だけがその状態なのかもしれませんが、これも明らかに第1世代の立ち飲み屋とは大きく異なる特徴です。

とはいえ、第1世代の代表格である「富士屋本店」や四ツ谷の「鈴傳」にしても、最近はグループ客がとても多くなってきているようですので、「ひとり客が少ない」というのは第2世代に限ったことではなく、最近の時代の風潮なのかもしれませんね。ひとり客の最後の砦は、いよいよ場末の大衆酒場かもつ焼き屋に限られてきてしまったのでしょうか...

さてさて。店内がいくらおしゃれとはいえ、やっぱりまずは生ビールでしょう。「生ふたつ、お願いします」。「はーい」と注文を受けてくれる店のスタッフは、なんと若い女性ばかり。我われがいるあたりだけじゃなくて、奥のほうも女性ばっかりみたいなんだけど、もしかすると全員が女性!? これもまた第1世代の立ち飲み屋にはなかったスタイルかも。

生ビールは、こじゃれたグラスにつがれたハートランド生ビール(500円)です。

つまみには、焼きトリッパのサラダ仕立て(トマトソース)(800円)と、リコッタ(←南イタリア原産のフレッシュチーズ)と仙波豆腐を混ぜ合わせて切ったイチジクにかけたもの(600円)をいただきます。えーっ? 男ふたりなのにもっとつまみらしいつまみはないのか!? とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、ご心配なく。このあと出てきます。ここはまず、店の雰囲気にのまれちゃって、ついまわりのカップルたちがたのんでたようなものにつられてしまったってところです。なにしろ、はじめて入ったお店ですからねぇ。(笑)

飲み物もまわりの雰囲気につられちゃって、チリの赤ワイン「ミラマン(MILLAMAN)」(2,500円)をボトルで。

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焼きトリッパのサラダ仕立て / 無花果のリコッタ / 赤ワイン「ミラマン」

当然、ボトル1本をふたりで飲みきるには先ほどのつまみでは足りず、栗のゴルゴンゾーラ(600円)を追加注文です。トロリと溶けたゴルゴンゾーラ(←ブルーチーズの一種)の中に、砕いたゆで栗の実が入っていて、これを添えられたトーストにスプーンでのっけていただきます。「ゴルゴンゾーラ、いいねぇ!」とふたりでパクパクとトーストを食べてたら、もともと4枚添えられていたトーストに加えて、おねえさんがさらに4枚トーストを追加してくれました。こちらの様子を見ながら、だまっててもこういうサービスがされるところもまた人気なんでしょうね。

目の前でときどき会話にも加わってくれるおねえさんは、若いのにお酒やつまみにもくわしい。聞けば、もともとこの店のお客さんだったのに、いつのまにかここのスタッフになったのだそうです。

さぁ、ワインのボトルも終了。先ほどから気になってしかたがないのがバックバー(カウンターの奥の棚)にずらりとならぶワンカップの地酒群。それぞれ600円なのだそうです。「燗もしてもらえるんですか?」「はい。もちろんです」。おぉ。それはすばらしい。フルさんは「秋鹿(あきしか)」を、そして私は「上喜元(じょうきげん)」を、それぞれぬる燗でいただきます。つまみは砂肝のガーリック炒め(600円)に、焼き味噌(300円)。焼き味噌があるのがありがたいですねぇ。

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栗のゴルゴンゾーラ / 「上喜元」「秋鹿」 / 砂肝のガーリック炒め

フルさんはワンカップの「早瀬浦(はやせうら)」をぬる燗でおかわり。私は「割り水焼酎(吉兆宝山)」を黒ぢょか燗でいただきます。ちなみにこの割り水焼酎を冷やでもらう場合は500円。黒ぢょか燗にしてもらうと800円です。

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焼き味噌 / 「早瀬浦」 / 割り水焼酎の黒ぢょか燗

支払いはキャッシュ・オン・デリバリーで、カウンターの上に置かれたお皿の中にお金を入れておくと勝手に持っていってくれる仕組みなのですが、1回の注文で1,000円単位の支払いとなることが多いので、どんどん千円札を追加していかないといけない。気がつくとひとり4,400円ずつ(ふたりで8,800円)の支払いとなってました。うーん。安さで売ってた第1世代に比べて、料金も第2世代なんですね!

約2時間の滞在。ビールから、ワイン、日本酒、焼酎までたっぷりと楽しんで、店を後にしたのでした。

店情報

《平成17(2005)年10月10日(月)の記録》

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