ボリュームたっぷり … 焼き鳥「鳥竹(とりたけ)」(渋谷)
天皇誕生日なのに出勤日。横浜での仕事を終えて湘南新宿ラインでスパッと渋谷です。おでんと串揚げの「多古菊」で、呑んだフルさんやここっとさんと待ち合わせて向かった先は、すぐ近くの焼き鳥と鶏料理の店、「鳥竹総本店」。ボリュームたっぷりの焼き鳥で有名なお店です。ここっとさんは生まれも育ちもこのあたり。ここ「鳥竹」にも子供のころから来ていて、焼き鳥といえばこの店くらいのボリュームで出てくるものと思っていたのだそうです。だから、大人になって別の店で焼き鳥を食べて、焼き鳥が小さいのにびっくりしたほどだとか。
店頭には鶏をまるごと調理した「丸むし」がずらりと並び、通りには焼き鳥を焼く煙がもうもうとあがっている。この店と、渋谷マークシティのガードをはさんだ反対側にある昭和23年創業の焼き鳥「森本」の両店が競い合うように煙を出しているのです。「鳥竹」にも「森本」にも、一度行ってみたいと思いながら、今まで来ることができていなかったのです。楽しみだなぁ、「鳥竹」。
「3人です」と入ると、「はい、下へどうぞ」と声がかかります。「鳥竹」は1階と地下1階の構成。1階はカウンター席で、地下が座敷なのです。トントンと階段を降りていくと地下の座敷席はお客さんでいっぱい。家族連れ、グループ客、そしてカップル。我われもそのテーブル席のひとつに陣取ります。
ビール(サッポロラガー、大ビン、600円←価格は税抜き表示。以下同じ)をもらって、お通し(180円)の里芋とニンジンの煮物をつつきながらメニューを選びます。「絶対に食べてみてもらいたいのはボンボチなんだよねぇ。他の店にはまずないと思うよ」とここっとさん。そのボンボチを塩焼きとタレ焼きで1本ずつ注文します。ボンボチはなんと1本350円。「値段だけ見ると高い感じがするけど、量もたっぷりだから」。なるほどねぇ。
まず出てきたのは塩焼きのほうのボンボチ。たしかに大きいなぁ。ボンボチというと、普通は尻尾の一番先っぽの皮と脂肪のところだけといったイメージなのですが、この店のボンボチはなんだか肉っぽくて、ひと切れひと切れがでかいっ。さらに串に刺されている数も6切れほどと多いので、串全体がボリュームたっぷりなのです。しかも食べるとうま~いっ。「どう?」っとちょっと自慢そうなここっとさん。うん。たしかにこのボンボチは他にはないかも。
続いてはタレ焼きのボンボチ。やぁ、これもあんまり甘ったるくなくて、いいなぁ。
お通し / ボンボチ(塩) / ボンボチ(タレ)
ここっとさんによると、1階の入口脇にに並んでいた「丸むし」という鶏丸ごともおいしいのだそうです。これは半身で1,000円。焼き鳥では「首肉」(1本330円)や「そり」(1本350円)なんかも気になるなぁ。「手羽」(650円)や「もも焼き」(750円)が高いのは、もしかすると手全体、足全体なのかな!?
おすすめのボンボチを堪能したあとは冬らしく鍋にしましょうよ。鍋も種類が多いなぁ。「鳥なべ」(1,200円)、「肝なべ」(1,200円)もさることながら、「皮なべ」(1,100円)ってのもおもしろい。「水炊」(1,500円)にも引かれるなぁ。うーんと悩みつつ、フルさん、ここっとさんとも相談しつつ肝なべに決定。テーブルの上にはすぐに鍋物の用意がされます。「すき焼きのように玉子につけて食べるんですが、玉子は人数分にしますか?」と店のおにいさん。「そうしてください」と返事すると、追加の玉子(150円)がふたつ追加されます。
待つことしばし。「肝なべ」の具が銀色の金属皿にのって登場です。ネギや白菜、エノキダケなどの野菜の上に、左に鶏皮、右に鶏肝がどーんと盛られています。鶏肝(レバー)はツヤツヤといかにも新鮮そう。「生でも食べられるかなぁ」と聞くここっとさんに、「刺身で出すお店もあるくらいだから、食べられないことはないと思うけど、それ用じゃないからねぇ。やめといたほうがいいと思うよ」とフルさんと私が止めてるはしから、パクリとひと切れ食べちゃった。
卓上コンロに火をつけ、鍋の割りしたがグツグツと煮立ったところで具材の投入です。鳥鍋はこうやって割りしたで作って、生玉子をからめていただくタイプのものと、水炊きのようにスープで作って、ポン酢醤油などでいただくタイプのものとが代表的です。私自身はどちらのタイプも好きなのですが、東京で鳥鍋というと一般的には割りしたタイプのものが多いように思います。どぜう鍋や牛鍋も同じ感じですよね。昔から砂糖で甘~くした醤油味というのが好かれる土地がらだったのかもしれません。立ち食いそば屋の横を通ると匂ってくるのも同じようなにおいですよね。つい引かれて店に入りそうになってしまいます。
しかし、こうやって割したで煮込むと、いい意味でも、悪い意味でも鶏レバー独特のクセがまったくなくなっちゃいますよねぇ。割した自体がかなり強力な味と香りですもんね。もともとは肉やモツ、川魚などの臭みやクセをごまかすために考え出された調理法なのかもしれないなぁ、なんて思ったりします。
肝なべの準備 / 肝なべの具 / できあがり
「肝なべ」をつっつきながら、飲み物もビールから酎ハイ類へ。緑茶割りやレモンサワーなどはそれぞれ450円という、ちょっと都会価格。大きなジョッキで出てくるのはうれしいですね。
「最後に雀(すずめ)も食べてみる?」と、「雀」(650円)を塩焼きで注文。雀はひと串に2羽分が刺さって出てきます。こうやって丸まる1羽の形があるとちょっと残酷なようなんだけど、頭のところからパリッといただくのおいしいんですよね。イワシの丸干しを頭からいただくのと同じような感じです。
緑茶割り / すずめ / お勘定
メニューには税抜き価格と税込み価格が並列表記されていますが、レシートに書かれているのは税抜き価格。お勘定をお願いするとそれをスススッと合計して6,090円。それに消費税を300円足して、支払い金額は6,390円でした。消費税は100円単位くらいでざっくりと計算するんですね。
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