フライは横浜名物!? … 串揚げ「總彌(そうや)」(横浜・阪東橋)
横浜の酒場通・伊東さんに連れられて、関内駅からタクシーで向かったのは「よこはまばし商店街」の入口。地下鉄の駅で言うと、関内から伊勢佐木長者町を過ぎてその先、阪東橋駅の近くまで2駅分くらいの距離。関内駅から1キロはありません。
そうか、今日は「よこはまばし商店街」かな? と思いきや、伊東さんはスタスタと商店街とは逆の方向に歩き、交差点を渡ります。右手にはなにやら古くてあやしげなフライ屋が。「へぇ。このあたりにもおもしろそうなフライ屋さんがあるんですねぇ」と声をかけると、「ふふふ、そうでしょう。今日のねらいはこの店なんですよ」と伊東さん。なぁるほど。そうであったか。いつも伊東さんに連れて行ってもらってはずれたことがありませんが、今日もまたハナから期待できそうな予感です。
店の表の電光看板には、左右逆の文字で「フライの店 總彌」と書かれています。なんて読むんだろうなぁ、と思いながら店のほうを見ると、壁に串揚げを食べる猫の絵が描かれた木製の看板が出ていて、そこにひらがなで「そうや」と書かれていました。
店内は2本の平行カウンターになっているらしく、その猫の看板の両側に入口があります。我われは左側の縄のれんをくぐって店内へ。小さい店内は、片側のカウンターに5人も座ればいっぱいでしょうか。両側のカウンターを合わせても10人程度のキャパシティではないかと思います。木曜、午後7時過ぎの店内は、左側カウンターには先客が1名。右側カウンターはお客さんがいない状態です。「いつもお客さんが多いのに、今日は珍しいね」と伊東さん。へぇ。じゃ、この状態はとってもラッキーなんですね。
まずは飲み物。ここは酎ハイ(300円)がおすすめらしいので、それをいただきます。メニューにはビール(500円)や、なんとホッピー(350円)も並んでいます。横浜地区では、ホッピーが400円以上するお店がほとんどなのですが、ここのは安いですね。
電光看板 / ネコ看板 / 酎ハイ
「ここは魚のフライがうまいんですよ」と言いながら、伊東さんがまずキスと穴子を注文。残念ながら穴子は売り切れていて、アジに変更です。「ここは1品注文すると2串ずつ出てきますから、1本ずつ分けましょう」。はーい、了解です。1串50円の品と、100円の品があって、魚系はほぼ100円です。これが2本ずつ出てくるので、1回の注文で200円になるというわけですね。
カウンターの上にはソースと練り辛子、それにキャベツが置かれています。キャベツは自由に食べていいのだそうで、さっそく自分の取り皿にキャベツを持ってきてスタンバイです。
店は男性店主ひとりで切り盛りしているようで、注文を受けてネタに衣をつけ、厨房内のフライヤーで揚げはじめます。まず出てきたのはアジ。追いかけるようにキスも出てきます。これに自分の好みでソースをかけるのです。関西風のようにソースにどっぷりと浸けるのではないところが横浜風なのかな。野毛の「福田フライ」も味がついて出てきますよね。
おぉ。アジもキスも身がアツアツホコホコとうまいなぁ。天ぷらにしてもうまいネタは、フライ(串揚げ)にしてもうまいのか。当然といえば当然のようなことを改めて認識いたしました。
飲むペースの早い伊東さんは、あっという間に1杯目の酎ハイを飲み干して、2杯目に突入。
「アスパラ(1本100円)ももらいましょうか」。さんせーい。アスパラも火を通すとうまいですよねぇ。アスパラは丸ごと1本のまま衣をつけて揚げたものが2本出されます。「これは塩でいただくのがいいでしょう」と伊東さんが食卓塩の小瓶を取ってくれます。アスパラを手にとって、その塩をパラパラとふって先っぽからパクリとかじります。
先客のおにいさんは、ハンペン(1個50円)を注文。これがまたけっこうでかいのです。「ハンペンも人気あるみたいですよ」と伊東さん。我われも1品50円ものをたのもうと、数ある50円ものの中からチクワを選択。チクワは50円分がチクワ1本の半分で、1人前100円分でちょうどチクワ1本分となります。このチクワ1本分が4つにスライスされて出されるので、なんだかとっても得した気分になってしまいます。もともと練りもの大好きですからねぇ。これはいいつまみだなぁ。
アジとキス / アスパラ / チクワ
改めて店内を見渡すと、店内には車やバイクの雑誌、ポスター類がたくさんあります。店主が車好きなのかな。あ。もしかすると表の電灯看板が左右逆文字になってるのもその影響なのかな。車の前面に文字を書くとき、バックミラーで見てきちんと文字が読めるように、左右逆に文字を書くことがあるみたいですもんね。なにしろ、後ろの壁にずらりと車の雑誌が並んでいるので、車好きにはたまらないかもしれないですね。フライを食べるよりも、雑誌を読んでる時間のほうが長かったりして...
約40分の滞在は、ふたりで1,600円でした。またまたさすが伊東さんと思わせる渋い店でした。
野毛の「福田フライ」といい、日ノ出町の「ひのでや」といい、そしてこの店といい、もしかすると野毛・伊勢佐木町地区は昔からフライ(串揚げ)が当たり前に食べられていた地域なのかもしれませんね。明らかに関西風とは違う、横浜名物としてのフライの世界があるような気がします。う~む。まだまだ奥が深いなぁ、この地域も。
・店情報
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コメント
私の住まいの近くです!
もしかしたら通っているかもしれないが
わからないだけかな?
投稿: オーゴンカ-プ | 2006.01.13 21:48
16号沿いで、となりは車の整備工場みたいな感じです。>オーゴンカ-プさん
この界隈で、赤提灯が出て、縄のれんがかかっているお店は他にないと思いますので、近くまで行くとわかりやすいかもしれません。
投稿: 浜田信郎 | 2006.01.15 12:54
土曜日の昼お店を見てきました。もちろん閉まっていましたが。
家内の実家が高根町ですので毎週この辺りをうろうろしていますが、1回も入ったことがありません。
良さそうなお店なので今度是非行ってみたいと思います。
昔、20年以上も前でしょうか、野渡りのフライ、焼き鳥、おでんと言って屋台の立飲の店がこの總彌より伊勢佐木町寄りのちっちゃなスーパー(今は風俗店)の脇にあって繁盛していたのですが今では焼き鳥屋さんしかありません。
今度是非焼き鳥をお試しください。結構おいしいですよ。
投稿: kobori | 2006.01.16 12:44
こめんとありがとうございます。>koboriさん
「よこはまばし商店街」なんかにもなんだか興味があり、この界隈にもまた訪れてみたいと思っています。
横浜もまだまだ奥が深いですねぇ!
投稿: 浜田信郎 | 2006.01.29 20:05
初めまして!
先日、總彌にいってきました。
フライのお店は初体験、ディープな世界でした。
「横浜本」も買いました!
浜田さん載っていらっしゃいましたね!
投稿: ぶんちょー | 2009.06.10 20:31