スーパースター5点盛り … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
ちょっと前に娘が中学受験だったと思ったら、今度は息子が中学受験。うーむ。もうあれから2年か。あっという間に時間がたつもんじゃのぉ。今日でその受験も終わったので、発表はすべて終わってないものの、息子と二人でちょいと打ち上げをすることにしました。
「どこに行きたい?」
きっと「肉が食べたい」とか言うだろうと思いながら聞いてみると、なんと「魚が食べたい」という。しばらく前から念のため生ものを食べてなかったのだそうで、今日は刺身が食べたいのだそうです。よーし。それじゃ近所の「竹よし」に向かいますか。
「こんちは」と入った土曜日午後5時の「竹よし」は、さすがに開店時刻直後とあって先客はなし。ちょうど店主(マスター)がホワイトボードに今日のおすすめメニューを書いているところでした。
カウンター中央部にどんと陣取り、刺身の盛り合わせ(1,000円)をたのんだ上で、息子にはウーロン茶を、私は瓶ビール(スーパードライ、中瓶、500円)をもらって「おつかれさまー!」と乾杯です。
今日のお通し(200円)は本マグロの血合いの煮付け。「お通しは刺身が出てくるまでの間、ゆっくりちびちびと食べるんだよ」と教えてるはしから、「うまぁーっ!」と一気に食べてしまう息子。あーあ。やはりガマンしつつ食べるということはできなかったか。仕方がない、これも少し分けてあげよう。お通しの小鉢をちょいと息子のほうに押しやります。
そして出てきた刺身の盛り合わせはいつものとおり5点盛り。まずはヒラメからいただきましょう。紅葉おろしを溶かしたポン酢醤油でいただく白身の淡泊なこと。しっかりしてること。そのヒラメのエンガワの部分も添えてくれています。「これが本当のヒラメのエンガワだよ」。うちの子どもたちは二人とも回転寿司屋のエンガワが好きなのですが、あれはカラスガレイという魚のエンガワなのだそうで、このヒラメのエンガワよりははるかに脂っぽい。くらべるとこのヒラメのエンガワはものすごく上品ですよねぇ。
本マグロ血合い煮 / 刺身盛り合せ / ヒラメ刺
そして冬の味覚、カワハギの薄造りは、たっぷりとカワハギの肝を溶かしたキモ醤油でいただきます。カワハギ自体はフグの仲間なのでヒラメと同様、いやそれ以上に淡泊な感じなのですが、キモ醤油をまぶしたとたんに濃厚な味わいに変化します。「こんな大きなカワハギだったんですよ」と店主が、いっしょに仕入れた他のカワハギを見せてくれます。おぉ。たしかにでかいっ。肝もたっぷりと入ってますねぇ!
カワハギ刺 / カワハギ / カワハギの肝
もうひとつの白身、真ダイはワサビ醤油でさっぱりと。うーん。これもいいですねぇ。それぞれひと切れずつくらい私がいただいて、残りは息子にやろうと考えていたのに、ついついそれ以上に箸がのびてしまふ。2人前にしとけばよかったかなぁ...。
続いてはシマアジです。プリっと張った身が特徴のシマアジもワサビ醤油でいただきます。くぅーっ。うめぇーっ! すみません。燗酒をお願いします。
こうなるとやっぱり日本酒ですよねぇ。「菊正宗」の燗酒は350円です。
5点盛りのラストは先ほどの本マグロの赤身です。その昔、「魚料理の看板をあげるならマグロだけは無理してもいいものを仕込んどけ!」と厳しいお客さんに教えられて以来、店主はそれを守るようにしているのだそうです。今日のマグロも素晴らしいですねぇ。赤身なんだけど、食べてみると中にフワっとやわらかく脂が混ざっていて、味わいは赤身とトロの中間くらい。というかとても上品なトロといったほうが当たってるかも。
タイ刺 / シマアジ刺 / 本マグロ刺
すばらしい5点盛りですよねぇ。ヒラメ、カワハギ、真ダイ、シマアジ、本マグロとスーパースターの揃い踏みです。「刺身が食べたい」と言ってた息子も大満足の様子です。よかったよかった。
刺身の次にいただいたのは冬の味覚アンコウの唐揚げ(700円)です。これまた仕込みを終えたアンコウの各部位を見せてくれて、それが調理されていきます。アンコウは鍋で食べてもおいしいのですが、こうやって唐揚げでいただくと、アンコウの七つ道具それぞれの味や食感がとてもよくわかってすごく楽しめるのです。
「こんばんは」と入ってきたのは女性のひとり客。カウンターの奥のほうの席に座りながら「いいお酒があったから買ってきました」と出てきたのはなんと「黒龍」の大吟醸です。これはすごいっ。つい先ほど「味のマチダヤ」で買ってきたばかりだし、外は寒いしで、いい温度に冷えています。さっそく栓が抜かれ私もご相伴にあずかります。これはまた、思わず笑みがこぼれてしまうようなお酒です。最近はこうやってスイスイと飲めてしまう日本酒が増えてきて、実に危ないですよねぇ。あぁ、幸せ。
さばいたアンコウ / アンコウ唐揚げ / 「黒龍」大吟醸
お通し、刺身と本マグロがおいしかったので、ここはもう一品、「本マグロのあごとろ」(600円)を焼いてもらいますか。マグロの頭をスパッと落としたときに、カマトロの下のほうで、腹身の先っぽのほうの部分が三角形に下のほうに残る。それを「あごとろ」というんだそうです。トロだけに脂は多いのですが、身がしっかりと締まっていて、噛みしめるとジュワっと脂が広がります。
これも息子が気に入ったみたいなのでまかせておいて、私は「粒ウニ」(400円)をいただいて「菊正宗」(350円)の燗酒をおかわりです。最後はこういうチビリとなめるような肴(さかな)がいいですねぇ。ひとりだったらあと2本くらいはお酒がいただけちゃいそうですが、今日はやめときましょう。
粒ウニ / 本マグロあごとろ / あごとろの骨
2時間ほどの滞在は4,900円。息子とともに海の幸を堪能いたしました。
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コメント
息子さんと二人での「竹よし」。素敵です。
お酒が飲めるようになる頃が楽しみですね。
息子のいないボクには、とてもウラヤマシイです。
投稿: uchidaholic | 2006.02.19 17:45
ごぶさたしておりますが、ブログは拝見しております。>uchidaholicさん
どちらかというと息子(弟)よりも、娘(姉)のほうがお酒は強くなりそうな感じなのですが、最近は友達と一緒に遊びに行くほうが楽しいのか、親と一緒には出かけてくれなくなってきました。(^^;;
投稿: 浜田信郎 | 2006.02.19 21:11