3年目に突入! … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)
日曜日は「よじあき」です。平成16(2004)年1月30日(金)に開店した「秋元屋」も、大人気のうちに2周年を終え、いよいよ3年目に突入しました。
ちなみに「よじあき」というのは開店時刻の午後4時に「秋元屋」に行くことを言います。そうそう。午後4時に開くのは日曜日だけで、それ以外は午後5時開店なので気をつけてくださいね。
今日はちょっと出遅れて、店に着いたのは午後4時10分。常連のみなさんは「日曜日は4時開店」ということをよくご存知で、店内はすでに7割程度の入り。私も空いていたカウンター奥側の一角に腰をおろします。
「いらっしゃい。なんにしましょう」と笑顔でたずねてくれるヨッちゃん(店を手伝っている女性)に、まずはビールの小瓶(サッポロ黒ラベル、350円)を注文します。最初にちょっとビールを飲みたいときに、この小瓶というサイズ(350ml入り)はちょうどいいんですよねぇ。通常サイズの缶ビールと同じ量です。
焼き台に多少余裕があるみたいですので、まず焼き物からお願いしておきますか。レバ、ハラミ、テッポウ(各100円)を1本ずつ味噌でお願いします。
この店のもつ焼きの味は、塩、タレ、味噌の3種類が選べますが、なにしろ特長的なのは味噌ですよね。ちょっと辛めのこの味噌がいろんなモツに合うのです。あ、味噌といっても、味噌そのものをつけて焼くわけではなくて、味噌をベースにした液体のタレに浸けて焼きあげます。私が特に味噌が合うと思うなのは、今たのんだレバ、ハラミ、テッポウのほかにはカシラ、ヒラ、シロ、チレあたりかなぁ。他のものも味噌で焼くとおいしそうですが食べたことがありません。
もつ焼きは焼けた順に出してくれます。先ほどの3種はレバ→テッポウ→ハラミの順に1本ずつ出てきました。こうやって焼きあがり時間が違うものを混ぜてたのんでおくと、1本ずつ熱いうちに食べることができていいですね。
飲み物はホッピー(380円)をいただきます。ここの焼酎は標準は「宝焼酎」ですが、30円アップで「金宮焼酎」にすることもできます。また、ホッピーも標準は氷入りですが、「氷なしで」とお願いすると氷なしで出してもらえます。
このあたりですでに焼き台はフル回転状態。端から端までずらりともつ焼きが並んでいて、この時間帯の焼き台を担当している三浦さんが真剣な表情で奮闘中です。店内カウンター席ももう満席。あとは入口テラスのテーブル席(4人がけ×2)のみです。うーむ。席が埋まるのが早いなぁ。ちょっと出遅れるともう座れないくらいの状況です。
焼き台がいっぱいの間は焼き物以外のメニューを楽しみますか。それじゃ、ガツ酢(180円)とタクアン(100円)をお願いします。
ガツ酢はガツ(豚の胃袋)をゆでて細かく切り刻み、あらかじめ酢に漬けこんだものが小皿で供されます。あらかじめ漬けこんでいるだけあって、全体に酢が回っていていいつまみになります。「石松」(←「春」改め)で出される茹で冷ましただけのガツ刺し(酢味噌をつけていただくタイプ)や、「たつや」で出されるポン酢醤油+練り辛子タイプのガツ刺しも、それぞれ特長があっていいですよねぇ。いずれも酒のつまみになることこの上なしです。
タクアンってメニューはけっこう珍しいかもしれないですね。お新香盛り合わせの中にタクアンが入っていることはありますが、それだけが単独で打ち出されてますからねぇ。今日もお新香にしようかどうしようかとちょっと迷って、はじめてとなるタクアンにしてみたのでした。小皿で出されるタクアンは無着色の白いもの。味もやわらかくて、ちびりちびりとかじっていると燗酒がほしくなりますねぇ!
ガツ酢を食べ終わるころになっても焼き台のフル回転状態はまだまだ続いているため、今度は煮込み玉子入り(380円)、通称“ニコタマ”を注文します。ここのニコタマは、もつ煮込みと煮玉子(1個)のほか、煮込み豆腐もひと切れ入った人気の品。もつ煮込みだけだと320円、煮玉子(1個)は100円で注文できます。ちょっと前までは煮込みの豆腐の部分だけもメニューにあったのですが、今はなくなっているようです。でも、豆腐だけを注文してる人もいるので、隠れメニューとしてはまだ存在するのかもしれませんね。単に私がメニューを見落としてるだけかもしれませんが…。(※その後の顛末: やはり単なる私の見落としで、煮豆腐(200円)はちゃんとメニューにありました。失礼いたしました。)
ナカ(ホッピーの焼酎部分のおかわり。250円)をおかわりして、ニコタマをつっつきながらフル操業の続く焼き台を見学です。次々と入る注文に動じることなく淡々と焼きつづける三浦さん。焼き台横のバットの中にはこの後焼き台にのる予定の材料がずらりと並んで出番を待っています。このバットが、野球で言うと“ネクスト・バッターズ・サークル”的な役割なんですね。焼きあがった端から次の材料が焼き台の上へと移動していくのですが、注文の方も絶え間なく、バットの中にも後から後から待ち行列ができていく状態。
そんな中、バットの中から次の2本を取り出した三浦さん。それを注文したお客さんのほうに顔を向けて「味はどうしますか?」と確認。注文するときに「タレで」とか「塩ね!」と注文してるお客さんの分はそのまま焼くのですが、ときどき注文時には味付けを言及しないお客さんがいる。それを焼くときになると「味はどうしますか?」と確認するのです。「だれが注文したのか」「味付けはどうなのか」ということを全部覚えてないといけないので大変な仕事ですよね。
「味はどうしますか?」と聞かれたお客さん。「うーん」と考えて「薄塩でお願いします」。おぉ。これはまた変化球できましたねぇ。それを聞いた三浦さん、ニコっと笑って「はい。じゃ、片面だけ塩を振りますね」。やるなぁ。
これだけのもつ焼きの注文への対応を店主(マスター)ひとりでやってたのではたまらない。ここで修業をされてた三浦さんが、もうひとりの焼き手としてガッチリと育ってくれて本当に良かったですよねぇ。>マスター
そうこうしているうちにやっと焼き台にも余裕が出てきたので牛上ミノ串(150円)とチキンボール(100円)を焼いてもらいます。チキンボールのほうは塩焼きでお願いします。
ミノ串は「石松」同様、醤油味で出されます。この香ばしさとクリクリとした食感がいいんですよねぇ。マスターは今でも休みの日(月曜定休)には他のもつ焼き屋さんや大衆酒場などを勉強に回っているらしくて、おいしいもの、気になるものがあるとすぐに「秋元屋」のメニューにも取り入れてくれます。この姿勢がうれしいですよね。
チキンボールはいわゆるツクネ。塩コショウがピシッと効いてて小気味よくスパイシー。これまたビールやホッピーに最高にあうつまみですよねぇ。熱いうちにあっという間に食べきってしまいます。
残しておいたタクアンでホッピーを飲みきって本日終了。お勘定をお願いすると、たっつんさん(←店を手伝っているおにいさん)がものすごい勢いで電卓で計算してくれます。この電卓を叩くスピードもある意味職人技ですよねぇ! ポンッと最後のキーを押して「2,190円です」とたっつんさん。どうもごちそうさまでした。1時間ちょっとのもつ焼きタイムでした。
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コメント
お店の店員さんへの注文の仕方とそれに対するの「間」やタイミングは重要な要素だと思います。
通の方はさすがにその辺を心得ているようでうまく対応される事に敬服します。
投稿: 桑田 | 2006.02.19 19:15
貴ブログの「居酒屋の礼儀」も拝見いたしました。>桑田さん
http://ameblo.jp/musashino-kichijyoji/entry-10009113802.html
慣れないお店では特に注文などの「間」の取りかたが難しいですよねぇ。逆にうまく「間」が取れるようになってくると、自分もすこしだけ常連さんに近づいたようで、うれしかったりします。
投稿: 浜田信郎 | 2006.02.19 21:20