骨までポリポリ … 鳥料理「とよ田(とよだ)」(自由が丘)
何年も前から行ってみたかった鳥料理屋があります。扱っている品は、ひな鶏のもも肉の唐揚げ、手場肉の唐揚げ、そして砂肝の唐揚げの3品と、他はお新香があるだけ。ごはんもない。ところが小さな店内はいつも満席で、行列覚悟だというのです。
自由が丘駅のすぐ近く。東急ストアの向かいの小さな路地(?)の中にそのお店はあります。店の名は「とよ田」。ガラリと引き戸を開けて店内に入ると、店内は左手が鉤の手(かぎのて。L字型)のカウンター席(8席程度)、右手が小上がりの座卓席(6人程度用1卓)になっていて、平日午後7時過ぎの店内は8割程度の入り。
店のおかみさんらしき女性が「カウンターの奥の方へどうぞ」と空いている席を教えてくれます。カウンターの後ろはすぐ壁になっていて狭い。カウンターに座っている先客のみなさんが腰を浮かせて通りやすく道を作ってくれます。「すみませーん」とあいさつしながらその後ろを通ってカウンターの置く側、鉤の手の短辺の端っこの方に座ります。
すぐに出されるあったかいおしぼりと、お通しのオニオンスライス(ポン酢醤油かけ)。「お飲み物はなんにしましょう」。カウンター内のおにいさんから声がかかります。「ビールをお願いします。」「瓶(びん)と生がありますが。」「瓶のほうで。」「瓶はプレミアム・モルツとスーパードライがあります。」「じゃ、スーパードライをお願いします。」「はーい。」というやり取りを経て、スーパードライの中瓶が出てきます。
「唐揚げのほうは?」とたずねてくれるおにいさんに、「3種類をひとつずつお願いします」と注文します。
カウンター短辺のところは、鳥を調理する様子がちょうどよく見える場所。鳥は頭と足先(もみじ)、内臓を除いた丸ごと1羽分がずらりと並んでいて、それとは別に下ごしらえを終えた砂肝が山のように積んであります。その砂肝を柄が付いた揚げザルに入れて、そのまま揚げ鍋の中にジャーッと浸けこみます。ジャージャーと派手な音がおさまってきたらできあがり。さっと塩をふりかけて、目の前に砂肝の唐揚げが出てきました。
どれどれ。下ごしらえがいいのか、砂肝独特のとても硬い部分は切り取られていて、全体としてやわらかい。いや、もちろん砂肝なので、砂肝らしいコリコリ感はあるものの、予想してたよりはやわらかいといったところです。これはまたビールにぴったりと合うつまみですねぇ。ビール、おかわりお願いします。
カウンターの中ではもも肉・手羽肉の準備が進みます。丸々1羽分のひな鶏を、まずはセンターからまっぷたつに分けます。このとき背骨がまん中から切れて、両側に半分ずつ残るように割っているのがすごいところ。首の部分は使わないのか、切り落として別の容器に入れられます。左右に分かれたひな鶏の半身を、今度は上半身、下半身に半分に分けます。この上半身が手羽肉に、下半身がもも肉になるのでした。つまり手羽肉ともも肉を注文すると、半羽分のひな鶏をいただいたことになるんですね。
目の前で下ごしらえが終わった手羽肉ともも肉は、衣はつけずに揚げ鍋の中に入れられて、そのまま素揚げされます。
手羽肉 / もも肉
まつことしばし、見た目にもカラリと揚げ上がった手羽肉ともも肉が目の前に出てきました。もも肉は食べやすいように揚げ上がったあとでふたつに分割してくれています。手羽肉のほうは手羽の付け根のところから開くように持ち上げるとうまくばらすことができると教えてくれます。
添えられたレモンを絞りかけ、好みに応じてカウンター上の塩や七味をふっていただきます。
ほぉ。表面は見た目どおりカリカリ。中にもしっかりと火が通っています。火の通り具合はジューシーといった感じではなくて、まさにしっかりとといった感じ。串刺しの焼き鳥の場合は身が小さいのでレア気味もいいのですが、これくらい大きい身になると、ちゃんと火が通っていたほうがうれしいですね。
特に手羽肉(上半身)のほうは、骨までポリポリと食べてしまえるほどで、残る部分がほとんどない。これはいいなぁ。さっそく手羽肉はおかわりをお願いします。
ビールもたっぷりといただいて、お勘定をお願いすると最後に鶏スープが出てきました。この鶏スープもいいダシが出ていていいですねぇ。もしかすると先ほど使わなかった首肉の部分をダシ用に使ってるのかなぁ。
約1時間半の滞在はふたりで5,200円ほどでした。
店内にはメニューも価格表示もいっさいありませんが、「Yahoo!グルメ」によると砂肝が650円、ももと手羽が700円のようです。ご参考までに。
・店情報 (「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)
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