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肉屋の片すみで … 立ち飲み「肉のまえかわ」(大井町)

徐々に春めいてきた土曜日の昼下がり。渋谷のWINS(ウィンズ。場外馬券場)まわりの屋台っぽい酒場は、競馬新聞と馬券を持った人たちでにぎわっています。どの店でも店内のテレビでは競馬の様子が中継されており、飲みながら見守るお客さんたちもレースの結果に一喜一憂。我われもお遊びにちょいと馬券を買って、ビール(サントリー・モルツ中瓶、600円)や煮込み(500円)、さらにはおから(500円)などをつっつきながら競馬観戦です。お遊びとはいえ、馬券を買って見るレースは気合いの入りようが違いますよねぇ!

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WINS前の飲み屋 / ビールと煮込み / おから

しかしながら、ビールにしても料理にしても、けっして安いとはいえないし、それほどおいしくもない(失礼!)のですが、そこはWINSの目の前という地の利で繁盛してるんですね。お客さんたちも、飲みかけのグラス、食べかけの料理をテーブル上に残して、WINSとの間を行ったり来たりしています。

結局、買った馬券はひとつも当たらず「あぁーあ。残念だったねぇ」と笑いあいながら、ひと駅となりの恵比寿駅までお散歩です。途中、お酒や料理を売っている99円ショップ(残念ながら酒類は99円ではありません。)の店先で、この店で買ったばかりらしき料理をつまみに、これまた買ったばかりらしきお酒を立ち飲んでいるおじさんがいて、我われも互いに顔を見合わせて「どうする? ちょっと飲んでいく?」などと迷いつつも、先を急ぐことにしたのでした。(とてもおいしそうに見えたなぁ。。。)

さらに歩いて到着したのは「恵比寿麦酒記念館」です。恵比寿というこの土地の地名は、実はここに明治20(1887)年創業の「恵比寿ビール」の工場があったから付けられた名前なのです。ビール工場は、この地域の再開発により、残念ながら昭和63(1988)年に船橋に移転してしまいました。「恵比寿麦酒記念館」は百年余にわたってビール造りが行われた工場を記念するとともに、ビール文化を伝えるために、この地に建設されたのだそうです。

そんな歴史的経緯はさておいて、我われの目当てはもちろんビール。ここ「恵比寿麦酒記念館」にはテイスティング・ラウンジというビールを有料試飲できるコーナーがあって、エビスの生ビール、黒生ビールがそれぞれ1杯200円で、ギネススタウトやエーデルピルス、限定醸造ビールなどがそれぞれ1杯250円で飲むことができるのです。なにしろ1杯が半パイント(280ml)くらいありますので、かなりお得感があるのです。惜しむらくは「恵比寿麦酒記念館」の受付終了時刻が午後5時だというところ。平日には残念ながら来れそうもない時間なので、こうやって週末にやってくるしかないのでした。(ちなみに月曜日が休館日です。)

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自動発券機 / 生ビールなど / ギネス

歩いたあとのビールの、なんとうまいことよ。ビールを買うとおつまみに酵母入りクラッカー(ビア・クラッカー)が付いてくるほか、ビールサーバーのあるカウンターで、ちょっとしたつまみ(チーズなど)も販売しているのでした。

「恵比寿麦酒記念館」で喉を潤したあと、いよいよ本日の主目的地、大井町へと向かいます。山手線から京浜東北線へと乗り継いで、恵比寿から大井町までは20分もかからず到着。しかし、この20分の間に天気予報どおり雨が降りはじめてしまいました。

大井町での1軒目は「肉のまえかわ」です。“肉の”という接頭語が示すとおり、この店は実は「(株)前川商店」という食肉屋さん。数年前からそんな肉屋さんの店内で立ち飲みできるスタイルになったのだそうで、土曜日午後5時前の店内は雨にもかかわらず満員のお客さん。まさに立錐の余地もない状態です。

そんな立錐の余地のないところへ、半ばむりやり入っていって、いかにも肉屋さんらしいガラスケースのところでレモン割り(200円)やウーロン割り(200円)、ビール(キリン一番搾り缶、240円)など、それぞれ思い思いの飲み物をいただきます。支払いはまさにでてきた品物と引き換えに行うキャッシュ・オン・デリバリ。

店内にはそこここにテーブルとはいえないような立ち飲み台のようなものが置かれていて、みなさんそのまわりに集まっています。空いてる台はないので、飲み物を買ったガラスケースのところでひとまず乾杯し、つまみを選びます。第1陣としてもらったのはササミ刺身(250円)とポテトサラダ(100円)、メンチカツ(115円)の3品。いやいや。まさに肉屋さんのお値段でうれしいですよねぇ。ちょうど入口近くのテーブルもひとつあいて、そこんで立ち飲み開始。うーん。ササミ刺身の新鮮さもすばらしい!

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ささみ / ポテトサラダ / メンチカツ

飲み物のおかわりをもらいに行ったりするついでに1品、また1品と料理も追加されていきます。

けっこう大きなトンカツは、先ほどのメンチカツと同じくガラスケースの中にずらりと並んでいるものなので、残念ながらできたての熱々ではありません。いわゆる肉屋さんで売ってるメンチカツ、トンカツをその場で食べてるってものなんですね。食べやすいように切ってくれた上でソースもかけてくれます。ちょうど出来たてにあたったらラッキーってことですね。ソースはかけてくれますが、さすがに練辛子まではないので、同行者のひとりが近くのコンビニからチューブ入り辛子を調達してきました。こんなところも肉屋の軒先で食べてるっぽい。すぐ横の冷蔵ケースの中にはマジックで名前が書かれたゴマ油もあります。常連さんがキープしてるんでしょうね。

コロッケ(1個65円?)2個は、ひとつが野菜コロッケで、もうひとつがカレーコロッケ。コロッケも肉屋さんの定番ですね。

店の軒先には焼き台があって、女店員さんが焼き鳥を焼いています。普通の焼き鳥はそこで買えばいいようなのですが、ちょっと特殊な品物はお店で買ってからそこで焼いてもらうようです。だれかが食べてたウィンナソーセージ(200円)がおいしそうだったので、それを焼いてもらうことにしました。ウィンナソーセージも、奥のガラスケースのところで串に刺さった生(?)のウィンナソーセージを買ってきて、それを焼き台のおねえさんに「焼いてください」と渡すスタイル。しばらくすると焼きあがったウィンナソーセージをテーブルのところまで持ってきてくれます。焼きたての熱々なのがうれしいですね。

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トンカツ / コロッケ / ウィンナー

1時間半ほど立ち飲んでるうちに、雨もあがってきました。さぁ。それじゃ次に向かいますか。それぞれが別々に支払ったので、トータルでいくらかはよくわかりませんが、私の財布からは千円も減ってないなぁ。どうもごちそうさま。

店情報 (「帰り道は、匍匐ぜんしん!」(恵比寿編大井町編)、「宇ち中」(恵比寿編大井町編))

《平成18(2006)年3月18日(土)の記録》

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コメント

こんばんわ!肉のまえ川には何度か通いましたが、最近、地元(日暮里)に銘酒が安く飲める角打ちに休日に顔を出しているので、最近はご無沙汰です。焼き鳥を焼いている中国人の女性は明るくて、よく話をしました。夕方になると自転車での豆腐売りが来ました。そんな下町風景が今でも目に焼きついています。

投稿: ☆GのQoo | 2006.09.10 21:18

コメントありがとうございます。>☆GのQooさん
もしよろしければ銘酒が安く飲める日暮里のお店も教えてください。
日暮里といえば、「川むら」も行きたいのに行けていない……。

投稿: 浜田信郎 | 2006.09.24 21:44

浜田さんこんばんわ!酒場百選読ませていただきました。近くなのに川むらは未だ未体験ゾーンです。私がよく寄るのは、日暮里再開発地区より西側の中村屋酒店の立飲みです。大井町の武蔵屋酒店のように酒屋の仮店舗内で飲めます。
主人の舌は信頼でき、地酒の吟醸クラスの銘酒を酒屋価格で飲ませてくれます。
他の居酒屋に行くとちょっと損したような気になるのが、玉にキズです。常連達が楽しく飲んでいますが、一見さんにも常連達は一見さんにも優しいです。営業時間は午後5時から10時ですが、店は11時までやっています。しかし、土日祝日はお休みです。

投稿: ☆GのQoo | 2006.09.25 21:54

中村屋酒店をご紹介いただきありがとうございます。>☆GのQooさん
横浜からの帰り道、京浜東北線のまま日暮里地域などをまわれば簡単に行けそうなので、ぜひ近いうちに出かけてみたいと思います。

投稿: 浜田信郎 | 2006.10.08 22:33

中村屋酒店をご紹介いただきありがとうございます。>☆GのQooさん
横浜からの帰り道、京浜東北線のまま日暮里地域などをまわれば簡単に行けそうなので、ぜひ近いうちに出かけてみたいと思います。

投稿: 浜田信郎 | 2006.10.08 22:33

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