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殻ごとウズラの玉子 … 焼き鳥「大和鳥(やまとちょう)」(高円寺)

高円寺駅から歩いて15分ほどかかる大和町(やまとちょう)中央通り沿いにポツンと焼き鳥の赤ちょうちんが灯っています。ここが、学生時代にこの近くに住んでいたという酒友・H氏のおすすめのお店「大和鳥」です。

「個々の注文はできず、腹の具合と、金がない場合はそのむねを申告しておけば、あとは店主が出すものを決めてくれる」。「ウズラの玉子を殻付きのまま串焼して食べるのがうまいらしい」。「定休日が特に決まっておらず、店主の都合で休みになったりするらしい」。「WAHAHA本舗(わははほんぽ)のメンバーがよくやってくる店で、久本雅美や、近くに住んでいる柴田理恵などもやってくるらしい」といった数々の伝説をもつこのお店は、実はわが家からも歩いて20分ほど。それなのに、これらの伝説につい敷居が高くなってしまい、店内に踏み込むことができずにいたのでした。

今日は行きつけのH氏が同行しているうえに、事前にH氏が店主に電話予約を入れてくれていたので、店につくなり「奥に入って!」と、入口横の焼き台で焼き鳥を焼いている店主から声がかかります。

店内は左手が直線のカウンター席、右手が数卓のテーブル席ながら、店内はうなぎの寝床風に細長く、カウンター席とテーブル席はもうくっつかんばかり。その狭い通路を店の奥へと進むと、別室風の小上がりの座敷席があり、そこに6人ほど座れる座卓がひとつ。今日の我われの場所はここです。(ちなみにお手洗いもこちらの一角にあって、トイレに行く人はこの小上がりに上がってくるのでした。)

料理は店主が決めて出してくれますが、飲み物は自分たちで冷蔵庫から取り出してきて申告する仕組み。さっそくビール(アサヒスーパードライ大瓶)を取ってきて乾杯です。

まず出てきたお通しは大根と竹輪の煮物。じっくりと煮込まれた大根はすっかり飴色でやわらかです。

大皿で出てきたのは鶏刺身の三種盛り。ひとつはササミのたたき風で、表面だけがさっと火がとおっています。これ以外の2種は刺身といいつつも下ゆでされた状態で出されています。ヤゲン軟骨は、軟骨のまわりにちびっと残っている肉の部分もまたうれし。もうひとつは何だろう。中落ちの部分なのかなぁ。肉と内臓の間のような食感です。みっつとも、こんもりと添えられた大根おろしをのせて、いっしょに出されたタレにつけていただきます。

そして焼き鳥の登場です。まずはササミの明太子焼き。大ぶりのササミを串焼きにして、明太子ソースをたっぷりと盛った上で海苔をのせたもの。文字にするとそんな焼き鳥なのですが、そのササミのプリッと厚いことといったら。またこの明太子ソースの味がいいですよねぇ。「この明太子ソースだけを追加で出してもらえませんか」と店主にお願いしてみる酒友もいますが、「それはダメだ」とザックリと断られます。

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お通し / 鶏刺身盛り合せ / ササミ明太子焼き

さぁ、来ましたよぉ! 噂のウズラの玉子です。やぁ、本当に殻ごと串に3個ずつ刺されてますねぇ。どーれどれ。アチチッ。出てきたばかりのウズラの玉子は、その殻の部分が熱々でとても口に入れられません。しばしの間冷まして再チャレンジ。こんなの食べられるかなぁと半信半疑で口に運ぶと意外や意外。玉子の殻はシャクっと芳ばしく、やわらかく醤油っぽい風味でこれがおいしいのです。えーっ。不思議。

1個丸ごと食べ終わって、ウズラの玉子をもう一度よーく観察すると表面がちょっと茶色っぽい。全体を醤油系のタレに漬けこんで下ごしらえしてるのかなぁ。2個目はカプッと半分のところで噛み切って、今度は内部を観察してみます。なーるほど。白身の部分も茶色く変色して、とてもよく漬かっている様子がうかがえますねぇ。玉子の殻の部分も、通常のうずらの玉子よりもうんと薄い感じ。漬け込んでいるうちに殻も少し溶けるなどして薄くなったのかなぁ。でもそのおかげで玉子の殻の部分がシャクッと芳ばしくなって、全体として一体感をもって味わえる食感に仕上がってるんでしょうね。うーん。これはすばらしいなぁ。

続いては、店主が「これはなんだかわかるか?」と自慢げに出してくれた一品。鶏のどっかの部分の串焼きなのですが、しっかりとした肉の歯ごたえは、もしかすると鶏のハラミなんじゃないかな。「正解は?」とたずねると、店主は「本気で焼き鳥屋をやろうというヤツには教えてやるが、そうでないヤツには教えない!」と笑っています。うーん。なんなんでしょうねぇ。内緒にされるとよけい気になるなぁ。(笑)

次に出てきたのはトマトのベーコン巻きです。個人的に焼いたトマトは大好き。焼いたトマトがあるからイギリスの朝食が好きだと感じるほど好きなのです。このところ、トマトのベーコン巻きをおいている焼鳥屋さんが多くなってきてるのがうれしいですね。

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うずらの玉子 / 秘密の焼き鳥 / トマトのベーコン巻き

本当は焼きそばもおすすめらしく、最後はそれで〆るのがいいらしいのですが、残念ながら今日はそこまでいけませんでした。今度の宿題です。たっぷりと2時間半近くの滞在は、6人で12,500円(ひとりあたり2,100円ほど)。「また来いよ!」と笑顔で見送ってくれる店主に「ごちそうさまー!」とみんなで声をかけながら店を後にしたのでした。

店情報 (「帰り道は、匍匐ぜんしん!」、「アル中ハイマー日記」)

《平成18(2006)年3月31日(金)の記録》

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 中野区大和町(やまとちょう)にある焼き鳥の店、「大和鳥」にやってきました。店名の読みは『やまとちょう』。大和町にあるから『やまとちょう』なんですね。 「みんなが一発で覚えてくれるんだよ。高円寺は焼き鳥激戦区だから、いろいろと工夫しないとな」  と笑うのは店主の佐藤由亘(さとう・よしのぶ)さん。  テレビや雑誌では、この店の名物として、殻付きのうずらの卵や、イカ墨の富士宮焼きそばが取り上げられるこ... [続きを読む]

受信: 2013.07.23 23:36

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