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じっくりと腰を据えて … 居酒屋「久昇(きゅうしょう)支店」(藤沢)

「出張で藤沢18:21着の予定です。久昇支店はいかがでしょうか?」というメールがG.Aさんから届きます。先日久昇本店に行ったときに「次はぜひ支店にも!」という話をしたところだったのです。それはもう二つ返事で「行きますとも!!」。

「久昇本店」と「久昇支店」はすぐ近く。通りの角をはさんで直角っぽい位置関係にあり、「実は店の奥のほうで本店と支店がつながっている」という噂もあるほどです。(真偽のほどは定かではありません。)

支店の入口には「さけ」と書かれた提灯が「久昇」と書かれたのれんとともに迎えてくれます。店の表には「本日のおすすめ品」と書かれたメニューが置かれ、刺身や季節の料理など、このおすすめメニューだけですでに50品目くらいあるのがすばらしい。

のれんをくぐって店内へと入ると、そこにはずらりと並ぶテーブル席。「いらっしゃいませ」と迎えてくれる女店員さんに、G.Aさんが「ふたりです」と伝えると、「どうぞ奥へ」と案内してくれます。入口近くのテーブル席フロアを通り抜けると右にL字のカウンター席、左に小上がりの座敷席が現れます。なるほど。奥にカウンターがあるタイプの店なんですね。どちらにも空席はありましたが、今日はカウンター席に陣取ります。我われの左側は中年のご夫婦。右側は中年の女性ふたり組です。こうやって我われと同じ年頃の人がずらりと並んでいると、なんだか安心しますね。

まずはビール(キリンラガー大瓶、510円)をいただいて乾杯すると、出されたお通し(150円)はウドのゴマ和えです。お通しから季節感を出してくれますねぇ。

そして料理。「久昇と言えば」というほどの名物品である「特製おから」(380円)と、支店にしかない「おすすめ献立の盛り合わせ」(1,500円)の2品を勢い込んで注文します。なにしろ今日は、この2品を食べにやってきたといっていいくらいですからね!!

すぐに出てくるのは「特製おから」です。おぉ。本店のおからは具沢山でしっとり感のあるものが、小鉢に山状に盛られているのですが、こちら支店のおからは、同じく具沢山ながら、本店のものよりもっとしっとりとした感じで、軽く球形に整えられたものが小鉢の上にのせられています。おにぎりを作るように、軽くむすんだんですね。その球形をくずすように小皿に取り分けて、いっただきまぁーっす。「んー」とG.Aさんと顔を見合わせて「うまいですねぇ。本店もうまいが、こっちのはもっとうまく感じますねぇ!」と思わず笑顔がこぼれます。

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店の外観 / ビールとお通し / 特製おから

さぁ。いよいよ「おすすめ献立の盛り合わせ」の登場です。メニューには『本日のおすすめ品の中から十点ほどを選んで大皿に盛り込みます。一皿で季節の味と、久昇の味をお楽しみになれます』と書かれているこの一品。大きな四角いガラスの器にずらりと並んだ品々は、まさに「本日のおすすめ品」の中から蛤(はまぐり)菜種焼(単品でたのむと700円)、筍(たけのこ)木の芽味噌和へ(単品500円)、鳴門若布(なるとわかめ)と筍煮(単品600円)、姫さざえ木の芽焼(単品600円)、早蕨(さわらび)おひたし(単品500円)、じゃが芋セロリー金平(きんぴら)(単品600円)、山菜天婦羅(単品1,300円)、甘鯛桜蒸し(単品1,000円)、芋チーズ(単品500円)、白バイ貝旨煮(単品750円)の合計10品。もちろんひとつひとつの量は少しずつなものの、すべてを単品でたのんだとしたら7,050円かけないと味わえない品々ですからねぇ! これはうれしいです。しかも、一品一品は少しずつなものの、全体としての量は多いので、もしひとりで来てたらこれだけできっと満腹です。

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おすすめ献立の盛り合わせ / 蛤菜種焼 / 筍木の芽味噌和へ

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鳴門若布と筍煮 / 姫さざえ木の芽焼 / 早蕨おひたし

50品近くある「本日のおすすめ」から10品を取り出しただけでもこうなのに、目の前に置かれた定番メニューにもさらに名物の牛スジ旨煮(650円)にはじまって牛スジ塩味煮(650円)、刺身三点盛り(1,300円)、すっぽん鍋(980円)、焼き鳥 久昇風(700円)、玉子焼(550円)、いかわたホイル焼(670円)などなど興味を引かれる品々がずらりと並び、最後はシメの親子丼(700円)、高菜チャーハン(670円)、うめニューメン(600円)、じゃこめし(500円)、釜上げシラス丼(600円)などなどの食事メニューまでそろっている。これは何回か来たくらいでは食べきれませんねぇ。すばらしい。またまたG.Aさんと顔を見合わせて「今日はもう、ここで腰を据えますか」とニンマリ。これだけの品々を目の前にして、他に回るなんてもったいなくて。

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じゃが芋セロリー金平 / 山菜天婦羅 / 甘鯛桜蒸し

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芋チーズ / 白バイ貝旨煮 / 玉露玄米茶割り

よーし、そうと決まったらじっくりと。ビールに続いては「焼酎の玉露玄米茶割り」(330円)をいただきます。玉露割りはときどき飲むことがありますが、玉露玄米茶割りというのははじめてです。出されたグラスには金宮マークが燦然(さんぜん)と輝き、玄米茶の香りもとても芳ばしい。

さて次の料理はなんにしましょう。メニューの中には「温かい独り鍋」や「珍味メニュー」なんてのもある。「温かい独り鍋(小鍋)」はイワシつみれ鍋(800円)、葱鮪(ねぎま)鍋(900円)、牛筋土手鍋(630円)、美容鍋(牛筋の柳川風、750円)などなど。「珍味メニュー」のほうは、くさや酒浸し(580円)、えいひれ酒浸し(580円)、自家製いか塩辛(580円)、かに味噌(500円)、かき塩辛(580円)、雲丹(うに)とろろ(980円)、からすみ(580円)、にしきぎ(680円)、いか納豆(700円)、いか明太子和へ(700円)、なめこおろし(500円)、シラスおろし(500円)、メフン(580円)、豆腐味噌漬(500円)、焼き塩辛(700円)などなどと、まさに呑んべ好みのする品々がずらりと並んでいるのです。

あれにもこれにも心引かれますが、なにしろ食べたことがない「焼き塩辛」(700円)をいってみましょうか。「にしきぎ」(680円)ってのも気になるけど、どんな料理かわかんないしなぁ。(注:のちの調査によると「にしきぎ」というのは何種類かの野菜とゴマや海苔などを醤油で和えた料理のようです。「にしきぎ」という名前は、秋に緑や黄・赤などいろいろな色に紅葉する「錦木(にしきぎ)」という木にちなんだものなのだとか。今度実際に食べて確認してみなきゃね。)

右どなりの女性ふたり組がつっついている揚げシラスのような料理も気になります。ついこらえきれず「それはなんなんでしょう?」と聞いてみたところ、「これ? これは揚げシラス香り和えです。おいしいですよ」とニッコリと笑顔でこたえてくれます。よーし。じゃそれもひとつとG.Aさん。さっそく「揚げシラス香り和へ」(650円)も注文です。

「焼き塩辛」は小鍋でグツグツと出てきます。「はい、どうぞ」とふたを取ると、フワーッと漂う塩辛の香り。ひと口含むと、いかわたホイル焼きをもっともっと濃厚にした感じの味が広がります。いいですねぇ。「ご飯がほしくなりますねぇ」とG.Aさん。たしかにたしかに。お酒のつまみにもなるけども、ご飯にのっけて食べてもおいしいだろうなぁ。鍋の中にはイカだけではなくて、シイタケや三つ葉なども入っています。これも他の店ではお目にかかったことのない一品ですねぇ。

そして「揚げシラス香り和へ」。パリパリに揚がったシラスや、いっしょに和えられた揚げタマネギや刻みネギの食感もよく、これもまたご飯にかけてもおいしそうです。あはははは。こんな料理が連続的に出てくるとは、もう笑うしかないですねぇ。

こりゃ燗酒ですね。ここの燗酒は「剣菱」。二合徳利(640円)でお願いします。

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焼き塩辛 / 揚げシラス香り和へ / 燗酒2合(剣菱)

さらに追加でたのんだ料理は「新じゃがアンチョビバターころがし」(550円)。「どんな料理だろうねぇ」と興味津々でたのんだ一品は、見た目は普通の新じゃがバターみたいで、食べるとアンチョビの風味がフワッと漂います。

最後のシメには「アサリと若布(わかめ)煮麺(ニュウメン)」(600円)をいただいて終了。

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新じゃがアンチョビバターころがし / アサリと若布煮麺 / 小鉢にとった煮麺

あっという間の2時間は、ふたりで7,350円(ひとりあたり3,675円)でした。通いたいですねぇ、この店は。もうちょっと近くにあるとありがたいのになぁ。

店情報 (「半魚人Aの陸(おか)ボケ日記(2006年3月)」の3月23日分)

《平成18(2006)年3月23日(木)の記録》

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コメント

こちらの記事を拝見し、居ても立ってもられなく、先日早速、支店に初訪問致しました。
大満足でした。
ありがとうございました。
誠に勝手ながら、リンク貼らせて頂きました。
何卒、御了承下さい。

これからも、楽しみにしてます。

投稿: mariruu | 2007.02.17 13:03

ブログ、拝見しております。>mariruuさん
私も「ぜひもう一度行きたい」と思いながら、なかなか藤沢まで出られずにいるところです。
普通の肴もさることながら、奥様が召し上がった雑炊だとか、親子丼(700円)、高菜チャーハン(670円)、釜上げシラス丼(600円)などの、シメの食事物にも引かれています。

投稿: 浜田信郎 | 2007.03.04 20:37

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