連続営業9,548日め … バー「パパジョン(papajohn)」(横浜・桜木町)
「武蔵屋」を後に、バス通りを横切ってまっすぐにやってきたのは「パパジョン」です。なんとフルさんはこの店にキープボトルがあるという。昔このあたりで仕事をしていたときによく来てて、そのころボトルを入れていたのだそうです。その後、ボトルは途切れていたのですが、昨年、久しぶりに訪れたところ、マスター(みんなはパパと呼ぶ)が顔を覚えていて、いきなりドンとボトルを出されたのだそうです。それ以来、キープ再開。現在に至るというわけです。
今日も店に入るなり、カウンター内中央部の円筒型のボトルタワーからスッと出されるフルさんのボトル(サントリー角瓶)。同行したK氏と私もご相伴にあずかります。
水割りグラスに氷をカラカラと入れ、ウイスキーを計るでもなくトプトプと注ぎいれ、水を足す。家庭で作るのと同じような感じの、濃い目でアバウトな水割りです。この鷹揚さもまたこの店の特徴だろうと思います。パパのしゃべりや、バックに流れる音楽(ジャズ)を楽しむというのがこの店のスタイルなのです。なにしろ店の看板に「ジャズと演歌」と謳われてるくらいですからね。ちなみに「演歌」は地元・横浜出身の昭和の唄姫・美空ひばりのみ。なんでもパパは美空ひばりと同い年で、大ファンなのだそうです。
店の看板 / 角の水割り / お通し
3人で乾杯して水割りを飲み始めると、すぐにお通しの乾き物の盛り合わせが出されます。内容はピーナッツ、薄切りの梅スルメ、乾昆布、豆、アラレ、おろし鉄火という6品盛り。
店内はL字カウンターのみ10席程度で、我われが入ったときには縦の辺、横の辺にそれぞれ2名ずつの先客がいて、我われはL字の角をはさむように着席。店はパパと、その息子の二人で切り盛りしていて、パパは白い鼻髭(はなひげ)、息子は黒い顎鬚(あごひげ)なのがおもしろい。
入口横の壁には、この店で飲んだ有名人のスナップショットを大きく引き伸ばしたものが壁全面にずらりと張り出されている。我われのすぐ近くには太田和彦さんとなぎら健壱さんの写真が並んで張られています。
パパと息子さん / 壁の写真集 / 古いボトルに移しかえ
フルさんがおかわりをしたところでボトルが空になり、新しいボトルを入れてもらいます。パパは新品の角瓶の封を切り、それをまるでワインをデキャンタージュするかのようにトクトクと古いボトルに移し変えていきます。「自分のボトルに愛着のある人が多いからねぇ」とパパ。その様子をパシャっと写真に撮ると「あ。一番真剣な表情を撮られちゃったなぁ!」と言いつつも、その顔はあいかわらず真剣そのもの。デキャンターと比べると、角瓶の口ははるかに細いですもんね。そういえば鷺ノ宮のバー「ペルル」でも、新しいボトルを入れるときに希望するとそれまで使っていたボトルに移し変えてくれます。
私は2杯目は水割りからハイボール(炭酸割り)に変更です。
「今日で何日になったんですか?」と質問するフルさんに、「今日シャッターを下ろせば9,548日だ」とパパ。この店はまさに年中無休で、9,548日というのはその連続営業記録のことなのです。ひと口に9,548日と言うものの、26年以上休みなしですからねぇ。その間、パパの愛する美空ひばりが亡くなり、また最愛の奥様まで亡くなっていることを考えると、これはとんでもない大記録です。なにしろ奥様が亡くなった日にも営業をしてたってことですから!
このままいくと来年の正月(2007年元旦)には9,777日、そして来年(2007年)の8月12日(日)にちょうど1万日目を迎えることになります。もう連続営業1万日に向けてカウントダウン状態ですね。
午後11時前まで、約1時間半の滞在はニューボトルも入って3人で10,500円でした。
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