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のどくろのスープ … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

第55回となる「竹よし」の夕食会。食材はノドクロにオコゼ、オニカサゴ、小アワビと大ぜいたく! サブテーマとして、なんと「酒場百選」の出版記念も掲げていただき感激しまくり。本当にありがとうございます。

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夕食会の張り紙 / ノドクロ / 並んだお酒

カウンターの上には「麒麟山・生酒(新潟)」「想天坊・特別純米(新潟)」のほか、スコッチの「ジョニーウォーカー青ラベル」もスタンバイされています。

席につくなり1杯目の生ビールとともに出されたのは「鯨ベーコン」です。薄くスライスされた鯨ベーコンの上に、刻みネギと刻んだ大葉を散らしてポン酢醤油でいただきます。

そして紅白の刺身盛り合わせ。紅はマグロですが、白はなんとノドクロ(アカムツ)の刺身なんだそうです。焼き魚としていただくことが多いノドクロ。刺身でいただいたのはこれがはじめてです。ちょっとピンクがかった白身で、トロッと脂っぽい。こういう身だから、焼き魚にしてもトロンととろける感じの焼き上がりになるんですね。刺身の盛り合わせにはさらにノレソレも盛られています。

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鯨ベーコン / 刺身盛り合せ / オニカサゴ唐揚げ

今日の出席者のひとり、jirochoさんからも「お祝いに」と、jirochoさんの故郷・静岡の地酒「正雪・辛口純米」の差し入れがあり、刺身に合わせて私もさっそく一杯いただきます。カウンターの上にはきれいな花束も飾られています。

オニカサゴの唐揚げ、オコゼの唐揚げも次々に揚がってきました。なおとんさんの差し入れは、長崎の「杵の川・樽酒」(杵の川酒造謹製蔵出し限定酒)。おいしい日本酒の連続に、ついつい杯が進んでしまいます。

そして満を持しての登場はノドクロの焼き魚です。焼き魚の王様と言われるほどのノドクロは、産地でも手に入りにくいほどの幻の魚かつ高級魚でもあるそうなのです。カリッと焼きあがった内側の、ふんわりトロリとした身がこの魚の持ち味。クゥ~ッ。これには新潟の「想天坊・特別純米」を合わせますか。

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ノドクロ焼魚 / ノドクロのスープ / お椀によそって

出てきたスープは、なんとそのノドクロのスープなんだそうです。ひとりにひとつずつノドクロのカブト半分が入っていて、見た目も豪華。たっぷりと魚の出汁のきいたスープでいただく日本酒のこれまたうまいことよ。スープの中に豆腐やうどんが入ってるのがいいですねぇ。あったかスープと冷たい地酒のいいマッチングです。(でも飲みすぎてしまう危ないパターンでもあります。)

今日はママさんが体調が悪いのだそうで、いつもはママさんが作るごはんものも、今日はマスターが担当。できあがったのは竹の子ごはんでした。

ここで大好物の「ジョニ青」のボトルもオープン。ずーっと日本酒をいただいてきた喉に、ストレートのスコッチがしみわたります。んー。うまいなぁ。

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竹の子ごはん / ジョニ青 / 生きてる小アワビ

スコッチウイスキーで口中をリフレッシュしたところでアワビです。実はマスターはトコブシを注文していたそうなのですが、仲買いさんが仕入れることができず、かわりにこの小アワビになったのだそうです。

十数個ある小アワビのうち半分は酒蒸しに、残る半分はステーキに仕上げていきます。アワビ・ステーキを焼くのはここっとさん。横からなおとんさんがサッと日本酒をふりかけてフランベして完成です。

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酒蒸し / ステーキ / 両者をスライスして盛り合せ

できあがった小アワビは、酒蒸しのほうもステーキのほうも、食べやすくスライスして盛りつけられます。小アワビの身もさることながら、別に盛られた小アワビの肝がまた日本酒(新潟の「麒麟山・生酒」)に合うこと!

ひとしきり今日の食材を堪能したところで、ゆったりとお酒を楽しみながら全員の自己紹介タイム。マスターからも恒例の今日の魚に関する説明があります。今日はノドクロの巻。

先にもちょっと書いたとおりノドクロは新潟で幻の魚と言われていたものが、有名になってますます手に入てにくくなってきた。今でも新潟産のノドクロはキロあたり7~8千円の値がつくんだそうです。それにくらべると千葉産、長崎産のノドクロは少し安いんだそうで、今日のノドクロは長崎産でキロあたり4千5百円。うーむ。それでも高級魚であることには違いないですねぇ。

ちなみにノドクロは赤ムツとも呼ばれています。これとよく似た魚が黒ムツですが、値段は赤のほう(ノドクロ)が、黒の倍ほどするのだそうです。一般的には赤ムツ(ノドクロ)は焼き魚として、黒ムツは煮魚として食されることが多いのだそうです。

しかし今日はそのノドクロ(赤ムツ)を、一番うまいと言われている塩焼きだけではおもしろくないので、焼いてスープに入れてみたんだといいます。さっきの冷酒が進んで進んで仕方なかったスープですね。食事会のときは定番のメニューも楽しめますが、こうやって「ちょっと冒険してみました」といったメニューが出てくるのも楽しいんですよねぇ!

その後もワイワイと飲んでしゃべって、今日もまた4時間をこえる楽しい夕食会となったのでした。マスター、そしてご参加のみなさん、今回もどうもありがとうございました。

夕食会: 常連さんたちの集いの場としてハイキングに行ったり、ゴルフ大会をやったりする酒場があるが、ここ「竹よし」ではそれに相当するイベントとして、毎月第2土曜日に夕食会を開催中。会費はひとり4,500円で事前予約制。普段はないようなメニューも楽しめます。

店情報前回、「帰り道は、匍匐ぜんしん!」「黒ぶたシャブシャブ」「しげるのチャンネル」)

《平成18(2006)年5月13日(土)の記録》

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受信: 2006.08.06 10:45

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