最後はマティーニ … カクテルバー「日登美(ひとみ)」(新井薬師前)
船橋を後に地下鉄東西線で落合へ。ここから西武新宿線・新井薬師前駅に向かって徒歩10分ほど行ったところにあるのがカクテルバー「日登美」です。5月初日の酒場ツアーの〆は「日登美」のカクテルにいたしましょう。
午後10時過ぎのカウンター10席程度だけの店内は先客なし。「いらっしゃいませ」と笑顔のマスターに迎えられます。カウンター中央部にゆったりと座り、出されたおしぼりでゆっくりと手をぬぐって、たのんだ最初のカクテルは「スティンガー(Stinger)」(800円)のハードシェイク。ブランデーとペパーミントのカクテルです。
カクテルグラスに注がれた「スティンガー」は、ハードシェイクによって表面に氷のかけらがチラチラと浮かんでいて、とてもおいしそうです。どれどれ。うーん、ブランデーの芳醇な味わいと、ペパーミントの爽快感がこのカクテルの持ち味なんですよねぇ。うまいなぁ。「スティンガー」というのは“針”とか、“痛烈な一撃”といった意味なんだそうです。ミントのすっきり感のことを指すのか、そのすっきり感にだまされてアルコール度数の高いブランデーがぐいぐい飲めちゃうので、あとで“痛烈な一撃”になってしまうことを指すのかは定かではありませんが、強い割りに飲みやすいカクテルなのです。
店の一番奥、トイレへと向かう扉のところに「お知らせ」が張り出されています。それによると「日曜・月曜連休の場合は、日曜営業、月曜お休みといたします」とのこと。マスターによると「一度「日登美」に行ってみたいんだけど、日曜日しか休みがないから行けないんですよ」という同業の人が何人かいらっしゃったので、年に何度かでもそういう方たちが来店することができるような定休日設定にしてみたのだそうです。
「スティンガー」を飲み干して、本日最後のお酒として注文したのは「マティーニ(Martini)」(800円)です。「マティーニ」はジンとベルモットを4:1~6:1くらいの比率で混ぜ合わせて、オリーブをひとつ入れてできあがるシンプルなカクテルなのですが、店によって、作る人によってぜんぜん味が違うと言われるほど幅広い味わいのカクテルなのです。「カクテルはマティーニに始まり、マティーニで終わる」とも言われていて、「カクテルの王様」という別名でも呼ばれるほどです。
この日、別の店ですでに何杯ものお酒をいただいてきたことを見てとったか、マスターはオリーブの種を置く小皿とともに、冷たい水の入ったロンググラスをチェイサーとしてすっと差し出してくれました。
クイッと「マティーニ」を飲み干した後にいただく冷水のなんとうまいことよ。まさに甘露ですねぇ。
「どうもごちそうさまでした」。約1時間の滞在は1,600円でした。いつもキリッと蝶ネクタイ姿のマスターに「ありがとうございました」と見送られて酒場ツアーを終了したのでした。
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