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元祖・深化した居酒屋 … 居酒屋「笹吟(ささぎん)」(代々木上原)

太田和彦さんの「ひとりで、居酒屋の旅へ」によると、今、東京の居酒屋のトレンドは代々木上原なのだといいます。『数年前からレストラン感覚の居酒屋があちこちに登場した。モダン和風の店内でおいしい日本酒と創作料理を味わう。主人は料理に徹し、客と語り合ったりしない。このオヤジ居酒屋と一線を画すニューウエーブ居酒屋は女性に圧倒的に支持され、それが大繁華街からひとつはずれた高級住宅地、代々木上原に集まっている』ということで、その発祥の店が、平成9(1997)年開店の「笹吟」なのです。

駅からすぐのところにあるお店なので、代々木上原駅に着いたとき(午後8時半ごろ)にも外から様子をうかがったのですが、その時点では店内は「超」がつくほどの満席状態。はたして今(午後10時過ぎ)は空いているでしょうか。店の外の写真を撮ったりしている間に批評さんがすっと店内に入って空き具合を確認してくれて、OKサインが返ってきました。

入り口から見た店内は、左手にカウンター席、右手窓際には2人がけのテーブル席が1列にずらりと並んでおり、奥には座敷席もあるようです。我われが通されたのは右手テーブル席の一番手前側。一番手前の席は、1列に並んだテーブル席の端っこにあたるため、通常の2人がけに加えて手前に1つ椅子が置かれていて、3人席として使えるのです。とはいえ、テーブルの大きさは他の2人席と同じ大きさなので、3人にはちょっと狭いかな。

客層として多いのは若いカップル。2人連れの女性同士、同じく2人連れの男性同士などもいますが、ひとり客はあまりいない様子。批評さんは青森の「田酒・山廃純米」(680円)、私は山形「上喜元・辛口純米」(680円)、ビール派のここっとさんはここでもやはり生ビール(ハートランド)です。お通しは四角い小鉢に盛られた菜の花のお浸し。狭いテーブルながらひとりに1セットずつ取り皿と醤油皿も用意されます。(写真

料理も自慢の「笹吟」だけあって、メニューの品数もものすごく多い。自由が丘の「金田」と同様にA3の紙の両面に手書きされた食べ物メニューは100品以上! 地鶏の焼き鳥やつくねなどの1本260円という品からはじまって、もろきゅうが420円。季節野菜のおひたしや自家製いかの塩辛、鰯の丸干し、うるめいわしなどが530円と続き、630円、730円、840円と各種のメニューがならび、刺身類は鯛、しまあじ、すずき、かつお、しめ鯖、真だこなどなどが1,250円。三種盛り合わせてもらうと1,600円です。そんな中から数品を選んで注文します。

「鮎せんべい」(530円)は背越しに輪切った鮎をからりと揚げたもの。口に含んだ瞬間はカリッと硬くて、まさにせんべいなのですが、噛んでいるうちに鮎の香りやうまみが口の中に広がっていきます。(写真

「こちの煮凍り」(530円)。夏の魚・コチは、これまで刺身でいただいたことしかなかったのですが、煮こごりにしてもおいしいんですね。はじめていただきましたが、日本酒との相性も抜群です。(写真

冬瓜(とうがん)が大好物という批評さんが注文したのは「冬瓜の鴨そぼろ煮」(950円)。お出汁の味をたっぷりと吸った冬瓜の味わいがいいですねぇ。煮物にして出汁の味を存分に味わうことができるのは冬場の大根に匹敵しますね。(写真

お酒のほうも「笹吟のおすすめの地酒」と書かれたメニューに銘柄・種類・産地・値段が載っている。420円の「朝日山・本醸造」からはじまって、580円、630円、680円(これが最多)、730円、780円、840円、900円といくつかの価格帯に分かれています。大吟醸も730円からはじまって3種類くらいの価格帯。器も小さめ(7勺ほど?)ですが、値段もそれほど高くないですね。批評さんの2杯目は石川の「手取川・あらばしり」(730円)、私は高知の「南・純米中取り」(730円)をいただき、つまみも追加です。

「枝豆豆腐」(530円)は薄緑色の豆腐の上に鮮やかな朱色のゆでエビがのせられ、とろりとした餡がかかっている。ねっとりとした豆腐をいただくと、口の中に枝豆の風味がただよいます。(写真

「桃とくるみの白和え」(730円)。「桃の白和えってどうだろうね?」と半信半疑で注文してみた品。もともと甘みの少ない桃を選んで使っているのか、ぜんぜん桃の甘ったるさはなくて、白和えの味わいの中にフッと桃の甘さが顔をのぞかせる程度。いいですよ、これも! 日本酒にもよく合うつまみです。批評さんはもう1杯地酒をおかわりです。(写真

この店は午後11時が閉店時刻。他のお客さんたちが帰り始めたのをきっかけに、我われも11時半ごろ席を立ちます。1時間半ほどの滞在は3人で9,080円(ひとりあたり3,030円ほど)でした。

おいしいのはおいしいのですが、比較的軽めに飲み食いしただけでひとり3千円ほどになりましたので、1軒目としてやってきて本格的に飲み食いするとけっこう高くつきそうですね。

店情報写真 (関連記事:「帰り道は、匍匐ぜんしん!

《平成18(2006)年6月30日(金)の記録》

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