かけそばをつまみに … そば「山せみ(やませみ)」(代々木上原)
新宿界隈での仕事のあと、はじめて行く街、代々木上原(よよぎうえはら)です。
まず1軒目は、この界隈に詳しい批評さん(「批評.com」作者)からご紹介いただいた蕎麦処「山せみ」です。低層マンション風の建物の1階にある店の入口は、階段をちょっと下ったところにあって、やや半地下風(写真)。看板には「手打蕎麦と美味しい料理」と書かれています。(写真)
午後9時の店内は8割ほどの入り。客層はカップルが多めかな。4人掛けのテーブルに座り、ビール(エビス中瓶、600円)をもらって、料理のメニューを選んでいるところへここっとさんも到着し、そば焼き味噌(400円)と板わさ(450円)、そして自家製とうふ(600円)を注文します。(写真)
自家製とうふには削り節がたっぷりとかけられ、小皿に塩も添えられています。塩でいただくと、しっかりと豆腐の甘みを感じることができますねぇ。(写真)
すぐに批評さんも到着し、今日予定のメンバーがそろったところで、お酒(浦霞、二合徳利)もいただきます。蕎麦屋のつまみには、日本酒が実によく合うんですよねぇ。
しかし、残念ながらこの店の閉店時刻は午後10時。午後9時半にはラストオーダーの時間がやってきます。やっぱりそば屋だからそばを食べておかなきゃいかんでしょう、ということで批評さんはせいろそば(750円)を、私はかけそば(750円)をいただくことにしました。ここっとさんはこの後の二次会に向けてそばはパスです。(写真)
そば屋に行くとせいろ(もりそば)をいただくことが多いのですが、今日はなぜかけそばかというと、このかけそばを仕上げとしてではなくて、つまみとして食べたいからです。杉浦日向子さんの「もっとソバ屋で憩う―きっと満足123店」の中に『仲良しどうしでいったら、かけまたは天ぷらそばを、ひと椀まわし食べつつ、つまみとして呑むのもいい。並木のかけ汁で呑む菊正は格別。あつあつのを半分ばかし食いちらかし、おもむろに酒を追加。残り半分は、しばしほったらかしにして、さしつさされつ。さめやらぬころあいをはかって、つゆをたっぷり吸いこんで、グラマラスにふやけた天ぷら(芝エビのかき揚げ)と麺が、丼中にほぐれていくのを、椀のふちにやさしく接吻するようにして、口にふくむ。昼下がりの情事。最高にエロチックな、禁断の桃源郷。ようこそソバ好き連へ。おとなになって、良かったね』という一節があり、一度おいしいそば屋さんのかけそばで試してみたかったのでした。
せいろとほぼ同時に登場したかけそば。まず半分くらいはかけそば本来のうまさを味わうために、ズズッ、ズズッとすすりこむようにしていただきます。しかるのちに右手の箸を猪口に持ち替えて、お酒をちびりちびり。ときどき丼を持ち上げて、汁をつまみにします。もともとせいろを食べ終わった後のつけ汁をそば湯でのばしてつまみにするのは好きなので、かけそばの汁もそれと同じ感じですね。
じわりじわりと飲むうちに、そば(麺)がのびてきて、丼の中でまさに「グラマラスにふやけた」状態になってきました。こうなると普通にそばを食べるように箸で持ち上げて食べてもちっともおいしく感じません。そもそもズズッとすすりにくい。杉浦さんの言うように、丼のふちに口をつけて、汁とともにチュルルンといただくのが一番いい食べ方のようです。一度そば切りになってたものが、またじわじわとそばがきに戻っていくといった感じでしょうか。「絶対おすすめ!」というほどのものではありませんが、おもしろいつまみになります。ふやけた天ぷらも一緒のほうがいいかもね。
どうもごちそうさま。約1時間の滞在は3人で6,650円(ひとりあたり2,220円ほど)でした。
・店情報、写真 (関連記事:「帰り道は、匍匐ぜんしん!)
| 固定リンク | 0
コメント