白く花咲く牡丹鱧 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
会社の夏休み最終日。「よじかわ」(=開店時刻の4時になると同時に「川名」に行くこと)も終えて、7時前には家族と夕食。私も焼酎をチビチビといただきながら楽しんでいると、携帯電話にポーンとメール。ん? と思って確認してみるとまりみるさん。「竹よしで、店主さんの誕生日祝いをしています」。え!? 「竹よし」の店主(マスター)、誕生日だったんだ。「これから向かいます!」と回答し、すぐに出発。わが家から「竹よし」までは徒歩約15分。「こんばんは。おめでとうございます!」と店に入ると、店にはまりみる夫妻と、大常連のTmさんの3人がカウンターに並んでいます。「こんばんは。こんばんは」とみんなであいさつし、私もカウンターの一角に腰をおろします。(注: ちなみにマスターの誕生日は本当は明日、8月7日だそうです。今日は日曜日でまりみるさんたちもいらっしゃったので前祝いですね!)
さっそく「土佐鶴」を冷酒でもらってみなさんと乾杯。今日のお通し(200円)はアジ酢。夏が旬のアジは、タタキやナメロウなどもいけますが、酢ジメにしてもまたいいつまみですよね。
まりみる夫妻は早くから「竹よし」に来られていて、刺身や天ぷらなどをたっぷりと楽しまれたのだそうです。おふたりが今つついているのはドジョウの唐揚げ。「よろしかったらどうぞ」とすすめてくれるぴっころさん(←まりみるさんのご主人)に「ありがとうございます」とさっそくひとついただきます。うーむ。そういえばこの夏はまだ「どぜう」を食べてないなぁ。アジもそうですが、ドジョウも夏が旬。特にお盆ごろまでは体内に卵が入っていたりして旬ならではの味わいが楽しめるのです。
「土佐鶴」を飲みきって、2本目の冷酒は緑川酒造の雪洞酒「緑(みどり)」。「仕事の都合で、先日の(酒場百選)出版記念オフ会に出席できなかったから、これはお祝いに」と、このお酒はまりみるさんがごちそうしてくれました。どうもありがとうございます。
店主が「今日はいいハモが入ってるんですよ」とギュッと身が締まった立派なハモを見せてくれます。さっそく「ハモおとし」(800円)を2人前ほど注文して、お祝い返し。店主がハモの準備をはじめるとジャッジャッジャッと小気味よい骨切りの音が聞こえてきます。ハモは小骨が多いので、1ミリ刻み(一寸に26筋)くらいで皮は切らないぎりぎりまで包丁で切りこみを入れて小骨を切断する必要があるのだそうです。まさに熟練の技ですね。
そうやって骨切りしたハモを、鍋で沸いている熱湯にさっと通すと、切り目のところからそれぞれの身が反り返って白い牡丹(ぼたん)の花が開いたようになります。この状態のハモのことを牡丹鱧(ぼたんはも)と呼ぶそうなのですが、新鮮なハモじゃないときれいな花が咲かないそうです。
そうやって花開いた牡丹鱧を冷水でギュッとしめて皿に盛り、小皿の梅肉とともに「はいどうぞ」。「ハモおとし」のできあがりです。ハモもまた夏の象徴のような魚ですよねぇ。アジ、ドジョウ、そしてハモと、夏の魚ずくしで夏休みを締めくくることができました。
電車で帰るまりみる夫妻はこのあたりでお勘定。久しぶりにお会いすることができてよかったです。どうもありがとうございました。
まりみる夫妻と入れ替わるように入ってきたのは黒ジャージさん。「秋元屋」のあと、こちらにまわって来られたのだそうです。私もさらに冷酒(「北の誉」300ml瓶、600円)をもらって飲んでいると、「秋元屋」の仕事を終えたたっつんさん、さらにはよっちゃんまでやってきて深夜のお店は一躍活気が出ててきました。
にぎやかになってきたところで、私は明日からの仕事再開にそなえてそろそろ腰をあげますか。8時半にやってきたのに、気がつけばもう11時半。ゆっくりと3時間の滞在は2,900円でした。どうもごちそうさま。
さぁ、明日から仕事だ!
アジ酢 / ドジョウ唐揚げ / ハモおとし
おまけ:調理中のハモ
仕入れたハモ / 肉と肝の詰まった断面 / 骨切り中
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