これからは栃木の地酒!? … 大衆酒場「お秀(おひで)」(横浜・日ノ出町)
週半ばの水曜日。仕事を終えてふと出かけたのは、横浜の一大のんべ街・野毛です。
「こんばんは」と入った「お秀」は、半年ほど前に1度来たことがあって、近いうちにまた来ようと思っていたのになかなかこれなかったのです。
午後7時過ぎの店内は、左手の6人ほど座れる直線カウンターに男性ひとり客が3人、均等割り付け的な状態で座っています。3人のまん中にいるのは「ホッピー仙人」主催の立ち飲みコンペのときに同じチームになったガンさんです。こんばんは。カウンターのお客さんたちがちょっとずつ寄ってくれて、私もカウンター中央部に腰をおろします。
店はおばちゃんと千鶴(ちづ)ちゃんのふたりで切り盛り中。カウンター内部厨房の壁にはふたりの調理師免許が並んで掲示されています。
その千鶴ちゃんに瓶ビールを注文したところ「すみませーん。瓶ビールは置いてないんですよー」ということで、今日は生ビール(中ジョッキ、500円)からスタートです。お通しはカブとセロリの漬物。ここもそうですが、野毛地区にはさりげなく漬物がおいしいお店が多いんですよね。
この店は地酒が売り。種類はそれほど多くないのですが、千鶴ちゃん自身が厳選した何種類かのお酒が並んでいるのです。銘柄はホワイトボードに書き出されていて、それぞれ90ml+αの量で、英君「緑」純吟(静岡)470円、はくろすいしゅ 純吟 出羽燦々(山形)480円、而今(じこん)山田錦 火入れ(三重)480円、臥龍梅 特別純米(静岡)400円、伯陽長 純米大吟醸生480円、燃火燗(もひかん)ちょこっと燗(広島)500円、国香 純米吟醸(静岡)480円、相模灘 特純(神奈川の新星)400円、天青風露(神奈川)350円、大那(だいな)五百万石(新製品)(栃木)450円という値段です。
「ふーん。飲んだことのないお酒ばっかりだ」と驚いていると、「これもいいお酒なんですけど、残りちょっとなので、味見してみてください」と「国香」(静岡県)の特別純米酒を出してくれます。裏ラベルには『“感性があるから感激がある”。日本古来よりの醸造法による手造りの個性的な酒』と書かれています。静岡はいい酒が多いですねぇ。
自家製すじこ粕漬(480円)をもらうと、これを漬けている酒粕が地元・神奈川の「天青」純米吟醸(純米“大”吟醸だったかも?)のものなのだそうで、「酒粕だけ食べてもおいしいのよ」と、冷蔵庫に保存されている酒粕を小皿に入れて出してくれます。これがまたマジウマで、これだけでいい味のつまみになってしまうのです。
「国香・特別純米」も飲み終えて、続いては同じ静岡の「英君(えいくん)・純米吟醸」(470円)をいただきます。受け皿に90mlのグラスをのせて、一升瓶からツツゥ~ッとあふれるほど注いでくれる千鶴ちゃん。「メニューで90ml+α(アルファ)と書いているαは、受け皿にこぼれる分のことよ」と教えてくれます。
日本酒好きの女性は肌が若々しくてきれいな人が多いのですが、千鶴ちゃんはまさにそんな感じ。おばちゃんだって、80歳を越えてるそうなのですが、とてもそうは見えません。「おばちゃんは若いころは毎日1升5合の酒を飲んでたんですって」と千鶴ちゃん。それはすご過ぎる。
2品目の料理はクリームチーズ奴(350円)をもらい、お酒は栃木の「大那(だいな)純米吟醸・那須五百万石50%」(450円)をいただきます。さっき「静岡のお酒はおいしいねぇ」と飲んでいたら、「これから栃木のお酒も流行ってくると思いますよ」と千鶴ちゃんが教えてくれたので、さっそく試してみている次第です。
クリームチーズ奴は大葉を敷いた小皿に、サイコロ大にカットしたクリームチーズを盛り、その上に刻みネギ、ミョウガ、おろし生姜、そしてカツオ節をトッピングして出される。これに醤油をちょっと回しかけていただくと日本酒にもよく合うこと!
入口側の棚には芋焼酎「千鶴(ちづる)」のキープボトル(一升瓶)がずらりと並びます。千鶴ちゃんが切り盛りしてるから、この「千鶴」という銘柄の焼酎を店の焼酎にしてるんですね。入口側に座っている常連さんが、自分のキープボトルを取り出して1杯ご馳走してくれました。「千鶴」は、昔ながらの芋焼酎らしい芋焼酎といったところ。学生時代は博多でこういう芋焼酎(銘柄は「白波」)ばかり飲んでたので、なんだか懐かしいですね。
ゆっくりと1時間強の地酒タイムは2,220円でした。どうもごちそうさま。
「お秀」 / 生ビールとお通し / 「国香」
自家製すじこ粕漬 / 「天青」の酒粕 / 「英君」
クリームチーズ奴 / 「大那」 / 芋焼酎「千鶴」
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