ずらり魚介類が安い安い … 立ち飲み「たぬき」(横浜・鶴ヶ峰)
「ニューボンボン」を出て、西谷駅まで戻るとまだ7時過ぎ。「せっかくですからとなりの駅にも行ってみますか」と横濱(ハマ)の酒場通・iiさん。やったぁーっ。ぜひぜひ。
横浜方面に戻るかと思いきや、逆に離れる方向に1駅。はじめて降りた鶴ヶ峰(つるがみね)駅です。
トントントンと階段を下りて、駅前商店街を右に曲がったとたんに出てくる赤ちょうちん。しかし店はない。んー? と思っていると、赤ちょうちんの横の人ひとりがやっと通れるかどうかという路地にiiさんが入っていく。なんとその先に防寒用の透明ビニールシートのかかった小さな立ち飲み屋さんがあったのです。
ビニールシートのすぐ中には4~5名立てる立ち飲みカウンターがあり、その向こうにある入口を入ると左手に3~4人用の座ることもできるカウンター、右手の壁に3~4人立てる作り付けのカウンターがあって、全体としては10人そこそこといった小さい規模。これを野球帽をかぶった細身のマスターひとりで切り盛りしています。
7時半に近いこの時間、店はすっかり満席。ひとりすら入ることができない。しかし、ビニールシートの外側には、空席待ち用なのかベンチがふたつ並んでいて、店内のお客さんの荷物がいくつか置かれているものの、ひとつは完全に空いている。「ここで飲みながら待ちますか」とiiさん。なんと。ここでも飲めるんですね。賛成です。じゃ、ホッピーを。
ビニールシートごしに店内の「ホッピー350円、おかわり焼酎200円」なんてメニューが見えているのです。
iiさんはビニールシートのすきまに顔を突っ込んで「ホッピーをふたつ。氷なしでお願いします」と注文。ここは何も言わないと氷の入ったホッピーが出されるのですが、さすがにこの冬空の下で氷入りホッピーは寒いだろうということもあって、氷なしのホッピーをお願いしたのでした。
そのホッピーを飲みはじめたところで、外の立ち飲みカウンターの一番端っこで飲んでいたおじさんがひとり帰り、他のお客さんたちもちょっと詰めてくれてふたり分の立ち場所ができます。
「ここは美味しい魚介類が安く食べられるんですよ」とiiさん。どれどれとカウンター内、奥の壁にあるメニューを見ると、マグロ、クジラ、カンパチなど、ずらりと並ぶ刺身のほとんどが400円。しかもちょうど造られていた、となりのお客さん用のカンパチ刺しを見るとドシッと大きなサクからスィーッ、スィーッと引かれる刺身の美しいこと。最後にお腹のあたりの、砂ずりとか腹身と呼ばれる身を最後に二切れほど入れてできあがり。これで400円は確かに安いなぁ。魚の安さで有名なあの「魚三酒場」だって、いい刺身は600~800円くらいしますもんねぇ。コストパフォーマンスではこちらのほうが上かもしれません。
しかもこの値段で作り置きではなくて、すべて注文を受けてから作るというのがいいじゃありませんか。その場で引いた刺身がやっぱりおいしいですもんね。
ずらりと並んだメニューの中から生ノリ(300円)とイワシ生(300円)をいただきます。
生ノリは、パックに入った生ノリを小鉢に盛ってポン酢醤油をかけるとできあがり。こんなに簡単にできあがったのに、パクンと口に入れるとシャキシャキと、まさに野菜だなぁと思わせる食べ心地なのです。生ノリって、生ノリって、こんなに鮮烈だったんだ!
イワシ生は、体長15センチくらいのイワシを手で開き、包丁で端々の処理をした後、ごく短い時間ではありますが酢に漬けこんでから細造りにしていきます。「ニンニクは入れますか?」と確認するマスターに、「いや。生姜だけで」とiiさん。まだ水曜日ですもんねぇ。生姜醤油でいただく細造りのイワシは、ちょっと酢で〆たのがよく効いていて、とてもいいつまみです。
さっくりと30分ほどで飲み終わり、ふたりで1,300円(ひとりあたり650円)。
「ごちそうさまー」と店を出て、鶴ヶ峰駅から今度は横浜へ。相鉄線横浜駅といえば、そう、駅構内にある「星のうどん」ですね。博多の出汁に讃岐の麺というこの店の「すうどん」(270円)をいただいて本日は終了。
相鉄線沿線の旅、どうもありがとうございました。>iiさん
この路線も、なにやら各駅に名店ありといった風情ですね。またぜひよろしくお願いします。
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