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2007年2月

北京ダック … 中華料理「中国茶房8(ちゅうごくさぼうえいと)」(恵比寿)

久しぶりの恵比寿「中国茶房8」での北京ダックの会を準備してくれたのはここっとさん。集まったのはそのここっとさんと宇ち中さん、Mさん、私の4人。日曜、午後6時の店内は中国人の団体さんもいて、なんだか日本じゃない雰囲気の大にぎわいです。

まずはビール(スーパードライ中瓶、610円)をもらって乾杯し、51種類ある210円均一の前菜類の中から塩水豆三様という枝豆、大豆、落花生の三種和えを、30種類ある3個で105円の水餃子の中から貝柱、セロリ、椎茸の3種を、そして名物・北京ダックを注文します。

もちろん普通の中華料理のメニュー、たとえばエビのチリソース炒め(1,060円)や回鍋肉(キャベツと豚肉の辛口炒め、725円)、麻婆豆腐(715円)、卵ときくらげの肉野菜炒め(750円)、焼きビーフン(640円)などもあるのですが、この店の特徴なのは210円均一の前菜メニュー。棒々鶏絲(バンバンジー)や豚足のニンニク和え、揚げピーナッツの香酢和え、ピータン、酸辣白菜(白菜の甘酢漬け)、自家製腸詰め、クラゲ、鶏砂肝のにこごり、牛ハチノスの醤油煮、ザーサイなどなど、呑んべにとってはこれでもう十分という料理が51種類並んでいるのです。しかも同じ値段で24時間営業ですからねぇ! ありがたいかぎりです。

そして、ここっとさんが水餃子にはまったために判明したのが、この店の水餃子のすごさ。ひと皿3個入りが105円の水餃子は、ニンニクの芽・豆腐・竹の子・ほうれん草・白菜・インゲン・ネギ・セロリ・シイタケ・ニラ・白菜漬け(酸菜)・ピーマン・ナス・青唐辛子・豆苗・大根・トマト・タマネギ・ニンジン・キュウリ・モヤシ・しそ・キムチ・エビ・貝柱・たらこ・チャスグー・サザエ・高菜・サケという30種類。しかも作り置きはせずに、注文が入ってから手作りで作るというものなのだそうです。

もう、前菜と水餃子、それに紹興酒だけでいいやって感じですね。その紹興酒はボトルが1,660円。ボトルごと燗していただきます。

さぁ、北京ダックも焼きあがったようです。料理担当のおにいさんが、焼きあがった丸ごと1羽の鴨をお盆に入れて、我われの席まで見せに来てくれます。こうやって見せてくれた後、皮のところを切り取って北京ダックとして仕上げていくんですね。この鴨は皮の部分を北京ダックとしていただいたあと、残った鴨肉は野菜と一緒に炒め物して出してくれ、さらにガラの部分はスープにしてくれて、1羽丸まるで3,680円。今日のように4人でいただくと、ひとりあたり920円ですからねぇ。これもまた安いです。

あっためられた直径20センチほどの皮に、鴨の皮やキュウリやネギなどの野菜類などをのせてタレを付け、くるんでいただきます。

北京ダックをたいらげたところで、まだお腹のほうにも余裕があるので糖醋排骨という、北京風スペアリブの甘酢じっくり煮込み(1,060円)と、山東大饅頭(自家製特大蒸しパン、180円)を追加します。中華料理は人数が多いほうがいろいろと楽しめていいですね。

3時間弱の滞在は4人で12,175円(ひとりあたり3,045円ほど)でした。

総客数(108席)の割りに店員さんが少なくて、注文が通しにくかったりするところが難点ですが、コストパフォーマンスはすばらしいですね。六本木や赤坂にも姉妹店があるようです。

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「中国茶房8」 / 枝豆、大豆、落花生の三種和え / ビールで乾杯

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水餃子3種 / 北京ダックお披露目 / 紹興酒は燗してロック

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テーブルに並んだ北京ダック一式 / 鴨の皮 / 皮の上に肉や野菜をのせて

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くるりと巻いていただきます / 鴨肉と野菜の炒め物 / 鴨のスープ

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スペアリブ甘酢煮込み / 自家製特大蒸しパン

店情報前回、同じときの「宇ち中」)

《平成19(2007)年1月28日(日)の記録》

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本生マグロ刺身 … 活魚「鳥八(とりはち)」(鷺ノ宮)

土曜日。長女の学校行事で中村橋に出かけます。昼食も近くで食べようと出かけたのが、以前から気になっていた中華料理の「大三元」(03-3999-2072、練馬区中村北3-22-9)。ここは数年か前までは千川通り沿いの中村橋駅前バス停のすぐ前にあって、ものすごく小ぎたなくて古びた(←もちろんどちらもほめ言葉です!)外観に、なにやら引かれていたのでした。今は角を曲がって中杉通り沿いに移ってきていて、外観もきれいになったのですが、数年間のうちにまた少し貫禄がついてきた(古びてきた!?)様子。

店内はカウンター8席程度と、左手にテーブル席が3卓ほど。店主と手伝っている男性の2名で切り盛りしているようです。炒飯(チャーハン、650円)をたのむと、スープとザーサイ付き。床に置かれた甕(かめ)入りの紹興酒。天井からずらりとぶら下げられた手羽先などが、いかにも本格中華らしいいい味を出してますねぇ。今度はぜひ夜の部で来てみなきゃ。

夜は夜とてカミサンがちょっと風邪気味。「悪いけど夕食はどっかで食べてきてくれる」と言われてでかけたのは近所の居酒屋「鳥八」です。近所とはいえ、駅から離れる方向に歩かないといけないので、ちょっとご無沙汰していたのです。

「こんばんは」と入った店内は、店主もおかみさんも変わりなく、奥の座敷に5人ほどのグループ客、手前のカウンター席にも常連さんらしき男性客と、店もあいかわらず盛況な様子。私もビール(サッポロ黒ラベル中瓶、500円)をもらって飲みはじめます。お通しは自家製オイルサーディンといった感じの、身のしっかりとしたフレッシュな小イワシ。

天井に大きな魚拓が張られていることからもわかるとおり、店主は魚釣りが趣味。だから、魚を見る目は確かなようで、「ワッ!」と思うようないい魚を、我われでも手が出るくらいの値段で食べさせてもらえるのでした。

カウンター背後の黒板に書き出されたメニューを確認すると、今日の魚介類のうち、生ものは本生まぐろ刺(900円)、活・まつぶ貝(1,000円)、赤貝刺(850円)、しめさば(800円)、しらうお(790円)、ねぎとろ(890円)といったところ。まつぶ貝、赤貝も良さそうだし、しめさばにも引かれるなぁ。うーん、としばらく迷って、最終的に本生まぐろ刺をいただくことにしました。

マグロには、メバチ、キハダ、ビンチョウ、インド(ミナミ)といった種類がありますが、中でも高くて美味しいといわれているのがこの本マグロ(クロマグロ)なのだそうです。

出された本生まぐろ刺は、厚さ1センチくらいに切られたしっかりとした身が6切れ。これはこれは。見た目からすでにおいしそうではありませんか。これは燗酒ですね。大徳利(690円)でいただきましょう。

ここ「鳥八」は、外から見ると「ここ本当に営業中なの?」と思うくらい古びた建物で、私も何度も店の前は通っていながら、人に紹介されるまでは入ったことがなかったのでした。ところが入ってみると、おかみさんが華道の先生をしているということもあってか、店内はしっかりと整理整頓され、ビシッと空気も張り詰めている。そして出てくる肴がまた一級品とあって驚いたものでした。だからどの駅からも遠いこの地にあって、お客さんが途切れることがないんでしょうね。

刺身に続いては煮物、焼き物系から何かいただきますか。再び背後のメニューを確認すると、寒ぶり味噌漬焼(790円)、いわし塩焼(750円)、寒ぶり大根煮(800円)、子持ちかれい煮付け(680円)などの品々が並んでいます。そんな中から寒ぶり大根煮をいただくと、これがなんと氷見(ひみ)の寒ぶり。いい品物を使ってますねぇ! 大徳利もおかわりです。

常連さんがひとり、またひとりと増えて、気がつくとカウンターもほぼ満席。焼酎のボトル(2,500円)をキープしている人が多いようで、思い思いの肴をもらって、土曜日の夜をゆっくりと過ごしています。新じゃがサラダ(ポテトサラダ、500円)やレバー砂肝ピリ辛炒め(700円)、タラコねぎレモン和え(600円)などもおいしそうに見えるなぁ。

「ちょっとですけど、召し上がってみますか」とおかみさんが出してくれたのは自家製だという花ワサビ。ピリッと辛いその味がいいですね。燗酒にもピタリです。

ゆっくりと2時間ほどの滞在は4,080円でした。どうもごちそうさま!

シメは近所のラーメン屋「大龍」でサッポロみそラーメン(600円)。深夜までやっているこのお店、飲んだあとに必ずラーメンを食べていたころにはよく来ていたのですが、久しぶりですねぇ。このみそラーメンもさることながら、四川タンタンメン(770円)だとか四川サンラータンメン(770円)なんかも人気がありました。サッポロバターラーメン(600円)も、専用の特製バターでおいしかったよなぁ。懐かしい気持ちに浸りながら、夕食代わりのラーメンを食べて帰宅したのでした。

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「大三元」の炒飯 / スープとザーサイ / 床に置かれた紹興酒

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「鳥八」 / ビールとお通しの小イワシ / 本生まぐろ刺

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燗酒大 / 氷見の寒ぶり大根 / 自家製花わさび漬

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「大龍」のみそラーメン

店情報前回

《平成19(2007)年1月27日(土)の記録》

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燗酒、燗酒 … 居酒屋「江戸一」(大塚)~魚料理「竹よし」(都立家政)

王子から、東京に唯一残る路面電車・都電荒川線に乗って大塚へ。やってきたのは燗酒がうまいと評判の居酒屋「江戸一」です。コの字カウンターのみ24席の店内は、金曜日の夜とあってほぼ満席の状態。しかしそこは独り飲みの強みで、ところどころに空いている1席分の空席のひとつにすべり込みます。

「いらっしゃいませ」と出される木彫りのお盆には、お通しの皮つきピーナッツ。お盆の手前ふちには猪口が伏せて置いてあります。

お酒は20種類ほどが630~780円くらいの価格帯で並んでいます。そのうち樽酒は「泉正宗」と「白鷹」の2種で、それぞれ630円。辛口と書かれた「白鷹」をいただくことにします。

店は女将さんと、それを手伝う女性ふたりの計3人で切り盛りしている様子。もしかすると奥の厨房にも人がいるのかもしれませんが、残念ながら私の場所からは奥の様子をうかがい知ることはできません。

コの字のカウンターの中が板張り(フローリング)になっているのが、この店の特徴のひとつ。その板張りの床を静々と歩いておねえさんたちがお酒や料理を運んでくれるのです。

カウンターの奥、上部に黒い板に書かれたメニューがずらりと並んでいます。今日のメニューは赤貝680、やりいか刺680、白子ポンズ780、穴子煮580、あん肝580、生うに550、なまこ550など。370円くらいからはじまって、1番高くても天然ヒラメ刺身の980円といったところ。私は自家製と書かれたお新香(470円)をいただくことにしました。

お新香は白菜、カブ、キュウリ、ニンジンと菜漬の5種盛り。これがまた燗酒にピタリとはまって、実にいいつまみになります。

カウンター上にはお酒のメニューが置かれているのですが、そこに「他のお客様のご迷惑となりますので、店内での携帯電話での通話、写真撮影(ブログ等への掲載)はご遠慮ください」と書かれています。居酒屋本や雑誌などでは時々見かけるこのお店。取材拒否の店ではないと思うのですが、なにかあったんでしょうか。

太田和彦さんの「新 精選東京の居酒屋」にある「江戸一」の記事中でも『はじめはこの本への掲載を「おなじみさんに迷惑になるといけないから」と、やんわり断られた。しかし東京の居酒屋を紹介するのに、江戸一が入らなければ体をなさないと無理にお願いした』と書かれています。ただでさえ常連さんでいっぱいになるお店なので、これ以上お客さんの数が増えないようにということなのかもしれませんね。

樽酒「白鷹」をもう1本いただいて、約1時間の滞在は1,730円でした。

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「江戸一」の外観 / のれんあたり

・「江戸一」の店情報前回


大塚から高田馬場乗り換えで都立家政へ。帰り道に立ち寄ったのは「竹よし」です。

ちょっと前に大常連のTさんから「なおとんさんがおもしろい魚を仕入れてきてるから、帰りに寄ってね」と連絡をいただいていたのでした。

「こんばんは!」と店内に入ると、カウンターの奥のほうになおとんさんとしげるさんがいて、さっそくその魚(すでに解体済み)を見せてくれます。この魚はババアというユニークな名前(正式名称はタナカゲンゲ)で、山陰あたりで獲れる深海魚なんだそうです。「ネットオークションで手に入れたんですよ」となおとんさん。なんと! 鮮魚までネットオークションで買えるんですねぇ!

燗酒(菊正宗、350円)をいただいて、お通し(200円)のホラ貝煮をつついているうちに、そのババアの刺身が出てきました。うっすらとピンクの白身は、タラに似てるけど、プリプリとした弾力感はこっちのほうが強いかな。

続いて出されたのはババア鍋。頭あたりのアラや、肝などもいいですねぇ。お酒が進みます。

燗酒を3本いただいて、午前0時半までゆっくりと滞在は1,050円でした。珍しい魚をありがとうございました!>なおとんさん

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お通しのホラ貝煮 / ババアの刺身 / ババア鍋

店情報前回

《平成19(2007)年1月26日(金)の記録》

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店情報: 居酒屋「江戸一(えどいち)」(大塚)

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  • 店名: 居酒屋「江戸一」
  • 電話: 03-3945-3032
  • 住所: 170-0005 東京都豊島区南大塚2-45-4
  • 営業: 17:00-22:00(土は16:30-21:30)、日祝休
  • 場所: 大塚駅南口を出て、路面電車の線路を渡り、正面左手側の大きな通り(南大塚通り)に入ったすぐ左手。駅前角の三菱東京UFJ銀行の向かい側。
  • メモ: コの字カウンター24席。樽酒は白鷹、泉正宗の2種(各630円)。吟醸純米2種、純米(賀茂泉、司牡丹、鶴の友など)4種、本醸造(高清水、浦霞、真澄、菊正宗、立山、梅錦、鶴の友など)8種。酒は630円、650円、730円、780円くらいの価格帯。冷酒は菊姫と雁木。キリンビール、エビスビールもあり。料理は赤貝680、やりいか刺680、白子ポンズ780、穴子煮580、あん肝580、生うに550、なまこ550など。(2007年1月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (01.07.04)

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地下鉄1本で王子へ … 大衆酒場「一福」~「山田屋」(王子)

四ツ谷方面での仕事を終えて、地下鉄南北線1本でやってきたのは王子です。JR王子駅の北西に位置するのが昔ながらのたたずまいの神谷(かみや)商店街。その中に「平澤蒲鉾店」という立ち飲みのおでん屋さんがあって、前々から行ってみたかったのです。ところが! 午後5時過ぎの店内はすでに満員。立ち飲みなのに、まさに立すいの余地もないといった状況なのです。これは聞きしにまさる人気店なんですねぇ。

あきらめて駅の東側に出て、「山田屋」を目指していたところ、途中に現れたのが「大衆酒場」と大書されたのれん、そして「特製チューハイ」という看板の「一福」です。「山田屋」の前にちょっと寄って行きましょうか。

大きなのれんをかき分けて入った店内は先客はなし。角地に立っているため、角のところが斜めにカットされて5角形になった店内はL字カウンター6席と壁沿いに4人掛けのテーブル席が3つ。カウンターの奥のほうに座り瓶ビール(大瓶、530円)と煮込み(350円)を注文すると「瓶ビールはキリンとアサヒ、どちらにしますか?」とカウンターの中の店主。「じゃ、キリンをお願いします」。

煮込みはシロ(腸)を中心に豆腐とコンニャクが入ったもの。仕上げに刻みネギがのせられています。メニューによると、この煮込みは冬季だけの季節品のようです。

カウンターの中にいるのは店主ひとりですが、この記事を書くのにあたってネットを調べてみると、この店主と、おかあさんのふたりが交代で店を切り盛りしているとのことでした。

煮込みをつつきつつビールを飲んでいると、男性ひとり客が入ってきてカウンターの入口側に座ります。スーパードライ大瓶をもらった男性が注文したのはもつ焼き。もつ焼きはタン、ハツ、レバ、シロ、カシラ、ナンコツの6種類があって1本80円。ただし「もつ焼きは5本以上でお願いします」とのこと。「それじゃ、レバを2本とタンを3本。レバはタレで、タンは塩で」とおじさんが注文すると「それはできねーな。一皿の中は全部タレか、全部塩しかダメなんだよ」と店主。あらら。これはなかなかきびしいですね。結局おじさんは全部塩で焼いてもらうことにしたようです。焼き台は店の奥右手の隠れた空間にあって、注文が入るとカウンターの中の店主がそちらに移動して焼き上げるのです。

さて。いよいよ看板商品の「特製チューハイ」(320円)をいただいてみますか。すぐに焼酎とレモンスライス、氷の入ったマドラーつきのサワーグラスと、それとは別にニホンシトロンの炭酸が出されます。なるほど。ニホンシトロンの炭酸が「特製」たるゆえんなんでしょうね。強力炭酸のニホンシロトンを注ぐと、どーんと泡が出てバチバチとはじけます。

つまみのほうはおでんをいただきます。おでんは「ひと皿500円」のほか「おでん全品100円」とメニューに記載されています。単品でもらうことにして選んだのは玉子、ロールキャベツ、がんもどきの3品。

約1時間の滞在は1,500円でした。さぁ、次に向かうぞ!

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大衆酒場「一福」 / ビールと煮込み / 特製チューハイ

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店内の様子 / おでん

・「一福」の店情報


王子での2軒目は「山田屋」。縄のれんをくぐり店内に入ると、大きな店内はお客さんでいっぱい。こちらに目を向けてくれる大女将に「ひとりです」と人差し指を立てると、「こちらにどうぞ」と店内入口近くの長テーブルの一角を指し示してくれます。

やった! この長テーブルは常連さんたちの定番の席らしく、いつもいかにも常連さんといった人たちでいっぱいなのです。いつかはこの席で飲んでみたいなぁと思っていたのですが、まさか今日それがかなうとは!

席に座りながらウーロンハイと注文すると、サワーグラスに入った氷と、冷蔵庫から取り出された缶入りのウーロン茶が出されます。そして大女将が小さいグラスいっぱいに焼酎を入れてくれて、それをヤッという動作でこぼさずサワーグラスに入れてくれます。このあたりの動作は「河本」の女将(真寿美さん)の動作にも似てるなぁ。

缶入りウーロン茶は150円、焼酎(銘柄は「ぶんご太郎」)は1杯が230円で、720mlボトルだと1,700円です。

1品目の肴として、この店の名物・半じゅく玉子(230円)をいただきます。半じゅく玉子は、そばつゆに入れられた冷たいそばの上に温泉玉子風の半熟玉子をひとつ乗せて、刻みネギをパラリ。はじめに食べても、シメに食べても、それほど腹にもたまらずおいしい一品なのです。

常連さんでいっぱいの長テーブルは幅がせまくて、反対側に座る人との距離も近い。私の向かいに座るおにいさんはベルスコッチ(ウイスキー、380円)をチビチビとやっています。ベルよりもオールド(410円)のほうが高いというのもおもしろいなぁ。

壁にはずらりとメニュー短冊が並んでいて、その数ざっと7~80品。価格を明示していないものはすべて230円。煮込みやさつま揚げ、あじフライ、チーズ揚げ、まいたけの天ぷら、鳥のから揚げ、いもサラダ、なまこ、たこぶつサラダ、にこごり、かずの子、めかぶ昆布、板わさ、わかめぬたなどなどがその230円ものです。一番安いのは納豆で100円。次が玉ねぎのマヨネーズ和えで120円。そして冷奴、湯豆腐、おひたし、ほうれん草のゴマ和え、チーズなどの160円ものがあって、その次が先ほどの230円ものになります。高いほうはマグロぶつやシャコが250円、マグロ刺身や生ウニ、スルメイカ刺身などが260円、煮込み豆腐やおでん、鯨ベーコンなどの300円ものが一番高いくらいか。

そんな数多くのメニューの中に、最近ちょっとはまっている味噌おでん(230円)があるのを発見。焼酎(230円)をおかわりするついでに、その味噌おでんも注文します。

焼酎をおかわりすると氷も追加してくれます。2杯目を作っても缶入りウーロン茶はまだ3分の1ほど残っている。ホッピー風に言うと外1中3(缶入りウーロン茶1つで、焼酎が3杯)でいけるんですね。

味噌おでんは熱々のコンニャクが5切れに味噌がかかり、皿のふちには練りガラシも添えられています。このとってもシンプルな味わいが好きなんですよねぇ。

約1時間の滞在は1,070円でした。どうもごちそうさま。

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「山田屋」の縄のれん / ウーロンハイ / 半じゅく玉子

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壁のメニュー / 味噌おでん / 厨房付近の様子

・「山田屋」の店情報前回

《平成19(2007)年1月26日(金)の記録》

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店情報: 大衆酒場「一福(いちふく)」(王子)

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  • 店名: 大衆酒場「一福」
  • 電話: 03-3911-9217、03-3919-2070
  • 住所: 114-0002 東京都北区王子1-15-4
  • 営業: 水休
  • 場所: 王子駅を東側に出て、駅前の道(北本通り、国道122号線)を左へ進む。右手のケンタッキーを過ぎた角を右折して30mほど進んだ右手角。
  • メモ: ビール530、清酒(大)500、オールド350、生ビール480、酎ハイ320、ウーロンハイ320、ジュース200、コーラ200。おでん一皿500、まぐろ500、まぐろ納豆500、山かけ500、サラミ400、煮込み(冬のみ)350、ゲソつけ焼き350、おろし合え350、めざし300、おひたし300、あたりめ300、トマト300、冷奴300、もろきゅう250、御新香250、つくね一皿250、チーズ250、味附のり200、もつ焼5本より(タン、ハツ、レバ、シロ、カシラ、ナンコツ)1本80。

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鶏スープを肴に燗酒を … ひな鳥から揚「とよ田(とよだ)」(自由が丘)

最初に「とよ田」のことを知ったのはいつだったか。おそらく同じ自由が丘にある居酒屋「金田」にはじめて来たころだったから、今から7年ほど前でしょうか。

鶏のから揚げしかないのにいつも満席というその「とよ田」に、ぜひ行ってみたいなぁと思いつつもなかなか行動しない私が、思い立ったらすぐ行動するここっとさんにうながされてやっとやって来たのが昨年の2月のこと。

うわさに違わぬ美味しさに感動し、以来何度も通ったのですが、私よりももっとはまったのがここっとさん。最盛期(?)には二日とあけずという勢いで通っていたものでした。ここっとさんは行動も早く、しかもこれと決めたらとことん食べ続けますからねぇ。その追及心(なのか?)や恐るべしです。

そんな「とよ田」もこのところしばらくごぶさた状態。聞けばここっとさんもしばらく行ってないと言う。「それじゃ、久しぶりに行ってみますか!」ということで、しばらくぶりに今日やって来たのでした。

一足先に自由が丘に到着したここっとさんが店をのぞいて見てくれたところ、ひと組待ちとのことで、私が到着してからも10分ほど待って、午後8時前に入店することができました。

店内は10席ほどのL字カウンター席と、小上がりに4人掛けのテーブル席ひとつ(両側の短辺部分にも座れるので6人座れる)という小さな店は、今日も鶏のから揚げを求める人たちでいっぱい。なにしろここ「とよ田」には砂肝から揚げ、手羽肉から揚げ、もも肉から揚げの3品と、キュウリのお新香しかありませんからねぇ。しかも、それらが書かれたメニューもないというお店なのです。(といっても、はじめての人には「これとこれがあります」とちゃんと教えてくれます。)

今日はL字カウンターの角あたりに着席。まずはビールをもらうとアサヒスーパードライ中瓶と、お通しの玉ねぎスライス(ポン酢醤油たっぷりに、カツオ節トッピング)が出されます。

さりげなくすごいのが、「ビールをお願いします」と言っただけでスーパードライを出してくれるところ。この店にはスーパードライとサントリーモルツの2種類の瓶ビールと、それとは別に生ビール(アサヒ)があって、はじめて来た人が「ビール」と注文すると女将さんかおねえさんが「どれにしましょう?」と、先ほどの銘柄をあげて聞いてくれるのです。我われも最初に来たときはそうでした。そして、そのとき「瓶ビールでスーパードライを」と答えて以来、ここに来ると「ビール」と注文するだけで瓶ビールのスーパードライを出してくれるのでした。

店は女将さん、おねえさん、そして弟さんという家族3人で切り盛りしています。そのおねえさんが注文を取りに来てくれて、いつものようにふたりで砂肝1、手羽肉2、もも肉1をお願いします。

この店の基本は「ひとりで1コース」。つまりひとりで砂肝1、手羽肉1、もも肉1をもらうのが定番なのです。お客さんたちも、ほとんどの場合は「セットで」とか、「コースで」という注文の仕方をしているようです。

まず出てきたのは砂肝。同じくらいの大きさに切りそろえられた砂肝は、ほとんど表面の油も感じさせないほどにカラリと素揚げされ、仕上げに塩をパラパラと振って出されるというシンプルなもの。そう、この「シンプル」がこの店のから揚げのキーワードだと思います。なんでもないこの砂肝のから揚げがうまいのなんの。

食べかたのバリエーションは、まず出されたまま食べる。次にカウンターに用意された塩を振ってちょっと塩の効きをよくする。同じくカウンターに用意された七味唐辛子をふってややピリ辛にしていただく。そして、もうひとつがお通しで出された玉ねぎポン酢醤油にちょいと浸けていただくというもので、私自身はこの食べかたも好きなのです。

砂肝は下ごしらえが悪いと噛みきれないような部分が残ったりするものですが、ここの砂肝は出されるすべてがしっかりとした弾力を保った同じ食感。この状態に仕込むのは大変だろうなぁ、といつも感心しながらいただいています。

L字カウンターの角あたりからは鶏の下ごしらえの様子もよく見える。1羽分の骨付きひな鶏肉を、まず背骨のところで左右に分割し、そうやって分けられた左右を、それぞれ上半身と下半身に二分していく。そして要らない部分を掃除したり、骨の継ぎ目に包丁を入れて食べやすくしたりといった作業をして下ごしらえ完了。この上半身が手羽肉になり、下半身がもも肉になります。もちろん使わない部分も捨てるわけではなくて、後ほど出される鶏スープの出汁(だし)として活躍するのです。「捨てるところはまったくないんですよ」と女将さん。

ジャージャーと鶏肉を揚げる音が響き、2人分の手羽肉から揚げが出てきます。ここのから揚げは、から揚げと言いつつも実は素揚げ。衣はついていないのです。そして砂肝同様、手羽肉から揚げも、仕上げにパラリと塩をふっているだけというシンプルさ。

先ほども書きましたが、手羽肉というのは、ひな鶏を左右に分けた上半身部分。つまりあばら骨のあたりから首の手前までの胴の肉に、手羽の部分が手羽先まで付いている状態です。骨の継ぎ目の部分に、あらかじめ上手に包丁を入れてくれているらしく、手羽のところをひねるように持ち上げるとスムーズに解体することができるのです。

しっかりと火が通っているため、細い骨ならバリバリと気にせずいっしょに食べることができます。いや、むしろいっしょに食べたほうがおいしいのです。骨をバリバリ、皮もパリパリ、そしてしっかりとボリュームがある胸肉をワシワシといただいてる間は、我われのみならず、みーんなけっこう無口。楽しい会話をしながらお食事を、なんてシチュエーションには向いてないお店かもしれませんねぇ。なにしろ両手でガッツリ手づかみですし!

そしてもも肉から揚げ。こちらは下半身部分と言いつつも、もも肉の部分のみと言ってもいいくらいの部位。できあがりを関節のところで2分割してくれています。外側のパリッとした皮といっしょに、胸肉に比べると弾力の強いもも肉をいただきます。このから揚げ、それはもうビールが進むこと進むこと。

ひとしきりから揚げが終わったところで燗酒(菊正宗)をもらって、つまみにはお新香をいただきます。ここのお新香はキュウリのぬか漬け。古漬けがあればそれがよかったのですが、残念ながら今日は古漬けは売り切れ。浅漬けのほうをいただきます。

から揚げでビールをいただいたあと、デザート感覚でお新香で燗酒。いい流れですねぇ。

そして燗酒を少し残した状態で、シメの鶏スープを出してもらいます。これまた塩だけで味をつけたシンプルなスープなんですが、鶏の旨みがズドーンと凝縮されているのです。このスープを肴に燗酒を飲みたかったのです。ん~。んまいっ!

ゆっくりと2時間の滞在は、ビールを4本、燗酒を1本いただいて、ふたりで6,200円(ひとりあたり3,100円)でした。やっぱり「とよ田」のから揚げはいいなぁ。(それぞれの予想価格については「個人的な予想価格?」という記事をご覧ください)。

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瓶ビールで乾杯 / お通しの玉ねぎスライス / 砂肝から揚げ

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下ごしらえ中のひな鶏 / 砂肝もポン酢醤油でいただく / 手羽肉から揚げ

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もも肉から揚げ / お新香(浅漬) / 鶏スープで燗酒

店情報前回、同じときの「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)

《平成19(2007)年1月24日(水)の記録》

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ホカホカ生地のピザをたっぷり … 「クライスラー」~「シシリヤ」(横浜・関内)

日ノ出町・野毛(のげ)から伊勢佐木町(いせざきちょう)にかけての界隈で、ずっと行ってみたかったのが昭和25(1950)年創業という老舗バー「クライスラー」です。「延明」で中国延辺料理をいただいているときに、野毛で飲んでいた酒豪美女・ひろたろうさんと連絡がつき、その「クライスラー」で待ち合わせることにしました。

店はビルの2階にあるものの、1階の階段前にはとても目立つ黄色の看板があってわかりやすい。ワイタベさんここっとさんと3人で2階へと向かう急な階段を上ると、そこには「CHRYSLER」という店名と葡萄の彫物がついた重厚そうな入口ドア。よいしょと開けて店内に入ると、オーセンティック(正統的)で古びた感じ(←ほめ言葉です!)の店内は、壁という壁がお酒のボトルで埋めつくされていて、いきなりズドーンと圧倒されます。

カウンターの中に男性、外には女性。このふたりで切り盛りされているようで、「いらっしゃいませ」と迎えてくれた女性に「3人です」と告げると、入口を入って右手突き当たりに何個か並んだテーブル席のひとつに案内してくれます。

店内は入口の目の前が横にL字型に広がる15席のカウンター。そして、そのまわりに合わせて25席分のテーブル席があり、全部で35人が入れる大きさ。

手渡されたメニューを見ると1,200円くらいのカクテルも並んでいるものの、オーシャンウイスキーの水割りが400円、ジントニックなどのポピュラーなカクテルがそれぞれ700円など、よく出る飲み物がむしろ安いという価格設定。各自、好みの飲み物を注文する中、私はウイスキーのハイボール(500円)をいただきます。

ちょうど飲み物が届いたころあいで、ひろたろうさんも到着。いっしょに来てくれたのは「ずらずらなるまま」のブログ作者・ずらさんです。おひさしぶりー!

おふたりもそれぞれ飲み物を注文し、この店はチャージ等もかからなくて、自分たちが注文したものだけのお勘定になること。そして自家製のピザが名物であることなどを教えてくれます。

カウンターで飲んでいた女性客がトコトコとこちらにやってきて、立ち止まったのはジュークボックスの前。なんとこの店にはジュークボックスもあるのです! しかも、入っている曲はオールディーズ中心。まさに古き良き横浜バーのまま現在にいたってるんですねぇ。

40分ほど楽しんで、お勘定は5人で4,500円。ここからタクシーで相生町(あいおいちょう)1丁目方面へ。目指すお店はピザがおいしい「シシリヤ」です。

関内・伊勢佐木町・野毛界隈は、細かく町名が変わるのでタクシーで移動するのもけっこうむずかしい。今日はなにしろ地元っ娘のひろたろうさんがいるので安心です。しかもひろたろうさん、タクシーの中から行きつけである「シシリヤ」に電話を入れてくれて、席の確保も万全。どうもありがとうございます。

到着した「シシリヤ」の店内は、J字のカウンターに丸テーブルが4つで総席数20席ほど。入口の横はお持ち帰り用ピザの販売カウンターになっていて、その内側が専用のピザ焼き釜になっています。

丸テーブルの準備が整うまでカウンター席に座り、赤ワインのマグナムボトル(イタリア産「プリマベーラ(PRIMAVERA)」1.5L、2,900円)をもらって乾杯です。この「プリマベーラ」がこの店のハウスワインなのです。ピザも2枚注文します。

丸テーブルに移り、最初に出てきたピザはマルゲリータ(1,000円)。バジル、チーズにトマトソースの入ったこのピザは緑、白、赤というイタリアの国旗と同じ配色で、見た目も美しいのです。

ワイタベさんが「このピザはフランスに渡ったときに、フォークとナイフで食べてたそうだよ」と教えてくれます。実際にそうやって食べてみると、今まで手づかみ(?)で食べてたときとはまるで違う食感。手づかみのときはガバッと噛みついてたっぷりのピザをほお張る感じですが、フォーク・ナイフでひと口大に切っていただくと具材とのバランスもよく、ホカホカに焼けた生地のおいしさがより味わえるように思います。手で持つと口に入るよりも先に指先で生地のアツアツ感やフカフカ感がわかってしまうのですが、フォークだと口に入るその瞬間まで「うわぁーっ、熱々でやわらかぁーいっ」という感動をとっておけるのもいいのかもしれませんね。

2枚目はクァットロ・フォルマッジ(1,200円)という4つのチーズが入ったピザに、別注でベーコンをトッピングしてもらったもの。店のおねえさんが「今日のチーズは…」と入っている4種のチーズを紹介してくれたのですが、覚えていません...(爆)

さすがにツワモノぞろいだけあって1.5リットルのマグナムボトルはもう空っぽ。さすがにもう1本となると厳しいので(なにしろ今日は火曜日です!)、次は同じワインをカラフェ(900円)でもらうことに決定。ひろたろうさんが大常連さんということもあって、店のおねえさんがカラフェすり切りまで入れてくれたワインは1リットルは入ってそう!

さらにはピザももう1枚。とにかく生地がやわらかくておいしくて、いくらでも食べられるのです。

最後のピザはマリナーラ(1,000円)にオリーブとチーズの2品をトッピングしたもの。基本となるマリナーラはオレガノとニンニクに、“マリナーラ”と呼ばれるトマトソースが入ったピザなのだそうです。

たっぷり飲んで、たっぷり食べて、気がつけばもう11時半。お勘定は5人で7,900円(ひとりあたり1,580円)でした。ということはトッピング3種で900円、1種あたり300円くらいなんでしょうか(あくまで推定です)。

そんなにピザを食べることのない私でも「うまいっ」と思えるピザでした。

070123j 070123k 070123l
「クライスラー」 / 重厚な入口 / ウイスキーハイボール

070123m 070123n 070123o
「シシリヤ」 / ピザ焼き釜 / マグナムボトルの赤ワイン

070123p 070123q 070123r
マルゲリータ / クァットロ・フォルマッジ+ベーコン / マリナーラ+オリーブ&チーズ


・「シシリヤ」の店情報前回

《平成19(2007)年1月23日(火)の記録》

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店情報: バー「クライスラー(CHRYSLER)」(横浜・日ノ出町)

    070123z
  • 店名: バー「クライスラー」(CHRYSLER)
  • 電話: 045-251-9966
  • 住所: 231-0042 神奈川県横浜市中区福富町西通5-5 共同ビル2F
  • 営業: 18:00-02:00(01:45LO)、水・第3木休
  • 場所: 京急本線・日ノ出町駅を降りて目の前の日ノ出町交差点をマクドナルドや串揚げ「ひのでや」がある方向に渡り右へ。バス通りにそって長者橋を渡って2、3個めの信号交差点(福富町西通入口)を左折。2つめ(2ブロック先)の交差点を右折した先、左手2階。1階の入口前にある黄色の看板が目印。
    野毛から行く場合は宮川橋を渡って2ブロック目の左手。
  • メモ: 昭和25(1950)年5月5日創業の老舗バー。現在も内装やメニューは当時のまま。カウンター15席、テーブル20席で総席数35席。店内にあるジュークボックスにも歴史を感じる。オーシャンウイスキーの水割り(400円)、ハイボール(500円)、ジントニック(700円)など、よく出る飲み物が安いくて、チャージ等なし! 名物の自家製ピザ(1,000円)はサラミ、マッシュルーム入りでチーズたっぷりなんだそうな!
    カウンター付け根の壁に取り付けられた木彫りのメニューには無いものもあるそうだが、その内容は次のとおり。オーシャンSPオールド400、オーシャンシーガル500、オーシャンステイタス600、オーシャンアサマ1,000、オーシャンカルイザワ500、オーシャンホワイトシップ400、オーシャンウォッカ500、大黒ブランデーVSOP700、クライスラーカクテル1,000、ジンフィズ1,200、テキサスフィズ1,200、トムコーリン1,500、ウォッカコーリン1,200、スロージンフィズ1,200、カカオフィズ1,200、モカフィズ1,500、マンハッタン1,200、マチニー1,200、ギムレット1,000、ルビーフィズ1,500、ローヤルフィズ1,500、ピンクレディー1,500、ミリオンダラー1,500、トマトチーズピザ800、ミックスピザ1,000、コーラ500、ジュース500、レモンスカッシュ500、ポテトチップ500、シシャモ500、御新香500、サキイカ500、チーズ500、アスパラガス800、野菜サラダ800、クルミ500、ピスタチオ500、チョコレート500、スープ500、ハムサラダ800、鳥唐揚800、ハムエッグ1,000、ウィンナソーセージ800、サラミソーセージ500、シューマイ600、レーズンバター500、ピーナッツ500、品川巻500、オニオンスライス500、オムレツ800。(2007年2月調べ)

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延辺羊肉・串料理専門店 … 中華料理「延明(えんめい)」(横浜・日ノ出町)

最近、餃子のみならず羊肉にもはまっているここっとさんが「野毛界隈にも水餃子や羊肉が食べられるお店がないものか」と探していたところ、この界隈の事情通・tamさんから紹介してもらったのが京急・日ノ出町駅の近くにある中国延辺(えんぺん)料理の店「延明」だったそうです。

そんなわけで今日は、「年間1千軒以上外食する男」という異名をもつワイタベさんにも馳せ参じていただいて、その「延明」です。

待ち合わせたのは野毛の入口(桜木町駅側)にある、串揚げで人気の立ち飲み店「福田フライ」。店に着くと、すでにワイタベさん、ここっとさんのおふたりは到着されていて、カキ(120円)や玉ネギ(70円)を揚げてもらって、ビール(キリンラガー大瓶、600円)を飲んでいます。私もそのビールをもらって乾杯。さっそくカキ(120円)を辛いソースで、そして鶏皮と鶏ハツ(各120円)を塩で揚げてもらいます。

ここのカキは中までちょうどいい按配に火が通ったところで出てくる。アツアツのところをパクリとほお張ると、カキのあまさがふんわりと口の中に広がったあと、ニンニクのたっぷりと効いたソースの辛さがガツンとやってきます。この辛さがまた食欲を増してくれるんですねぇ。

鶏皮と鶏ハツは串に刺して素揚げしたものに塩をパラリ。焼き鳥屋さんで焼いてもらう鶏皮や鶏ハツもさることながら、こうやってサッとあげてもらったのもまた違う味わい、食感が楽しめます。

ビールをもう1本いただいて、「福田フライ」は3人で2,100円(ひとりあたり700円)でした。

日ノ出町から伊勢佐木町に向かうあたりはタイ料理やら韓国料理やらといったアジアン・テイストの店が数多く存在する地域。目指す「延明」もその一角にあります。

店内は4人がけのテーブル席のみで、右側には横向きのテーブルが奥に向かって4個並び、左側には縦向きのテーブルが2個並んでいて、総席数24名分。火曜日、午後8時前の店内には先客は1グループ(4人)のみ。我われもテーブルのひとつを囲み、まずはビール(スーパードライ中瓶、450円)をいただくと、ザーサイっぽい感じの野菜と、ピリカラのナッツ、真っ赤なピリカラ和え物の3皿がお通し(無料らしい)として出されます。店は中国の方と思しき女性2人で切り盛りしているようです。

最初にいただいた水餃子(1,000円)は大ぶり熱々のものが大皿に15個。これをいっしょに出してくれるタレをつけていただきます。気をつけてかじらないと、中から飛び出すツユが服にかかってしまうほどのジューシーさ。実際に飛び出した汁でネクタイに染みができてしまいました(涙)。ボリュームもたっぷりで、今日は3人だから良かったですが、2人だとこれだけでお腹がいっぱいになっちゃうかもしれません。

ワイタベさんと私は飲み物をマッゴルリに切り換えます。マッゴルリは紙パック入りの1リットルが1,200円。上下左右によくかき混ぜてから開封します。

「ネットで調べてみたら湯葉のようなのがおいしそうだったんだけど」とここっとさん。「それは“干豆腐(がんどうふ)”って言うんじゃないかな。湯葉のようなんだけど豆腐を干して作ったものなんですよ」とワイタベさんが教えてくれながら、店のおねえさんにたずねてみると「和えたのと、炒めたのがあります。和えたのは赤くて辛い。炒めたのは辛くないです」とのことで、辛くない炒めもののほう(尖椒炒干豆腐、850円)を注文します。

出てきた干豆腐は、たしかに見た目は厚めの湯葉に似ている。大きめのきし麺といった雰囲気もあるなぁ。いっしょに炒めているのは豚肉、ピーマンなど。食感も硬めの湯葉っぽい感じでいいですねぇ。

ちなみにおねえさんの言ってた和えた辛いほうは拌干豆腐(干豆腐の和え物、580円)。メニューの写真で見ると真っ赤でいかにも辛そうです。こういった和え物料理は「ムチム」といって延辺(えんぺん)独自のものなのだそうです。

延辺というのは中国でも朝鮮半島の付け根あたりのこと。この地域には朝鮮半島から移り住んだ人々もたくさんいて、料理のほうも韓国料理と中国料理に加えて蒙古(モンゴル)などの影響も受けた独特なものになっているのだそうです。唐辛子とクミンをたっぷりと使うのが特徴なのだとか。そして入口の看板に「羊肉串」と大きく書かれ、そしてメニューにも「延辺羊肉・串料理専門店」と書かれているとおり、まさに延辺料理の看板料理とも言えるのが串焼き料理。しかも、なんと自分で焼くのです!

実は席についたとたんに、店のおねえさんから「串は焼きますか?」と聞かれたのですが、そのときは「後ほど」と答えていたのです。改めておねえさんに「串の注文、いいですか?」と確認すると「はい。5本以上でお願いします」とのこと。串は1本100円程度から。なにしろ七輪や専用の焼き台を用意しなければいけないので、2~3本焼くだけでは準備なんかのほうが大変で、やってられないんでしょうね。

メニューをには羊肉串(100円)、牛肉串(100円)、鶏砂肝串(100円)、血管串(牛ハツモト、170円)、羊筋串(ひつじすじ、170円)、心臓串(豚ハツ、170円)、牛鞭串(牛さお、170円)、軟骨串(鶏なんこつ、170円)、牛筋串(170円)、海老串(270円)、ねぎ串(170円)、蚕通串(170円)、腰子串(豚腎臓、170円)、鳥魚串(いかくし、170円)、鶏心串(とりハツ、170円)、鮮魚串(いしもち・真あじ、270円)、鶏手羽先串(270円)、しいたけ串(270円)、牛板筋串(いたすじ、270円)、すずめ(麻雀)串(370円)、刷肚(80円)といった品々が並んでいるほか、壁にも何種類かの串焼きメニューが張り出されています。

そんな中から羊肉串(100円)、羊筋串(170円)、牛ハツモト串(170円)、鶏ハツ串(170円)、そして壁のメニューから干したサヨリ(270円)と麻辣排骨串(スペアリブぴりから串、200円)の合わせて6本を注文します。

七輪の上にセットされた専用の焼き台には、上下2段に平行に伸びる金属製の棒が通っています。向こうの棒と、こっちの棒との間に串を渡して焼くんですね。焼きあがったら上段にならべると保温状態になるようです。

七輪や焼き台のほかに、小皿ひとつに盛られた唐辛子やクミンなど4種の調味料が出されます。好みに応じてこれをつけていただくんですね。

生で出される串刺し肉を七輪の上でゆっくりと炙って、そろそろ食べられるかな?

羊肉串や羊筋串には下味もついていて、スパイスもたっぷり入っています。羊肉はがっつりと羊らしい匂いのするマトンのようなのですが、下味とスパイス、そして各自でつける香辛料でおいしくいただくことができます。魚の干物(サヨリ)は日本の干物と同じ。日本酒が欲しいくらいです。(ちなみにメニューには日本酒も載っています。)

はじめていただいた中国延辺料理。次の機会にはじっくりと串焼きを楽しむのもいいかもしれませんね。1時間半の滞在は3人で5,600円(ひとりあたり1,900円弱)でした。

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「福田フライ」のフライ / 「延明」 / お通しの小皿3品

070123d 070123e 070123f
水餃子 / マッゴルリ / 尖椒炒干豆腐

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干サヨリと羊肉串 / 4種の調味料で / スペアリブ、はつもと、鶏ハツ、羊筋串

・「福田フライ」の店情報前回、同じときの「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)
・「延明」の店情報 (同じときの「ワイタベのレミング2」「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)

《平成19(2007)年1月23日(火)の記録》

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店情報: 中華料理「延明(えんめい)」(横浜・日ノ出町)

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  • 店名: 羊肉串&延辺料理「延明」(ヨンミョン)
  • 電話: 045-261-8946
  • 住所: 231-0033 神奈川県横浜市中区長者町9-170
  • 営業: 17:00-05:00、無休
  • 場所: 京急本線・日ノ出町駅を降りて目の前の日ノ出町交差点をマクドナルドや串揚げ「ひのでや」がある方向に渡り右へ。バス通りにそって長者橋を渡った先の信号(長者町9丁目交差点)の左向こう(角のラーメン屋の左側)。駅からは150mほど。
  • メモ: 朝鮮半島の付け根あたり、延辺の料理を出すお店。その中心はお客が自ら焼きあげる串料理で、羊肉串100、牛肉串100、鶏砂肝串100、血管串(牛ハツモト)170、羊筋串(ひつじすじ)170、心臓串(豚ハツ)170、牛鞭串(牛さお)170、軟骨串(鶏なんこつ)170、牛筋串170、海老串270、ねぎ串170、蚕通串170、腰子串(豚腎臓)170、鳥魚串(いかくし)170、鶏心串(とりハツ)170、鮮魚串(いしもち・真あじ)270、鶏手羽先串270、しいたけ串270、牛板筋串(いたすじ)270、すずめ(麻雀)串370、刷肚(5串から)80など。水餃子(15個、1,000円)もジューシー。生ビール380円、瓶ビール(中)450円、真露(大)1,800、(小)950、チャムイスル950、百歳酒1,200、マッゴルリ1,200、紹興酒1,200など。店内は4人掛けテーブル席が6卓。公式サイト(?)あり。(2007年1月調べ)

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大常連さんのとなりで … やきとり「鳥佳(とりよし)」(横浜・上大岡)

仕事が終わってふらりとやってきたのは上大岡(かみおおおか)の「鳥佳」です。月曜日ながら午後7時半の店内はすでにお客さんでいっぱい。かろうじて空いていたカウンターの1席に座り、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、520円)と小腹セット(700円)でスタートです。

小腹セットはおまかせで焼いてもらう焼き鳥(1本130円)の7本セット。普通に注文すると910円になるところが700円に、なんと30%分もサービスになるのです。今日の小腹セットは子袋、つくね、シロのタレ焼きと鳥ねぎ、かしら、はつ、ししとうの塩焼きです。

ビールに続いて燗酒(470円)を注文すると、きちんとタイマーで時間を計りながらチロリで燗をつけてくれて、そのチロリのまま出してくれます。つまみのほうは黒板に書き出された本日のメニューから小イカ焼き(300円)を注文。じっくりと炭火で焼いて出されたのは丸ごと1杯のマルイカです。がぶりとかぶりつくようにいただくと燗酒ととてもよく合います。

右どなりに座っている男性ひとり客となんとはなしに話をしていると、どうやら相当な常連さんの様子。月に2回の定休日(毎月カレンダーに書き出されている)と、たまに出張などが入って来れないとき以外は毎日来ているのだそうです。その数、年間に330日以上。「マスターは毎週水曜日にお休みをとるから、マスターよりもオレのほうが多く来てるな」とのこと。しかもそれが20年ほど続いているというから驚きです。

「昔はねぇ、川沿いの屋台でマスターのお母さんがやってたんだよ。のれんに“創業30年”と書いてあるのはそのころから数えての年数なんだ。ここに来て、もう8年、いや10年くらいになるかなぁ。そのころの店はこちら側(カウンターのある側)しかなくてね。うなぎの寝床のように細長~い店だったんだよ。向こう側のテーブル席があるところはラーメン屋さんだった。向こう側と一緒になったのは4年くらい前だったっけ?」と問いかけると、ニコッと笑いながらうなずく寡黙な店主です。

その大常連さんは日本酒を冷や(常温)で飲んでいて、チロリの中のお酒がなくなると、特に言葉を発するわけでもなく、カウンターの上段にトンと置く。するとカウンターの中の店員さんがおかわりのお酒を注いでくれるのです。現在の店内は総席数が35席とけっこう広いので、店内は店主も含めて常時5名ほどで切り盛りしています。

私も燗酒(470円)をおかわりし、“おばあちゃんのお新香”と銘打たれたお新香(350円)をいただきます。この“おばあちゃん”というのが、先代の女将さん(店主のお母さん)なんですね。日によって変わるのかもしれませんが、今日はキュウリとナスの漬物盛り合せです。

左どなりのおとうさんが注文したのは白子ポン酢(600円)。お湯であっためられてホカホカと湯気が立つ白子が小鉢に盛られ、紅葉おろしがそえられています。これまたおいしそうだなぁ。こういう海の幸メニューもあるんですよねぇ。今日なんかアンコウ鍋(1,200円)まであります。

右の大常連さんの向こう側は、はじめて来たらしい若いカップル。「次はなにをたのもうかなぁ」と迷っている様子に、大常連さんが「メニューにはないけど、この店の玉子焼きもおすすめなんですよ。食べてみる? じゃ、マスター、玉子焼きひとつ作ってあげて。まずけりゃオレが払うから、ぜひ食べてみてよ」。しばらくして出された玉子焼きのフカフカとおいしそうなこと。「おいしいです」とカップルの男性も喜んでいます。

さがり(牛はらみ串、350円)も名物のひとつということで、これまた先ほどの若いカップルが注文すると、「味つけはどうしましょう?」と店主。ん? 塩、タレのことかな? と思って聞いていると、さがりの味つけには「昔」と「今」というのがあるらしい。「それじゃ、昔と今を1本ずつ」と注文するカップル。まず出てきた「昔」は、塩コショウで味をつけた、屋台時代からの伝統の味つけだそうです。そして「今」というのは大根おろしが上にのって、これはおそらくポン酢醤油味なのかな。

大常連さんによると鳥佳巻き(1本250円)という焼き物もおいしいということでさっそく注文してみます。他にトマト巻きやアスパラ巻き、ササミチーズ巻きなどの巻き物(各1本250円)があるなから、この鳥佳巻きだけが店名の「鳥佳」を冠したオリジナル巻き物。なんなんでしょうねぇ。

そして出てきた鳥佳巻きは、細切りにしたたっぷりの野菜を豚バラ肉で巻いて焼いたもの。かじりつくとシャキシャキ、プリプリとした食感。この中身は白ネギ、エリンギを細切りし、秘伝の味噌で和えたものなのだそうです。なるほど、シャキシャキが白ネギ、プリプリがエリンギだったんですね。

2時間弱の滞在は3,310円。大常連さんのおかげで、今日はいろんなお話を聞かせてもらうことができました。ごちそうさま。お先に!

店を出て、上大岡駅ビルのもっとも横浜側にある入口(京急デパート入口)から入るとすぐそこにあるのが、G.Aさんの日記によく登場する日本そばの「蕎麦丸(そばまる)」(看板には「蕎麦○ soba-maru」と書かれている)です。朝7時から夜11時(ラストオーダーは夜10時半)までやっているというこのそば屋で、野菜かき揚げそば(390円)を食べて本日終了。

この「蕎麦丸」、そばのほうも鴨セイロ(490円)、桜海老かき揚げそば(490円)などが並んでいるほか、生ビール(450円)、枝豆ビールセット(700円)、串揚げビール(1,000円)もあるので、ちょいと飲むのにも使えそうですね。

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「鳥佳」 / 瓶ビールと小腹セット / 子袋、つくね、シロ(タレ)

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鳥ねぎ、かしら、はつ、ししとう(塩) / 燗酒 / 小イカ焼き

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おばあちゃんのお新香 / 鳥佳巻き2本 / 鳥佳巻きの中身

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「蕎麦丸」 / 食券を買って入る / 野菜かき揚げそば

店情報前回

《平成19(2007)年1月22日(月)の記録》

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二次会も魚介づくし … 大衆酒場「酒屋の酒場(さかやのさかば)」(北千住)

千住大橋をあとにトコトコと北上すること20分ほど。北千住に到着します。時刻は午後9時半。まずのぞいた「徳多和良」はすでに店頭の灯りは消えていて、今店内にいる人たちが帰ればもう閉店になるのだそうです。「最近はこのくらいの時刻で閉まるんですよ」とこの店の常連でもあるHさん。すぐにCさんが「酒屋の酒場」に電話してくれたところ、6人入ることができるとのことで、さっそくそちらに向かうことにします。

たどりついた店内は左手直線カウンター席は満席、右手にふたつ並ぶ4人掛けテーブルも埋まっていて、我われは奥の小上がりの座敷席に通されます。この座敷席も4人掛け座卓が3つあり、ひとつは他のグループが使っていて、我われ6人は残るふたつの座卓を並べて座ります。横には仏壇があったり、仕入れたお酒の箱(もしかしたら中身も入ってるかも!)が並んでいたりして、まるで普通のお家の居間に通されたような感じです。

ホッピーやビール(サッポロラガー大瓶)、さらには地酒(「南部美人」や「道灌」など)をいただいて乾杯しメニューの選択です。さきほどの「ときわ」同様、この店もまた新鮮な魚介類が安価に楽しめるお店なのです。

まず出てきた生マダコさしみ(320円)はコリコリとした吸盤部分の食感も楽しい一品。さらにはコハダ酢(300円)、ツブ貝さしみ(600円)と刺身類が続きます。ツブ貝の刺身が立派ですねぇ。お酒もどんどんすすみます。

カキフライは大ぶりのカキがたっぷり6個入って450円。この店にもしょっちゅう来ている地元在住のHさんによると「いつもは5個入りだと思うんだけど、我われが6人なので6個にしてくれたんでしょうね」とのこと。こういうちょっとした気配りをしてもらえるのがうれしいですね。

そのHさんが店主に「おすすめの刺身は?」とたずねると「今日は関アジ(450円)やイワシ(300円)もあるよ」ということで、さっそくその2品もいただきます。関アジは450円ながら丸皿にたっぷりと12切れほど盛られています。最近値段が上がっているイワシも同じくたっぷりと10切れほど。こんな値段で出せるんですねぇ。

「焼き物も食べましょう」とメニューを確認すると、普通の焼き物とともに、今日は3種類のカブト焼がならんでいます。タイのカブト焼が320円、ブリのが400円、カンパチのカブト焼は350円。そんな中からタイのカブト焼をいただくことにしました。カリッと焼けた表面をパキッとはがすとフワッと湯気があがり、やわらかな白身には旨みがたっぷりと詰まっています。

さらにはHさんが最近よく注文するというオススメの品、豚バラ入りむし白菜(300円)も注文。白菜を敷きつめた上に豚バラをならべて蒸しただけというシンプルな料理は、けっこう満腹なのにいくらでも食べられます。

おいしい料理に舌鼓をうちながらワイワイと過ごしていると、気がつけば閉店時刻(午後10時)を大きくまわってすでに11時過ぎ。まわりのお客さんも次々に帰り始めます。我われもお勘定をしてもらうと、6人で7,960円(ひとりあたり1,300円強)でした。うーむ。安すぎる。

千住市場の新鮮な魚介類をたっぷりといただいた1日でした。ご一緒させていただいたみなさん、ありがとうございました。

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生マダコさしみ / コハダ酢 / ツブ貝さしみ

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カキフライ / 関アジさしみ / イワシさしみ

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タイかぶと焼 / 豚バラ入りむし白菜 / そろそろ閉店

店情報前回、同じときの「宇ち中」)

《平成19(2007)年1月20日(土)の記録》

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ポール牧直伝のイカ鍋 … 居酒屋「ときわ」(千住大橋)

冬はおでんや鍋物でいただく燗酒がおいしい。おでんはひとりでもふらりとおでん屋さんに入っていただくことができるのですが、鍋物を1人前ずつ注文できるお店はそれほど多くない。この冬はそんな「ひとり鍋」が可能な店に行ってみたいと思っているのです。

今シーズン、これまでに中野「北国」のあつどーふにはじまって、池袋「ふくろ」のタラチリ渋谷「鳥竹」の肝なべや皮なべ鎌倉「長兵衛」のゆどうふ阿佐ヶ谷「川名」の湯ぎょうざ中野「竹やぶ」の鶏もつ鍋といった1人前から注文可能な鍋料理を楽しんできました。

そして今日はイカ鍋で有名な千住大橋の「ときわ」です。

上野で0次会を楽しんだ宇ち中さん、Sさんとともに京成線の電車に乗り込むと約10分で千住大橋。歩いて2分ほどで目指す「ときわ」に到着すると、ちょうどKさんと、その奥さんのCさんも到着して5人で一緒に店内へ。

店内は右手にL字カウンター12席、左には壁に沿って4人掛けのテーブル席が3つ並び、一番奥の突き当たりのところに詰めれば6人座れるインディペンデントな6人掛けテーブル席があり、その奥が壁を隔てて厨房になっています。あらかじめHさんが予約してくれていたので、我われは一番奥の6人テーブルに通されます。

ビール(スーパードライ大瓶、490円)をもらって乾杯すると、お通しはお新香。そうこうしているうちにHさんも到着し、本日予定のメンバー6人がそろいました。

手書きのメニューに書き出された品書はざっと65種類ほど。イカゲソワサや自家製塩辛などの300円からはじまって、高くてもマグロ刺、ブリ刺、タイ刺などの700円もの程度。それに加えてちょっとスペシャル品で活ズワイガニ(1,300円)があったり、壁に張り出された季節の鍋物メニュー(詳細後述)があったり。

まずいただいたポテトサラダ(350円)は千切りキャベツとともに出され、パセリと練りガラシが添えられています。これにウスターソースをちょっとかけていただくのが大衆酒場流ですね。

千住大橋と言えば、すぐ近くの隅田川沿いに東京都中央卸売市場足立市場がある土地。新鮮な魚介類が手に入りやすいこともあってか、近所にも「田中屋」「酒屋の酒場」「徳多和良」など、おいしい魚介類が楽しめる店が多いのです。ここ「ときわ」もそういう店のひとつらしく、ブリ刺身(700円)はツヤツヤと脂ののった大きな刺身がどーんと7切れ。こいつはやっぱり燗酒(大徳利、520円)だな。

年末年始になると新そら豆が出はじめます。ゆでたてアツアツで出されたそら豆(500円)は、出はじめの時期ならではで、皮ごとぱくりといただけるのです。春が近づくにつれてだんだんとこの皮が硬くなっていくのでした。

牛すじ肉豆腐(450円)は下町風のやや甘~い味つけでボリュームたっぷり。近くの「大はし」もそうですが、肉々した煮込みがいいですね。

麦焼酎「いいちこ」をボトル(900ml、2,000円)でもらって、さらに魚介類が続きます。アジ刺身(500円)は姿造りになっていて、ワサビとおろし生姜の両方が添えられている。アジはたたき(500円)でつくってもらうこともできます。

銀ダラ煮付け(750円)は表面は濃い照り焼きダレで覆われているものの、箸を入れて身を割ると、中はまっ白つややかでふわふわに仕上がっています。フワンとあがる湯気がまたいいですねぇ。これもうまいや。

さぁ、そしていよいよイカ鍋(750円)です。「本当にこれが1人前!?」というほどこんもりと盛り上がったイカ鍋は、白ネギ、シメジ、エノキ、春菊、豆腐などがたっぷりと盛り込まれた上に、皮が付いたまま1センチ幅くらいにスライスされた丸1杯分のイカがどーんと乗っています。このイカもまた刺身で食べられるほど新鮮なのです。

クツクツと煮えてくると、こんもりと盛り上がっていた具材がだんだん沈み込み、イカの煮えたいい香りが漂ってきます。それじゃそろそろいただきますか。イカ鍋にははじめから味がついているので、そのままいただきます。

へぇ~っ。けっこう甘い味つけなんですねぇ。壁の向こうで調理を担当している店主に話をうかがうと、この味つけはポール牧さんからの直伝なんだそうで、醤油、砂糖、みりん、酒にイカワタを溶かしているのだそうです。砂糖が入っているというのが特徴なんでしょうね。

冬場のみという鍋物メニューは白子鍋(1,000円)、湯どうふ(450円)、いか鍋(750円)、たらちり(750円)、赤魚ちり(700円)、よせ鍋(1,200円)の6種。それぞれ1人前から注文することができます。

「もう1品、鍋物をいただきましょうか」ということで、今度は白子鍋(1,000円)をいただくことにしました。出てきた白子鍋を見てまたびっくり。鍋の上にこんもりと山盛りの白子です。イカ鍋に引き続き、本当にこれが1人前!? ひとりでいただいたら、全部食べられないかもしれません。この白子鍋もイカ鍋ほどではないにしろ、やや甘めの味つけです。この「やや甘め」というのが下町の味つけのキーワードかもしれませんね。

「この店のブラックニッカ水割りボトル(300ml)が390円と安いんですよ」と教えてくれるのは歩く酒場データベースのKさん。私の知っている範囲では「やき屋」が380円+税で399円、「福田フライ」が450円なので、たしかにここが一番安いかも。さっそく1本いただいて食後のシメとします。

午後9時過ぎまで3時間半ほどの滞在は6人で9,900円(ひとりあたり1,650円)という低価格でした。うーむ、おそるべし千住大橋。おそるべし「ときわ」ですね。

「ごちそうさま」とお店の人たちにあいさつしながら出口に向かうと、カウンターでひとり燗酒を傾けてるおじさんの前には、これまでに見たどの鍋よりもさらにボリュームたっぷりのよせ鍋(1,200円)が置かれ、まさに今煮はじめたばかり。各種魚介類がたくさん入っていておいしそうですねぇ。次に来たときはこれもいただきたいですね。

出口すぐ横の壁には「東京ときわ会」の各店の短冊板がずらりと並んでいました。

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「ときわ」 / ビールとお通し / ポテトサラダ

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ブリ刺身 / そら豆 / 燗酒大

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牛すじ肉豆腐 / 「いいちこ」ボトル / アジ刺身

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銀ダラ煮付け / イカ鍋 / できあがったイカ鍋

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白子鍋 / みんなで仲良くつつく / 水割りボトル

店情報 (同じときの「宇ち中」)

《平成19(2007)年1月20日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「ときわ」(千住大橋)

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  • 店名: 酒蔵「ときわ」
  • 電話: 03-3870-6073
  • 住所: 120-0037 東京都足立区千住河原町1-7
  • 営業: 17:00-23:00、日祝休
  • 場所: 京成本線千住大橋駅を東側(京成関屋方面)に出るとすぐ目の前を日光街道が横切っているので、左折して日光街道を北上すること100m、左手。駅から徒歩約2分。
  • メモ: 足立市場に近く新鮮な魚介類が楽しめる店。冬季のみ出されるイカ鍋750が名物。鍋物はイカ鍋のほか白子鍋1,000、湯どうふ450、たらちり750、赤魚ちり700、よせ鍋1,200の計6種。飲み物はビール(スーパードライ大瓶)490、日本酒(剣菱)310(大は520)、ウィスキハイ290、レモンハイ280、ウーロンハイ280など。
    ある日の手書きメニュー例:まぐろさしみ700、中とろさしみ800、ぶりさしみ700、たいさしみ700、あじさしみ500、あじたたき500、いさき姿作り650、いなださしみ500、〆さば500、酢だこ500、さざえさしみ900、さざえ焼900、いかさしみ400、いかげそわさ300、(活)ズワイガニ1,300、ぎんだら照焼750、ぎんだら煮750、ハタハタ丸干450、ししゃも350、づけまぐろ450、牛すじ肉どうふ450、とんかつ600、一口かつ450、串かつ400、えびフライ700、イカフライ350、かきフライ500、とりから揚げ450、とり塩焼450、へそ焼600、肉ベーコン450、いさき塩焼650、ぶり照焼800、うるめいわし400、いかすみ350、エイヒレ350、板わさ350、さつま揚げ350、はんぺん焼400、数の子500、マカロニサラダ350、ポテトサラダ350、エシャレット400、菜の花酢みそ350、みつばおしたし350、トマト400、とこぶし煮600、みる貝700、生うに500、かんぱちさしみ700、白子わさ600、こはだ酢350、めじまぐろ800、自家製塩辛300、かれい煮500、つぶ貝600、あじフライ350、まぐろ照焼600、すけそうだら煮500、ヤリイカさし600、たら子煮600、新そら豆500、かれいのえんがわ600、げそから揚300(2007年1月調べ)

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やみつきコロッケで0次会 … 立ち飲み「肉の大山(おおやま)」(上野)

千住方面での飲み会の前に、同行予定の宇ち中さんと、その宇ち中さんの職場の先輩で宝塚風長身美女のSさんと上野駅で待ち合わせて「ちょっと0次会に」と向かったのがマルイシティの裏手近くにある肉屋「大山」です。ここは食肉卸問屋であるとともに、店頭で串焼き(焼き鳥)、揚げ物などを販売しており、さらに店の奥には直営のレストランもあるというマルチな営業。しかも、生ビールやチューハイなどの飲み物も売っていて、店頭で買った串焼きや揚げ物をつまみに、店の前に並べられた丸テーブルや、奥のレストランへと続く通路の壁に作りつけられたカウンターのところで立ち飲みすることもできるのです。

まずは生ビール(380円)を3杯もらって、この店の名物でもあるらしい大山特製メンチ(200円)、やみつきメンチ(100円)、やみつきコロッケ(50円)の3品をもらいます。支払いはもちろんキャッシュ・オン・デリバリー(品物と引き換え払い)です。

これら3つの揚げ物はものすごい人気のようで、売り場の奥にある大きなフライヤーでどんどん揚げられたものが、売り場のところに置かれたショーケースに並べられたはしから売れていく。これをバーガー袋(四角い紙袋の2辺が開くような専用袋)に1個ずつ入れてくれるので、その袋のままソースをかけて、まるでハンバーガーを食べるような感じでかぶり付くことができるのです。

壁のカウンターで飲み食いしながら観察してみると、販売口になっているL字のカウンターは、店の表側にあたる焼き台の前が串焼き(焼き鳥)を注文するところ、角を回ってこちらの通路側の揚げ物のショーケースのあたりが揚げ物を注文するところになっているようです。その場には何も書いてないのですが、お客さんが多くなったときに「焼き物のお客さんは正面に、そうでないお客さんはこちらにどうぞ」と店のおにいさんがお客さんたちに声をかけていたので、はじめてわかった次第です。

特製メンチ(200円)は国産牛を使っているらしくてものすごくジューシー。ボリュームもやみつきメンチ(100円)の倍くらいはあるので、値段が倍というのも十分うなずけます。

コロッケ、メンチ以外にはハムカツ(70円)、骨付きフランク(100円)、アメリカンドック(100円)、手羽元フライドチキン(100円)、カニ爪クリームフライ(100円)、ターキーバー(100円)、アジフライ(120円)、大山地鶏カツ(150円)、から揚げ串(150円)、やわらかロースカツ(200円)、ヒレカツ(200円)、ジャンボエビフライ(250円)、エビカツ(250円)、やわらかビーフカツ(250円)、ローストチキン(350円)などがショーケースの中に並んでいます。売れ行きを見ていると、先にいただいた名物の3品のほかにはハムカツやアジフライも人気がある様子。個人的にはやわらかロースカツやヒレカツにも引かれますねぇ。

生ビールを飲み終えて「2杯目はどうする?」とメニューを確認。飲み物は生ビール(380円)、チューハイ(350円)、ウーロンハイ(350円)、レモンハイ(370円)、焼酎玉露割り(370円)、ワンカップ大関(350円)、グラスワイン(赤・白、400円)と、各種そろっている状態。玉露割りにもちらりと心が動きますが、このあとの1次会のことを考えて、ここはがまんがまん。2杯目もみんなといっしょに生ビールにしました。

壁のホワイトボードには「おつまみオール300円」としてシラスおろし、ポテトサラダ、ポテトフライ、お新香、じゃこ天、キムチ、マグロブツ、牛すじといった品物が並んでいます。その中から牛すじ(大山特製牛すじ、300円)を注文すると焼き台の下の冷蔵庫から牛すじを取り出し、温め直して出してくれます。これがまたねっとり、もっちりと実にいい食感。ビールが進みますねぇ。

店頭で売っている焼き鳥のほうは、とりもも、かわ、ねぎ間、なんこつ、砂肝、鶏レバー、鶏にんにく、たん、かしら、プレスハム串、しいたけ、ねぎ、ししとうが各1本100円。豚カルビ串、つくねが150円。牛カルビ串、手羽串、ベーコン、スモークターキーウィングが200円。そして、うなぎ串が1本250円で、こちらもひっきりなしにお客さんがやってきて売れています。焼き鳥も揚げ物も、おかずとして持ち帰る人が多いんですね。

我われが立っている立ち飲みカウンターでも、お酒類は飲まずに、コロッケやメンチを食べるだけという人もけっこういます。若い女性のふたり連れでやってきてコロッケを食べていたり、おにいさんがちょっとおやつ代わりにメンチをサクサクっと食べてすぐに出ていったりと様々です。

クリーミーなコロッケがとてもおいしかったので、宇ち中さんと私は、やみつきコロッケ(50円)をもう1つずつもらうことにしました。このアツアツのコロッケに痛快にかぶりつくのがまたいいですねぇ!

午後4時から1時間ほどの立ち飲みタイム。生ビール2杯で勢いをつけて、さぁ、これからが今日の飲み会の本番だ!

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注文窓口 / 大山特製メンチ、やみつきメンチ、やみつきコロッケ / 大山特製牛すじ

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ショーケース / やみつきコロッケにかぶりつく / やみつきコロッケの中身

店情報 (同じときの「宇ち中」)

《平成19(2007)年1月20日(土)の記録》

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店情報: 立ち飲み「肉の大山(おおやま)」(上野)

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  • 店名: 食肉卸「株式会社 大山」
  • 電話: 03-3831-9007
  • 住所: 110-0005 東京都台東区上野6-13-2
  • 営業: 10:00-22:00、無休
  • 場所: JR上野駅広小路口(地下鉄上野駅だと5番出口)を出てJRのガード下に沿って御徒町方面へ約100m。大衆酒場「大統領」のある角を左折した先、左手。
  • メモ: 店頭で串焼きや揚げ物(メンチやコロッケ)などを売っているこのお店は、立ち飲みコーナーもついていてその場で飲み食いすることができる。奥にはレストランもあり、じっくりと座って味わうこともできる。大山特製メンチ(200円)、やみつきメンチ(100円)、やみつきコロッケ(50円)、アジフライ(120円)、ハムカツ(70円)、大山特製煮込み(350円)など。串焼きは鳥もも、皮、ねぎ間などが1本100円から。飲み物は生ビール(380円)、チューハイ(350円)、ウーロンハイ(350円)、レモンハイ(370円)、焼酎玉露割り(370円)、ワンカップ大関(350円)、グラスワイン(赤・白、400円)。(2007年1月調べ)

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伝説のもつ煮込み … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

北国」を出て午後10時。金曜日なので、席がまったく空いてない可能性は高いけど、ひとまず「石松」をのぞいてみてから次のお店を決めることにしましょう。「北国」から「石松」までは歩いて5分ほど。どうかな? 「ひとり? 入れるよ」と店主(マスター)。ラッキーッ!

カウンターのまん中あたりにポツンとひとつ空いていた席に座り、キープしている焼酎(キンミヤ)を出してもらって生茶割りで飲み始めると、今日のお通しは豚耳です。

さっそく「何にする?」と聞いてくれる店主。「作ろうとしてるのがあったら乗りますよ」と答えると、「ううん。今はなにもない。なんでもいいよ」とのこと。これはまたすばらしいタイミングだったんですね!

「なんでもいいよ」と言われても1品目はついレバ刺し(380円)を注文してしまいます。ここのレバ刺しは、注文を受けてから大きなレバーから切り出してくれるのです。魚の刺身だとそれが当たり前なんだけど、モツでそれをやってくれる店は数が少ない。そういう1軒がここ「石松」なのです。生姜と刻みネギを乗せて醤油で1枚。次はおろしニンニクを乗せて1枚。そして塩をふってゴマ油で1枚と味を変えつついただくのもまた楽しい。なにしろ素材がいいのでどうやって食べてもおいしいのです。

そこへ他のお客さんからカシラとウズラ(玉子)の注文が入ったので、私もその両方に便乗。カシラは塩で、ウズラはタレで1本ずつお願いします。

店に入ってきたのは「キャスバル坊やをやっつけろ!」の作者・キャスバル坊やさんです。ちょうどとなりの人がお勘定をするところで、入れ代わってキャスバル坊やさんが着席。「こんばんは。お久しぶりです」「今年もよろしくお願いします」と乾杯して飲みはじめると、店主から「煮込みあるけど食べる?」と声がかかります。前身の「」時代から“幻の煮込み”を噂されていた「石松」の煮込み。これはいただかないわけにはいかないでしょう。「食べます食べます」とまさに二つ返事です。

すぐに出だれたもつ煮込みはシロを中心に、豆腐やコンニャクも入り、仕上げに刻みネギをのせたもの。見た目はごく普通のもつ煮込みなのに、適度な弾力感を保ったとろけるうまさです。こんなにおいしい煮込みなのにいつもあるとは限らない。いや、むしろないことのほうがはるかに多いのです。このあたりの事情が“幻の煮込み”と称されて伝説化されているゆえんなんですね。あぁ、今日はもうこれを食べられただけでも幸せ。

キャスバル坊やさんがよくブログに書かれている板橋方面は、私はほとんど行ったことがない場所。ブログに登場するあんな店、こんな店についていろいろと話を聞かせてもらいます。キャスバル坊やさんは実際に話をうかがっても、そのブログ同様、ストーリー展開の仕方が絶妙で、まわりの人たちもグイグイと引き込まれるおもしろさ。大笑いしているうちにもう日付けが変わってしまってました。

ちょうど注文が途切れたようなので私は最後にガツ醤油(100円)を注文。ここはもつ焼きも注文を受けてから下ごしらえして、串刺しし、そのまま焼き上げてくれるので、これまた鮮度抜群のものすごさ。もつ焼きにつきもののように思われている“臭み”なんてのも、この店ではまったく無縁な言葉です。(“香り”はあるんですよ! たとえばオッパイのうまそうな脂の香りとか、今焼いてもらったガツ醤油の芳ばしい香りとか。)

やぁ、堪能した。さぁ、そろそろ帰ろうかなぁ、と思っているところへキャスバル坊やさんからツクネ(150円)の注文が入ります。なんと。ツクネですかぁ。これは私もいただいておかないとなぁ。ツクネもまた注文を受けてからクルクルとまるめ、下ゆでして、焼きあげるという手間ひまかかる一品。なかなかタイミングが合わなかったりするんですよねぇ。タレで1本いただきます。

午前1時前まで2時間弱楽しんで、今日のお勘定は1,800円弱でした。そろそろ阿佐ヶ谷方面への終電が近いぞ。急げ急げ。

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もつ煮込み / レバ刺し / カシラ塩

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うずらタレ / ガツ醤油 / つくねタレ

・の店情報前回

《平成19(2007)年1月19日(金)の記録》

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寒い日はおでんに燗酒 … 酒房「北国(きたぐに)」(中野)

新宿から中央線快速電車で4分(150円)、中野に到着します。しんしんと寒いこんな日(最高気温9度)はおでんに燗酒に限りますね。

中野駅南口を出て「丸井」の手前の路地を右へ。坂の途中、ジンギスカン屋さんの前の路地を左に入ると、その先の角、右手にあるのが「北国」です。

「こんばんは」と入った店内は、先客3人と少数ながら、あまり頻度よく通っていない私でもその愛称を知っているほどの大常連さんばかり。もともとお客は常連さんばかりといった感じのお店ではありますが、これだけ大常連さんばかりだとちょっと緊張します。なにしろ、昭和30年代生まれの私でも、この店に来たらほとんどの場合ペェペェの最若手ですからねぇ。

熱いおしぼりを出してくれる女将さん(スミちゃん)に、「桃川」を燗でお願いします。「じゃ、ぬるめにつけとこうね」と女将さん。この店には「桃川」をはじめ「八鶴」「新政」「剣菱」など何種類かのお酒が置いてあります。女将さんには「この人の好みはこれ」というのがインプットされているらしく、常連さんから「お酒ね」という注文が入ると、その人によって銘柄と燗か冷やかを出し分けているのです。

もちろんお日本酒だけではなくて、他の飲み物についても同じことが言えます。たとえばカウンター長辺手前に陣取るアオちゃんという大常連さんはウイスキーのハイボールが好み。もともとレモンスライス入りのウイスキー水割りしか出さないお店ながら、アオちゃんのためにサントリーの炭酸(スクリューキャップのもの)が仕入れられていて、だまって座るだけで、水で割らないウイスキーとともにその瓶入り炭酸が出されるのでした。残った炭酸はキャップを閉めて冷蔵庫で保管。なにしろ毎日いらっしゃってるようなので、残ったとして明日にはなくなっちゃいますからねぇ。

「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれるユミさん(店を手伝っている女将さんの姪)が出してくれたお通しは揚げたクワイ。「芽が出るように」という縁起のいい食べ物なのだそうです。ちょっとほろ苦い大人のつまみですね。

さぁ、そしておでんです。この店のおでんは冬期限定商品。毎年11月10日からはじまります。一巡目は玉子、豆腐、魚のすじの3品を注文。特徴的なのは玉子です。この店の玉子は殻付きのまま煮込まれているのです。殻入れ用の小皿も別に出され、食べるときにはちゃんと殻を剥いていただきます。どうしてこういうスタイルにしたのかは聞いてみたことがなくて、あくまでも私の想像ですが、玉子が割れたりして汁が濁るのを防いでるのではないでしょうか。

カウンター長辺中央部。ちょうど後に柱があって、その柱を背もたれにすることができる席に座っているのはこれまた大常連のテラちゃん。お酒をおかわりすると、カウンターの下のほうから「菊正宗」の一升瓶が出てきます。へぇーっ。「菊正宗」もあったんだ。それじゃ、私も燗酒のおかわりは「菊正宗」でお願いします。

二巡目のおでんはボールと呼ばれているイカの団子とガンモドキ。「ガンモドキはよく煮込んだのと、あっさりのがあるけどどっちにする?」と女将さん。「煮込んだほうをお願いします」と答えると、しっかりと煮込まれて茶色に染まったガンモドキを選んでくれます。最後にちょんと昆布をのせてくれて「はいどうぞ」と出てきます。

ガラリと引き戸が開いて入ってきたのも、これまた常連さん。「あとでもうひとり来るから」と入口右手のテーブル席に座り、瓶ビールからスタートです。

お店の常連さんたちで行った写真を見ながら「これだれだっけ?」と話し始めたのはカウンターの一番奥側に陣取るムラちゃん。実はユミさんのご主人なのです。他の常連さんたちが写真を回し見ながら「ほら、あれだよ。○○さんと一緒によく来る子」「あぁ、あれか。なんて名前だったっけ?」「んーと。なんだっけ。まぁいいや、あれだよ」。みんなのなんとなく納得した様子に「“あれ”で話が済むのが年を取った証拠だわ」とユミさんが笑います。

ボチボチと閉店時刻(午後10時)になるから、私はこれで失礼しますか。1時間半ほどの滞在はちょうど2千円でした。どうもごちそうさま。みなさんお先に!

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お通しと燗酒(桃川) / お通しは揚げクワイ / おでん鍋

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玉子、豆腐、すじ(魚) / 干支の置物 / ボール(いか)、がんもどき

店情報前回

《平成19(2007)年1月19日(金)の記録》

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日本で唯一 … 中華料理「老辺餃子館(ろうべんぎょうざかん)」(新宿)

「おいしい餃子屋さんを紹介してもらったので新宿へ!」

このところ水餃子にはまりまくっているここっとさんからそんな連絡をいただいていたのに、なかなかいいタイミングがなくて、今日になってやっと実現。新宿駅南口からもほど近いビルの3階に目指す「老辺餃子館」はありました。

入口の自動ドアが開くと、金曜午後7時の店内はものすごい熱気。お客さんでびっしりです。私のすぐ前に入ったふたり連れは「ごめんなさい。満席です」と断られている。赤いたすきをした店のおねえさんに「連れが先に来てると思うんですけど」と話すと、左手奥にずらりとテーブル席が並んだ空間に案内されます。

すでに何度かこの店に来ているここっとさんは、ここがすぐに満席になることを知っていて、先にやってきて席を確保しておいてくれていたのでした。

あいさつもそこそこに、まずはビール(サッポロラガー中瓶、560円)を1杯ついでもらって乾杯。いやいや。今週の仕事も終了しましたねぇ。ググゥーッと喉を通るビールのうまいこと!

「ふたりで10個の水餃子が食べられるなら水餃子(1,850円)が絶対おすすめ! そんなに食べられないようなら、蒸し餃子(各420円)だとセイロで2個ずつ出てくるので、それを何種類か食べるのがいいかも」

「なるほど。せっかくの機会だから、一押しの品がいいですよね。10個入りの水餃子にしましょう!」

すぐに銅のコンロと、それと一体になるようにデザインされた銅鍋が出され「5分ほどたったらお召し上がりください」と赤いたすきのおねえさん。この店の店員さんは男性も女性もみんな赤いたすき(「熱烈歓迎」みたいな文字が書いてある)に民族衣装です。

クツクツと5分たつのを待ちながらテーブル上に置かれたパンフレットを手に取ります。それによると「老辺餃子」は、今から180年ほど前(1829年)に、河北省出身の辺福という老人が作り出した餃子なのだそうです。その製法は秘伝にして門外不出。日本ではこの店だけでしか食べられないのだそうです。

さぁ、そろそろ5分かな。餃子が浮き上がってくればできあがりのようです。鍋の中の餃子は干し貝柱、白身魚、セロリ、海老、白菜の5種類がそれぞれ2個ずつ。先ほどのパンフレットによると種類によって餃子の形が違っているのだそうです。

まず1個、小皿に取った餃子を、パンフレットに描かれた餃子の形と照合します。うーん。これは半月の形かな。干し貝柱の餃子のようです。えーと。これはタレとかつけないの? あ、そう。このまま食べるのか。どーれどれ。げっ。うまーいっ。しっかりと味がついてますねぇ。

スープに味がついてるのかと思ってレンゲをもらってひと口飲んでみると、これがまったく普通のお湯。餃子の皮そのものも、普通の水餃子の皮(焼餃子のそれよりはちょっと厚っぽくてもっちりとした皮)です。具の味付けが秘伝なんですね。まるでスープ餃子をいただいているような味わいです。

2個目。明らかに形が違うのがあるのでこれにしましょう。ひとつだけ三角形をした、パンフレットには人手(ひとで)の形と書かれているのがセロリの餃子。熱々をハフハフと口に含むと、これまたしっかりとした味付けでおいしい。同じような味付けながら具材が違うと味わいが異なるのがおもしろいですねぇ。

帽子のように見える3個目は、あわびの形って呼ぶんだ。これは海老の餃子だそうです。プリッとした食感がいいですね。

え。飲み物のおかわり? ビールのままでいいですよ。ここっとさんはこのあと職場の飲み会があるのだそうで、飲み物はちょっと抑え気味。私もきっとこのあとたっぷりとビール以外のお酒をいただくと思うので、この店ではここっとさんの抑え気味に付き合うことにします。そもそも餃子を熱々のうちに食べるのに忙しくて、あまり飲めない状況だしね。

さぁ、ここまでは割りと選びやすかったけど、ここからが難しいぞ。まだ食べてない2種類はどれだろう。ここっとさんはゆっくりと食べているので、鍋の中にはまだ5個くらい餃子が残っているのです。

「間違えて同じものを食べちゃっても、怒んないですよ。どんどん食べてください」と、ここっとさんは言ってくれるものの、形が違うのを見つけるのもまたおもしろいのです。

「よしっ。これは違う形だ」

鍋から取り出した餃子は合わせ目のところがヒダヒダと折り込まれているタイプ。どれだ、これは?

「あ!」

合わせ目のところがヒダヒダとした絵が書かれているのは麦穂の形と鶏のトサカの形という2種類の餃子。このふたつがまさに最後に残っていた2種類です。しかも絵で見るとあまり区別がつかない。これは困ったなぁ。

「そうだ。もうひとつの違うタイプを見つけ出して、本物を並べてみればいいんだ!」

鍋の中をさがして、最後に残っていたもう1種類を見つけました。両方を小皿に並べてみると。……。なーるほど。麦穂の形は合わせ目のところがクルクルとひねったような合わせ方になってるんですね。最後に取ったのがこの麦穂の形、白身魚の餃子。そして先に取ってたほうが鶏とトサカの形で、白菜の餃子だったんですね。よーし。5種類すべて制覇! いやいや、これは楽しいし、なによりおいしかったなぁ。

「もうちょっと時間があるから、もう1品何か食べませんか?」とここっとさん。

それじゃ、とメニューを見てみると、これがまたけっこういろんなものがあるんですねぇ。店名からして餃子ばかりの店かと思っていたのに各種の揚州(やんしゅう)料理や、刀削麺をはじめとする麺類などもずらりと並んでいます。そんな中に発見したのは“咸菜毛豆”の文字。これはもしや、と思って日本語の説明を見ると「枝豆と高菜」と書かれています。やっぱり。これは先日渋谷の「麗郷」でここっとさんに「おいしいよ!」と教えてもらったのと同じ料理のようです。しかも「麗郷」があったかい咸菜毛豆に対して、こちら「老辺餃子館」は冷製。ぜひこれにしてみましょうよ。

出てきた咸菜毛豆(シェンツァイマウトウ、650円)は枝豆の淡い緑も美しく、高菜の歯応えもしっかりしている。ほぉ。「麗郷」のとろみがついたあったかいのもいいですが、こちらもまたシンプルでいいですねぇ。

“ゴォーーン”というドラの音があたりに響いて、何人かの店員さんを従えてとなりのテーブルに出てきたのは「皇帝鍋」という鍋料理なんだそうです。餃子や海の幸・山の幸が入ったこの鍋もおいしいのだそうですが、こちらは1人前1,250円で2人前以上での注文とのこと。もうちょっと人数が多いときじゃないと食べられないですねぇ。

約1時間の滞在はふたりでビール(中瓶560円)を4本いただいて4,740円(ひとりあたり2,370円)でした。いただいた2品がともに美味しかったので、他の料理にも期待が持てますね。どうもごちそうさま。

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水餃子 / 5分ほどでできあがり / 枝豆と高菜(冷製)

店情報 (同じときの「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)

《平成19(2007)年1月19日(金)の記録》

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店情報: 中華料理「老辺餃子館(ろうべんぎょうざかん)」(新宿)

  • 店名: 中国名店「老辺餃子館」
  • 電話: 03-3348-5810
  • 住所: 160-0023 東京都新宿区西新宿1-18-1 小川ビル3F
  • 営業: 11:30-23:30(23:00LO)、無休
  • 場所: JR新宿駅南口を出て甲州街道を西(京王・ルミネ方面)へ。信号交差点を渡ったところにある「ファーストキッチン」の右手ビルの3階。
  • メモ: 席数140、年中無休で込み合う中華料理の店。店名にもなっている老辺餃子は180年の歴史を持つ秘伝の製法で作られた蒸し餃子。餃子の中身は椎茸、冬瓜、トマト、白菜、魚肉、海老、鶏肉など十数種類あり、それぞれ1セイロ2個入りで420円。水餃子は干し貝柱、海老、白身魚、セロリ、白菜という5種類が2個ずつ(全部で10個)入って1,850円。ドラの音とともに出される皇帝鍋は1人前1,250円で2人前以上での注文。餃子のほかにも揚州(やんしゅう)料理や、刀削麺をはじめとする麺類などもある。サッポロラガー中瓶560円、甕出し3年紹興酒(古越龍山)徳利550円、ボトル(600ml)1,800円。ウーロンハイ、レモンサワーなどのサワー類各520円など。公式サイトおよびぐるなびあり。(値段は2007年1月調べ)

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夕食会の翌日に … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

昨日、1月13日(土)は「竹よし」の今年1回目(通算62回目)の夕食会。残念ながら土曜出勤だった私は参加できなかったのでした。常連さんの中には、夕食会の翌日の日曜日に「竹よし」に出かけて、夕食会のネタをいただく人もいるという話を聞いていたので、私も今日出かけてみることにしました。

店についたのは開店10分後の午後5時10分。店内ではすでに大常連のTさんがアサリ酒蒸し(600円)をつつきながら冷酒(高清水300ml、600円)を飲んでいます。「こんにちは。早いですねぇ!」と声をかけると、「ちょっとフライングで4時半頃来たんだよ」とTさん。

私もTさんの手前に腰をおろし、まずはビール(アサヒスーパードライ中瓶、500円)を注文すると、今日のお通し(200円)はエビの山かけです。

ビールを飲みながら「昨日の夕食会はなんだったんですか?」と聞いてみると、「昨日はタラだったんですよ。毎年同じような食材になるんですが、タラ、ブリ、アンコウは冬になるとやっぱり食べたいというお客さんが多いですからねぇ」と店主。「すばらしいタラでしたよ」と言いながら、昨日の夕食会にも参加されていたTさんが写真を見せてくれます。

6.2キロあったという北海道産の活じめマダラは、カウンターの後にある4人がけのテーブルとほぼ同じ大きさ。これを刺身(うす造り、ポン酢味)、あら煮鍋、白子生食、フライでいただいたのだそうです。副食は“酒盗とクリームチーズ”に“豚めし”。さらになおとんさんが手料理も持ってきてくれたのだそうです。

さっそくそのタラの白子と刺身の盛り合わせ(1,000円)を注文すると、「刺身のできあがりを待ってる間に」とTさんが“酒盗とクリームチーズ”を作ってすすめてくれます。この“酒盗とクリームチーズ”はTさんが別の店で仕入れてきて、「ぜひこの店でも」と店主にすすめて実現した一品なのです。その特徴はクリームチーズが主役であること。クリームチーズの上に酒盗が乗っているのです。ほかの店でよく見かけるのはこの逆で、酒盗が主役。クリームチーズはちょっと混ざってるって感じですよね。Tさん流の“酒盗とクリームチーズ”ではクリームチーズの味がより膨らむように思います。

これはお酒のほうが合いますね。いつものように「菊正宗」の燗酒(350円)をいただきます。

タラの白子と刺身の盛り合わせもできあがってきました。これはまた美しい。紅葉おろしを入れたポン酢醤油をちょっとつけていただくと、口の中に甘みがひろがります。白子もまた濃厚ですねぇ! すぐに燗酒(350円)もおかわりです。

タラの刺身は身が柔らかくて脂肪分がたっぷり。白子も刺身も傷みが早いので、生食できる機会は非常に少ないのです。私自身は、ここの夕食会でいただくときだけくらいです。あぁ、今年も生のタラをいただくことができてよかった。

「最後におにぎりを食べて帰ろかな」とTさん。「何を入れますか」と聞く店主に「藻塩(もしお)だけで!」とTさん。へぇ、それもおいしそう。「じゃ、私も!」と便乗注文します。

ここは刺身定食や天ぷら定食など、定食類も食べられるお店なので、ご飯も常に用意されているのです。

できたて熱々のシンプルなおにぎり(たぶん150円)をいただいて、本日は終了。1時間半の滞在は2,550円でした。どうもごちそうさまでした。

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お通しのエビ山かけ / 酒盗とクリームチーズ / マダラ盛り合せ

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マダラの刺身 / マダラの白子 / 藻塩にぎり

店情報前回

《平成19(2007)年1月14日(日)の記録》

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冬はやっぱりイカ大根 … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

土曜日なのに出勤日。横浜での仕事を終えて、やって来たのは荻窪は「やき屋」です。「これを食べなきゃ冬がこない」そんな料理のひとつが「やき屋」のイカ大根。この冬は、まだいただいていないのです。

「こんばんはー」と入った午後8時半の「やき屋」は右手のメイン立ち飲みカウンターに2人、左手のサブ立ち飲みカウンターに2人、左手奥のテーブル席(座れる)は先客なしと「やき屋」にしては「ものすごく」と言っていいくらいゆったり気味。「今年もよろしくお願いします」とごあいさつを交わした女将さんも「今日は静かでしょう」とほほ笑んでいます。

メインカウンターの中央やや手前に立ち、さっそく燗酒(北の誉、230円)とイカ大根(150円)を注文します。

燗酒は入口レジの近くにある自動燗づけ機で徳利(とっくり)に注がれ、お猪口(ちょこ)といっしょに女将さんが出してくれます。それを手酌でついで、まずひと口。あぁー。あったまるなぁ。

イカ大根はカウンターの角の内側(ちょうど燗づけ機の裏側)にある鍋で煮込まれていて、そこから店長のゲンさんが小鉢によそってくれます。黒光りするほど濃い飴色に煮込まれた大きな大根が2切れに、エンペラとゲソを添えてくれ、最後にツユを入れてくれます。どーです、このボリューム。今日び、おでんの大根だってひとつ300円も400円もしたりするのに、同じような大きさの大根が2個入って150円ですよ! その大根の中に、よーく染み込んだイカの味がうまいなぁ。イカそのものを食べるよりもイカらしい。

お客さんが少ないので店長のゲンさんもゆっくりとしていて、「どう。いろんなところに飲みに行って、忙しいんじゃないの」と笑顔を向けてくれます。「そんなことないです」と答えつつ、久しぶりのゲンさんとの会話。たまにはこうやって、ゆっくりしてるときもいいもんですねぇ。

しかし、そんな時間もつかの間。ひとりお客さんが入ってきたかと思うと、すぐに奥のテーブルにもふたり連れが入り、さらにまたひとりと、いつもの「やき屋」の状態に近くなっていきます。

新しく入ってきたお客さんたちからイカなんこつ焼き(150円)やウナギ肝焼き(1串150円)などの注文が入ったので、私もイカしょうが棒(150円)を焼いてもらうことにしました。イカしょうが棒は、串に刺した棒天ぷらで、ゆっくりと時間をかけて炙ったものをおろし生姜といっしょに出してくれるのです。イカしょうが棒ができあがったタイミングで燗酒(230円)もおかわりです。

んー。やっぱり練りものもいいですねぇ。できるだけチビチビと食べて長持ちさせようと思うのに、やめられない止まらない。あっという間に食べ終えて、次なるつまみはイカわた和え(150円)をいただきます。

イカわた和えは、イカ下足(げそ)をその名のとおりイカわたで和えたもの。とは言うもののできあがったイカわた和えは、塩辛のような赤っぽい色ではなくて、黒いのです。しかも味はやわらかく甘い独特なもの。これが不思議とどの酒(日本酒、ホッピーなど)にも合うんですよねぇ。

45分ほどの立ち飲みタイムは956円(910円+消費税)。今年もおいしいイカ大根でした。

荻窪駅前から中村橋行きのバスに乗って、鷺ノ宮駅前で下車。今日の2軒目は「ペルル」です。午後10時の店内は満席ながら、奥のほうで補助席も出して詰めてくれて、なんとか入れてもらいます。

にっきーさんねもねもさんと連名でキープしているスーパーニッカを出してもらって氷セット(500円)に炭酸(300円)。飲んでいるうちにウイスキーのボトルもなくなって新しいの(スーパーニッカ・ボトル、4,500円)を入れてもらいます。連名のキープボトルは飲み切った人が次のボトルを入れることになっているのですが、私がちょうどそのタイミングに当たったのはこれが2回目くらい。いつもすみません。>他のおふたり

この店で新しいボトルが出ると行われるのが「トリカブトの儀式」。店主(マスター)がボトルの最初の一杯(ワンショット)を毒見のために飲んでくれるという定番の儀式なのです。

店主やほかのお客さんたちと楽しく過ごすうち、気がつけばもう閉店時刻の11時半。今宵は5,300円(そのうち、新ボトル代が4,500円)でした。どうもごちそうま。みなさん、お先に!

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「やき屋」のイカ大根 / イカしょうが棒 / イカわた和え

・「やき屋」の店情報前回
・「ペルル」の店情報前回

《平成19(2007)年1月13日(土)の記録》

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気がつけば午前さま … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)ほか

魚がし寿司」のあとは、ひとりで「秋元屋」です。午後7時前の店内にはにっきーさんやM先生もいて、ちょうどその間に座らせてもらいます。おふたりとも早くから、すでに2時間以上ここで飲んでいたのだそうで、そろそろ引き上げるところなのだそうです。

いつものように氷なしホッピー(380円)をもらって、焼き物はレバ(100円)、ハラミ(100円)、ウズラ玉子(120円)を味噌で。ここのもつ焼き(やきとん)は塩、タレのほかに、味噌や醤油の味つけが選べます。ここの店主が修業した先が味噌ダレのやきとんの店だったらしく、それがそのまま「秋元屋」の特徴にもなっているのです。初期のころと比べると味噌ダレも進化しているようで、どのもつ焼きにも合う味になっていると思います。

2杯目はトリハイ(トリスのハイボール、280円)をもらって、焼き物はテッポウ(100円)とガツ(100円)を醤油で。醤油での味つけをお願いすると、素焼きで焼き上げた後、仕上げに醤油をササッとかけてちょっと炙ってできあがり。焼けた醤油の芳ばしい香りが、いかにもおいしそう。

1時間ほどのもつ焼きタイムは、席料100円を含めて1,280円。「ごちそうさま」と満席の続く「秋元屋」を後にします。

普通の日曜日だとこれで終了にするところですが、明日は成人の日でお休み。もうちょっと飲みましょう。先に店を出たにっきーさんに連絡してみると、近くの「さぬき亭」で飲んでいるとのこと。私もさっそく「さぬき亭」に向かいます。

ここはうどんのお店ですが、看板にも「手打ちうどん酒房」とあるとおり、酒を飲ませる店でもあるのです。「そば屋で酒」というのはわりと普通ですが、「うどん屋で酒」というのはあまりないですよねぇ。とはいえ、ここ「さぬき亭」ではしっかりとした酒の肴がそろっているので、「うどん屋で飲む」というよりは、普通の居酒屋で飲んでいるような感じです。今日のお通しも手羽と野菜の煮物。これがまたうまいのです。

焼酎の品ぞろえがいいのもここの特長。にっきーさんとともに普通の「松露」と黒麹仕込みの「松露」をお湯割りでいただいて、飲み比べます。2杯目は「つくし」のロックと、焼き芋の焼酎「黒瀬」をいただくと、店主が出してくれたのはチーズとタクワン。燻製の香りたっぷりで焼酎にもぴったりです。

とそこへ「野方の女神」が降臨! いやぁー、ごぶさたしてます。お元気でしたか!? そうそう、この店は女神の行きつけの店でもあるのです。

はじめてカウンター席に座ったこともあって店主との話もはずみ、軽くの予定が気がつくと1時間半ほど経過。いやいや、たっぷりとありがとうございました。

にっきーさんと一緒に店を出て野方駅方面に向かうと、そこにいたのは黒ブタさん・金魚屋さんご夫妻と、その友人のDスケさん。「秋元屋」に行ったら満席で入れなかったのだそうです。「それではぜひご一緒に」と5人で向かったのは武蔵関(むさしせき)。金魚屋さん家族が昔から行きつけだったという「鳥安」です。

ここ「鳥安」は「焼酎の生フルーツ割り」(各500円)が名物。普通は、入口近くのホワイトボードに書き出された「今日のフルーツ割り」メニューを見て、1杯ずつたのむのですが、今日は呑んべがそろっているので、金魚屋さんがフルーツジュースをピッチャーでもらってくれて、自分たちで割って作ります。今日はグレープフルーツジュース、パイナップルジュースにみかんジュース。バーのカクテルをいただくときも、フレッシュフルーツで作ってくれるとおいしいように、搾りたてのフルーツジュースでいただく焼酎割りはいくらでも飲めるのです。

お通しの鳥チャーシューと松前漬に続いて注文したのはニラ玉焼き(500円)と、これまたこの店の名物のネギトン焼(1本180円)を4本。これは豚ばら肉と白ネギを串に刺して塩コショウで焼いたものなのですが、特筆すべきはその大きさ。厚みもあるので、串に刺したポークソテーといった感じです。

黒ブタさんが「裏メニューなんだけど…」と言いながら注文してくれたのは親子ヘッド。これは親子丼(600円)の頭の部分だけを小鍋で作ってくれたもの。この店は、元々が肉屋さんだったのだそうで、とにかく肉がおいしいのです。

この「鳥安」。残念ながら平成19年2月いっぱいでお店を閉めるのだそうです。今後は息子さんがやっている「とりやす上石神井店」をときどき手伝いに行く程度になるとのことでした。上石神井店にも名物・ねぎとん焼き(180円)はあるそうですよ!

たっぷりといただいて店を出たのは0時半。日付けが変わっちゃいましたねぇ。

黒ブタさん・金魚屋さんご夫妻、Dスケさんと別れて、にっきーさんとふたり武蔵関駅前からタクシーに乗り込んで鷺ノ宮方面に向かいながら「最後はやっぱり御天でしょう!」と、新青梅街道沿いの「御天」の前でタクシーを降ります。

「御天」の岩佐社長は博多出身。本場博多の長浜屋台がそうであるように、『飲んで、つまんで、仕上げにラーメン』というスタイルが「御天」のコンセプトなのだそうで、ラーメンもさることながら酒・つまみも充実しているのです。さらにはその充実が高じて、「御天」の地下に焼酎をずらりとそろえた「ゴテンズバー(GOTEN'S BAR)」まで作ってしまっているのです。

今日もまずは地下の「ゴテンズバー」へ。芋焼酎の「さつま」「角玉」を、それぞれいただいてチビリチビリ。1杯ずつ飲んだところで時計を見ると午前2時。「ゴテンズバー」は朝5時までの営業ながら、地上の「御天」は3時まで。そろそろラーメンを食べに上がりますか。

この時間でも「御天」はけっこうお客さんが多いのです。我われもカウンターの一角に陣取って、にっきーさんはラーメン(680円)を「アブラぬき・粉おとし」で注文。私は普通のラーメンをいただきます。

この店の麺は博多直送の細麺。普通に注文すると、麺は「カタメン」でゆであげられます。ここからさらに固いほうに「バリカタ」→「ハリガネ」→「粉おとし」という3段階が選べるのです。にっきーさんがたのんだのは一番固い麺ですね。まさに表面の粉が落ちる程度にしか湯に通さないので「粉おとし」と言うんだと思います。

ここのとんこつラーメンは、どろりとするほど濃厚なスープが特徴。一度食べるとクセになるおいしさなのです。

なんとにっきーさんは替玉(130円)を「粉おとし」で注文。替玉(かえだま)というのは、ラーメンの麺の部分だけをおかわりすること。ゆで上げた麺だけをもってきてくれて、残しておいたスープの中に入れてくれるのです。博多で過ごした学生時代には、4回も5回も替玉したりしてたよなぁ。

おいしくラーメンをいただいた後、「御天」の前から再びタクシーに乗り込み、にっきーさんの家を経由してわが家へ。たどりついたら午前3時でした。今日もよく飲みました。にっきーさんをはじめ、ご一緒いただいたみなさん、今日もどうもありがとうございました!

【秋元屋】
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ホッピー / レバみそ / ハラミみそ

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ウズラみそ / テッポウ醤油、ガツ醤油 / トリハイ

・「秋元屋」の店情報前回、同じときの「アル中ハイマー日記」)

【さぬき亭】
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「さぬき亭」 / 焼酎置場 / 普通の「松露」と黒麹仕込みの「松露」

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お通しは手羽と野菜の煮物 / 「つくし」と「黒瀬」 / チーズとタクワン

・「さぬき亭」の店情報前回、同じときの「アル中ハイマー日記」)

【鳥安】
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お通しは鳥チャーシューと松前漬 / 生フルーツジュース割り / ニラ玉焼き

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ネギトン焼 / ミカンジュースを追加 / 親子ヘッド

・「鳥安」の店情報前回、同じときの「アル中ハイマー日記」)

【ゴテンズバー(GOTEN'S BAR)】
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「ゴテンズバー」 / 「さつま」と「角玉」 / 1階でラーメン

・「ゴテンズバー」の店情報前回、同じときの「アル中ハイマー日記」)

《平成19(2007)年1月7日(日)の記録》

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家族でお誕生日会 … 寿司「魚がし寿司(うおがしずし)」(都立家政)

わが家では、だれかが誕生日を迎えると、その人の希望するものを食べに行くことにしています。今回は私が誕生日。どこにしようかなぁ、と考えているところへ、「最近お寿司を食べてないよね」「お寿司食べたいよね」とまわりから希望の声。お寿司、いいねぇ。それじゃ、みんなの提案にのってお寿司にしますか。

うちの近所に何軒かある寿司屋の中でも、質が良くて値段が安いのが都立家政の「魚がし寿司」。みなさん同じ思いのようで、カウンターだけの店内はいつも満席になるので、電話で予約をして出かけます。

「こんばんは」と店内に入ると、「いらっしゃいませ」といつものように、にこやかに迎えてくれる店主夫婦。店は夫婦ふたりで切り盛りされているのです。

ここのにぎりは1個50円の玉子、ゲソからはじまって、100円のコハダ、マグロ、150円の穴子、200円の中トロなどに続き、高くてもアワビやカマトロあぶりなどの1個300円まで。お好みでどんどんたのんでもあまり財布の心配をしないでいいのです。セットのにぎりはもっとお得で、並が500円、上が800円、そして特上でも1,300円。これでそれぞれ、にぎりが9個と巻き物が1個出てきますのでけっこう満腹になるのです。

私以外の3人は熱いお茶をもらって特上にぎり(1,300円)。私はビール(スーパードライ中瓶)をもらって、活〆生サバをつまみでいただきます。

この活〆生サバは、正面上段にある定番メニューではなくて、それとは別に奥の壁にはってある手書きのメニューの中の一品です。ここには今日仕入れがあった、いわゆる「本日のオススメ」的な品物が並んでいるのです。実はこの「本日のオススメ」的な品書は、都立家政駅の「忘れ物」「伝言板」などのところにある「魚がし寿司」の広告のところにも張り出されているので、お店に行く前に知ることができるのでした。

まず出てきたのは活〆生サバの刺身5切れ。どうですか、このつややかさ、脂ののり! ひと切れ口に含むとしっかりとした身の弾力がまた心地よい。「これはおいしいよ。食べてみる?」と家族にまわすと、ひとり1切れずつ「おいしいっ!」と食べて、私のところに戻ってきたときは最後のひと切れ。ありゃりゃー。あっという間になくなっちゃいましたねぇ。

特上にぎりも出てきました。玉子、ホタテ、甘エビ、タイ、中トロ、ヒラメ、マグロ(赤身)、ウニ、イクラにカッパ巻という9貫1巻。白身魚の充実と、ウニ、イクラが特上にぎりの持ち味なんだけど、今日の中トロはまたすばらしいですねぇ。

私のほうはカンパチ刺身(700円)を追加注文。美しく、大きいカンパチの刺身が6切れです。これまた家族にも分けながら、飲み物は燗酒に。「徳利でお出ししますか? それとも湯呑みで」と、これまたいつものように、おかみさんが確認してくれます。「徳利でお願いします」。

刺身を食べ終わったところで、私もにぎりをもらうことにします。まずは好物のコハダ(1個100円)から。ここのにぎりは普通に注文すると2個ひと組で出されます。みそ汁(200円)もいただいておきましょうね。寿司屋のみそ汁が、これまたいいつまみになるのです。

息子は、ここに来るたび毎回注文している大好物のカマトロのあぶり(1個300円)を追加注文。ものすごい脂ののりなのですが、それをさっと炙ることによって食べやすくなるんですねぇ。

私の続いての注文は穴子。「あ。私も穴子を」「ボクも!」と家族も穴子の注文にのってきます。私の分は2個出てくるうちのひとつはタレで、ひとつは塩でお願いすると、奥の厨房でさっと炙られた穴子が出てきてにぎってくれます。奥の厨房であぶったりするのはおかみさん、そしてそれをにぎってくれるのは店主という役割分担になっているようです。あったかく炙られた穴子が、口に含むととろけるようにやわらかいんですよねぇ。

息子は目の前のタネケースの中にあるイワシが気になりつつも「2個は食べられないなぁ」とすでに満腹が近い。「じゃ、1個ずつ分けようか」とイワシをもらいます。このところイワシも値段が高くなってきて、高級魚になっちゃいましたねぇ。

「もう満腹!」と家族たち。なにしろ私しかお酒を飲まないので、家族と食事に行くとどうもペースが合わないんですよねぇ。「よーし。じゃ、最後の仕上げを注文するから、もうちょっと待っててね」と最後に注文したのは先ほどの特上にぎりの中でとてもおいしそうだった中トロ(1個200円)とアワビ(1個300円)の2品。中トロのとろける脂で燗酒をいただき、プリコリッとしたアワビの食感とさっぱりさで終了!

今日の口開けの客として入ったのに、今はもう満席。最近は「午後8時まで店内禁煙」になっているので、早い時間帯に家族連れが多いんですね。

午後5時半から1時間の滞在は、家族4人で9,450円でした。んー、おいしかった。どうもごちそうさま。

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都立家政駅の「魚がし寿司」広告 / 活〆生サバ刺身 / 特上にぎり

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カンパチ刺身 / ビール / 燗酒

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コハダ / みそ汁 / アナゴ・タレと塩で

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イワシ / 中トロ / アワビ

店情報前回

《平成19(2007)年1月07日(日)の記録》

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冬の定番、おでんに燗酒 … 大衆割烹「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

竹よし」を出て歩くこと約10分。となり駅の鷺ノ宮(さぎのみや)駅に到着します。都立家政(とりつかせい)駅と鷺ノ宮駅は500メートルほどしか離れていなくて、ホームに立つととなりの駅がよく見えるくらいなのです。

時刻は午後11時前。ここまで来れば自宅はもう目の前なので、最後にもう1軒寄って帰りましょうね。鷺ノ宮駅南口にある「ほ里乃家」は午前1時までの営業。ちょっとおでんでもつついて帰りますか。

「こんばんは」と店内に入ると、J字カウンターのみの店内は大常連のKさんと、これまた常連の女性ふたりが、いつものように冗談を言い合いながら飲んでいます。この店に来てKさんの姿を見かけなかった日がありません。おそらく毎日来ているのではないかと思います。

私もカウンターの一番奥あたり(Jという形で言うと、一番下のところ)に陣取って、燗酒(剣菱、340円)です。お酒は「剣菱(けんびし)」のほかに「剣(つるぎ)」や「穏(おだやか)」などがあり、「燗で」とお願いすると、四角いおでん鍋の横についている燗付け用の穴に徳利を入れて燗をつけてくれるのです。

お通し(200円)は豆モヤシ酢。最初のおでんは玉子、大根、ちくわぶ、スジ(魚)の4品をもらいます。

メニュー上は「おでん1人前」(350円)となっているのですが、おでんを注文すると店主が「何を入れましょうか?」と聞いてくれるので、いつもそのときに食べたいものを注文しているのでした。予想ですが、3個1人前が350円で、それ以外でバラでたのむときは1個120円くらいなのではないかと思います。

11時をまわるころ入ってきた女性は、近くのお店のママさんらしい。「ほ里乃家」は遅く(午前1時)までやっているので、自分の店が終わったママさんたちもやってくるのです。これで店内の女性客は3人。それぞれがひとり客というところが女性ひとりでも入りやすいという、この店の特長をよく表してますね。

お客としてやってきたママさんもこの店の常連さんらしく、入ってくるなりKさんや他の女性たちと話しはじめます。時事問題などの話題ならば、こちらも多少は口をはさめるのですが、今はここにいない他の常連さんの話題。「最近見かけないんだけど、元気なのかしら?」「そういえば私もしばらく会ってないわ」。こういうローカルな話題になると、さすがにまったくついていけませんねぇ。

Kさんがおかわりしたのはにごり酒。へぇー、にごり酒も置いてるんだ。知りませんでした。「私もにごり酒をお願いします」。にごり酒の銘柄は「しろうま」(340円)。冷たいままいただくのですが、他のお酒同様、徳利に入れて出してくれます。

おでんはさつま揚げとじゃが芋をもらいます。

おでんのルーツについては諸説あるようですが、そのひとつが豆腐を串に刺して炙り味噌を塗った「田楽」を根源とする説。先日、鎌倉の「でんがく屋」でいただいたあれですね。ここから、最近個人的にはまり中の、コンニャクをゆでて味噌を塗っていただくコンニャクの田楽になり、味付けして煮込まれたコンニャクになり、現在のおでんへと変わっていったというのがこの説です。このはじまりのほうに位置する豆腐の田楽や、コンニャクの田楽もシンプルでいいんですよねぇ。

ところでここ「ほ里乃家」の看板には「おでん・焼き鳥」と書かれていますが、実際に店に入ってみるとこのふたつが看板メニューというわけではないのです。マグロぶつ切り(400円)やアジ刺身(500円)、イナダ刺身(450円)などの生もの、カキフライ(450円)、串カツ(400円)などの揚げもの、野菜炒め(500円)やナスピーマン味噌炒め(420円)などの炒めもの、そら豆(450円)、菜の花辛子和え(300円)などの季節もの、そして玉子焼(400円)、おしんこ(300円)、シラスおろし(300円)、もつ煮込み(350円)、湯豆腐(580円)といった酒場の定番ものまでいろんなものがそろっている正しき大衆酒場。そんな一連のメニューの中にやきとり(4本、350円)、おでん(一人前、350円)というふたつも並んでいるのでした。

常連さんたちの楽しそうな話はまだまだ続いていますが、私はそろそろおいとましましょう。お酒2本におでんが6品、約1時間の滞在は1,590円でした。みなさんお先に。どうもごちそうさま!

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「ほ里乃家」 / お通しの豆モヤシ酢 / 玉子、大根、ちくわぶ、スジ

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「剣菱」(燗酒) / 「しろうま」(にごり酒) / さつま揚げ、じゃが芋

店情報前回

《平成19(2007)年1月06日(土)の記録》

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サクッと天ぷら … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

年明け最初の土曜日。横浜での仕事を終えて西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅に到着したのは午後7時半。「あ。こんばんは。明けましておめでとうございます」改札口でばったりと会ったのは「竹よし」の大常連・Tさんです。「じゃ、一緒に行きますか」「連休の土曜日だから多いかなぁ」と言いながら入った店内には先客がいなくてちょっと拍子抜け。カウンターの奥のほうにTさんと並んで座ります。

すぐに出されたあったかいおしぼりで手をぬぐいながら、私はまずはビール(スーパードライ中瓶、500円)で、そしてTさんは奈良の「篠峯(しのみね)」(500円)でスタートです。

今日のお通し(200円)は小アジ酢(3切れ)。本当は15分くらいでサッとしめるのがいいらしいのだが、今日のは30分くらいになってしまったと店主は残念がっていますが、これはこれでしっかりとした味でいいつまみになっているように思います。

年末から正月にかけて、和風あっさり系が多かったからか、今日はむしょうに油っこいものが食べたい。そういえば、この店も「魚料理と天ぷら」が謳い文句なのに、ここしばらく天ぷらは食事会のとき以外食べたことがないなぁ。久しぶりに天ぷらをお願いしましょうか。

「かき揚げ(700円)をお願いします」「はい。かき揚げね」

店主は天ぷら用の鍋にまず透明の油(サラダ油?)をたっぷりと入れ、その後、やや褐色のゴマ油を入れて着火。油の温度を上げていきながらかき揚げの準備が始まります。エビが準備され、なんとタラバガニの身も殻から出されてかき揚げ用の大きさに刻まれます。さらにはネギや山イモなどの野菜類も刻まれて、ちょうどいい温度になった天ぷら鍋に投入されます。かき揚げの形を整えながら、具材、特に海の幸系の具材に火が通り過ぎないように、ここで集中が必要なのだそうです。

「おまたせしました」と揚げ立てのかき揚げが出てきます。天ツユにつけるとチュンと音がしそうなほど熱々。箸でサクッ、サクッと割りながらいただくかき揚げのうまいことよ。サクッとした全体感と、中から出てくるエビやカニなどのプリッとした感じ、そして野菜の自然な甘みが渾然一体となって味わえるのがかき揚げの大きな特長ですね。

「菊正宗を燗でお願いします。大徳利で!」ビールに続いては燗酒です。菊正宗は1合が350円。大徳利(2合)でもらうと700円です。

Tさんはメニューにない「ニラ玉焼き」を注文。これはTさんが別のお店で仕入れてきたメニューで、ぜひこの店のメニューにも入れてもらいたいと、先日来、何度か作ってもらっている品なのだそうです。玉子2個をボールに割り入れたらササッとかき混ぜて塩コショウで味つけ。そこにザクザクッと大きめにカットした1束分のニラを入れて混ぜ、そのままフライパンへ。蓋をしたらもういっさい触らない。玉子にしっかりと火が通るまで、じっくりと焼くのがコツなのだそうです。「半熟トロトロじゃダメなんだよね。仕上げにゴマ油をさっとかけてね!」とTさん。

できあがったニラ玉焼きは、フライパンから滑らせるようにして、そのままの形で丸皿に移します。「ほら、食べてみて。こんな簡単な料理がうまいんだから」どーれどれ。あれ。ホントだ! おいしいっ。「ニラがちょっと多かったかな。玉子2個にニラ半束でいいね」とTさん。「これもメニューに加えますか」と店主もまんざらでもない様子です。

私も2品目をいただきましょう。せっかく天ぷら鍋のスタンバイができているので、天ぷら盛り合せ(1,000円)をお願いします。ここの天ぷらメニューはかき揚げ(700円)、盛り合せ(1,000円)、野菜盛り合せ(700円)の3種ですが、店主の手が空いているときはお好みでも揚げてもらうこともできるのだそうです。

天ぷらの揚げあがりに合わせて2本目の大徳利(700円)をいただきます。今日の天ぷら盛り合せはクルマエビ、アスパラ、赤ピーマン。そして極めつけは穴子の天ぷらと、カキをピーマンで包んで天ぷらにしたもの。今日は白焼きにするための穴子の仕入れがあったので、それを天ぷらにしてくれたのだそうです。カキ・ピーマンは揚げあがったあとで、まん中で切断して出してくれてるのですが、その断面がピーマンの緑、カキの乳白色、そしてカキの肝の茶色と見た目も美しく、食べるととろけるカキの味。んー。幸せ。

「忙しくないときはこうやって、ちょっと遊びの要素(←カキ・ピーマンのこと)も入れられるんですけどねぇ」と店主。そうかぁ。でもいつも忙しくないと困っちゃいますよねぇ。今日は夕方まで大雨だったから、お客さんの出足も悪かったのかな。

天ぷらは熱々のうちにいただかないとおいしさが激減してしまう。まさにわき目もふらずといった感じであっという間に食べ終えます。

うー、満足満足。あとはじっくりとつまみをいただきますか。「塩辛(350円)の四日目のほうをお願いします」「四日目のほうね。ちょうどいい熟成具合になってますよ」店主、自信の笑顔です。

今日、メニューに出ている塩辛は「四日目」と「初日」。「食べ比べてみますか」と小皿に初日の塩辛も出してくれます。なるほど。イカ刺しに近いフレッシュ感は「初日」のほうがあるものの、ネットリとしたうまみは「四日目」のほうが強いですねぇ。うーん。どちらもいいなぁ。

今日は早い時間から飲んでいたというTさんは、このあたりで席を立ちます。それと入れかわりに入ってこられたのは、ときどきここで顔を合わせるKさん。Kさんも私と同じく、新年初「竹よし」なのだそうです。今年もよろしくお願いします。

そのKさんはビールを注文して、穴子の白焼き(700円)です。その場で焼き上げ、熱々の状態で皿に盛られてワサビと大根おろしが添えられます。なんとも肉厚のおいしそうな穴子ですねぇ! 「いかがですか。少し食べてみませんか」とすすめてくれるKさん。えっ。そんなにもの欲しそうな顔をしてましたか!? 申し訳ないですねぇ。ではお言葉に甘えてひと口。おぉーっ。なんともいい脂ののりですねぇ。冬場でもこんな穴子が食べられるんだ。

Kさんは飲み物を「篠峯(しのみね)」(500円)に切りかえて、次なる肴はカワハギの刺身(950円)。ビビッと皮をはぐとこから造りはじめて、もちろん肝醤油つき。いいものを連発でいきますねぇ!

ちなみに今日の刺身はこのカワハギのほか、平貝(700円)、タイ(700円)、ヤリイカ(600円)です。その他の気になるメニューはタラあら煮(ミソ味、600円)やタラ鍋(ミソ味、800円)、ブリカマ焼き(600円)、マガレイ煮(600円)などかな。ヤリイカの焼いたのもおいしそうだなぁ。

たっぷりと3時間の滞在は4,150円。かるーく一献のつもりが、菊正宗を4合もいただいてしまいました。どうもごちそうさま!

070106a 070106b 070106c
まずは瓶ビール / お通しはアジ酢 / 菊正宗・燗酒大

070106d 070106e 070106f
かき揚げ / ニラ玉焼き / 天ぷら盛り合せ

070106g 070106h 070106i
塩辛・四日目と初日 / 穴子白焼き / カワハギ刺身

店情報前回

《平成19(2007)年1月06日(土)の記録》

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年明けは鶏もつ鍋で … 軍鶏料理「竹やぶ(たけやぶ)」(中野)

070101a新しい年、平成19(2007)年を迎えました。このところ毎年元日から「川名」に出かけていたのですが、今年はなんと元日が月曜日。「川名」の定休日なのです。そんなわけで、数年ぶりにおせち料理をつつきながら、家族でゆったりと過ごす元日です。個人的におせち料理はおつまみの盛り合せのようで大好き。だらだらと長時間かけて日本酒「空(くう)」をいただいて、そろそろあったかいものが欲しいなぁ、という頃合いでお雑煮です。このお雑煮がまたお酒を呼ぶんですよねぇ。

そして今日、1月2日も朝からおせち料理とお雑煮でお酒をいただいて、午後4時になるのを待ちわびるように、今年もやはり酒場初めは「川名」です。

店の前で近くに住む酒友・にっきーさんと一緒になって店内へ。店主や店の人たちと新年のごあいさつを交わして、奥の座敷席のひとつに座ります。私にとっては今年の初ビールとなる“祝ラベル”のスーパードライ大瓶(504円)をいただいて乾杯すると、新年初のお通し(サービス)はリンゴです。

そこへやってきたのは祝さんと新妻・Mさん。おふたりは昨年末に入籍されたばかりなのです。お正月と合わせてタブルおめでとうですね!

我われのとなりのテーブルには、大晦日にもここでお会いした「東京のむのむ」の著者・のむのむさんご夫妻。おふたりそろってこの店の常連さんです。今年もよろしくお願いします。

そしていただいた肴は、営業初日の口開けにもかかわらず、やわらかく煮込まれた大根がとてもおいしい「豚軟骨もつ煮込み」(231円)に、プリプリの食感がたまらない「なまこ味付」(231円)、そしてピンクのトロ部分ばかりの「まぐろブツ」(399円)。こうなると飲み物も日本酒ですね。さっそくお屠蘇がわりに「黒牛・純米」(462円)です。この店には地酒は「黒牛」1銘柄しか置いていないのですが、回転がいいからか、いつもおいしくいただけるのです。

5時半頃に呑んだフルさんも到着。フルさんは、奥さんの実家である板橋方面からの帰り道なのだそうです。フルさんはいつものように生ビール(スーパードライ中ジョッキ、504円)をもらって乾杯です。今年もよろしくー!

お正月らしく数の子味付(399円)をいただいて、午後7時まで、たっぷりと3時間の「初・よじかわ」は5人で7,980円でした。

ついさっき合流したばかりのフルさんと、もうちょっと飲みたい私のふたりは中央線で中野へ。去年の今日も一緒に「石松」で飲んだのですが、残念ながら今年はまだ開いていません。

それじゃと「路傍」のほうにまわってみると、「路傍」はまだ開いてなかったのですが、すぐ近くの軍鶏料理屋・「竹やぶ」が開いている様子。「ここにしましょう!」と、白いのれんをかき分けて店内へ。

前回来たときは古いお店だったのですが、その後改装したのか入口も内装も当時とは変わっています。店内はうなぎの寝床のように奥に向かって長い造り。入ってすぐ左が小上がりの座敷席になっていて4人用座卓がふたつ。奥はカウンター席と、その中が厨房スペースになっています。

店は店主とその奥さん(かな?)のふたりで切り盛りしている様子。先客はおらず、我われは小上がりの座卓のひとつに陣取ります。

「いらっしゃいませ。お飲み物は?」と聞かれてメニューを見てみると、田酒(600円)、八海山、久保田千寿、手取川、天狗舞、菊姫(以上各550円)、豊田、新政、浦霞、篠峯(以上各500円)と、メジャーどころの地酒がそろっています。そんな中からフルさんは「菊姫」(山廃仕込純米酒、550円)を、私は「天狗舞」(山廃仕込純米酒、550円)をもらいます。どちらも石川県のお酒ですね。日本酒は一升瓶から直接、受け皿までこぼすように注いでくれますが、ガラス製の酒器はやや小ぶりかな。

すぐに出されたお通しは藤沢「久昇」のような、しっとり系のおから。ディッシャーを使っているのかきれいな半球形のものが白い器と黒い器に盛られていて、なにやらちょっとおしゃれです。

「ここの塩辛(300円)がね、軍鶏の肝の塩辛らしくて、前から一度食べてみたいと思ってるのに、いつも品切れ(←いい内臓が手に入ったときしか作らないため)で食べられてないんですよ」

とフルさんに説明しながら、店主に「塩辛はありますか?」と念のため確認してみると、なんと今日はあるという。やったぁーっ、とさっそくその塩辛と、以前来たときにおいしかった皮酢(300円)の2品を注文します。

ワクワクしながら待っているところへ塩辛の登場。大葉の上に盛られた軍鶏の肝がつややかで見た目もすでにおいしそう。ひと切れ取って口に含むと、その食感(プリッと節度あるやわらかさ)といい、味わいといい、これはもう酒を飲まずにいられません。んーーー、すばらしいっ。

細切りにして酢で和えた皮酢も期待を裏切りません。他にも鶏醤(とりひしお、500円)、煮込み(500円)、シャモ皮(塩コショウ炒め、600円)、軍鶏サラダ(900円)などなどの料理が数多くそろっていて気になりますが、もっとひかれるのが、ここの鍋物。

1人前から注文することができる鍋物は、軍鶏鍋(すき焼味・みそ味、1,400円)、つくね鍋(しょうゆこぶ出し、1,400円)、地頭鶏なべ(すき焼、1,300円)、もつ鍋(700円)の4種類。なにしろもつ好きなので、やっぱりもつ鍋ですね。しかも1人前700円というのがうれしいではありませんか。メニューにも“サービス品”と明記されています。もつ鍋は体内卵に輸卵管、そしてネギ、エノキ茸、春菊、豆腐などを鉄鍋で煮ていただきます。

鍋ができると、お酒のほうも本調子。「手取川」(山廃純米、550円)、「新政」(純米、500円)と飲み進みます。お酒を注いでくれる店主に「毎年、正月は2日から営業してるんですか?」と聞いてみると、

「毎年、新年は3日から営業していたんですが、今年は2日から開けてみたんですよ。でも、まったくお客さんが入りませんねぇ」と答えてくれる店主。

そんな話からはじまって、この店で使っている軍鶏のことなどをいろいろと聞かせてくれます。

最後に「篠峯」(山田錦純米、500円)と「浦霞」(本醸造、500円)をいただくと、サービスでくわいの味噌焼を出してくれました。くわいの土臭い、とても素朴な味わいが大好き。これまたお酒が進む一品ですねぇ。

午後10時ごろまで2時間半ほどの滞在は、ふたりで6千円(ひとりあたり3千円)ほどでした。気に入ったなぁ、塩辛ともつ鍋。また来よっと。どうもごちそうさまー!

フルさんとふたり、トコトコと中野駅に向かいますが、なぜか中野駅を通り越して南口側へ。「丸井」の手前の路地を入って「ジョージアムーン」です。新年早々、飲みはじめると止まりませんなぁ。。。

「うーん、何にしよ。」「この店はバーボンの品揃えで有名らしいよ。」「ふーん。じゃ、メーカーズマークのソーダ割り。」「ほんじゃ、私も!」

って、メーカーズマークのソーダ割りだったら、バーボンの品揃えがそれほどよくない店だって置いてるじゃん! でも、すでに酔っ払ってるふたりは、そんなことにはまるで気づかず、「カンパーイ!」と、今宵3度目となる新年の乾杯です。

2杯目はスコッチ。「ラフロイグをストレートで!」とアイラモルトに走るフルさんを、「それじゃ私もアードベッグのストレート!」と同じアイラモルトで追いかけます。酔うほどに強いお酒が欲しくなってくるのが悪いクセですねぇ。

「そろそろ電車がなくなるよー」という1時前まで飲んでお開きとしたのでした。お勘定はふたりで7千円くらいだったかな?

年明け2日目にして午前様での帰宅となったのでした。さぁ、今年も楽しく飲みましょう!

【川名】
070102a1 070102a2 070102a3
祝ラベルのビールで乾杯 / 豚軟骨もつ煮込み / なまこ味付

070102b1 070102b2 070102b3
鳥中おち串をタレで2本 / まぐろブツ / おつまみ3点盛り

070102c1 070102c2 070102c3
「黒牛」 / 生ビール / 数の子味付

・川名:店情報前回、同じときの「アル中ハイマー日記」)

【竹やぶ】
070102d1 070102d2 070102d3
「竹やぶ」 / 「天狗舞」と「菊姫」 / お通しはおから

070102e1 070102e2 070102e3
塩から / かわ酢 / もつ鍋

070102f1 070102f2 070102f3
「手取川」 / もつ鍋が煮えてきた / 「篠峯」

070102g1 070102g2 070102g3
店主がお酒を注いでくれる / 「浦霞」 / くわい味噌焼

・竹やぶ: 店情報前回

【ジョージアムーン】
070102h1 070102h2 070102h3
「ジョージアムーン」 / メーカーズマークのソーダ割り / ラフロイグとアードベッグ

・ジョージアムーン:店情報前回

《平成19(2007)年1月02日(火)の記録》

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店情報: 軍鶏料理「竹やぶ(たけやぶ)」(中野)

【このお店は現在閉店しています】

    070102z1
  • 店名: 軍鶏料理「竹やぶ」
  • 電話: 03-3387-1497
  • 住所: 164-0001 東京都中野区中野5-52-1
  • 営業: 18:00-24:00(23:30LO)、月休
  • 場所: 中野駅北口からサンモール商店街に入り、ブロードウェイの入り口を右折、すぐ左側。駅から徒歩3分程度。
  • メモ: 「相シャモ」という闘争心を無くし、群飼いをかのうにした改良種の軍鶏(ぐんけい)が食べられる店。とり醤(ひしお)500、塩から(しゃもの肝)300、かわ酢300といった、この店ならではの一品料理もそろっている。串焼き250、レバー・ハツ・砂肝130、手羽先160、つくね250、軍鶏手羽先350、軍鶏さしみ1,000、とりわさ(梅和え・納豆和え)600、軍鶏皮600、鳥塩辛300、軍鶏鍋1,400、地鶏鍋1,300、つくね鍋1,400.地酒:田酒600、菊姫山廃550、天狗舞山廃550、手取川550、浦霞500、純米新政500、千寿550、八海山550.(2007年1月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (03.01.06)(01.07.12)

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今年もシメはやっぱり … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

朝から高井戸に集合して、大晦日恒例の「みそか庵」です。趣味が高じて毎年大晦日にご自宅で蕎麦や酒を提供するようになって10年。その「みそか庵」も今年で終わりにするのだそうで、これが最後の「みそか庵」です。

朝10時から並んだかいがあって、正午のオープンとともに3階の天井裏席に入ることができました。今日のメンバーは呑んだフルさん、にっきーさん宇ち中さんというツワモノぞろいに、私が加わって4人。まずはビール(500円)で喉を潤して、鶏肉香味漬け、ひじき梅煮、松山産ちくわを盛り合せた「みそか皿」(500円)や「焼みそ」(200円)、「そば揚げ」(50円)などをつまみながら日本酒です。外で待ってる間に身体が冷えたのでまずは「鶴の友・特撰」と「秋鹿・山廃純吟」の燗酒をもらってウォームアップ。お酒を準備してくれるのは、日本酒通、酒場通で、初期のころから「みそか庵」のスタッフとして活躍されている徹っちゃんさんです。今年もよろしくお願いします。

「高いのから飲まないと、すぐになくなっちゃうからね」

燗酒のあとの1巡目として最高値の福井の「石田屋」(半合2,000円)と、同じく福井の「黒龍しずく」(1,500円←以下、注記ないものはすべて1合)、「亀の翁・大吟醸」(1,500円)に青森の「田酒・純米大吟醸」(1,500円)の4つをもらって4人で回し飲み。この中では「田酒・純米大吟醸」が大好評でした。

2巡目は大好評だった「田酒・純米大吟醸」(1,500円)をおかわりし、「名称募集」(1,000円)という名称の純米にごり酒と、「神亀 純米活性にごり酒」(700円)というにごり酒シリーズをいただきます。

最後は「もりそば」(500円)でしめて、最後の「みそか庵」も終了です。お勘定は4人で19,200円(ひとりあたり4,800円)。どうもごちそうさまでした。来年からはもうないと思うと淋しいですねぇ。

高井戸駅前からバスで荻窪へ。荻窪の有名そば店のひとつ「本むら庵」に向かったのですが、なんと店の前は大行列。うーん。大晦日の人気そば屋さんはすごいことになってるんですねぇ。

ゆるゆると時間調整しつつ、となり駅の阿佐ヶ谷に行き、今年最後の「よじかわ」(=開店時刻の午後4時に「川名」)です。ここで渋谷からhhさんここっとさんのおふたりも合流して総勢6人に。

みんなそろって生グレープフルーツサワー(336円)をいただくと、お通し(サービス)はみかん。今年もたくさんいただいた名物・豚軟骨もつ煮込み(231円)をはじめとして、サザエの壷焼き(231円)、数の子味付(399円)、銀鮭かま焼(336円)、あんきも(399円)、タコ刺し(399円)にナマコ味付(231円)といった「川名」ならではの価格帯の魚介類がずらりと並びます。

店頭の看板には「焼鳥割烹 川名」と書かれていて、しかも店先でガンガンと煙を出しながら焼き鳥を焼いているんですが、店に入るとカウンター中央のタネケースには新鮮な魚介類がずらりとそろっていて、はじめて来たころは「ありっ!? ここって焼き鳥屋さんじゃなかったっけ!?」と戸惑ったものでした。今じゃ、むしろその魚介類を目当てにやって来ているような状況で、刺身もさることながら、炭火で焼いた焼き魚や焼き貝がまたいいんですよねぇ!!

テーブル上に魚介類がならんだところで、飲み物も「黒牛・純米」(462円)にチェンジ。「みそか庵」でたくさん日本酒をいただいたからか、すっかり日本酒モードに入ってしまいました。宇ち中さんは黒ホッピー(336円)です。

水餃子好きのここっとさんは、湯ぎょうざ(504円)を注文。ここの湯ぎょうざは、野菜たっぷりのスープの中に餃子が何個か入っているものが小鍋で出されます。この店には、私が勝手に「小鍋3兄弟」と呼んでいるメニューがあるのです。この湯ぎょうざと、麻婆豆腐、麻婆春雨の3つ(各504円)がそれ。いずれも小鍋にたっぷりのボリュームで、ひとりで注文すると、これひとつでしっかりと満腹になってしまうほどなのでした。

ナス好きのフルさん、宇ち中さんがなすツナ炒め(294円)をもらうと、店主がサービスで出してくれたのはマグロの腹身ステーキ。腹の一番下、砂ずりとも呼ばれる部分を焼いてくれたこの一品は、身がトロトロで口に入れるとまさにとろけてしまいます。うーん。お酒、おかわりお願いしますー!

最後は白菜のお新香できっちりとしめて、平成18(2006)年の飲み納め。午後6時半まで、2時間半の「よじかわ」は6人で9,975円(ひとりあたり1,660円ほど)でした。今年もたっぷりとお世話になりました。来年もまたよろしくお願いします!

【みそか庵】
061231a 061231b 061231c
そば揚げ / みそか皿 / まずはビールで喉潤して、燗酒は鶴の友と秋鹿

061231d 061231e 061231f
お酒担当は徹っちゃんさん / 「石田屋」「黒龍しずく」 / 「亀の翁」「田酒」

061231g 061231h 061231i
焼みそ / 「田酒」「名称募集」「神亀にごり」 / シメはもりそば

前回、同じときの「アル中ハイマー日記」「宇ち中」)

【川名】
061231j 061231k 061231l
生グレープフルーツサワー / 豚軟骨もつ煮込み / サザエ壷焼

061231m 061231n 061231o
数の子味付 / 銀鮭かま焼 / あんきも

061231p 061231q 061231r
タコ刺しとナマコ味付 / 湯ぎょうざ / なすツナ炒め

061231s 061231t 061231u
マグロの腹身焼き / 「黒牛・純米」 / お新香(白菜)

・川名:店情報前回、同じときの「アル中ハイマー日記」「宇ち中」「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)

《平成18(2006)年12月31日(日)の記録》

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年内営業最終日 … 「竹よし」(都立家政)~「ピュアー」(野方)

毎年12月30日は「竹よし」納会の日。今年は夕食会形式で、会費4,500円の飲み放題です。生ビールを小ジョッキでいただいてスタートすると、まずドカンと出されたのはキンメダイやプリのあら煮です。

「寒いからあったかいものから始めようと思いまして。あるものをみんなほうり込んでみました」と店主が笑うあら煮は本当に具だくさん。キンメダイやブリの頭はいいとして、ちゃんとした身の部分もたっぷりと入っていて、あら煮というよりも煮魚といってもいいような状態です。

そしてカワハギの鍋。今は骨も付いたままザクザクッと大きめにカットされた身の部分だけが入っていますが、仕上げにカワハギの肝も入れていくのだそうです。

飲み物を日本酒に切りかえたところで、刺身の盛り合せはマグロとヒラメ。マグロは赤身とトロ。ヒラメの身はとてもぶ厚くて、プリッとした歯応えのエンガワも添えられています。

焼き魚はハタハタ。腹の卵巣(ブリコ)をブチブチと噛み砕く音が店内に広がります。

大常連のなおとんさんが作って持ってきてくれたのはとり大根と煮たまご、サラダ。そして荻窪は「川勢」のお通しにインスパイアされて作ったというキャベツの山椒漬。こういう料理がさらっと作れるというのがすごいですねぇ。

表面はカリッとしているのに中はとってもやわらかいクジラの竜田揚げを食べ終わるころには、カワハギの鍋も佳境に入り、たっぷりの肝が入れられます。

店内いっぱいに集まった常連さんたちとの話もはずみ、お酒も次々におかわりです。料理もホタテ焼き、ブリ照り焼き、生湯葉と進み、開始から4時間半後の午後9時半にシメのカワハギ雑炊が出されます。

「どうもごちそうさま。来年もよろしく!」

電車で帰るみなさんと都立家政駅で別れ、ひとり都立家政商店街を南下。そこからちょっと野方方向に入ると、バー「ピュアー」です。この店も年内は今日、12月30日までの営業。「竹よし」では、ずっと冷酒や焼酎の水割りといった冷たいお酒をいただいていたので、ここはあたたかいカクテルをもらいましょう。「ホットバタードラム(520円)をお願いします」。

お通し(310円)のエビとカブのマリネをつつきながらホットバタードラムをチビチビとやっているうちに、あんなにたくさん食べたのに、カキのグラタン(840円)が食べたくてしかたなくなり追加注文です。

ここ「ピュアー」は料理もおいしいのです。たとえば今日のメニューは牛すじ肉の洋風煮込み(580円)やソーセージのポトフ(680円)、タンシチュー(1,470円)、骨付牛霜降り肉ステーキ150g(1,260円)などなど。さらには「簡単つまみ」(オール400円)としてブルーチーズやシュリンプ・カクテル、スモークサーモンなども並んでいて、あれもこれも食べたくなることこの上ない。

アツアツのカキグラタンをしっかりといただいて、今年の「ピュアー」納めとしたのでした。お勘定は1,670円。「竹よし」「ピュアー」ともに新年の営業は1月3日から。ここ「ピュアー」では3日と4日は洋風雑煮がサービスされるそうです。

【竹よし】
061230a 061230b 061230c
キンメダイやプリのあら煮 / カワハギの鍋 / ゆりね、子持ち昆布、塩辛

061230d 061230e 061230f
マグロ刺、ヒラメ刺 / ハタハタ焼 / クジラ竜田揚げ

061230g 061230h 061230i
なおとんさん作3品: とり大根と煮たまご / キャベツの山椒漬 / サラダ

061230j 061230k 061230l
カワハギ鍋には肝もたっぷり / 「酔鯨」 / ホタテ焼

061230m 061230n 061230o
ブリ照り焼き / 生ゆば / カワハギ雑炊

・竹よし:店情報前回

【ピュアー】
061230p 061230q 061230r
ホットバタードラム / エビとカブのマリネ / カキのグラタン

・ピュアー:店情報前回

《平成18(2006)年12月30日(土)の記録》

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忘年会のシメはパタン … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜・日ノ出町)

NIFTY-Serve(現在の@nifty)パソコン通信時代の仲間たちと4人で忘年会。集合したのは野毛の「福田フライ」です。瓶ビール(キリンラガー大、620円)をもらって乾杯し、まずはカキ、アサリ、串カツ、レバー(各120円)を辛いソースで。この店に来るのははじめてという人にも、ニンニクのよく効いた辛いソースは好評で、続けて白モツ(豚の腸、350円)やチート(豚の胃、350円)も辛いソースで炒めてもらいます。

忘れてならないのは自家製のお新香。ナス(200円)、カブ(150円)、白菜(150円)、キュウリ(150円)の4種類がある中、今日はキュウリと白菜をいただきます。

「魚も食べてみたい」ということで注文したのは鯛頭煮。大きな鯛の頭半分がじっくりと煮込まれていていい味です。

最後にレバー、砂ギモ、皮、ハツ(各120円)を塩でいただいて一次会終了。ちょうど1時間の立ち飲みタイムは4人で4,800円(ひとりあたり1,200円)でした。

2軒目はすぐ近くにある居酒屋「トモ」。「生ビールが飲みたい」という人が2人いたので、500円の生ビールに300円のつまみが2品(実際には組み合わせて600円になればよい)で、本来1,100円のところが1,000円になる「生ビールとおつまみ2品のセット」を2人前と、トマトサワー、みかんサワー(各400円)をもらって乾杯。料理はニガウリ醤油漬(100円)やセロリ漬(100円)、豚トンみそ炒め(400円)、ねぎチヂミ(400円)、アピオス塩茹で(400円)などをいただきます。

アピオスというのはインディアン(北アメリカ先住民)が食べていたというマメ科の植物で、地下茎のイモを食べます。皮ごといただくと、イモにしてはけっこう濃厚に感じる味わいで、いいつまみになります。

飲み物もどんどんおかわりし、約1時間半の滞在は4人で4,400円(ひとりあたり1,100円)でした。

3軒目は「ホッピー仙人」。満席のところへ入れてもらって、カウンターの背後に立ってホッピー(500円)を1杯ずつ。今日は近くの「武蔵屋」が年内最終営業日だそうで、その納会に出席していたみなさんも続々とやってきて、とてもにぎやかな店内です。

「ホッピー仙人」をあとに、さらに京急・日ノ出町方面に進み、最後のシメに入ったのは「第一亭」。紹興酒をボトルごと燗してもらい、シジミ醤油漬(600円)、豚足(400円)、そしてパタン(600円)です。

パタンというのはたっぷりのニンニクが入った醤油系ソースを絡めた冷たい麺。野毛界隈の店々に詳しい「ジョーの本日のお品書き」の2006年10月16日付け記事によると、パタンは、お店の人のまかない料理だったものが、常連さん達のあいだで評判になったのだそうです。大きな包丁をパタンと倒してニンニクをつぶすことから、パタンと呼ばれるようになったと、その名前の由来も紹介されています。

「福田フライ」の辛いソース同様、このパタンもニンニクがものすごく効いていて、たとえ満腹だったとしてもするすると食べられてしまいそうです。実際、あっという間に食べ終わってしまいました。(笑)

「第一亭」は4人で4,300円(ひとりあたり1,075円)。午後7時に集合して、解散したのは11時。懐かしいメンバーとの、たっぷりと4時間の楽しい忘年会でした。

【福田フライ】
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カキ、アサリ、串カツ、レバー / 白モツ / お新香(キュウリと白菜)

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チート / 鯛頭煮 / レバー、砂ギモ、皮、ハツを塩で

・福田フライ:店情報前回

【トモ】
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生ビールなどで乾杯 / ニガウリ醤油漬 / 豚トンみそ炒め

061228j 061228k 061228l
アピオス塩茹で / ねぎチヂミ / セロリ漬

・トモ:店情報前回

・ホッピー仙人:店情報前回

【第一亭】
061228m 061228n 061228o
シジミ醤油漬 / 豚足 / パタン

・第一亭:店情報前回

《平成18(2006)年12月28日(木)の記録》

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おばあちゃん二人で切り盛り … 小料理「野菊(のぎく)」(鎌倉)

せっかくの鎌倉なのでもう1軒。やってきたのは小町通りから細い路地を入った中にある「野菊」です。

白地に黒で「お食事」と染め抜かれたのれんをくぐって店内に入ると、左手に5人座れる直線カウンター、右手は4人がけのテーブル席がふたつ、さらに一番奥の壁にくっつくように2人がけのテーブル席がひとつ。月曜、午後7時半の店内には、家族連れの先客4人が、奥側のテーブル席に座っているだけ。カウンターの中の厨房には白い上っぱりを着たおばあちゃんがふたり。このふたりで店を切り盛りしているようです。

カウンターの一番奥に座り、燗酒(菊正宗、550円)を注文すると、お通しには自家製らしき昆布の佃煮が出されます。

のれんに「お食事」と書いてあるとおり、店内の照明も非常に明るくて、食堂といった感じです。しかしながら奥の壁にずらりと並んだ短冊メニューを見るとマグロ、アジ酢、シメサバなどの刺身類からはじまって、厚焼玉子焼(550円)、目玉焼(400円)、焼とり(砂ぎも・レバー・ひな肉、580円)、山かけ、月見、酢のもの、ぬた(550円)、なめこおろし(480円)、シラスおろし(350円)、冷やっこ(400円)、月見納豆(350円)、おひたし(350円)、塩らっきょう(350円)、葉とうがらし(350円)、肉じゃが(480円)、ぎんなん(650円)といった肴類がそろっていて、ゆっくりと飲むのにも十分な状態です。

うーむと迷って、最近はまり気味の味噌おでん(350円)をいただくことにしました。

味噌おでんとか、味噌こんにゃくと呼ばれるこの品は、コンニャクを茹であっためて、味付けた味噌でいただくというシンプルなもの。プリッとしたコンニャクの歯応えと、味噌の風味でお酒がおいしくいただけるのです。この季節、なによりもあったかいものがうれしいですよねぇ。

ふらりと入ってきた年配の男性ひとり客は、店内一番奥にある2人がけのテーブルに座り、瓶ビール(中、550円)と玉子焼(550円)。店のおばあちゃんのひとりと親しそうに話しているところをみると、ほぼ毎日やってくる常連さんのようです。2人いるおばあちゃんのうちのひとりが料理を担当していて、もうひとりがそれ以外のことをこなすようです。なんだか野毛の「武蔵屋」にも似てますね。ほぉ、できたて熱々の玉子焼もおいしそうです。

長兵衛」と合わせると、ビール(中瓶)1本に、お酒(菊正宗)が3合。ちょうどいいほろ酔い加減です。月曜日でもあるし、今日はこれくらいで切り上げましょうね。「どうもごちそうさま」。

お勘定は900円。ここもまた観光地とは思えないような、ゆったりと時間が流れるお店のようです。次の機会には鍋物(寄せなべ1,600、かきなべ1,500、湯豆腐880)も食べてみたいですね。

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路地の入口にある看板 / 燗酒とお通し / みそおでん

店情報

《平成18(2006)年12月25日(月)の記録》

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店情報: 小料理「野菊(のぎく)」(鎌倉)

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  • 店名: 小料理「野菊」(のぎく)
  • 電話: 0467-25-4347
  • 住所: 248-0006 神奈川県鎌倉市小町2-2-25
  • 営業: (時間未調査)、水木休
  • 場所: 鎌倉駅東口(鶴岡八幡宮方面)に出て、左手マクドナルドの先を左折して小町通りに入り約100m。左手上部に「お食事の店 野菊」の看板がある路地を左折した右手。
  • メモ: 刺身定食1,200、カツ定食1,300、玉子丼700、カツ丼880。サケ茶漬650、梅干茶漬650、ノリ茶漬650。豚汁580、焼鳥580、酒・菊正宗550、ビール・中瓶550。なべもの(10~3月)は寄せなべ1,600、かきなべ1,500、湯豆腐880。(2006年12月調べ)

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鎌倉文士の社交場!? … 小料理「長兵衛(ちょうべえ)」(鎌倉)

横須賀方面での仕事の後は、横須賀で飲んで帰ることが多かったのですが今日はちょっと趣向を変えて、横須賀線での帰り道に途中下車して鎌倉に立ち寄ってみることにしました。できれば「でんがく屋」に行ってみたいのですが、満席のことが多いと聞くこのお店、はたして空いてるでしょうか。

鎌倉駅に到着したのは午後5時半過ぎ。いそいそと「でんがく屋」に向かい、入口引き戸を開けてみると……。あぁ、やはり満席でしたか。奥のほうに2席ほど空きがあるのですが、それもどうやら予約席のよう。美人女将が「ごめんなさいね」と胸の前で両手を合わせてすまなそう。さすがに人気が高いですねぇ。平日(月曜日)の早い時間帯、年配の男性客が多いんじゃないかと思っていたのですが、店内は中年の女性客グループ(2~3人連れ)が二組ばかりいて、思ったよりも女性密度が高い。なるほどねぇ、酒場としてもさることながら、田楽料理を味わう食事処としても人気があるんですね。

「でんがく屋」が満席というのはある程度想定できたことなので、あらかじめ次善の候補店を選んで来ていたのです。その店は八幡宮参道から路地を入ったところにある居酒屋「長兵衛」。かつて久米正雄、大佛次郎、川端康成、小林秀雄、里見弴、永井龍男他の鎌倉文士が集ったというのがこのお店です。ひとりで書斎にこもっていることが多い文士たち。夜になるとこの店にやってきて友と酒を飲み交わしたんでしょうね。

私の前を歩いていた男女ふたり連れが吸い込まれるように「長兵衛」の店内へ。そのまま出てこないところを見ると、どうやら空席はあるようですね。ちょっと安心しつつ引き戸を開けます。

「いらっしゃいませ」と迎えてくれたのは左手カウンターの中にいる店主らしき男性。店はその奥さんらしき女性と、もうひとりは娘さんなんでしょうか、3人で切り盛りしているようです。店内は左手に「く」の字(左右は逆)型をしたカウンターで8~9人ほど座れそう。右手は小上がり席になっていて、2人用座卓が4卓と衝立(ついたて)がひとつ。これをうまく組み合わせて使うようです。今は奥側の2卓をくっつけて、4人組のグループが入っていて、その手前に衝立を置いて、こちら側の2卓との境界にしています。

そうそう。忘れてならないのが入口を入ってすぐ左側の壁にへばりつくように置いてある2人用のテーブル。左カウンターに8人、右小上がりに8人と入る中、この2人用テーブルだけがぽつんとインディペンデントな空間となっていて実に味がある。この席にとっても引かれたのですが、さすがにこの場所は店の中でも特殊な空間のような気がして、初回の今回はおとなしくカウンター席にしておくことにしました。

カウンター席は、左右逆の「く」の字の奥側に3人連れ、角を曲がって手前側に私の前に入ったカップルが座っています。私はその中間のちょうど「く」の字の角のところに座り、まずはやっぱりビール(サッポロ黒ラベル中瓶、580円)ですね。お通し(席料込みで550円)は、しらすの佃煮です。そうそう、しらすもこのあたりがいい漁場ですもんねぇ。

店の奥の壁にあるメニューには「生しらす」があることが書き出されています。先ほど入ったカップルはその生しらす(520円)を選択。小鉢に透明なしらすがこんもりと盛られ「お醤油をおとしてお召し上がりください」と出されます。

それじゃ私は「生しらす釜あげ」(520円)をもらいましょうか。先ほど同じように透明な生しらすをひと盛り、今度は小鉢ではなくて、取っ手付きの小さなこし網のような器に入れ、沸かしたお湯の中でそのまま茹でて、小鉢に盛って、おろし生姜を添えてくれます。透明だった体は白く変わり、ほんわかと湯気が立っているのがおいしそうですねぇ。

こうなるとやっぱり燗酒です。「菊正宗(440円)を燗でお願いします」

ほんのちょっと醤油をたらして、まずひとつまみいただく釜あげしらす。口の中にほのかな甘さが広がるところへ、追いかけるように燗酒。小魚の繊細なうまみと燗酒のなんと合うことよ。生しらすをそのままいただく鮮烈さももちろんいいのですが、こうやって釜あげにするとうまみ、甘みはより増してくる。もつ焼き屋さんでレバ刺しもおいしいけど、ちょい焼きにしてもらったレバもまたうまいのと似ているように思います。それにしても、お通しのしらすの佃煮もまた燗酒に合うなぁ。

私のとなりに入ってきた常連さんらしき男性は、生しらすの玉子焼き(750円)を注文。そうそう。メニューを見ててこれも気になったんですよね。玉子を溶いた中に生しらすも混ぜ込まれて、独特な形状をした玉子焼き専用フライパン(?)で仕上げられます。これまたふんわりと湯気がのぼっておいしそうですねぇ!

次に入ってきたのは女性ひとり客。カウンターの手前側、一番端っこに座って、これでカウンターは満席です。先ほどのカップルの女性に、私の奥側に座っている3人連れにも女性がひとりいますので、店内のお客さんは現在全12人中女性が3名。ちょうど四分の一というところですね。今入ってきた女性客は、ご夫婦の常連さんの奥さんらしく、ここでご主人と待ち合わせてるのだそうです。

中野の酒房「北国」も井伏鱒二をはじめとする文士が集ったと言われる酒場で、現在は地元の年配男性客や夫婦連れなどのお客さんが多いのですが、ここ「長兵衛」もそれと似たような空気を感じます。

燗酒(菊正宗、440円)をおかわりし、「ゆどうふ」(520円)を注文すると、小鍋でコトコトと湯豆腐を作ってくれます。カウンター内の厨房スペースがけっこう広いというのも、ゆったり感をかもし出しますね。

削り節、おろし生姜、刻みネギの入った小鉢が出され、鍋敷きがわりの丸皿の上にできあがった鍋が置かれます。小鍋の中にはシンプルに豆腐が4切れ。そのひと切れを小鉢にとって、さっと醤油を回しかけていただくとあったかいこと。冬は湯豆腐ですねぇ。

ガラリと引き戸が開いて入ってきたのは男性ひとり客。この人も常連さんのようで、私のとなりの男性客や、ご主人の到着を待ちながらビールを飲んでいる女性客とひと言ふた言、言葉を交わし、入口すぐ左手のインディペンデントな二人席に腰をおろします。そして注文したのはブリ刺身(1,050円)。

数種類ある刺身メニューはすべて千円を超える価格帯。どんなブリ刺しが出るのか興味津々で見ていると、立派なブリのサクを取り出してスィーッ、スィーッと気持ちよく薄切りに。んーーっ。ツヤツヤと輝いて見るからにおいしそうなブリですねぇ。そうかぁ。こうやって薄く切るとまたおいしそうだなぁ。厚切りは豪快だけど、けっこう脂っこかったりしますもんね。

「で、腕のほうは大丈夫なの?」と常連さん。「まだリハビリ中ってとこですかねぇ。でも、毎日包丁を握ってるから、イヤでもリハビリができてますよ」と答える店主。見れば利き腕に包帯が巻いてある。怪我でもされたのでしょうか。しかしリハビリ中と言いながら、あのブリ刺しが引けるとはすばらしい腕前ですねぇ。

湯豆腐の最後のひと切れをいただいて、1時間半ほどの滞在は3,050円でした。観光地・鎌倉にありながら、ここもまたゆっくりとくつろげそうなお店です。

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「長兵衛」 / 生しらす釜あげとビール / ゆどうふと燗酒

店情報

《平成18(2006)年12月25日(月)の記録》

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店情報: 小料理「長兵衛(ちょうべえ)」(鎌倉)

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  • 店名: 小料理「長兵衛」
  • 電話: 0467-23-1078
  • 住所: 248-0006 神奈川県鎌倉市小町2-10-11
  • 営業: 17:00-22:00、日祝休
  • 場所: 鎌倉駅東口から鶴岡八幡宮に向かう若宮大路を2分ほど進んだ左手の路地の中(二の鳥居あたり)。若宮大路から左路地をのぞくと店が見える。
  • メモ: お通し・席料550円。日本酒440円~、ビール中瓶580円など。生シラス520円、ゆどうふ520円。刺身類は千円前後。

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鍋をつついて忘年会 … 焼き鳥「鳥竹(とりたけ)」(渋谷)

飲み仲間たちとの忘年会で井の頭線・渋谷駅(マークシティ)横の「鳥竹」です。この界隈は焼き鳥激戦区。「鳥竹」をはじめ、「森本」「鳥升(とります)」「山家(やまが)」などの人気焼き鳥店が、競い合うようにもうもうと白煙を出しています。

「鳥竹」は1階がカウンター席とテーブル席、2階がテーブル席、そして地下1階が座敷席になっています。店全体としては昼前からオープンしているものの、地下の座敷席だけは午後6時から使えるようになるらしい。「予約をすると“2時間制”になるから、座敷が開く午後6時ちょうどに集合して、予約無しで座敷席を確保しましょう!」という連絡が、今日の発起人&幹事であるここっとさんから入り、この時刻の集合となったのでした。

店の前で宇ち中さんとも合流し店内へ。まさに座敷席の口開けと同時に入ることができ、中央部の6人掛けの席を確保することに成功。やぁ、これでひと安心です。すぐに呑んだフルさん、酒場通のH氏、渋谷グルメのhhさん、そしてここっとさんも到着し、本日予定のメンバー6人がそろいます。

地下の店内は、中央部に1階との間で料理や注文のやり取りをしたりするらしいお店用のスペースが取られている上に、もともと複雑な形状の多角形をしていて、どう見ても空間効率はあまりよくなさそう。そこへ2人用の卓、4人卓、6人卓などの、それぞれ大きさの違う卓を、壁にくっつけたり、中央部に置いたりと、様々な工夫をしながら並べているのでした。したがって、普通の店でよくあるように、各卓を「1番、2番、…」と番号で呼ぶのはむずかしい(何番がどこかがピンとこない)らしく、各卓は後(うしろ)、ガス奥、ガス前、鳥(とり)、立前、立奥、中奥、元前、元奥などと呼ばれているようです。

みんながそろったところでビール(サッポロラガー大瓶、630円)をもらって乾杯です。

今日のお通しは竹の子の煮つけ。しかも先っぽのほうの三角形になった部分です。個人的には竹の子は大好きですが、この時期に出されるのは珍しいですねぇ。前回来たとき(なんとちょうど1年前!)のお通しは里芋とニンジンの煮物でした。こういう昔ながらの煮物系のお通しがサラッと出るのはうれしいですね。

さてさて。今日はみんなで鍋でもつつきながら1年を振り返ろうと、この店を選んでくれたここっとさん。その鍋は鳥なべ(1,260円)、肝なべ(1,260円)、皮なべ(1,155円)、笹身なべ(1,575円)、水炊(1,575円)、どじょうなべ(998円)、柳川なべ(1,050円)、湯豆腐(788円)の8種類があります。なにしろモツ好きがそろっていますので、まずはやっぱり“肝なべ”でしょう! 2人前いただくことにします。

鍋前のつまみも選びましょう。この店には各テーブルに置かれた定番メニューと、壁の黒板に書き出された本日のメニューの両方があります。定番メニューには焼き鳥やうなぎ料理、その他の一品料理、酢の物、サラダ、食事物、お茶漬け、スープ、そして先ほどの鍋料理などが並び、一番安い210円(焼き鳥の“モミジ”1本)からはじまって、一番高い3,150円の“うな重”まで、店内の食べ物だけで80種類以上という品揃え。そして今日の黒板メニューはうな茶(683円)、鳥の煮こごり(525円)、冷製うなぎチャンプル(683円)、うざく(630円)、皮ポン酢(504円)、笹身のぬた和え(525円)、湯葉刺し(578円)の7品。実に呑んべ好みのする品々がならんでますよねぇ!

合わせると90品目ほどあるメニューの中から、まずいただいたのは鳥の煮こごり(525円)、皮ポン酢(504円)、なめこおろし(504円)の3品。鳥の煮こごりには肝・砂肝と銀杏が入っていて、断面がとても美しい。しばらく鑑賞してから口に含みます。

次にいただいたナンコツ唐揚げ(410円)は、串にずらりと鳥の胸軟骨(やげん)刺した状態で唐揚げにして、串ごと出してくれるもの。付け合せに千切りのキャベツ、ニンジン、ピーマンのサラダっぽいのが付いているのが小じゃれています。

1階の店頭にずらりとならんでいて、この店の名物的な存在となっているのが、鶏をまるごと調理した「丸むし」(1羽分の重量に応じてグラム単位で値段が決まる。1羽1,200~1,800円ほど)。店内では“丸むし半身”(1,050円)というメニューで、骨も付いたまま食べやすい大きさにカットして、これまた千切りのキャベツ、ニンジン、ピーマンのサラダっぽいのいっしょに銀色の皿に盛り合わせてくれます。肉はこうやって大きなかたまりのまま調理するのがおいしいですね。ビールが進む進む。

この店の焼き鳥はレバー(鳥きも)や砂ギモ、正肉(やきとり)などが1本315円。つくね、ササミが1本336円。人気のボンボチは1本368円と、どれも一見高く見えるのですが、そのボリュームが半端ではなくて、大ぶりのが1串に6切れくらい刺されているのす。“やき鳥コースメニュー”(2,100円)というのもありますので、それを食べてみるのもいいかもしれませんね。コースメニューはやきとり、鳥きも、つくね、皮、手羽、ピーマンの6品各1本ずつがコースになったものです。

我われはうずら玉子(1本347円)を2本はタレで、1本は塩で、計3本いただくことにしました。うずら玉子は1串に玉子が4個。これはちょっと高いかも。

皮ポン酢もおいしかったので、今度は皮いため(630円)もいただきます。皮いためは細くカットした鳥皮を、同じように細くカットしたピーマンといっしょに炒めて、仕上げに刻みネギをのせたもの。なるほど、こういう食べ方もあったかぁ、という一品です。

飲み物のほうは、引き続きビールにする人もいれば、ここらでチュウハイ(473円)やウーロンハイ(473円)に切り替える人も出てきます。ちなみに焼酎や日本酒などの何種類かずつ用意されています。

さぁ、そしていよいよ肝なべの登場です。肝なべや鳥なべ、皮なべは、すき焼き風に割り下で煮たものを、生卵につけていただくスタイル。まずはコンロと、割り下だけが入った鍋が置かれ、生卵が注文数に応じて(つまり2人前の鍋なら生卵は2個)出てきます。生卵の追加は1個150円です。

それとは別に銀色の楕円皿にたっぷりと盛られた“肝なべ”の材料が出されます。焼豆腐やしらたき、春菊、白ネギ、白菜、しいたけなどの野菜類の上に、レバーを中心とした鳥モツ、そしてたっぷりの鳥皮。クツクツと割り下が煮立ってきたところで、料理上手のhhさんが手際よく材料を投入してくれます。なるほど、入れる順番がかなり重要なようです。ひゃーっ。焼き豆腐も鍋の壁の部分に整然と並んでいて美しいですねぇ。さすがhhさん。レバーは一番最後に入れて完成です。

「そろそろ食べられるよー」の声に、みんなでワシワシとつついたら、あんなに美しくできあがった肝なべが、15分とたたないうちにすっかり空っぽになってしまいました。

「皮がなかなかおいしかったね」と鍋でもやっぱり皮が大人気。さっそく皮なべ(1,155円)を1人前追加です。

皮なべも食べ終わると「これにご飯を入れるとおいしいよね」という話に。さっそくお店の人に「ご飯はありますか?」と聞いてみると、「ご飯はありませんが、うどんはあります」とのこと。せっかくなのでうどん(262円)をもらうことにします。

「やぁ、おいしかったねぇ。そろそろ二次会に向かいますか」

うどんも食べ終えて、そんな声が出はじめたのは入店から2時間半以上経過した午後8時40分。「2時間制限では足りない」というここっとさんの読みは大正解でしたねぇ。

お勘定は6人で16,920円(ひとりあたり2,820円)でした。これまでの価格表記はすべて税込み価格ですが、店内での計算は税抜きで計算され、それにざっくりとした単位で消費税が加算される仕組みです。今日の場合だと計算された税抜き合計は16,120円。これに消費税として800円(←本来は806円のところ)を加算し、前述のお勘定額となっているのでした。

1品1品の値段で見ると高めの価格設定ながら、大勢でやって来てワイワイと飲み食いするとひとり3千円以内でおさまってしまうというのは、中華料理にも似た感覚ですね。この店も、グループでやってくると安くていろいろ楽しめるようです。それにしても肝なべ、皮なべはおいしかったなぁ。

「鳥竹」の鍋料理を堪能して地上に出た6人。もちろんこのまま終わるはずはなく、ここっとさんが週に4回は行っているというレストラン・バー「コング」になだれ込みます。「コング」に向かいつつ、ここっとさんが電話連絡を入れてくれていたので、店に着くと入口左手にある、ちょっと個室風になった空間に案内してくれます。うーむ、さすが。それにしても店のおにいさんたちが「今日は早いですねー」とここっとさんに声をかけているのがおもしろい。いつもはそんなに遅いのか!?(笑)

この店は料理の幅が広いのが特長。今日もお通しのパスタ(マカロニ)や駄菓子(←これはここっとスペシャルで、通常はコース料理をたのんだときしか出ないらしい)のほかに、ガーリックトースト(420円)や月見ほうれんそう(525円)、モッツァレラチーズの春巻き(630円)などをもらい、ワイン(ボトル)やビールをもらって今年1年を振り返ります。

料理のほうは鶏ダイコン風の煮物まで出てきます。よく煮込まれてとろける褐色に染まった大根がいいですねぇ。まさに和・洋・中なんでもござれですね!

シメにいただいたのは、これまたこの店の名物・にんにく爆弾(500円)。ガーリックライスをまん丸の球形にしてライスコロッケにし、たっぷりのホウレンソウソースをかけて、最後に生クリームを模様のように回しかけるとできあがり。緑色の球体はなんだか地球儀のように感じてしまうのです。パクンと割って、よーくニンニクの効いたごはんをいただいて終了。今日もまた、たっぷりと楽しい時間でした。

飲み仲間たちもこの1年いろんな事件もありましたが、みんなで健康に年末を迎えることができて本当によかったですね。今日、都合が悪くて参加できなかったみなさんも、今年もたくさんありがとうございました。来年もまたよろしくお願いします!

(同じときの記事)

【鳥竹】
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「鳥竹」 / ビールで乾杯 / お通しの竹の子煮

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鳥の煮こごり / 煮こごりの断面 / 皮ポン酢

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なめこおろし / ナンコツ唐揚げ / 丸むし半身

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うずら玉子・タレ / うずら玉子・塩 / 皮いため

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鍋の準備 / 肝なべ2人前の材料 / 肝部分のアップ

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手際よく材料を投入 / できあがった肝なべ / 皮なべ1人前の材料

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できあがった皮なべ / うどん玉を入れて / できあがり!

・「鳥竹」: 店情報前回

【コング】
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「コング」 / 駄菓子などのお通しとずらりとメニュー / ワインをボトルで

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ガーリックトースト / とり大根風の煮物 / 月見ほうれんそう

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モッツァレラチーズの春巻き / にんにく爆弾 / 割ったところ

・「コング」: 店情報前回

《平成18(2006)年12月23日(土)の記録》

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東口、美久仁小路にも! … 大衆酒場「ふくろ」(東池袋)

池袋駅を東口側に抜けてサンシャイン60方面に歩くと途中にあるのが「栄町通り」「美久仁小路」「人生横丁」と、60階通りの反対側にある「ひかり町通り」いう4つの横丁です。それぞれの横丁がこんなに近くにあったんですね。それすらはじめて知りました。

このあたりは戦後、池袋駅前にあった闇市の露店が、昭和24(1949)年の区画整理で分散移転されてできた飲食街なのだそうです。しかし駅から遠い(現在で言うと地下鉄・東池袋駅のほうがむしろ近い)ので、終戦直後の闇市時代にも駅から遠すぎてお客さんが来ない。だから、屋台を引いて駅の近くに出かけていったり、横丁の飲み屋の女の子たちも、わざわざ駅前までお客さんを捕まえに行っていたのだそうです。

その横丁街に変化があったのは、その後3度。1回目は昭和47(1972)年に今は亡き青江美奈が歌った「池袋の夜」の大ヒット。『どうせ気まぐれ 東京の 夜の池袋』という歌詞の中に「美久仁小路」と「人生横丁」が織り込まれ、このあたりの地名が一躍有名になったのだそうです。

2回目は昭和53(1978)年の巣鴨プリズン跡地へのサンシャイン60の登場。池袋の街は急速に発展を遂げるようになります。そして3回目がバブルの到来とその崩壊。横丁も地上げのターゲットとなり、店の数がうんと減ってしまったのだそうです。

めざす「ふくろ」は「美久仁小路」の中にあります。横丁の入口に立つと「美久仁小路」と書かれた看板の後ろにくっきりとそびえ立つサンシャイン60。横丁の中に並ぶ古い店々との対比も際立って、とてもおもしろい光景ですねぇ。

全長7~80メートルほどの「美久仁小路」のちょうど中央あたり、道が少しクランクしたところにあるのが「ふくろ」です。

午後4時に開店するというこちらの「ふくろ」は、土曜日4時半の今、ぽつりぽつりと数えるほどしかお客さんはいません。先ほども書きましたとおり、なにしろ駅から遠いですからねぇ。西口の「ふくろ」のように、「電車に乗る前にちょっと一杯」ってわけにはいきません。

店内は中央に幅の狭いコの字カウンターがあり、右手が小上がりの座敷席、左手には4人がけのテーブル席がずらりと並んでいます。こちらはこの1階1フロアのみで営業しているようです。

「いらっしゃいませ。どこでもどうぞ」と迎えてくれるおねえさん。にっきーさんと私はカウンターの一角に腰をおろしホッピーをもらって乾杯。メニューは、品、値段共に西口の「ふくろ」とまったく同じ。ホッピーも瓶詰めの焼酎(1合190円)と瓶入りホッピー(ソト、190円)、そしてアイスペールいっぱいの氷が出されて、自分で混ぜるスタイル。

お通し(200円)に出されたのはコハダと小柱の酢の物です。魚の子も入って、いわゆる子持ち状態になっているのがいいですね。

さて料理。こちらも本店と同様に壁にずらりと短冊メニューが並んでいる他、入口横・上部に設置されたテレビの近くには「本日のおすすめ品」と書かれた黒板メニューも出ています。馬刺600、ぶり刺550、まぐろ刺500、たこ刺500、〆さば450、つぶ貝刺480、板わさ350、にこごり400、キムチ400、おでん500、モツ煮込み豆腐500、肉キムチ炒め500、ハムカツ350、たこ唐揚げ450、生揚げ300、マカロニサラダ350、つぼ鯛みそ焼480、ほっけ塩焼450がその内容。その中からにっきーさんはにこごり(400円)を選択。冬場ならではの一品ですね。きれいだしお酒が進むことこの上ない。

私はみそこんにゃく(300円)をもらいます。こんにゃくをお湯であっためて、味付けした味噌をつけて食べるだけのシンプルな料理なのに、おでんのこんにゃくとも、煮物のこんにゃくとも違った、なんだかこんにゃくらしい味わいに最近はまり気味。ここのみそこんにゃくもいいですねぇ。

飲んでるうちにひとり、またひとりと入ってくる常連さんは年配の男性ひとり客が多い。カウンターの我われが座っている側(入口を入って右側のカウンター)のほうが人気が高いのは、こちらからはテレビを見ることができるからでしょうね。

気がつくともう5時半。にっきーさんはこのあとご自宅でお子さんの誕生会が、私は6時から忘年会がある予定なので、このあたりで切り上げることにします。

これまた約1時間の滞在は、ふたりで1,860円(ひとりあたり930円)でした。西口の「ふくろ」のキーワードが“にぎわい”ならば、こちら東口の「ふくろ」は“くつろぎ”でしょうか。のーんびりと落ち着いて飲めるいい酒場だと思います。

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人生横丁 / 栄町通り / 美久仁小路

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「ふくろ」 / お通しはコハダと小柱の酢の物 / ホッピー

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店内の様子 / にこごり / みそこんにゃく

店情報 (同じときの「アル中ハイマー日記」)

《平成18(2006)年12月23日(土)の記録》

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店情報: 大衆酒場「ふくろ」(東池袋)

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  • 店名: 大衆酒場「ふくろ」(美久仁小路店)
  • 電話: 03-3985-5832
  • 住所: 170-0013 東京都豊島区東池袋1-23-12
  • 営業: 16:00-24:00(23:00料理LO、23:30飲物LO)、日休
  • 場所: 池袋駅東口からは60階通りをサンシャイン方面に進み、東急ハンズの手前を右折し、100mほど進んだ右手が美久仁小路入口。全長70~80mの美久仁小路の中央部にある。地下鉄・東池袋駅からはグリーン大通り(バス通り)を池袋駅方向に進み、南池袋公園前の信号交差点を右折し、道成りに100mほど進んだ左手が美久仁小路入口。
  • メモ: 池袋駅西口にある大衆酒場「ふくろ」と料理、飲物ともに内容・値段が同じ。どちらも「ふくろ」としか書かれていないので、このサイトでは西口の大きい店を『西口公園店』、東口の一戸建てのほうを『美久仁小路店』と、便宜上言い分けることとする。店内は中央に幅の狭いコの字カウンター、右手が小上がり席、左手がテーブル席。料理はまぐろ刺身500、シメサバ450、おでん500、モツ煮込み豆腐500、にこごり400、板わさ350、トマト350、マカロニサラダ350、いか塩辛250、納豆200など。飲み物はビール大450、清酒260、焼酎瓶詰190、ホッピー(焼酎別)190、ウーロン茶160、タンサン130など。

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