おばあちゃん二人で切り盛り … 小料理「野菊(のぎく)」(鎌倉)
せっかくの鎌倉なのでもう1軒。やってきたのは小町通りから細い路地を入った中にある「野菊」です。
白地に黒で「お食事」と染め抜かれたのれんをくぐって店内に入ると、左手に5人座れる直線カウンター、右手は4人がけのテーブル席がふたつ、さらに一番奥の壁にくっつくように2人がけのテーブル席がひとつ。月曜、午後7時半の店内には、家族連れの先客4人が、奥側のテーブル席に座っているだけ。カウンターの中の厨房には白い上っぱりを着たおばあちゃんがふたり。このふたりで店を切り盛りしているようです。
カウンターの一番奥に座り、燗酒(菊正宗、550円)を注文すると、お通しには自家製らしき昆布の佃煮が出されます。
のれんに「お食事」と書いてあるとおり、店内の照明も非常に明るくて、食堂といった感じです。しかしながら奥の壁にずらりと並んだ短冊メニューを見るとマグロ、アジ酢、シメサバなどの刺身類からはじまって、厚焼玉子焼(550円)、目玉焼(400円)、焼とり(砂ぎも・レバー・ひな肉、580円)、山かけ、月見、酢のもの、ぬた(550円)、なめこおろし(480円)、シラスおろし(350円)、冷やっこ(400円)、月見納豆(350円)、おひたし(350円)、塩らっきょう(350円)、葉とうがらし(350円)、肉じゃが(480円)、ぎんなん(650円)といった肴類がそろっていて、ゆっくりと飲むのにも十分な状態です。
うーむと迷って、最近はまり気味の味噌おでん(350円)をいただくことにしました。
味噌おでんとか、味噌こんにゃくと呼ばれるこの品は、コンニャクを茹であっためて、味付けた味噌でいただくというシンプルなもの。プリッとしたコンニャクの歯応えと、味噌の風味でお酒がおいしくいただけるのです。この季節、なによりもあったかいものがうれしいですよねぇ。
ふらりと入ってきた年配の男性ひとり客は、店内一番奥にある2人がけのテーブルに座り、瓶ビール(中、550円)と玉子焼(550円)。店のおばあちゃんのひとりと親しそうに話しているところをみると、ほぼ毎日やってくる常連さんのようです。2人いるおばあちゃんのうちのひとりが料理を担当していて、もうひとりがそれ以外のことをこなすようです。なんだか野毛の「武蔵屋」にも似てますね。ほぉ、できたて熱々の玉子焼もおいしそうです。
「長兵衛」と合わせると、ビール(中瓶)1本に、お酒(菊正宗)が3合。ちょうどいいほろ酔い加減です。月曜日でもあるし、今日はこれくらいで切り上げましょうね。「どうもごちそうさま」。
お勘定は900円。ここもまた観光地とは思えないような、ゆったりと時間が流れるお店のようです。次の機会には鍋物(寄せなべ1,600、かきなべ1,500、湯豆腐880)も食べてみたいですね。
路地の入口にある看板 / 燗酒とお通し / みそおでん
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