延辺羊肉・串料理専門店 … 中華料理「延明(えんめい)」(横浜・日ノ出町)
最近、餃子のみならず羊肉にもはまっているここっとさんが「野毛界隈にも水餃子や羊肉が食べられるお店がないものか」と探していたところ、この界隈の事情通・tamさんから紹介してもらったのが京急・日ノ出町駅の近くにある中国延辺(えんぺん)料理の店「延明」だったそうです。
そんなわけで今日は、「年間1千軒以上外食する男」という異名をもつワイタベさんにも馳せ参じていただいて、その「延明」です。
待ち合わせたのは野毛の入口(桜木町駅側)にある、串揚げで人気の立ち飲み店「福田フライ」。店に着くと、すでにワイタベさん、ここっとさんのおふたりは到着されていて、カキ(120円)や玉ネギ(70円)を揚げてもらって、ビール(キリンラガー大瓶、600円)を飲んでいます。私もそのビールをもらって乾杯。さっそくカキ(120円)を辛いソースで、そして鶏皮と鶏ハツ(各120円)を塩で揚げてもらいます。
ここのカキは中までちょうどいい按配に火が通ったところで出てくる。アツアツのところをパクリとほお張ると、カキのあまさがふんわりと口の中に広がったあと、ニンニクのたっぷりと効いたソースの辛さがガツンとやってきます。この辛さがまた食欲を増してくれるんですねぇ。
鶏皮と鶏ハツは串に刺して素揚げしたものに塩をパラリ。焼き鳥屋さんで焼いてもらう鶏皮や鶏ハツもさることながら、こうやってサッとあげてもらったのもまた違う味わい、食感が楽しめます。
ビールをもう1本いただいて、「福田フライ」は3人で2,100円(ひとりあたり700円)でした。
日ノ出町から伊勢佐木町に向かうあたりはタイ料理やら韓国料理やらといったアジアン・テイストの店が数多く存在する地域。目指す「延明」もその一角にあります。
店内は4人がけのテーブル席のみで、右側には横向きのテーブルが奥に向かって4個並び、左側には縦向きのテーブルが2個並んでいて、総席数24名分。火曜日、午後8時前の店内には先客は1グループ(4人)のみ。我われもテーブルのひとつを囲み、まずはビール(スーパードライ中瓶、450円)をいただくと、ザーサイっぽい感じの野菜と、ピリカラのナッツ、真っ赤なピリカラ和え物の3皿がお通し(無料らしい)として出されます。店は中国の方と思しき女性2人で切り盛りしているようです。
最初にいただいた水餃子(1,000円)は大ぶり熱々のものが大皿に15個。これをいっしょに出してくれるタレをつけていただきます。気をつけてかじらないと、中から飛び出すツユが服にかかってしまうほどのジューシーさ。実際に飛び出した汁でネクタイに染みができてしまいました(涙)。ボリュームもたっぷりで、今日は3人だから良かったですが、2人だとこれだけでお腹がいっぱいになっちゃうかもしれません。
ワイタベさんと私は飲み物をマッゴルリに切り換えます。マッゴルリは紙パック入りの1リットルが1,200円。上下左右によくかき混ぜてから開封します。
「ネットで調べてみたら湯葉のようなのがおいしそうだったんだけど」とここっとさん。「それは“干豆腐(がんどうふ)”って言うんじゃないかな。湯葉のようなんだけど豆腐を干して作ったものなんですよ」とワイタベさんが教えてくれながら、店のおねえさんにたずねてみると「和えたのと、炒めたのがあります。和えたのは赤くて辛い。炒めたのは辛くないです」とのことで、辛くない炒めもののほう(尖椒炒干豆腐、850円)を注文します。
出てきた干豆腐は、たしかに見た目は厚めの湯葉に似ている。大きめのきし麺といった雰囲気もあるなぁ。いっしょに炒めているのは豚肉、ピーマンなど。食感も硬めの湯葉っぽい感じでいいですねぇ。
ちなみにおねえさんの言ってた和えた辛いほうは拌干豆腐(干豆腐の和え物、580円)。メニューの写真で見ると真っ赤でいかにも辛そうです。こういった和え物料理は「ムチム」といって延辺(えんぺん)独自のものなのだそうです。
延辺というのは中国でも朝鮮半島の付け根あたりのこと。この地域には朝鮮半島から移り住んだ人々もたくさんいて、料理のほうも韓国料理と中国料理に加えて蒙古(モンゴル)などの影響も受けた独特なものになっているのだそうです。唐辛子とクミンをたっぷりと使うのが特徴なのだとか。そして入口の看板に「羊肉串」と大きく書かれ、そしてメニューにも「延辺羊肉・串料理専門店」と書かれているとおり、まさに延辺料理の看板料理とも言えるのが串焼き料理。しかも、なんと自分で焼くのです!
実は席についたとたんに、店のおねえさんから「串は焼きますか?」と聞かれたのですが、そのときは「後ほど」と答えていたのです。改めておねえさんに「串の注文、いいですか?」と確認すると「はい。5本以上でお願いします」とのこと。串は1本100円程度から。なにしろ七輪や専用の焼き台を用意しなければいけないので、2~3本焼くだけでは準備なんかのほうが大変で、やってられないんでしょうね。
メニューをには羊肉串(100円)、牛肉串(100円)、鶏砂肝串(100円)、血管串(牛ハツモト、170円)、羊筋串(ひつじすじ、170円)、心臓串(豚ハツ、170円)、牛鞭串(牛さお、170円)、軟骨串(鶏なんこつ、170円)、牛筋串(170円)、海老串(270円)、ねぎ串(170円)、蚕通串(170円)、腰子串(豚腎臓、170円)、鳥魚串(いかくし、170円)、鶏心串(とりハツ、170円)、鮮魚串(いしもち・真あじ、270円)、鶏手羽先串(270円)、しいたけ串(270円)、牛板筋串(いたすじ、270円)、すずめ(麻雀)串(370円)、刷肚(80円)といった品々が並んでいるほか、壁にも何種類かの串焼きメニューが張り出されています。
そんな中から羊肉串(100円)、羊筋串(170円)、牛ハツモト串(170円)、鶏ハツ串(170円)、そして壁のメニューから干したサヨリ(270円)と麻辣排骨串(スペアリブぴりから串、200円)の合わせて6本を注文します。
七輪の上にセットされた専用の焼き台には、上下2段に平行に伸びる金属製の棒が通っています。向こうの棒と、こっちの棒との間に串を渡して焼くんですね。焼きあがったら上段にならべると保温状態になるようです。
七輪や焼き台のほかに、小皿ひとつに盛られた唐辛子やクミンなど4種の調味料が出されます。好みに応じてこれをつけていただくんですね。
生で出される串刺し肉を七輪の上でゆっくりと炙って、そろそろ食べられるかな?
羊肉串や羊筋串には下味もついていて、スパイスもたっぷり入っています。羊肉はがっつりと羊らしい匂いのするマトンのようなのですが、下味とスパイス、そして各自でつける香辛料でおいしくいただくことができます。魚の干物(サヨリ)は日本の干物と同じ。日本酒が欲しいくらいです。(ちなみにメニューには日本酒も載っています。)
はじめていただいた中国延辺料理。次の機会にはじっくりと串焼きを楽しむのもいいかもしれませんね。1時間半の滞在は3人で5,600円(ひとりあたり1,900円弱)でした。
「福田フライ」のフライ / 「延明」 / お通しの小皿3品
水餃子 / マッゴルリ / 尖椒炒干豆腐
干サヨリと羊肉串 / 4種の調味料で / スペアリブ、はつもと、鶏ハツ、羊筋串
・「福田フライ」の店情報 (前回、同じときの「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)
・「延明」の店情報 (同じときの「ワイタベのレミング2」「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)
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