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大常連さんのとなりで … やきとり「鳥佳(とりよし)」(横浜・上大岡)

仕事が終わってふらりとやってきたのは上大岡(かみおおおか)の「鳥佳」です。月曜日ながら午後7時半の店内はすでにお客さんでいっぱい。かろうじて空いていたカウンターの1席に座り、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、520円)と小腹セット(700円)でスタートです。

小腹セットはおまかせで焼いてもらう焼き鳥(1本130円)の7本セット。普通に注文すると910円になるところが700円に、なんと30%分もサービスになるのです。今日の小腹セットは子袋、つくね、シロのタレ焼きと鳥ねぎ、かしら、はつ、ししとうの塩焼きです。

ビールに続いて燗酒(470円)を注文すると、きちんとタイマーで時間を計りながらチロリで燗をつけてくれて、そのチロリのまま出してくれます。つまみのほうは黒板に書き出された本日のメニューから小イカ焼き(300円)を注文。じっくりと炭火で焼いて出されたのは丸ごと1杯のマルイカです。がぶりとかぶりつくようにいただくと燗酒ととてもよく合います。

右どなりに座っている男性ひとり客となんとはなしに話をしていると、どうやら相当な常連さんの様子。月に2回の定休日(毎月カレンダーに書き出されている)と、たまに出張などが入って来れないとき以外は毎日来ているのだそうです。その数、年間に330日以上。「マスターは毎週水曜日にお休みをとるから、マスターよりもオレのほうが多く来てるな」とのこと。しかもそれが20年ほど続いているというから驚きです。

「昔はねぇ、川沿いの屋台でマスターのお母さんがやってたんだよ。のれんに“創業30年”と書いてあるのはそのころから数えての年数なんだ。ここに来て、もう8年、いや10年くらいになるかなぁ。そのころの店はこちら側(カウンターのある側)しかなくてね。うなぎの寝床のように細長~い店だったんだよ。向こう側のテーブル席があるところはラーメン屋さんだった。向こう側と一緒になったのは4年くらい前だったっけ?」と問いかけると、ニコッと笑いながらうなずく寡黙な店主です。

その大常連さんは日本酒を冷や(常温)で飲んでいて、チロリの中のお酒がなくなると、特に言葉を発するわけでもなく、カウンターの上段にトンと置く。するとカウンターの中の店員さんがおかわりのお酒を注いでくれるのです。現在の店内は総席数が35席とけっこう広いので、店内は店主も含めて常時5名ほどで切り盛りしています。

私も燗酒(470円)をおかわりし、“おばあちゃんのお新香”と銘打たれたお新香(350円)をいただきます。この“おばあちゃん”というのが、先代の女将さん(店主のお母さん)なんですね。日によって変わるのかもしれませんが、今日はキュウリとナスの漬物盛り合せです。

左どなりのおとうさんが注文したのは白子ポン酢(600円)。お湯であっためられてホカホカと湯気が立つ白子が小鉢に盛られ、紅葉おろしがそえられています。これまたおいしそうだなぁ。こういう海の幸メニューもあるんですよねぇ。今日なんかアンコウ鍋(1,200円)まであります。

右の大常連さんの向こう側は、はじめて来たらしい若いカップル。「次はなにをたのもうかなぁ」と迷っている様子に、大常連さんが「メニューにはないけど、この店の玉子焼きもおすすめなんですよ。食べてみる? じゃ、マスター、玉子焼きひとつ作ってあげて。まずけりゃオレが払うから、ぜひ食べてみてよ」。しばらくして出された玉子焼きのフカフカとおいしそうなこと。「おいしいです」とカップルの男性も喜んでいます。

さがり(牛はらみ串、350円)も名物のひとつということで、これまた先ほどの若いカップルが注文すると、「味つけはどうしましょう?」と店主。ん? 塩、タレのことかな? と思って聞いていると、さがりの味つけには「昔」と「今」というのがあるらしい。「それじゃ、昔と今を1本ずつ」と注文するカップル。まず出てきた「昔」は、塩コショウで味をつけた、屋台時代からの伝統の味つけだそうです。そして「今」というのは大根おろしが上にのって、これはおそらくポン酢醤油味なのかな。

大常連さんによると鳥佳巻き(1本250円)という焼き物もおいしいということでさっそく注文してみます。他にトマト巻きやアスパラ巻き、ササミチーズ巻きなどの巻き物(各1本250円)があるなから、この鳥佳巻きだけが店名の「鳥佳」を冠したオリジナル巻き物。なんなんでしょうねぇ。

そして出てきた鳥佳巻きは、細切りにしたたっぷりの野菜を豚バラ肉で巻いて焼いたもの。かじりつくとシャキシャキ、プリプリとした食感。この中身は白ネギ、エリンギを細切りし、秘伝の味噌で和えたものなのだそうです。なるほど、シャキシャキが白ネギ、プリプリがエリンギだったんですね。

2時間弱の滞在は3,310円。大常連さんのおかげで、今日はいろんなお話を聞かせてもらうことができました。ごちそうさま。お先に!

店を出て、上大岡駅ビルのもっとも横浜側にある入口(京急デパート入口)から入るとすぐそこにあるのが、G.Aさんの日記によく登場する日本そばの「蕎麦丸(そばまる)」(看板には「蕎麦○ soba-maru」と書かれている)です。朝7時から夜11時(ラストオーダーは夜10時半)までやっているというこのそば屋で、野菜かき揚げそば(390円)を食べて本日終了。

この「蕎麦丸」、そばのほうも鴨セイロ(490円)、桜海老かき揚げそば(490円)などが並んでいるほか、生ビール(450円)、枝豆ビールセット(700円)、串揚げビール(1,000円)もあるので、ちょいと飲むのにも使えそうですね。

070122a 070122b 070122c
「鳥佳」 / 瓶ビールと小腹セット / 子袋、つくね、シロ(タレ)

070122d 070122e 070122f
鳥ねぎ、かしら、はつ、ししとう(塩) / 燗酒 / 小イカ焼き

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おばあちゃんのお新香 / 鳥佳巻き2本 / 鳥佳巻きの中身

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「蕎麦丸」 / 食券を買って入る / 野菜かき揚げそば

店情報前回

《平成19(2007)年1月22日(月)の記録》

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» ボトルを入れて、おまかせセット … 焼き鳥「鳥佳(とりよし)」(横浜・上大岡) [居酒屋礼賛]
4月から横浜勤務となったにっきーさんと向かう、上大岡の2軒目は「鳥佳」です。横浜地区は、東京に比べるともつ焼きの人気がそれほど高くないのか、あまりもつ焼き屋は見かけません。純粋な焼き鳥屋(鶏肉や鶏もつの店)は多いのですが…。私の知っている数少ない横浜地区のもつ焼き屋の中でも、屈指のクオリティを誇るのが、ここ「鳥佳」なのです。 「鳥佳」は、店に向かって右と左の両側に入口があり、右から入るとカウンター... [続きを読む]

受信: 2007.04.28 14:17

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