高いも安いも佳肴なり … 居酒屋「第二力酒蔵(だいにちからしゅぞう)」(中野)
「来週月曜日は自宅(都内)に帰る予定なので、根岸の鍵屋で鳥もつ鍋でもどうでしょう?」
「いいですねぇ。冬が終わってしまう前に鍋と燗酒ですね」
そんな会話を、近所の酒友・にっきーさんと交わしたのは三日前の金曜日のこと。ところが今日になってみると、全国各地で春二番の暴風雨が吹き荒れるものすごい天候です。残念ながら、こんな中を遠くまで出かけると帰れないかもしれないなぁ。
そんなわけで、横浜から東京に向かう電車の中で、にっきーさんと携帯メールでやり取りしつつ決定した本日のお店は、中野駅北口から歩いてすぐのところにある魚介類がおいしい居酒屋「第二力酒蔵」です。
月曜・午後8時の店内は、こんな天候にもかかわらず大勢のお客さんたちでにぎわっていて、空席は少ししかない状態。そんな中、先に到着したにっきーさんがテーブル席をひとつ確保してくれていて、さっそく瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶620円)をもらって乾杯です。
お通しの春菊のおひたしをつつきながら、ゆっくりとメニューを確認します。
太田和彦さんが「高いものは高く、安いものは安くとメリハリのきいた店」と評するここ「第二力酒蔵」。たしかにそのとおりで、東京の居酒屋の華、マグロは大トロは時価で、中トロなら2,950円! 中落ちが1,400円、そして普通のマグロ刺身が1,100円で、マグロぶつ切りは800円。同じマグロでもこれだけ差がありますからねぇ! えーと、マグロぶつ切りをお願いします。(笑)
他の刺身も、たとえばフグ刺しは2,650円、真鯛刺身は2,300円、シマアジ刺身やスズキ刺身は1,900円、アジ刺身又はたたき1,300円と高いのが並んでいるかと思うと、タコわさ550円、ゲソわさ450円なんてお手ごろ価格の刺身のもあったりする。貝も房州産床ぶし塩蒸1,600円、赤貝刺身1,100円、青柳刺身800円、ほっき貝刺身1,100円、帆立貝刺身1,300円、小柱わさ950円とそろっています。マグロだけでは寂しいので小柱わさもいただきましょう。
マグロぶつ切りと小柱わさは、木桶にたっぷりの氷(クラッシュアイス)を引いた上に、紅白美しく盛り付けられて出てきます。うーん。ビジュアル的にもすばらしい。
こうなると燗酒ですね。ここの燗酒は京都は伏見の「キンシ正宗」か越後の「昔ばなし」。どちらも大徳利なら820円、小徳利は350円です。「キンシ正宗」を大徳利でもらうと、「第二力酒蔵」と銘が入った、背の高い大徳利で出されます。
さぁ、そしてこの店で忘れてはならない料理が豆腐煮(450円)もしくはあら煮(650円)です。遅い時間帯に来ると売りきれてることが多い人気の品。「豆腐煮、あら煮はありますか?」と確認してみると、どちらもあるという。これはラッキーですねぇ。今日はふたりいるので、ぜいたくに(笑)両方たのんじゃいましょう。
豆腐煮というのは、あら煮の鍋の中でいっしょに煮込まれた豆腐だけをいただくもの。よーく煮込まれて茶色に染まった豆腐が4切れに、トッピングで刻みネギ。煮汁をたっぷりと張ってくれてるのがうれしいですねぇ。
あら煮は日によって内容が異なるのですが、今日は鱒(マス)のあらかな。氷頭(ひず)の部分の軟骨もいいですねぇ。あら煮のほうにも豆腐も一切れ添えられているのですが、この豆腐は、豆腐煮の豆腐の二切れ分の大きさなんですね。両方一度に注文してみて、はじめてそれがわかりました。
この店の常連のおじさんたちは、ゲソわさ(450円)と豆腐煮(450円)をつつきながら、お酒の小さいの(350円)を2本ほど飲んで、2千円ほどでさっくりと帰っていくのでした。いつもはこういう飲みかたをしながら、月に1~2度ぜいたくなものを注文したりするのかもしれませんね。ぜいたくな品書もたっぷりとそろっている「第二力酒蔵」ですから。でも高いものはもちろんですが、豆腐煮などの安いものもうまいのがうれしいですよねぇ!
やぁ、おいしかった。それじゃ次に向かいますか。約2時間の滞在は二人で5,980円(ひとりあたり2,990円)でした。どうもごちそうさま。
ビール / お通しの春菊のおひたし / マグロぶつ切りと小柱わさ
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