春節の中華街を抜けて … バー「ザ・ダフタウン(THE DUFFTOWN)」(横浜・石川町)
中華街は春節(=中国のお正月、今年は2月18日(日)が旧暦元旦)関連イベントのまっ最中。どんな様子なのかと石川町の駅を降りてみると、木曜、午後10時前の中華街はすでに人影まばらで、まったくお祭りらしくはない雰囲気です。そうだった。中華街の夜は早いんでした。何軒か開いているお店の様子を眺めながら中華街を突き抜けると、そこは元町(もとまち)。ちょっと喉も乾いたので、近くのバー「ダフタウン」で喉を潤して帰りますか。
「ダフタウン」は石川町駅・元町口のすぐ近く、川沿いのビルの2階にあります。
「こんばんは」と入った店内には、先客は女性客ひとりだけ。その女性から2席くらい間をあけたカウンター席に座ると、ひとりで切り盛りしているマスターが「いらっしゃいませ」と笑顔を向けてくれます。
ここ「ダフタウン」はいわゆるモルト・バーで、店内はウイスキーがいっぱい。そもそも「ダフタウン」という名前が、スコッチの産地、スペイ川流域にある町の名前なのだそうです。
まずは喉の渇きをいやすためにハイボールを注文すると、
「ハイボールはモルトで作りますか?」とマスター。
「いや。ブレンデッドでお願いします」
モルトはこのあとのお楽しみです。
女性ひとり客はこの店の常連さんの様子。
「明日は北海道に出張なのよ」
と言いながら、飲んでいた生ビールをおかわりです。
店内は入口の前に横に長く伸びる直線カウンター。左手奥がテーブル席になっていて、壁いっぱいの大きな窓の向こうに川と夜景が広がります。なにしろ2階なので、それほど広がった風景ではないのですが、夜景が見えるのは気持ちいいですよね。
ハイボールで喉を潤した後は、タリスカー(Talisker)をストレートでいただきます。この店のストレート・モルトは蓋付きのチューリップグラスで供されます。鼻の近くまでグラスを持ってきておいて、ふっと蓋を取るとズドーンと入ってくる燻蒸香。さすがは「液体になった雷(かみなり)」と言われるほどのタリスカー。強力ですねぇ!
スコッチは、その産地でまるで違うのがおもしろいところ。日本酒の各地の地酒の違いが微妙なのと比べると、まさに「明らかに」と言っていいほど味わいが異なるのです。
スコットランドの東側、スペイ川周辺のお酒が高貴なお嬢様タイプだとすれば、このタリスカーなどの産地である西側のスコッチはチャキチャキのおてんば娘風。最初はそのスパイシーな刺激にビックリしますが、じっくりと飲んでみると芯はしっかりとしたおいしいウイスキーなのです。
2杯目のモルトは大好きなアードベッグ(Ardbeg)をいただきましょう。
これもタリスカーと同じくスコットランド西側の島で造られたウイスキー。タリスカーがスカイ島(Skye)産なのに対し、アードベッグはそれよりも南にあるアイラ島(Islay)産。強力なピート(泥炭)の香りが特徴的なこの島のウイスキーは「ヨードチンキのような」と称されることもあるほど独特の味わい、薫りなのです。
ハイボール1杯とモルト2杯をいただいて今宵は2,950円。にこやかにマスターとおしゃべりしながら生ビールのジョッキを重ねる女性客に「お先に!」とあいさつし、石川町駅から電車に乗り込みます。
ここでやめておけば健康的なんだけど、なにしろ「武蔵屋」の定番5品しか食べていないので、ちょっと食べ足りない。ついつい洋光台駅近くのラーメン屋、「千客萬來」に入り、ラーメン(500円)です。
化学調味料を使わないラーメンが増えている中、この店のラーメンはしっかりと化学調味料が効いているように思います。学生時代によく食べていた、博多の屋台ラーメンにもたっぷりと化学調味料が使われていたものでした。そのラーメンに慣れ親しんでいたからか、個人的にはしっかりと化学調味料の味がするラーメンが好きだったりするんですよねぇ。満足、満足。
「ダウタウン」 / ハイボール / バックバーに並ぶウイスキー
タリスカー10年 / アードベッグ10年 / 「千客萬來」のラーメン
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