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上喜元240円! カブぬか漬50円! … 立ち飲み「成田屋酒店(なりたやさけてん)」(横浜・上大岡)

近所の酒友・にっきーさんが転勤で、なんと横浜勤務となりました。転勤早々はなにかとバタバタするだろうと、お誘いするのは遠慮していたところ「今日、ポッカリと空き時間ができました」という連絡。おぉ、それはそれは。さっそく歓迎会をしましょう!

すでにお仕事が終わっていたにっきーさんが近くまで来てくれるということで、京急本線の上大岡(かみおおおか)駅で待ち合わせることにして、急いで仕事を終えます。

こちらから「上大岡に向かい中」と連絡したときには、すでににっきーさんは上大岡駅に到着済み。「『じぃえんとるまん』の近くで待ってます」という返事を受けてカミオ(駅前ショッピングビル)の裏手に回ると、そこに立っているにっきーさん発見。

「『じぃえんとるまん』もいいですけど、この店も渋そうですねぇ」とにっきーさんが指差す方向を見ると、そこは酒屋の立ち飲みゾーン。大きな酒場の(カミオ側から見て)左手の一角に店をズドーンと縦に貫く立ち飲みカウンターがあって、ポツリ、またポツリとお客さんが立ち飲んでいる。屋号がないなぁ、と思いながら店に近づいていくと、角のショーウインドウのところに「成田屋酒店」と書かれた小さい木札が置かれています。なんと! ここが「成田屋酒店」でしたか。G.Aさんの「陸ボケ日記」にときどき登場していて気になっていたのです。さっそく入りましょうよ!

平日(火曜日)午後7時半の立ち飲みカウンターは、先客が10名程度。しかしなにしろカウンターが長いので、その人数でもポツリポツリと感じるほどです。我われもその一角に立つと、どこから見ていたのか女将さんと思しき女性がやってきて注文を受けてくれます。

にっきーさんはアサヒスタウトの小瓶、私はアサヒ熟撰の小瓶を注文すると、ポンッと栓が抜かれたビールとともにグラスが出され、それと引き換えに支払い(キャッシュ・オン・デリバリー)です。ここのビールは大瓶350円、中瓶300円、小瓶220円という、ほぼ市販と同じ価格ですが、スタウトも熟撰もちょっと高い価格設定のビールで、熟撰は240円でした。

最初に熟撰をグラスに分けあって乾杯し、今日1杯目となるビールをゆっくりと飲(や)りながら、店内を観察します。

酒屋さんとして営業している部分と、こちら側、立ち飲み部分はおつまみの缶詰や乾き物がずらりと並んだ棚や、先ほどビールを出してもらった大型冷蔵庫などが並ぶことによって仕切られていて、こちら側はすっかり普通の立ち飲み屋さんといった風情です。

お客さんたちは、それぞれひとり客で間隔を空けて立っていることもあってか、みなさん無言でストイックに飲んでいる。ときどき「焼酎、半分ね」なんて注文をする声だけが店内に響きます。そうそう。こちらの酒屋の角打ちでは、「半分」という注文をよく聞きます。

つまみのほうは棚に並んでいる缶詰や乾き物が主体のようでのりピー60円、柿ピー50円、うにせん30円、チーズかまぼこ50円といった張り紙が見えます。缶詰はサンマ缶の130円くらいからはじまって、やきとり缶が160円、サバみそ煮缶は180円、コンビーフが240円と言ったところ。カウンターの上にもゆで卵やラッキョなどが置かれていて、それぞれ50円ほど。

そんな中からにっきーさんがニンニク醤油漬(50円)を注文すると、小皿にきっちりと5粒のニンニクを入れて、爪楊枝を刺して出してくれます。となりのおじさんが注文したタクアン(10円)は、1センチ角くらいの拍子木に切ったものを1切れ爪楊枝に突き刺して「はいどうぞ」と差し出されます。ニンニク醤油漬やラッキョも1粒あたり10円という計算で、1皿5粒が50円なんでしょうね。

そのタクアンのおじさんはキューッと冷酒を2杯ほどやっつけて、スッと帰っていきます。そう。かなり頻繁にお客さんはやってくるんだけど、みんなサクッと飲んだらスッと帰っていく。平均滞在時間は15~20分ほどではないでしょうか。粋ですねぇ!

さてスタウトも分けあって飲み終えた我われは、どちらからともなく「もうちょっと飲んでいきましょうか」という話になります。入るときには「小瓶のビールでも1本ずつ飲んで、次に行きましょうか」なんて話してたのに、いざ飲みはじめてしまうと、まだまだこの店の風情に浸りたい気分。いや、まったく粋じゃないなぁ。(爆)

女将さんに「燗酒は?」と聞くと「もうやっていない」という返事。「もう」ということは、もっと寒い時期にはやってたんでしょうか。壁のメニューを見ると日本酒はそれぞれ200mlで上撰240円、普通220円、合成180円(ちなみに焼酎も180円)と書かれている。「上撰(じょうせん)をお願いします」と注文すると、ちょっと黄色く感じるお酒をグラスにたっぷりと注いでくれます。

クイッとひと口含み、ゴクンと飲み込むとこれがまたおいしい。「銘柄はなんなんですか?」とたずねてみると「上撰は日によって違うんですよ。今日はなんだったかな」と先ほどの一升瓶を取り出す女将さん。「今日はこれ」と見せてくれたのは「上喜元(じょうきげん)」。なんとまぁ、この値段で地酒を出してるんですね。

「上喜元」のお供に漬物を注文すると「今日はカブのぬか漬です」と小皿にきれいに盛りつけたカブを出してくれます。このカブのぬか漬がなんと50円。うーむ。やるなぁ。今がちょうどカブの季節なのか、女将さんは手が空くとカウンターの奥のほうで、たくさんのカブをザクザクと4分割していきます。これが明日の漬物になるのかな。カブのぬか漬はけっこうな人気で、あちこちから注文が入っています。

スッととなりに入ってきたジャンバー姿のおじさんは、小瓶のビール(220円)と焼酎半分(100円)、トマトジュースにつまみ2品ほどを一気に注文して、支払いは500円ほど。トマトジュースは焼酎を割るのかと思いきや、ビールを半分くらいついだグラスの中に! しょえーっ。レッドアイですね! にっきーさんと二言三言、言葉を交わしているうちに、もう「ごちそうさん」の声。見ればもう焼酎もつまみもすっかりなくなっている。はやっ。店に入ってから5分とたってないんじゃないかなぁ。

そうこうしているうちに、お客さんが次々に帰りはじめます。そして新たに入ってこようとするお客さんに、女将さんが「8時半までです。ごめんなさい」と声をかけている。なるほど、閉店時刻になったからみんな帰りはじめたんですね。それじゃ、我われもボチボチと次に向かいますか。どうもごちそうさま。

各自それぞれの支払いで、私の分は530円でした。安っ!

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アサヒ熟撰 / 店内の様子 / にんにく醤油漬

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アサヒ・スタウト / 「上喜元」とカブぬか漬 / にっきーさん注文のコマイ

店情報

《平成19(2007)年4月10日(火)の記録》

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